投資家でもないかぎり、家の売買は人生で何度もおこなうものではありません。売り出し価格を決める査定についても、「何からすればよいかわからない」という人は多いでしょう。
査定は売却活動をはじめる大事な第一歩ですが、事前に押さえておきたい注意点がいくつもあります。知識不足のまま進めると、安く買い叩かれたり、いつまでも売れ残ったりする恐れがあるのです。
査定をする意味や価格を決める要素、なるべく高く売るためのコツなどを把握し、家の売却を成功させましょう。
とくに重要なのは「不動産会社の選別」で、査定で優良な不動産会社を見つけられるかどうかが売却の結果に影響します。
一括査定を使えば複数の不動産会社を比較可能で、誰でも手軽に優良な不動産会社を見つけられるので、ぜひ活用してみましょう。
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- 「査定額通りで売れるとは限らない」「査定は比較が大切」など、家の査定には多くの注意点がある。
- 査定には種類があり、木t系や状況に応じて適切なやり方は異なる。
- 家の売却を成功させるには、優良な不動産会社を選別することが重要。
目次
- 家の査定で失敗しないための注意点22選
- 1.査定額が必ず売却価格になるとは限らない
- 2.仲介と買取で査定額の意味が異なる
- 3.不動産会社によって査定額は大きく変わる
- 4.正確な査定には1週間ほどかかる
- 5.好条件で売却するには「査定の比較」が大切
- 6.査定額が高すぎる不動産会社は避ける
- 7.自分でも相場を調べておく
- 8.査定の根拠は必ず確認する
- 9.担当者と相性がよくないときは我慢しない
- 10.売却期限や売値の希望はしっかり伝える
- 11.不動産会社の実績や免許の有無などを調べておく
- 12.不動産会社とトラブルになる恐れがある
- 13.査定を依頼できるのは「家の名義人」やその親族などに限られる
- 14.必要書類を揃えておく
- 15.住宅ローン残債を確認しておく
- 16.不具合箇所をまとめておく
- 17.家の瑕疵は隠さず正直に伝える
- 18.売却にかかる経費を確認しておく
- 19.独断で解体やリフォームをしない
- 20.査定前に掃除しておく
- 21.隣地との境界を確認しておく
- 22.売却意思がないなら査定は使わない
- 家の査定で見られるポイント
- 家査定の種類とそれぞれのメリット・デメリット
- まとめ
- 家の査定についてよくある質問
家の査定で失敗しないための注意点22選
家の査定は、不動産会社へ依頼すれば無料でおこなってもらえます。査定結果に納得すれば、そのまま売却を依頼するのが基本的な流れです。
「不動産会社に依頼すればあとはお任せ」と考える人もいますが、売却に関する最終的な決定権は売主にあります。高値でスムーズな売却を実現するためには、基礎的な知識は必須です。
次の項目から、必ず押さえておきたい注意点を22個にまとめて、それぞれ詳しく解説します。これらの注意点を把握してから査定を依頼すれば、家の売却で失敗することはなくなるでしょう。
1.査定額が必ず売却価格になるとは限らない
査定においてよく勘違いされるのが、査定額がそのまま売却価格になるというものです。実際は査定額通りに家が売れるとは限らず、変動するケースは珍しくありません。
査定はあくまで「これくらいなら売れるであろう価格」を提示するものであり、最終的な売却価格は売主と買主の同意によって決まります。交渉次第で高くも安くもなりえるのです。
ただし、査定額に意味がないわけではなく、売り出すときの価格設定や、売主・買主の価格交渉で基準になるといった役割があります。
また、営業力が高く、物件の魅力を細部まで理解できる不動産会社であれば、「売れるであろう価格」も高くなります。優良な不動産会社を判断する材料としても、査定額は重要です。
2.仲介と買取で査定額の意味が異なる
「査定額通りに家が売れるとは限らない」と解説しましたが、依頼する不動産会社の種類によっては査定額がそのまま売却価格になる場合もあります。
売買を取り扱う不動産会社は「仲介業者」と「買取業者」にわけられ、買取業者の場合は査定額でそのまま売却できるのです。
仲介業者 | 売主と媒介契約を結び、売買をサポートして成約させることで手数料を得る業者。 |
---|---|
買取業者 | 自社で物件を直接買い取り、再生・再販することで利益を得る業者。 |
買取業者は自社が買主となるため、査定は「うちならこの価格で買い取ります」という意思表示です。業者が売買相手になるのでトラブルがなく、現金一括払いなので早ければ数日で現金化できます。
ただし、買取業者の査定は再生・再販のコストや利益が考慮されるため、仲介業者に依頼するより2~5割安くなる場合があります。
なるべく高く売りたいなら仲介業者、スピーディーに売却したい場合は買取業者と、目的に応じて使い分けるようにしましょう。
3.不動産会社によって査定額は大きく変わる
仲介業者も買取業者も、依頼する会社によって査定額は大きく変わります。場合によっては、数百万円の差が出ることも少なくありません。
仲介業者はそれぞれ得意な地域や物件タイプがあり、査定の判断も異なります。大手であれば良いというわけでもなく、地元密着型の小さい会社のほうが高く売れるというケースもありえるのです。
買取業者の場合は、仲介業者と同じく得意分野があること以外に、「自社の利益をどれだけ上乗せするか」も影響します。顧客の利益を優先する優良業者であれば、高く買い取ってもらえます。
仲介・買取のいずれにせよ業者側の事情で価格が変動する恐れがあるため、1社のみの査定で判断するのは危険といえます。
4.正確な査定には1週間ほどかかる
査定を依頼するとき、結果がでるまでどれくらいの時間がかかるか気になる人も多いでしょう。
査定には「机上査定」と「訪問査定」の2つがあり、それぞれ必要な時間が変わります。
机上査定は必要な情報が少ない分、早く結果がでます。依頼してから1~2日程度で査定額が提示されるでしょう。
一方、訪問査定は見るべきポイントが多くなるため、1週間ほどの時間がかかります。
正確な査定をおこなうためには訪問査定が欠かせないため、価格がわかるまで1週間ほどの時間が必要だと覚えておきましょう。
5.好条件で売却するには「査定の比較」が大切
安く買い叩かれるような不動産会社にあたらないためには、複数社に査定を依頼し、価格やその他の条件を比較することが大切です。
複数の査定を見比べれば平均的な価格相場がわかり、そのなかでとくに条件の良い不動産会社を簡単に見つけられます。
ただし、あまりに多くの不動産会社へ依頼すると各社と連絡を取るのが大変になります。そのため、まず5~6社に机上査定を依頼し、その結果から2~3社に絞って訪問査定を依頼するとよいでしょう。
なお、査定を比較するときは一括査定を利用するのが効率的です。簡単な情報を入力するだけで、おおむね6社程度の不動産会社へまとめて査定を申し込めます。
とくに、下記リンクから利用できる「イエウール」の一括査定は全国2,000社の優良業者と提携しており、選択肢の多さや対応地域の広さからおすすめです。
6.査定額が高すぎる不動産会社は避ける
仲介業者の査定で、査定額が他社と比べて異様に高い業者には注意が必要です。
査定額の高さは優良業者を見分ける判断材料になりますが、相場より高すぎる価格を提示する業者は、悪質業者の可能性があります。
こうした業者は、査定で高額を提示することで売主を誘い、媒介契約を結んだあとに「やっぱり売れないので値下げしましょう」といってくる場合があるのです。
高額な査定に騙されないためには、一括査定で各社の査定額を比較し、平均的な価格相場を把握することが大切です。
他社の価格帯から突出した高額査定を提示する不動産会社は、依頼しないほうがよいでしょう。
7.自分でも相場を調べておく
一括査定のほかに、自分でもおおまかな相場を調べておくことで、悪質業者に騙されるリスクを下げられます。
具体的な方法として、まずは近隣の売り出し中物件を不動産ポータルサイトなどで調べましょう。同じ地域で条件の近い物件を探し、いくらで売り出しているのかチェックします。
なお、売り出し価格は値下げ交渉も考えて高めに設定している場合も多いため、最終的な売却価格は10~20%ほど下がると考えましょう。
ほかには、過去の取引情報を調べるという方法もあります。条件の近い物件が実際にいくらで売買されたか調べれば、より具体的に相場を把握できます。
過去の取引情報は、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」や不動産流通機構の「REINS Market Information」で見ることが可能です。
ただし、不動産の売却価格はわずかな条件の違いで大きく変動します。個人で正確に不動産の価値を算出するのは難しいので、自分で調べた相場はあくまで参考程度に留めておきましょう。
8.査定の根拠は必ず確認する
適当な査定をされないためには、不動産会社に査定の根拠を聞いておくのもよいでしょう。
誠実な業者であれば、専門知識がない売主に対してもわかりやすく、丁寧に根拠を説明してくれます。
反対に、根拠が不明瞭であったり、こちらの質問に対してぞんざいな態度を取るような場合は、不動産会社としての質も低いといえます。
担当者の能力や人柄を見るためにも、査定の根拠はしっかり確認しておきましょう。
9.担当者と相性がよくないときは我慢しない
相性の合わない担当者がつくと、どれだけ能力が高くても気持ちよく売却活動を進められません。家が売れても、細かい部分で不満を溜めてしまうことになります。
言葉遣いや態度などがあまりにも悪い場合は、会社へ連絡して担当者を変えてもらうか、依頼する不動産会社自体を変更することも検討しましょう。
反対に、自分自身もお客様意識で高圧的な態度になっていないかも気をつける必要があります。売主の印象が悪いと、担当者としても売却活動のモチベーションが下がってしまいます。
不動産会社やその担当者は「家を売るためのパートナー」と考え、良好な関係を築くことが大切です。
10.売却期限や売値の希望はしっかり伝える
査定を受けるにあたって、自分の希望は担当者へはっきり伝えたほうが、納得のいく売却がしやすくなります。
専門家である不動産会社に意見するのは気がひけるかもしれませんが、希望を明確に伝えたほうが担当者としても動きやすく、売却の方針を固めやすくなります。
先にも解説した通り、不動産会社は家を売るためのパートナーです。理想の売却を実現するため、積極的に意見や主張をおこないましょう。
11.不動産会社の実績や免許の有無などを調べておく
信頼できる不動産会社を選ぶ際は、その業者がどのような実績をもっているか調べるのも効果的です。
開業から長く営業しているなら豊富ばノウハウを蓄積していると考えられますし、実際の成約件数を載せていれば自社のキャリアに自信がある業者と判断できます。
また、不動産に関する免許・資格を持っていれば、安心して相談できます。とくに、下記の2つは仲介業者にとって必須となる免許なので、ホームページなどで有無を確認しておきましょう。
免許・資格 | 概要 |
---|---|
宅地建物取引業免許 | ・不動産業(宅地建物取引業)を営むのに必須となる免許 ・事務所を置く都道府県が1つなら都道府県知事、2つ以上なら国土交通大臣が管轄 |
宅地建物取引士(宅建士) | ・不動産の仲介にあたり、売買契約の重要事項説明ができるようになる資格 ・不動産業者は事業所の従事者5人に対し1人の割合で宅建士を置く義務がある |
12.不動産会社とトラブルになる恐れがある
査定を通して不動産会社とトラブルになることもあるため、事前にどのようなトラブルがあるか把握しておきましょう。
代表的なトラブルとしては、先述した見せかけの高額査定にだまされるケースや、しつこい営業電話がかかってくるケースがあります。
このような悪質業者に引っかからないためには、複数の業者に査定を依頼して比較することや、信用できない業者に対して毅然とした態度を取ることが大切です。
また、実際にトラブルが起きてしまった場合は、弁護士や消費生活センターなど専門の相談先を頼りましょう。
査定によるトラブルについては関連記事でも解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。

13.査定を依頼できるのは「家の名義人」やその親族などに限られる
家族や知人など、家を所有している名義人以外が査定をしたいという状況もあります。しかし、誰でも自由に査定を申し込めるわけではありません。
依頼先にもよりますが、査定を申し込めるのは次のような人に限られます。
- 名義人本人(共有名義人も含む)
- 名義人の家族・親類
- 名義人の委任を受けた代理人
名義人との関係性がない人は査定を申し込めないので注意しましょう。
なお、物件に居住しているかどうかは関係ないため、空家状態や、他人に貸し出している状態でも査定は可能です。
14.必要書類を揃えておく
査定を依頼する前に、売却で必要となる書類を集めておくと話がスムーズに進みます。
家の査定・売却に必要な書類としては、次の6点があげられます。
免許・資格 | 概要 | 取得場所 |
---|---|---|
登記事項証明書(登記簿謄本) | 隣地との境界を示す書類 | 法務局 (窓口のほか、郵送やオンライン取得も可能) |
公図 | 地番や接道状況がわかる書類 | |
境界確認書 | 土地の形状や広さがわかる書類 | |
登記権利証または登記識別情報 | 不動産の権利者であることを証明する書類 | 家を購入したときに法務局から発行 (紛失した場合は代替措置による手続きが必要) |
身分証明書 | 免許証やパスポートなど | 各書類の発行場所 |
印鑑証明書 | 印鑑登録の証明するを書類 | 役所 |
とくに、登記事項証明書に記載された情報は査定額算定にも使われるため重要です。
ただし、これらの書類が手元になくても、査定の申し込み自体は可能です。必要な書類があれば、不動産会社のほうから都度教えてくれるでしょう。
15.住宅ローン残債を確認しておく
家を売る際、住宅ローンの残債がいくらあるのか、正確に把握しておきましょう。
残債のある家を売る場合、売却に合わせて一括返済しなければいけません。売却代金で完済できるなら問題ありませんが、足りない場合は預貯金などから持ち出す必要があります。
住宅ローンの残る家の売却については、関連記事の解説も参考にしてください。

16.不具合箇所をまとめておく
家になんらかの不具合があれば、査定前にまとめておくことで不動産会社への相談がスムーズになります。
雨漏りやシロアリ被害といったものから、蛇口の出が悪い、湿気がひどいなど、気になる箇所があれば全て伝えましょう。
不具合を伝えることで、売却前に必要な検査や修繕を不動産会社から提案できます。家を売るために必要な部分にしぼり、無駄なく直すことが可能です。
17.家の瑕疵は隠さず正直に伝える
物理的な不具合だけでなく、買主の意思決定に関わる瑕疵(欠点や欠陥)はすべて伝える必要があります。
不動産の売主には「契約不適合責任」というものがあり、引き渡した物件が契約内容と適合しない場合、責任を追及されます。
つまり、瑕疵を隠していたり、知らずに売ってしまったりすると、損害賠償や契約解除などを請求されるかもしれないのです。
瑕疵によって売却価格が下がってしまう場合もありますが、トラブルを起こさないためにも、すべて正直に不動産会社へ伝えておきましょう。
契約不適合責任の内容や、瑕疵の種類および価格への影響については、下記の関連記事を参考にしてください。


18.売却にかかる経費を確認しておく
家の売却には様々な経費がかかるため、売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。おおまかな目安として、売却益の1割程度は経費がかかります。
売却益をほかの資金に使うつもりであれば、具体的にどれくらいのコストがかかるか把握しておきましょう。
代表的な経費としては、下記のものがあげられます。
仲介手数料 | 仲介業者に依頼したときの手数料 ※「物件価格×3%+6万円」が上限 |
---|---|
印紙税 | 売買契約書に貼り付ける印紙代 |
譲渡所得税 | 売却益に応じて納める税金 |
登記費用 | 登録免許税や司法書士報酬 |
その他 | 引っ越し費用、測量費、解体費など |
実際の金額は物件によって異なるため、不動産会社や税理士に相談してみましょう。
19.独断で解体やリフォームをしない
建物の損傷が激しい場合、解体やリフォームをして売り出すこともあります。更地にすれば活用しやすくなり、リフォームをすれば物件を流行に合わせられるので、どちらも売りやすくする効果が期待できます。
しかし、解体もリフォームも数十万~数百万円の費用がかかるうえ、実行したからといって必ず売れるようになるとは限りません。
そのため、解体やリフォームは独断でおこなわず、まず不動産会社と相談することが大切です。査定時に解体やリフォームの費用対効果を聞いてみて、メリットとデメリットをしっかり検討してみましょう。
20.査定前に掃除しておく
査定前は、物件の掃除を積極的におこないましょう。掃除だけで査定額が大きく変わるわけではありませんが、担当者に良い印象をもってもらうことが重要です。
担当者としては、印象の良い売主のほうが仕事をスムーズに進められますし、購入希望者にも紹介しやすくなります。結果的に、良い条件で売りやすくなるのです。
玄関や水回りは汚れやすいため重点的に掃除し、消臭剤を使うなどして臭いケアもしておきましょう。居住中の家を売るなら、家具や小物などを整理整頓しておくことも大切です。
21.隣地との境界を確認しておく
古い家だと、隣地との境界があいまいになっているケースがあります。境界があいまいだと、どこからどこまでが自分の土地なのかわからず売却できません。
境界は地積測量図や公図を見ることで確認可能で、これらの書類は法務局で取得可能です。しかし、書類の作成年代が古いと、測量技術の低さからデータが正確ではない場合があります。
また、書類上のデータが正確でも、当事者の勘違いから実際の使用状況が異なっているケースも少なくありません。
書類や実際の使用状況を見ても境界がはっきりしない場合、土地家屋調査士に依頼して「筆界確定測量」をおこなう必要があります。隣地者にも立ち会ってもらい、測量で境界を確認し直すという作業です。
境界トラブルや筆界確定測量については関連記事で解説しているので、詳しくはこちらを参考にしてください。

22.売却意思がないなら査定は使わない
不動産会社の査定は無料で利用できることから、売却意思のない人が申し込むケースもあります。しかし、不動産会社の査定はあくまで売却を検討している人向けのものです。
売却意思が一切ないのに申し込むのは、不動産会社にとっても迷惑なので辞めましょう。仮に売却意思がないとわかれば、不動産会社もまともに相手をしなくなります。
とりあえず価格を知りたいだけなら「匿名査定」、相続などで価格を知りたいときは有料の「不動産鑑定」があるので、目的に応じて使い分けることが大切です。
家の査定で見られるポイント
査定を依頼するにあたって、どのようなポイントが見られるのか気になる人もいるでしょう。
査定で重要となるポイントを知っておけば、事前の準備で査定額を上げられるかもしれませんし、ある程度の価格予想ができるので心の準備が可能です。
具体的なチェックポイントは、次の関連記事で詳しく解説しています。

細かいポイントは数多くありますが、ここでは代表的な項目として次の5つを見ていきましょう。
- 築年数
- 立地や交通アクセス
- 日当たりや風通し
- 土地や床の面積
- 家の構造
築年数
家の査定において、築年数はもっとも重要な要素です。同じ面積、同じグレードの建物なら、築浅のほうが高値で売却できます。
築年数が古いと建物が傷んで修繕の必要があることから、価格が下がってしまいます。また、日本の不動産市場では新築信仰が根強く、中古住宅市場も拡大しているものの、流通の主流はいまだに新築です。
下記は国土交通省が作成した「築年数によるの住宅の価格低下率」を示すグラフですが、築年数の経過とともに価格が下がっていることがわかります。
なるべく高く売りたいのであれば、1年でも早く売却することがもっとも確実な方法です。
立地や交通アクセス
立地や交通アクセスも、家の価格を左右する重要なポイントです。「駅近の家ほど高くなる」というイメージは、だれでももっているでしょう。
駅から近いという点以外には、周辺施設の充実度も大切です。公園や図書館、病院や商業施設など、日々の暮らしを豊かにする施設が揃っていれば、査定額は高くなります。
また、「車を多く使う地域であれば駐車場のある家が売れやすい」というように、地域の特性にマッチした家であるかも価格に影響をおよぼします。
日当たりや風通し
日当たりや風通しのよさは、快適な生活のために重要なポイントです。同じ築年数・立地でも、日当たりや風通しの具合で査定額が変わる場合があります。
日当たりについては、方角が南向きであったり、近くの高い建物に日光を遮られない家であれば、高評価につながります。
風通しは、窓の数や大きさ、空気の流れを意識した間取りなどが評価するときのポイントです。
時間や季節によって変化することもあるので、暮らしてはじめてわかるメリットについては、訪問査定のときにアピールしてみましょう。
広さや間取り
土地・建物の面積や、室内の間取りも査定額に大きな影響をおよぼします。
土地は単純に「1坪いくら」で評価することが多いので、広いほど査定額は高くなります。ただし、広すぎるとかえって需要が下がり、価格が下がることもあるでしょう。
建物の面積や間取りは使いやすさが重視され、部屋数や収納スペース、家事動線などが見られます。
家族構成やライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる家であれば、査定額は高くなるでしょう。
家の構造
家の構造は、建物の頑丈さや性能を測る上で重要です。一戸建ての構造は次のような造りがあり、一般的に下へいくほど高くなります。
- 木造
- 鉄骨造
- 鉄骨鉄筋コンクリート造
- 鉄筋コンクリート造
上記の基本的な造り以外にも、耐震等級や防火構造の有無などで価格が変わります。
また、入手困難な高級建材を使っている家なら、それだけで高額の査定額になる場合もあるでしょう。
家査定の種類とそれぞれのメリット・デメリット
家の査定方法は次の4種類にわけられ、メリット・デメリットにも違いがあります。
- 不動産会社の「無料査定」
- オンラインの「無料一括査定」
- 個人情報が不要な「匿名査定」
- 不動産鑑定士が有料でおこなう「不動産鑑定」
価格を知りたい理由によって利用すべき方法は異なるので、それぞれどんな特徴があるのか把握しておきましょう。
次の項目から、各方法の詳しい内容を解説します。
不動産会社の「無料査定」
売買を取り扱う不動産会社であれば、基本的に無料査定を受け付けています。直接問い合わせれば、査定を申し込むことが可能です。
直接問い合わせる場合、不動産会社を事前にある程度調査しておきましょう。どんな物件を取り扱っているかや、対応エリア、免許の有無などを調べ、信頼できそうかチェックします。
全国規模の大手業者に相談すれば安心感はありますが、必ずしも中小規模の業者より優れているとは限りません。不動産売買は地域性が強いので、地元密着型企業のほうが高く売れる場合もあります。
なお、査定を申し込んだからといって契約を強制されることはありません。査定額に納得できなければキャンセルできるので、気軽に申し込んでみましょう。
メリット:査定から売却依頼までスムーズ
不動産会社に直接問い合わせる査定は、売却依頼までスムーズに進められるというメリットがあります。
依頼した不動産会社と1対1でやり取りをするので、他社から営業をかけられることなく、落ち着いて話を進められます。
周囲に売却を知られることもないので、ぎりぎりまで秘密にしておきたいという人も相談しやすいでしょう。
デメリット:1社だけだと適正価格か判断がむずかしい
査定を直接申し込むデメリットは、1社だけだと査定額が適正か判断するのがむずかしいことです。
先にも解説した通り、不動産会社によって査定額は変わります。査定額の低い不動産会社へ相談した場合、数百万円単位で損してしまうかもしれません。
また、はじめて家を売る場合、査定をするのが1社だけだと、担当者の態度や対応の速さなど「不動産会社の良し悪し」を判断するのが困難です。
1社だけの査定で判断するのはリスクが高く、高値かつスムーズに売却するためには複数社の比較が必須といえるでしょう。
オンラインの「無料一括査定」
オンラインの無料一括査定は、手軽に不動産会社を比較できるサービスです。簡単な情報を入力すれば、提携している不動産会社へまとめて査定を依頼できます。
優良な一括査定サイトであれば、提携する不動産会社はしっかりとチェックし、利用者からクレームの多い悪質業者は排除しているので、安心して査定を申し込めます。
提携会社数が多く、対応地域の広い一括査定なら、通常だと売却がむずかしい地方・郊外の物件も売れる可能性が高くなります。
例えば、下記のリンクから利用できる「イエウール」は2,000社以上と提携しており、全国どこでも査定依頼が可能なのでおすすめです。
メリット:簡単に査定を比較できる
一括査定のメリットは、手軽に価格相場の把握と優良業者の選別ができる点です。
不動産会社に直接問い合わせる方法だと、1社ずつ申し込む必要があるので手間がかかります。しかし、一括査定であれば1回の入力でまとめて依頼が可能です。
最初の入力も60秒程度の簡単な項目だけなので、思い立ったときにすぐ申し込めます。
「価格相場の把握」と「優良業者の選別」という不動産売却でもっとも重要なステップを、むずかしい作業をせずに済ませられるのが魅力です。
デメリット:不動産会社の営業が煩わしい場合もある
一括査定のデメリットは、一度に問い合わせる不動産会社が多い分、営業が煩わしくなるケースもあることです。
複数の業者へ同時に依頼するので、その返事も同じタイミングで届きます。とくに、査定申し込みの直後は、内容の確認や対応を面倒に思う人もいるでしょう。
煩わしい営業を止めるには、売却を依頼しない業者に対してその旨をはっきり伝えることが大切です。
また、強引に契約を勧めてきたり、何度もしつこく連絡を入れてきたりする業者は、一括査定サイトの運営者にクレームを入れるとよいでしょう。
提携を解除されると業者側も困るので、一括査定サイトの運営者から注意してもらったほうがしつこい営業を止められる可能性があります。
個人情報が不要な「匿名査定」
個人情報を公開せず、物件情報だけで価格を調べられるのが匿名査定サービスです。
AI技術の進歩によって生まれた新しいサービスで、名前や連絡先を誰にも知られないまま査定することができます。
査定結果から売却へ移行することもできますが、希望しなければ査定まで利用を終わらせられるため、価格を調べる目的のみに使うことも可能です。
匿名査定については関連記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。

メリット:不動産会社の営業がない
匿名査定のメリットは、連絡先を公開しないため不動産会社からの営業が一切ない点です。
メールも電話もないので、査定額を調べたあとはじっくり1人で考えたいという人も気軽に利用できます。インターネット上で個人情報を入力することに抵抗がある人も、安心して査定することが可能です。
また、AIとビッグデータを活用している匿名査定サービスなら、その場ですぐに査定額を提示してもらえます。
気軽に価格を調べられるという点でいえば、匿名査定以上のサービスはないといえるでしょう。
デメリット:査定額の精度は低い
匿名査定のデメリットは、査定額の精度がまだまだ低いという点です。
不動産は個々の管理状態や市場動向、権利関係や売却の期限など、いくつもの要素が複雑に絡み合って決まります。
価格の精度においては、専門家が直接査定をおこなうよりもはるかに低いのが実情です。実際に売却してみると、匿名査定の価格と大幅にずれてしまう恐れがあります。
今後の技術進歩で向上するかもしれませんが、現時点では匿名査定のみで売却するのが非現実的といえるでしょう。
不動産鑑定士が有料でおこなう「不動産鑑定」
不動産鑑定は、土地や建物の価値を正確に評価するためのサービスです。不動産鑑定士のみがおこなえる独占業務であり、高度な知識と厳正なルールにもとづいて評価します。
公共事業や法人間の不動産売買などでも鑑定がおこなわれ、公平性という意味ではもっとも正確な不動産の評価といえるでしょう。
個人では、親族間売買などで不動産会社を間に挟まないときに使われるほか、遺産分割や財産分与、税金の申告時などに利用されます。
メリット:特殊な物件でも適正価格を算出できる
通常、一般的な物件の売買で不動産鑑定をおこなう必要はほとんどありません。不動産会社の無料査定でも、売却価格の目安としては十分な精度があるからです。
しかし、森林・農地のような広大な土地や、ゴルフ場・ホテルなどの特殊な物件を取引する場合、不動産鑑定を依頼します。
取引事例が少なく、不動産会社では正確な査定ができないとき、不動産鑑定による公平な評価が用いられるのです。
デメリット:20万円以上の費用がかかる
不動産鑑定のデメリットは、20万円以上という高額の費用がかかる点です。家の広さなどによっては、さらに多くの費用がかかります。
さらに、一般的な家の売買では、不動産鑑定をしたからといって高く売れるわけではありません。不動産売買は自由取引なので、不動産鑑定をしていてもその通りの価格にする義務はないからです。
不動産鑑定の費用については関連記事でも解説しているので、よろしければそちらも参考にしてください。

まとめ
家の査定は、不動産会社に依頼すればそれで終わりというわけではありません。むしろ、売主がいかに工夫し、積極的に動くかで売却結果が決まります。
家の売却を成功させるには、優良な不動産会社を選別し、自分の希望をしっかりと伝えたうえで一緒にプランを立てることが重要です。
担当者と良好な関係を築き、協力して売却活動にあたれば、高額かつスピーディーな売却も実現できます。査定で家の価値を測るとともに、信頼できる不動産会社を見極めましょう。
家の査定についてよくある質問
はい、無料で受けられます。不動産会社がおこなう査定であれば、基本的にお金はかかりません。ただし、あくまで売却を検討している人向けなので、売る予定が一切ない場合は匿名査定や不動産鑑定などを利用しましょう。
交通アクセスや近隣環境、建物再建築価格など様々な要素がチェックされます。市場の傾向も見られるため、売り出す時期によっても価格が変動するかもしれません。
いいえ、査定額で売れるとは限りません。査定はあくまで予想価格であり、最終的な売却価格は買主との交渉で決まります。
なるべく複数の査定を受けたほうがよいでしょう。各査定を比較することで、価格相場の把握や優良業者の選別ができます。
一括査定サイトを利用して、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼しましょう。例えば「イエウール」という一括査定サイトでは、簡単な情報の入力のみで最大6社に査定を申し込めます。→【オンラインで価格がすぐわかる!】イエウールの一括査定はこちら
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