家の査定はどこを見る?不動産屋が見ている重要ポイントを解説

不動産の査定は、基本的に無料で受けることが可能です。売買を取り扱っている不動産会社なら、大抵は無料査定を受け付けているでしょう。
しかし、査定にあたってどこを見られているのか、売主側からはわかりにくいものです。「本当に正確な査定をしてくれているのか?」と、不安に思う人もいるでしょう。
この記事では、家の査定で具体的にどのようなポイントが重要となるのか、一戸建てとマンションに分けて解説します。査定を受けるにあたって、適切な査定額を提示されているか判断するための参考にしてみましょう。
なお、より正確に「家がいくらで売れるか」を知るためには、複数の不動産会社を比較することも大切です。
一括査定を使えば、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できるので、効率的に各社の比較が可能です。優良業者を見つけて納得のいく売却ができるよう、ぜひ活用してみましょう。
この記事のポイント
- 査定の基本は「図面や物件概要ではわからない部分」を見ることがポイント。
- 立地や築年数、周辺環境など、様々な部分を総合的に見て査定がおこなわれる。
- 正確な査定を受けるには、複数の不動産会社に査定してもらうことが大切。
目次
査定のポイントは「図面や物件概要ではわからない部分」を見ること
家の査定時に見るところは、主に「図面や物件概要ではわからない部分」になります。
例えば、家の査定をするうえで、その物件の所在地や駅距離、間取りなどは物件概要で確認できます。また、その所在地に行かなくてもストリートビューなどを用いてWEB上にておおよその周辺環境は確認できます。
一方で、眺望や日当たり、周辺建物との距離感、内装や設備の劣化状況などは、実際に見てみないとわからない部分です。また、周辺環境についても、実際に歩いてみないとわからない部分もたくさんあります。
さらに、不動産会社が査定時のポイントにしているのが、立地と築年数です。立地は駅に近いなどの好立地であること、また築年数は浅ければ高評価となるのが一般的です。
このように、予め机上にて立地や築年数などから物件の評価を決めておき、あとは実査定にて図面や物件概要など机上ではわからない部分を確認するのが、家の査定となります。なお、机上でのみ行う査定を「机上査定」、実際に建物などを見て行う査定を「実査定」と言います。
「机上査定」 | ・実際の建物を見ずに、机上にて査定を出す ・過去の売却事例と比較して査定額を算出する「売却事例比較法」を用いるケースが多い ・一括査定サイトで用いられる |
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「実査定」 | ・実際の建物を見て査定額を決定する ・不動産会社と媒介契約を結ぶときには必要となる |
家の査定ではどこを見られる?査定額決定のポイント
家の査定は、販売価格を決める大事な段階となります。少しでも高く売却したいのであれば、不動産会社が査定する金額は大変気になるところです。
よって、不動産会社が査定時に見るポイントについては、査定を受ける前に予め知っておきたいと思う人は多いでしょう。ここでは、一戸建てとマンションのケースに分けて紹介していきます。
一戸建ての場合の査定ポイント
まずは、一戸建ての場合の査定ポイントです。以下に、机上や実査定で見る代表的な6つのポイントを紹介します。
- ①立地・土地の形状
- ②築年数
- ③隣接道路との接道状況
- ④隣地との離隔など周辺環境
- ⑤建物の構造や状態
- ⑥間取り、広さ
①立地・土地の形状
一つ目は立地です。不動産の査定額は、立地の善し悪しが大きく影響します。
仮に、都心部に直通する鉄道路線の駅まで10分圏内の立地であれば、その所在地は一般的に好立地であると言えます。また、一戸建てであれば成城や国立など人気の高い高級住宅地、若しくは碁盤の目のように整備された住宅地で近隣に商業施設が充実していれば、不動産としての需要が高く、高値での売却も可能となります。
さらに、土地の形状も大事な査定ポイントです。土地は、一般的に整形地が好まれます。家などの建物やカーポートなどの工作物は、四角形が多くなります。よって、歪な土地若しくは間口が狭い狭小地よりも、間口が広く取れる整形地のほうが、建物やその他の工作物の設計や設置がしやすくなります。
仮に、土地の形が歪であると、土地に合わせて歪な形の建物となることで設計費や建築費が高くなる傾向があること、土地を有効的に使うことが難しくなります。
したがって、土地は整形地のほうが建物設置などに都合が良いことなど、総じて使いやすいため土地自体の評価は高くなる傾向があります。つまり、同じ立地・広さの土地であっても整形地と変形地では、土地の評価は大きく変わってきます。
一戸建ての評価は、「建物価格+土地価格」であるため、土地の形状は査定価格に影響があります。
②築年数
二つ目は、築年数です。中古不動産売買では、築年数も査定額に大きく影響します。
特に、木造一戸建ての場合には、法定耐用年数が22年となっていることや、日本国内においては概ね築10年以内の物件を好む傾向があることから、築年の経過年数により査定額は大きく変わります。なお、建物価格は築年数が10年超で新築時の50%減、築20年超となると90%減となるのが一般的です。
また、木造住宅は築20年を超えると外装や内装に劣化が生じやすく、購入して居住するには大規模なリフォームが必要なケースが多くなります。よって、築年数が経過した物件は買主に敬遠されることがあり、不動産需要的には下がる傾向です。
つまり、築年数により不動産需要に大きく影響があるため、査定額を決める際にはポイントとなります。
③隣接道路との接道状況
三つ目は、隣接道路との接道状況です。
一戸建ての価値は、隣接道路との接道状況が大きな査定ポイントになります。最も良い条件は、南面道路に接道し間口が充分確保できている土地です。さらに、西側や東側も道路に面している角地であれば、隣地との距離や日当たり・通風が確保でき最高のロケーションとなります。
一戸建ては、隣接道路への接道距離が長いことで、敷地内への入りやすさもあり一般的に人気となります。一方で、間口が狭く土地が隣接道路から通路を通り奥まった土地であるときもあります。
このような土地は、一般的に「旗竿地」と言いますが、周りを建物に囲まれていることや敷地内に入りづらい、緊急時などに避難がしにくい状況であるため、角地など間口が広い土地に比べると人気は低くなる傾向があります。よって、人気が低いことに比例して土地自体の評価も低くなる傾向があります。
したがって、隣接道路との接道状況は、査定額を決める際にはポイントとなります。
④隣地との離隔など周辺環境
四つ目は、隣地との離隔など周辺環境です。
一戸建ては住宅街にあることが多くなるため、隣地の建物が近い距離であることはよくあります。特に、人口が多い都市部や市街地の場合には、隣の建物が窓から手の届く距離にあることは、決して珍しくありません。よって、隣地の建物との離隔や建物同士の囲まれ感など、総じて周辺環境も査定額を決める大事なポイントとなります。
また、周辺環境としては、隣地や周辺に嫌悪施設がないかも重要です。例えば、幹線道路や鉄道の線路が近い、送電線の鉄塔の真下、お墓がすぐ隣にある、など、平穏な日常生活を阻害しそうな要素がある場合となります。
つまり、日常生活を送るにあたり少しでも懸念されるような要素が近隣にあるか否かで、査定額は変わってきます。
⑤建物の構造や状態
五つ目は、建物の構造や状態です。
一戸建ての構造は、主に木造とRC(鉄筋コンクリート)となります。一般的に、木造よりもRCのほうが耐久性は高く、法定耐用年数(木造22年、RC47年)にも違いがあります。よって、同じ立地・築年数・規模感の一戸建てでも、建物の構造の違いで査定額は変わり、一般的にはRCのほうが査定額は高くなります。
さらに、建物の状態も重要となります。建物の状態は、主に「すぐに住める」「リフォーム行えば住める」「状態が悪く住むのが難しい」に分けられます。仮に、「すぐに住める状態」であれば、リフォームなど入居のために手間を掛ける必要がなく、人気があるので査定額は良くなります。
一方で、「リフォームを行えば住める状態」の場合、入居前にリフォーム工事にて内装や設備の交換、外装の補修などを行う必要があります。つまり、入居のために工事業者の手配に手間が掛かることや多額の費用負担、工事完了まで入居を待つ期間が必要とあるなど、総じて面倒が生じます。したがって、査定額はすぐに住める状態の一戸建てより低くなる傾向です。
最後に、「状態が悪く住むのが難しい家」は、購入後に解体し新たな家を新築します。よって、査定額に建物代が含まれることはなく、土地代のみの査定額となるのが一般的です。
⑥間取り、広さ
六つ目は、間取りや広さです。
一戸建ては、一般的に3~4人家族のファミリー世帯に多くの需要があります。よって、立地にもよりますが間取りは4LDK、広さは90㎡~100㎡前後が好まれます。子供がいる世帯であれば、子供部屋の確保できる間取りとしては、4LDKがスタンダードです。
一戸建ての間取りや広さの需要は地域差も多少ありますが、先述でお伝えした広さと間取りであれば、査定評価が良くなる傾向があります。
マンションの場合の査定ポイント
続いて、マンションの場合の査定ポイントです。以下に、6つ紹介していきます。
- ①立地
- ②築年数
- ③向きや日当たり、バルコニーからの眺望
- ④間取りや広さ、角部屋か否か
- ⑤住戸内の設備や内装などの状態
- ⑥建物自体の管理状況
①立地
一つ目は、立地です。マンションの場合は一戸建てに比べると立地重視で選ばれることは多く、利便性の高いエリアに住む代わりに広さを妥協するなど、一戸建てに比べると立地に対する評価の比重は大変高くなります。よって、立地が良ければ高値売却の追及や、築年数が経過していても相場以上で売れるケースもあります。
なお、立地は徒歩5分以内が最も人気が高く、概ね10分以内であれば高評価となります。また、どこの駅に近いかでも変わってきます。例えば、都心部に直通する駅の徒歩圏であることや、人気の街の駅(吉祥寺、自由が丘など)であれば、駅としての人気が非常に高く査定は高評価となります。
反対に、都心部に直結しない路線や支線沿線の駅などになると、利便性や人気が低く査定が低評価となることもあります。
②築年数
二つ目は、築年数です。築年数は、一戸建て同様に査定額に大きく影響します。
マンションの場合は、概ね築10年以内の物件に人気があります。反対に、築20年を超えると設備機器の劣化や内装の劣化、さらにデザイン自体も多少古めかしい印象が出てきます。また、水回り設備の劣化が激しく、居住するにはリノベーションが必要なケースもあります。よって、築年数によりマンション自体の評価は大きく変わります。
③向きや日当たり、バルコニーからの眺望
三つ目は、向きや日当たり、バルコニーからの眺望になります。
向きは南向きが最も高評価です。理由は、日当たりが最も良いからになります。次いで東向きと西向き、北向きは最も不人気です。なお、都心部などでは北向きの住戸は珍しくなく、特にコンパクト型の住戸においては北向きでも問題なく売却できます。
さらに、眺望を重要です。マンションの場合は眺望重視で検討する人も多く、眺望の良さは高評価に繋がります。また、富士山や東京タワー、浜離宮庭園や皇居などが見えるなどであれば、さらに上乗せして高評価となります。
④間取りや広さ、角部屋か否か
四つ目は、間取りや広さです。間取りは需要が多い間取りであるかになります。例えば、1LDKであれば40㎡前後、2LDKであれば50㎡~60㎡前後、3LDKであれば70㎡前後が一般的に需要がある間取りや広さです。
よって、需要がある間取りであれば高評価が期待できますが、反対に1LDKで60㎡、2LDKで40㎡など需要に合わない広さや間取りであると、低評価となるおそれがあります。
また、マンションの場合角部屋か否かも重要な査定ポイントです。一般的に角部屋は、人気があります。その理由は、開口部が多いこと、共用廊下側で他の入居者が部屋の前を通ることがないこと、などメリットが多くあるからです。
⑤住戸内の設備や内装などの状態
五つ目は、住戸内の設備や内装などの劣化状況です。
住戸内の設備は、故障もなく問題なく使えるかを確認します。また、内装等は劣化などがなく綺麗な状態であるかになります。仮に、設備機器の故障がある場合、内装が劣化しクロスなどに剥がれや壁にヒビ割れなどがある場合には、入居後に是正工事が必要となるため買主に検討自体を敬遠される可能性があることから、査定額に影響があります。
⑥建物自体の管理状況
最後は、建物自体の管理状況です。エントランス、ゴミ置き場、駐輪場、メールボックスコーナーなどが綺麗な状態で管理されているかになります。仮に、このような共用部の管理が適正に行われていない場合には、査定額に影響があるおそれがあります。
家の査定に影響すること4つ
ここまで、不動産会社が査定時に見る主なポイントについて紹介してきました。しかし、家の査定はその他の要素でも大きく左右されることがあります。その影響を与える要素とはいったいなんでしょうか?以下に、4つ紹介していきます。
- ①立地周辺の不動産需要
- ②経済状況や社会情勢
- ③都市計画や周辺の街並み、利便性の高さ
- ④不動産繁忙期か否か
①立地周辺の不動産需要
一つ目は、立地周辺の不動産需要です。
立地周辺に不動産を探している人が、多いほど査定額は上がる可能性があるということになります。つまり、中古不動産は需要があれば価格は高め、需要がなければ価格が下がるということです。なお、不動産需要は立地周辺の状況で大きく変わるときがあります。
例えば、近隣に新駅が開業した場合です。新駅が開業すると、その地域の利便性が格段に上がります。従来は最寄り駅までバスで20分程掛かっていた立地が、新駅効果により徒歩10分になれば、利便性は全く違うものになります。
首都圏では、JRの駅などで今後新駅が開業するケースや新駅設置の予定があります。よって、立地周辺の不動産需要は、査定額に影響を与える要素になります。
②経済状況や社会情勢
二つ目は、経済状況や社会情勢です。
不動産は数千万円単位の買い物になるため、経済状況により市場の動きは大きく左右されます。仮に、景気が良ければ不動産は手を出しやすいものとなり高値でも売却できる可能性は高まります。一方で、株価の下落や失業率の増加など景気が鈍化した場合には、不動産需要は大きく落ちこむため、査定額は下がることがあります。
また、昨今ではコロナ渦により一時期不動産需要に大きく落ち込みがありましたが、現在では外国資本の流入、新築住宅が高くなったことにより、中古価格も上がっています。現在では、新築住宅が高すぎて購入できない人が中古住宅に流れているため、社会情勢的には4.5年前より大幅に高値で売れるケースは珍しくありません。
③都市計画や周辺の街並み、利便性の高さ
三つ目は、都市計画や周辺の街並み、利便性の高さです。
例えば、近隣で再開発が行われ街並みが大きく変わった、区画整理により碁盤の目のように綺麗な住宅街になった、など周辺の街並みが変わることで、新しい住民が流入しやすくなります。また、鉄道の高架化により周辺の移動などで利便性が高まり、総じて住みやすい街になることがあります。
このように、誰もが住みたい綺麗な街、利便性の高い街であることは、査定額に大きな影響を与えることがあります。
④不動産繁忙期か否か
最後は、不動産繁忙期か否かです。
不動産需要が高い時期に販売すれば高値売却を追求でき、反対に閑散期であれば相場並みの売却を追求します。よって、売り出しする時期により査定額に影響を及ぼすことがあります。
家の査定でより正確な査定を受けるコツ4つ
家の査定でより正確な査定を受けるには、コツがあります。以下に、4つのコツを紹介していきます。
- ①査定は複数社に依頼する
- ②建物や内装・設備の不具合は予め伝えておく
- ③査定は売れる目安と考えておく
- ④担当者に査定の根拠などについてヒアリングしておく
①査定は複数社に依頼する
まずは、査定は複数社に依頼することです。できれば、3社以上査定を受けると、売却出来そうな金額帯を自分なりに掴むことができます。なお、複数社に査定を依頼するには、以下2つの方法があります。
- A.一括査定サイトで査定する
- B.不動産会社で査定する
A.一括査定サイトで査定する
一括査定サイトとは、査定したい住所やマンション名、間取りや広さなどを入力することで、複数社から査定を受けられるサイトになります。一括査定サイト利用のメリットは、下記になります。
- 一度の入力で気軽に複数社から査定を受けられる
- 複数社から査定を受けられることで相場観を掴みやすい
- 実際に売却依頼できる不動産会社がわかる
B.不動産会社で査定する
不動産会社で査定するとは、街にある不動産会社に1件ずつ問合せし査定依頼をすることです。どこの不動産会社に依頼して良いかわからない場合には、予め一括査定サイトを利用するのが良いでしょう。また、不動産会社に査定依頼するのであれば、実査定がおすすめです。
②建物や内装・設備の不具合は予め伝えておく
二つ目は、家具や内装・設備の不具合は予め伝えておくことです。
これらは、査定額に影響が出るおそれがあります。しかし、予め担当者に不具合箇所を伝えておくことで、売買を安心して進められます。担当者は内見者への案内時、若しくは売買契約前に不具合箇所を伝えることができます。
現在は契約不適合責任により、引き渡し後も2年間、買主は売主に対し、買い受けた物件に主に不具合があった場合に4つの権利(修補、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除)が認められています。よって、売買前には「建物状況報告書」にて建物や内装・設備の状態を詳細に伝えること、若しくは不具合が著しい場合には予め是正工事を行ったほうが良いでしょう。
住宅診断を受けておくとより具体的に伝えられる
建物の外装の劣化、内装や設備の不具合は、素人ではなかなか見つけることはできません。とくに、屋根裏や床下、壁の中など普段の生活では目にしないような部分は、不具合が発生していたとしても、素人で気づくことはまず不可能です。そこで、家を売買する前におすすめとなるのが住宅診断(インスペクション)となります。
住宅診断とは、1級建築士など建物に詳しい専門家が実際に家の外装や内装などを調査することになります。専門家に指摘されることにより、具体的な不具合箇所や是正工事を行った方が良い箇所などがわかります。これにより、買主に安心して建物の引き渡しを行えます。
中古不動産売買に於いて住宅診断は任意となりますが、契約不適合責任が2018年に施行されて以降、利用する人は毎年右肩上がりに増えています。
③査定は売れる目安と考えておく
三つ目は、査定額は売れる目安と考えておくことです。
一般的に査定にて算出される金額は、周辺の売却事例を元に概ね3か月程度で売却できる金額となります。よって、査定額は売れる目安であり、いくらで売れるかは実際に売却してみないとわかりません。
また、売却したい期間によっても査定額や売り出し価格は異なります。つまり、査定を受ける前には、売却期間には余裕があるのかそれとも急いでいるのかなど、担当者に伝えることでより正確な査定を受けられます。
④担当者に査定の根拠などについてヒアリングしておく
最後は、査定の担当者に査定の根拠などについてヒアリングをしておくことです。
査定は、ただ金額の提示を受けるだけでなく、その査定額の根拠となったものについて知ることが重要となります。査定は、主に過去の売却事例を元に行われますが、査定時に比較した物件との優劣の評価、現在の周辺市場的な査定物件の立ち位置、実際に購入を検討している人がいるなど、何かしらの要因を掴んでおきましょう。
これにより、次回以降査定を受けたときの金額提示などについて、疑問に思う点や不明点が生まれ、その査定についてより深堀して理解できます。
家の査定額アップのためにできる工夫
せっかく家を売るなら、少しでも高値で売りたいと思う人は多いでしょう。ここでは、家の査定額アップのためにできる工夫について解説します。
- ①家のなかは綺麗な状態にしておく
- ②購入当時の資料は全て揃えておく
- ③アピールポイントをまとめておく
- ④他の不動産会社でも査定を受けている旨を伝える
①家のなかは綺麗な状態にしておく
一つ目は、家のなかは綺麗な状態にしておくことです。
査定額をアップさせるには、実査定時の査定担当者への印象が大事になります。仮に、家の中のクロスの剥がれや落書き、整理整頓ができていない状態であると心象は悪くなります。また、空き住戸の状態であったとしても、住戸内やバルコニー、庭などの綺麗さは査定に少なからず影響することがあります。
よって、家の中は綺麗な状態にしておき、実査定を受けるようにしましょう。
②購入当時の資料は全て揃えておく
二つ目は、購入当時の資料は全て揃えておくことです。
購入当時の資料が全てあることで、不動産会社は物件を紹介しやすくなります。パンフレットや図面集があることで、物件の詳細を知ることができ、より査定もしやすくなることから査定額アップを狙えることもあります。
③アピールポイントをまとめておく
三つ目は、物件のアピールポイントをまとめておくことです。
例えば、富士山が見える、1年前に水回りをリフォームした、年一回の有名な花火大会が見える、目の前の道路が有名なイベントのコースになっている、管理が良い、住民の人柄がよいなど、実査定ではわからない部分で、物件のアピールポイントがあればまとめておきます。
どのポイントに付加価値が付くかは、不動産会社の査定次第になりますが、総じて人が住みたいと思えるような要素であれば十分査定アップは狙えます。
④他の不動産会社でも査定を受けている旨を伝える
最後は、他の不動産会社でも査定を受けている旨を伝えてみることになります。査定額は売り出し価格のベースになる金額であるため、市場的な流通性を鑑みてなるべく高くしたいところです。他の不動産会社でも査定を受けている旨を伝えれば、案件をどうしても取りたい不動産会社は査定額アップを行うことがあります。
また、成約時に支払う仲介手数料の値引きを引き出せる可能性もあります。よって、他の不動産会社でも査定を受けている旨をしっかりと伝えておきましょう。
家の査定に関しての疑問点4つ
家の査定時には、多くの疑問を抱く人も多いのではないでしょうか?ここでは、家の査定に関する疑問点について紹介し、その回答を解説していきます。
- ①査定にて算出された金額は、どのような数字として捉えればよいのか?
- ②売り出し金額は査定額で出せば問題ないのか?
- ③査定に掛かる時間はどのくらい?
- ④査定金額は、査定を受ける時期によって変わるのか?
①査定にて算出された金額は、どのような数字として捉えればよいのか?
査定額は、あくまで売却できそうな見込み額と捉えます。実際にいくらで売れるかは、売却活動してみないとわかりません。高値チャレンジして決まることもあれば、数か月にわかり売却が進まないこともあります。
一組の買主に巡り合うためには、より多くの反響と内見者を呼び込むことで、早期成約の可能性を高めるしかないでしょう。このときに、売却活動するも反響や内見者数が少なければ、不動産会社に提案や意見することも必要となってきます。
②売り出し金額は査定額で出せば問題ないのか?
売り出し価格は、査定額で出せば周辺の相場並みとなるため、問題はありません。なお、売却するスピード感により売り出し価格は変わってきます。
売却期間に余裕があり高値売却を追及するなら、査定額よりも高めで出すことや、売却を急ぐなら査定額よりも下げて売却することも可能となります。つまり、査定額をベースに売却のスピード感を決めていくことで、売り出し価格は柔軟に変更できます
③査定に掛かる時間はどのくらい?
査定に掛かる時間は、机上査定で1日程度、実査定で1日~2日程度となります。実査定を受け査定額に納得できれば、即媒介契約は結べます。よって、査定から早ければ1週間程度で売却活動は可能です。
④査定金額は、査定を受ける時期によって変わるのか?
査定金額は、査定を受ける時期により若干変わることがあります。特に、好立地の不動産であれば、物件の引き合いも強くなり高値売却の可能性が高まります。よって、査定額は時期により変わる可能性は十分あると考えておきましょう。
まとめ
家の査定で見るべきポイントは、まずは立地となります。立地は不動産の価値を決めるベースです。
次に、一戸建てでは築年数、隣接道路との接道状況、隣地との離隔など周辺環境、建物の構造や状態、間取り・広さとなります。また、マンションでは築年数、向きや日当たり、バルコニーからの眺望、間取りや広さ、角部屋か否か、住戸内の設備や内装などの状態、建物自体の管理状況です。
これら要素を総合し査定額を決定していきます。なお、査定額をアップさせるための工夫もあるので、実践してみてはいかがでしょうか。
「家の査定 どこを見る」に関してよくある質問
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家の査定ではどこを見ているのでしょうか?
家の査定では、主に物件概要や図面集ではわからない部分になります。なお、家の査定には机上査定と実査定があります。家の査定方法は、予め立地と築年数等にて机上査定額を決めておき、実査定で建物自体を確認し査定額を決定する形になります。
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一戸建ての査定で見る具体的なポイントとは何か?
一戸建ての査定で見るポイントは、主に下記になります。
・立地・土地の形状
・築年数
・隣接道路との接道状況
・隣地との離隔など周辺環境
・建物の構造や状態
・間取り、広さ
一戸建ての場合は、主に立地をベースに土地の形状や築年数が査定額に大きく影響してきます。例え同じような立地であったとしても土地の形状によって査定額は変わります。また、築年数でも査定額は変わり、概ね築10年以内が高評価となります。 -
マンションの査定で見る具体的なポイントとは何か?
マンションの査定で見るポイントは、主に下記になります。
・立地
・築年数
・向きや日当たり、バルコニーからの眺望
・間取りや広さ、角部屋か否か
・住戸内の設備や内装などの状態
・建物自体の管理状況
マンションの場合は、一戸建てよりも立地重視となる傾向が強く、立地次第では築年数に関係なく高値売却できることもあります。さらに、眺望等も良ければ付加価値的に査定が良くなることもあるでしょう。 -
家の査定でより正確な査定を受けるコツとは何か?
家の査定でより正確な査定を受けるコツを、以下に紹介します。
・査定は複数社に依頼する
・建物や内装・設備の不具合は予め伝えておく
・査定は売れる目安と考えておく
・担当者に査定の根拠などについてヒアリングしておく
複数社の査定を気軽に受けるには、一括査定サイトの利用がおすすめです。 -
家の査定額を少しでもアップさせる工夫とは何か?
家の査定額をアップさせるには、以下のような工夫がおすすめです。
・家のなかは綺麗な状態にしておく
・購入当時の資料は全て揃えておく
・アピールポイントをまとめておく
・他の不動産会社でも査定を受けている旨を伝える