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【一戸建ての売却にかかる税金一覧】計算方法や節税の仕方を詳しく解説

一戸建て 売却 税金

一戸建ての売却にあたって、「税金がどれぐらいかかるのか」「そもそもどんな税金が発生するのか」と悩んでいる人も多いでしょう。

一戸建ての売却にかかる税金にはいくつかの種類があり、それぞれ複雑な仕組みになっています。節税まで考えると、専門知識のない人が正確に納税するのは困難です。

まずはこの記事で、どのような税金が発生するのかや、具体的な計算方法を把握しましょう。正しい知識が身に付けば、いつ、どのような税金を支払うのか見通しを立てられます。

また、一戸建て売却による手残り金を増やすためには、節税だけでなく「いかに高く売るか」も重要です。

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この記事のポイント!
  • 一戸建ての売却にかかる税金は4種類。
  • それぞれの税金に節税方法がある。
  • 税金の申告や納税は、専門家である税理士に頼るのがおすすめ。

一戸建ての売却でかかる税金は全部で4つ

一戸建ての売却で発生する税金は、次の4種類になります。

  • 印紙税
  • 譲渡所得税
  • 登録免許税
  • 消費税

種類が違えば、計算方法や納め方、節税の仕方も異なるので、それぞれがどのような税金なのかしっかり把握することが大切です。

1つずつ整理しながら、詳しい内容を見ていきましょう。

印紙税|契約書類にかかる税金

印紙税とは、契約書や領収書など、経済取引に伴って作成された文書に課せられる税金です。文書作成の背景にある経済的利益に、担税力があるとして課税されるものになります。

要するに、高額な取引をするなら利益があるはずなので、その利益に対して税負担を課しているということです。

一戸建ての売主という立場だと、次の書類に印紙税が課されます。

  • 売買契約書
  • 金銭消費賃借契約書(ローンの契約書)
  • 領収書(事業用物件を売却した場合)

売却以外の不動産関連だと、土地を貸し出すときの賃貸借契約書や、建物の新築・リフォーム時に作成する工事請負契約書があげられます。

印紙税の税率・計算・納税方法

印紙税の税額は、文書の種類と記載された金額によって決まります。不動産の売買契約書と金銭消費賃借契約書は同じ第1号文書に分類されますが、売買契約書は軽減税率が適用されます(2022年現在)。

第1号文書の印紙税額
記載金額 本則税率 不動産売買契約書の軽減税率
(2022年時点)
1万円未満 非課税 非課税
1万円~10万円以下 200円 200円
~50万円以下 400円 200円
~100万円以下 1,000円 500円
~500万円以下 2,000円 1,000円
~1,000万円以下 1万円 5,000円
~5,000万円以下 2万円 1万円
~1億円以下 6万円 3万円
~5億円以下 10万円 6万円
~10億円以下 20万円 16万円
~50億円以下 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円
金額の記載のないもの 200円 200円

売買契約書に書かれた売却価格が2,000万円であれば、印紙税は1万円ということになります。納付方法は、収入印紙を購入し、文書に直接貼り付けるという方法です。

「誰が負担するのか」についてですが、原則では取引の当事者双方(売買なら売主と買主)で負担するという決まりしかなく、どちらが何割負担するという法的ルールはありません。

不動産売買においては、売主用・買主用に1通ずつを作ることが多いため、それぞれ自分の控え分を負担するケースが多くなります。

ただし、法律で決められたルールではないので、契約内容や地域の商慣習によっては片方の全額負担になる場合もあるでしょう。

印紙税の節税方法

印紙税額を節税する方法としては、次の3つがあげられます。

  • 売主控えをコピーにする
  • 電子契約で取引する
  • 消費税をわけて記載する

印紙税自体が単純な仕組みであり、他の税金にあるような複雑な軽減特例がないので、節税方法もシンプルなものが多くなります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

売主控えをコピーにする

コピーした文書には課税されないため、売主用の控えをコピーで済ませてしまえば、納税義務を避けられます。

コピーであっても契約の効力に影響はなく、売主側が契約書の原本を必要とする状況も基本的にないので、コピーで済ませても問題はありません。

ただし、原本のほうが証拠力があるため、もしも原本とコピーの内容に相違があれば原本の内容が優先されます。

また、コピーの証拠力を強くしようと「原本と相違ない」といった文言を入れると、原本と同じように課税対象となるので注意しましょう。

電子契約で取引する

2022年5月より、不動産取引の電子契約が解禁され、電磁的記録(電子データ)で契約書を取り交わすことが可能になりました。具体的には、PDFファイルなどで契約書を交わすことになります。

そして、印紙税の課税対象は取引に伴って「用紙」で作成される文書なので、電子契約をおこなうことで印紙税を非課税にできるのです。

第44条 法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。

引用:国税庁「法令解釈通達第7節 作成者等」

電子契約は印紙税の節税だけでなく、契約締結のスムーズ化やペーパーレスなどさまざまなメリットがあるため、今後は広く普及していくと期待できます。

ただし、買主や不動産業者によっては電子契約に対応していない場合もあるので、すべての売買で使える節税方法とはいえないのが実情です。

消費税をわけて記載する

印紙税の課税対象事業者が使える節税方法として、本体価格と消費税をわけて記載するという方法があります。

じつは、印紙税を課すにあたって、消費税額が明らかとなる場合は、税抜き価格で課税されるのです。

例えば、一戸建ての売却価格が次のような内訳だったとします。

  • 本体価格:5,000万円
  • 消費税(10%):500万円
  • 合計:5,500万円

上記の取引で、契約書に記載する金額を「5,500万円(税込み)」とすれば、課税対象額は5,500万円、印紙税は3万円となります。

一方、「5,500万円(内消費税500万円)」というように消費税の金額が明記されていれば、課税対象額は5,000万円、印紙税は1万円となるのです。

ただし、個人がマイホームなどを売る場合、消費税自体がそもそも非課税になるので、この方法は使えません。

消費税や課税対象事業者については、後の項目で解説します。

譲渡所得税|売却で得た利益にかかる税金

譲渡所得税とは、譲渡所得(一戸建ての売却価格から売却費用などを差し引いたもの)に課せられる税金です。

一般的には譲渡所得税という名前で知られていますが、実際は「所得税・住民税・復興特別所得税」という3つの税金を総称して使われる言葉です。

譲渡所得税の内訳
所得税 国税。収入から必要経費を差し引いた所得に課せられる。
給与所得など複数の種類があり、不動産譲渡所得は他の所得とわけて計算する「分離課税」が適用される。
住民税 地方税。都道府県民税と市町村民税が合わさったもので、市区町村が徴収する。
原則として「前年の所得+一律の定額」で課税額が決まり、不動産の譲渡所得も合算して計算する。
復興特別所得税 東日本大震災からの復興に使われる特別税。所得税に上乗せされる形で課され、2037年まで徴収される予定。

課税額は、一戸建てを売却した翌年の確定申告で確定させます。申告自体は上記3つをまとめておこないますが、所得税・復興特別所得税と、住民税は別々に支払うことになります。

譲渡所得税の税率・計算・納税方法

譲渡所得税の税率は、一戸建ての所有期間によって次のように変わります。

譲渡所得税の税率
所有期間 税率
長期譲渡所得 譲渡した年の1月1日時点で5年超 所得税15.315%+住民税5%
短期譲渡所得 譲渡した年の1月1日時点で5年以下 所得税30.63%+住民税9%

※所得税の本則税率は15%。上記は復興特別所得税(所得税額の2.1%)相当分を上乗せした税率。

参照:国税庁「長期譲渡所得の税額の計算」

参照:国税庁「短期譲渡所得の税額の計算」

課税額を計算するときは、譲渡所得に上記の税率をあてはめて計算します。譲渡所得の算出方法は次の通りです。

譲渡所得の算出
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除

取得費は一戸建てを購入したときの費用(低額もしくは不明なときは売却価格5%)、譲渡費用は仲介手数料などの売却経費を指します。

特別控除は、条件を満たすことで利用できる軽減制度です。節税方法の項目で詳しく解説します。

確定申告で税額を確定させた後、所得税+特別復興所得税は申告時、住民税は確定申告した年の6月頃に送付される納税通知書に従って納税します。

なお、確定申告は毎年2月16日~3月15日と期間が決まっており、この期間に遅れてしまうと追徴課税が発生するので注意しましょう。

譲渡所得税の節税方法

譲渡所得税を節税する方法としては、次の6つがあげられます。

  • 取得費用や譲渡費用をもれなく計上する
  • 10年超所有軽減税率の特例を利用する
  • 「マイホームの3,000万円特別控除」を利用する
  • 「相続空き家の3,000万円特別控除」を利用する
  • 「低未利用土地等の100万円特別控除」を利用する
  • 「マイホームの買い換え特例」を利用する
  • 「譲渡損失の特例」を利用する

とくに、譲渡所得額を減らせる特別控除が充実しているので、条件を満たしている場合はしっかり活用しましょう。

それぞれ詳しく解説していきます。

取得費用や譲渡費用をもれなく計上する

譲渡所得税は譲渡所得の金額をもとに計算するため、いかに譲渡所得額を減らせるかが節税のポイントです。

取得費用や譲渡費用の申告に抜け漏れがあると、譲渡所得額が高くなってしまうので、細かい部分までしっかり計上していきましょう。

取得費用や譲渡費用として計上できる出費例は、次の通りです。

取得費用となるもの
  • 購入代金・建築代金※経過年数に応じて減価償却
  • 購入手数料(仲介手数料など)
  • 購入時の登記費用、不動産取得税、印紙税など
  • 賃貸物件を購入したとき、借主を立ち退かせるために支払った立退料
  • 土地の造成費用
  • 建物付きの購入後、おおむね1年以内に建物を取り壊した場合の費用
  • 購入してから実際に使用開始するまでに発生した、借入金の利子
  • 購入時、別の物件で締結していた土地の売買契約を解除した場合の違約金
譲渡費用となるもの
  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 賃貸物件を売却するとき、借主を立ち退かせるために支払った立退料
  • 土地を売るために支払った建物の解体費用とその建物の損失額
  • より有利な条件で売るため、すでに締結していた売買契約を解除した場合の違約金
  • 借地権を売るにあたって地主の承諾を得るため名義書換料など

これらの経費を計上するためには支払いを証明できる証拠が必要となるので、領収書などの書類は大切に保管しておきましょう。

なお、先祖伝来の家などで取得費がわからない場合、もしくは極少額しか計上できない場合、売却価格の5%を取得費として計上することができます。

参照:国税庁「取得費となるもの」

参照:国税庁「譲渡費用となるもの」

「10年超所有マイホームの軽減税率」を利用する

5年超の所有で税率が下がると先述しましたが、売却するのがマイホームの場合、10年超の所有でさらに税率が下がります。

10年超所有マイホームの軽減税率は、次のようになります。

10年超所有マイホームの軽減税率
譲渡所得のうち6,000万円以下の部分 所得税10.21%+住民税4%
譲渡所得のうち6,000万円超の部分 所得税15.315%+住民税5%

※表内の所得税は復興特別所得税(所得税額の2.1%)相当分を上乗せした税率。

上記のように、譲渡所得額が6,000万円までなら、合計で14.21%の税率になります。通常の長期譲渡所得だと20.315%なので、約6%の節税です。

仮に譲渡所得額が6,000万円ちょうどなら、通常の税率と比べて約360万円を節税できます。

注意点として、他の特例と併用できない場合があることは覚えておきましょう。具体的には、次に紹介する「マイホームの3,000万円特別控除」以外の特例は、併用ができません。

参照:国税庁「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

「マイホームの3,000万円特別控除」を利用する

マイホームを売るときに忘れず活用したいのが、マイホームの3,000万円特別控除です。文字通り、マイホームの売却で譲渡所得から3,000万円まで控除できます。

譲渡所得が3,000万円を超える場合は超過分のみに課税され、3,000万円以下であれば非課税となります。先に紹介した10年超所有マイホームの軽減税率とも併用が可能です。

ただし、住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までに売ることや、前年および前々年に同じ特例もしくはマイホーム譲渡損失の特例を受けていないことなど、いくつか条件があります。

また、住宅ローン控除との併用もできないので、買い替え先の新居で住宅ローンを使う場合は、どちらの制度を使うべきか検討が必要です。

参照:国税庁「マイホームを売ったときの特例」

「相続空き家の3,000万円特別控除」を利用する

自分のマイホームではなく、亡くなった被相続人が住んでいた住宅を売った場合も、3,000万円特別控除の特例があります。

特例を適用させるには、1981年5月31日以前に建築されたこと、区分所有建物登記がされた建物でないことなど、複数の条件をクリアしていなければなりません。

ただし、要介護認定等を受けて老人ホームに入所するなど、特定の理由で相続直前に空き家となっていた場合、特例の適用対象となります。

参照:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

「低未利用土地等の100万円特別控除」を利用する

低未利用土地等とは、誰にも利用されていない、もしくは利用頻度が著しく低い土地の権利のことです。土地の上にある権利(建物の所有権)なども含みます。

都市計画区域内にある一定の低未利用土地等を500万円以下で売った場合に、譲渡所得から100万円を控除できます。

売却年の1月1日時点で所有期間が5年を超えることなど、いくつかの条件はありますが、使い道のなかった家を売ったときなどに所得税を減らすことが可能です。

参照:国税庁「低未利用土地等の100万円特別控除」

「マイホームの買い換え特例」を利用する

マイホームを売って新居に住み替える際、売却したマイホームの譲渡所得税を将来に繰り延べることができます。繰り延べられた税金は、新しく買った家を売る際にまとめて清算します。

つまり、1回目の住み替えで発生した譲渡所得を繰り延べた場合、2回目の住み替え時に発生した譲渡所得と合わせた課税されるということです。

非課税になるわけではありませんが、出費が膨らみがちな住み替え前後で負担を抑えることができます。また、1回目に住み替えた後、いつまでも売却せず住み続けるのであれば、実質的に支払い義務は発生しません。

ただし、先に解説したマイホームの3,000万円特別控除や、住宅ローン控除との併用ができない点には注意が必要です。将来的に買い替える予定がある人などは、特別控除を使って納税を済ませたほうがお得でしょう。

参照:国税庁「特定のマイホームを買い換えたときの特例」

「譲渡損失の特例」を利用する

5年を超えて保有するマイホームの売却で損失がでた際、「買い替えの譲渡損失の特例」もしくは「住宅ローンが残るマイホームの譲渡損失の特例」という制度を使うことで、損益通算や繰越控除をおこなえます。

  • 損益通算:本来は分離して計算する不動産譲渡の課税を、給与など他の所得と合算する計算方法。
  • 繰越控除:損益通算で引き切れなかった部分を翌年から3年以内まで繰り越す計算方法。

例えば、給与などの年間所得が600万円という人が、マイホームの売却で1,500万円の赤字をだした場合、損益通算(600万円-1,500万円)をすることで課税対象となる所得をゼロにできます。

そして、損益通算で引き切れなかった900万円を繰越控除することで、ゼロになるか3年経過するまで、翌年以降も控除できるのです。

「買い替えの譲渡損失の特例」と「住宅ローンが残るマイホームの譲渡損失の特例」はそれぞれ別の制度ですが、損益通算や繰越控除ができるという点では共通しています。

参照:国税庁「マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

参照:国税庁「住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

登録免許税|登記申請にかかる税金

所有権や抵当権など不動産に関わる権利は、登記という制度で国に管理されています。売却に伴う権利変更には登記申請が必要であり、そのときに手数料としてかかるのが登録免許税です。

登記申請は法務局でおこない、登記官の審査を経て受理されます。登記が完了しないと、権利の変更は公に認められません。

例えば、一戸建てを売買したとして、売買契約自体は売主・買主の間で有効です。しかし、所有権を変更したと第三者に主張するためには、所有権移転登記を済ませていることが必要です。

なお、売買による所有権移転登記の支払い義務は、法律で「売主と買主が連帯して支払う」と定められていますが、具体的な負担割合は決まっていません。

登記等を受ける者は、この法律により登録免許税を納める義務がある。この場合において、当該登記等を受ける者が二人以上あるときは、これらの者は、連帯して登録免許税を納付する義務を負う。

引用:e-Govポータル「登録免許税法 第3条」

一般的には、「名義変更でメリットを受けるのは買主」という考え方から、買主の全額負担とするケースが大半です。

ただし、買主の全額負担はあくまで慣習的なものなので、契約内容によっては折半もしくは売主の全額負担になることもあります。

登録免許税の税率・計算・納税方法

一戸建ての売却に関する登録免許税の税率は、土地・建物どちらも不動産価額の2%です。ただし、土地に関しては一律で軽減措置が適用され、1.5%となっています(2022年時点)。

参照:国税庁「登録免許税の税額表」

課税標準となる「不動産価額」は、原則として「固定資産税評価額」を指します。売却価格とは異なるので注意しましょう。

納付方法は現金払いが基本であり、銀行などの窓口で納め、その領収書を法務局に提出するという形です。収入印紙を使って法務局に直接提出する方法や、電子納付ができる方法もあるので、詳しくは法務局へ問い合わせてみましょう。

なお、売却に伴って抵当権の抹消登記が必要な場合は売主負担でおこないます。登録免許税の金額は1件につき1,000円で、一戸建てなら土地と建物を別々に納めるので、合計2,000円になります。

登録免許税|の節税方法

登録免許税の節税方法は、建物部分の軽減税率の活用です。建物の種類によっていくつかの軽減税率が設けられており、2%の本則税率を0.1~0.3%まで軽減できます。

ただし、いずれの軽減税率も、前提として次の条件を満たしている必要があります。

  • 居住用の建物であること
  • 延べ床面積が50㎡以上であること
  • 売却後1年以内に登記申請すること

上記の条件をクリアしたうえで、建物の種類によって軽減税率が変わります。

軽減税率を利用する

一戸建ての売却に伴う所有権移転登記において、軽減税率を適用できる建物と、具体的な税率は次の通りです。

建物の種類 建物の要件 軽減税率
住宅用家屋の所有権移転登記 一般的な居住用建物 0.3%
特定認定長期優良住宅の所有権移転登記 劣化対策や耐震性、維持管理などの認定基準をクリアした居住用建物 0.1%
認定低炭素住宅の所有権移転登記 二酸化炭素の排出を抑えるための対策を施していると認定された居住用建物 0.1%
特定の増改築等がされた住宅用家屋の所有権移転登記 一定のリフォームなどが施された居住用建物 0.1%

参照:国税庁「登録免許税の税額表」

上記の各要件を証明するために、市町村等で発行される「住宅用家屋証明書」を添付して登記申請する必要があります。詳しい取得方法は、役所に問い合わせてみましょう。

消費税|不動産会社や司法書士などの手数料にかかる税金

消費税は身近な税金なので、知らない人はいないでしょう。物やサービスを買ったときに発生する税金で、一戸建ての売却では、不動産会社の仲介手数料や司法書士の報酬などにかかります。

負担するのは消費者ですが、納税は物やサービスの提供者がおこなうので、「間接税」に分類される税金です。

ここで考えたいのが、不動産取引も消費活動であるという点です。この点に着目すると、「一戸建ての売主に消費税の納税義務はあるのか?」という問題が浮かび上がります。

まず、売却するのがマイホームやセカンドハウスであれば、納税義務は発生しません。ただし、賃貸など収益物件を売る場合、状況によっては個人でも消費税の納税義務が発生します。

どのような状況で納税義務が発生するのか、詳しく見ていきましょう。

「不動産取引の消費税」に対して納税義務が発生する場合もある

個人の売主に納税義務が発生するのは、その売主が「課税事業者」にあてはまるケースです。具体的には、投資対象である収益物件を売るときに課せられます。

前々年の課税売上高が1,000万円を超えている場合、個人でも課税事業者となり、収益物件の売却代金に消費税がかかるようになります。ただし、土地は非課税なので、課税されるのは建物部分のみです。

課税売上高は賃料収入が主ですが、売却する物件だけでなく、不動産投資全体の売り上げが基準です。複数物件で収益を得ている人は、課税事業者になりやすいでしょう。

なお、例え課税事業者にあてはまったとしても、自分のマイホームやセカンドハウスといった事業用以外の物件を売るのであれば、課税対象にはなりません。

消費税の税率・計算・納税方法

仲介手数料や司法書士報酬など「自分が消費者として負担する消費税」は、普段の買い物と同じです。本体価格に消費税を上乗せされて、事業者のほうから請求されます。

自分が課税事業者として納税する場合、単純に「売却価格×10%」で計算するのではなく、次のように計算します。

売却時に買主から預かった消費税-(仕入れや経費にかかった消費税)

例えば、次のような一戸建てを売却するとします。

費用項目 購入時(税率5%の時代) 売却時(税率10%の時代)
建物の本体価格 2,000万円 1,500万円
建物の消費税額 ※100万円 150万円
仲介手数料などの税抜き価格 150万円 省略
仲介手数料などの消費税額 ※10万円 省略

上記のうち、※印の付いているものが「仕入れや経費にかかった消費税」です。売却時に買主から預かる消費税は150万円なので、「150万円-(100万+10万円)=40万円」が納税する税額となります。

なお、申告と納税は、売却した翌年の確定申告でおこないます。

消費税の節税方法

消費税の節税方法は、自分が消費者として負担するときの節税と、課税事業者として納付するときの節税でわけて考えましょう。

具体的な方法として、次の2つを紹介していきます。

  • 手数料が安い不動産会社や司法書士を探す(消費者として負担するときの節税)
  • 前々年の課税売上高が1,000万円以下のときに売却する(課税事業者として納付するときの節税)
手数料が安い不動産会社や司法書士を探す

自分が消費者として負担する消費税を抑えるときは、いかに本体価格の安いサービスを利用するかがポイントです。

消費税には食品などを除いて軽減税率がないので、節税したければ課税対象となる本体価格を抑えるしかありません。

不動産会社の仲介手数料や、司法書士の報酬などは、依頼する企業・事務所によってばらつきがあります。複数社を比較すれば、相場より安価で請け負ってくれるところがあるでしょう。

ただし、手数料や報酬が安いと、その分サービスの質も落ちる可能性があります。対応の良さやアドバイスの的確さなど、価格以外の部分もしっかり見ることが大切です。

前々年の課税売上高が1,000万円以下のときに売却する

先述した通り、課税事業者として納税義務が発生するのは、前々年の課税売上高が1,000万円を超えたときです。

逆にいえば、1,000万円以下であれば消費税を納める必要はなくなります。

不動産投資の拡大前や、少し収益が落ち込んだときなど、課税売上高が1,000万円以下になるよう調整してから売却に動き出せば、消費税を節税可能です。

一戸建て売却の税金計算シミュレーション

ここまで一戸建ての売却にかかる税金や、その計算方法について解説しましたが、実際の計算イメージを掴めない人もいると思います。

そこで、具体的な売却価格などを設定した「仮の売却事例」をもとに、下記の状況別にシミュレーションしてみましょう。

  • 居住中の自宅を売却した場合
  • 投資用の収益物件(貸家)を売却した場合

シミュレーションにあたっては、次の設定を前提条件とします。

  • 一般的な居住用建物+土地の売却で、保有期間は20年
  • 売却価格は2,000万円(土地:1,500万円 建物:500万円)
  • 売却経費は200万円
  • 売却時の固定資産税評価額は1,500万円(土地:1,000万円 建物:500万円)
  • 購入時の価格は4,000万円(土地:1,500万円 建物:2,500万円)
  • 購入時の経費は250万円
  • 消費税は購入時5%、売却時10%
  • 登録免許税は売主負担

居住中の自宅を売却した場合

まずは、不動産の売却価格で税額が決まる印紙税を見ていきます。売却価格が2,000万円なので、印紙税は5,000円です。

続いて登録免許税ですが土地は1.5%、建物は0.3%の税率をあてはめます。「(1,500万円×1.5%)+(500万円×0.3%)=24万円」となります。

次は譲渡所得税ですが、譲渡所得が「2,000万円-200万円=1,800万円」なので、マイホームの3,000万円特別控除を適用させると非課税です。

住宅ローン控除使用のために軽減制度を適用させない場合、長期譲渡所得の税率が適用されるため、税額は「1,800万円×20.315%=356万6,700円」となります。

消費税については、マイホーム売却のため納税義務は発生しません。以上をまとめると、売却にかかる税金は次のようになります。

印紙税 5,000円
登録免許税 24万円
譲渡所得税
※3,000万円特別控除を適用させた場合
0円
消費税 0円
合計 24万5,000円

投資用の収益物件(貸家)を売却した場合

次に、投資用の収益物件を売ったケースを見ていきます。追加の前提条件として、他の不動産投資などで課税事業者にあてはまるとして計算していきます。

印紙税・譲渡所得税は、マイホームを売るときと変わりません。印紙税は5,000円、譲渡所得税は特例適用がないので356万6,700円となります。

登録免許税は、マイホームではないので建物の軽減税率が使えません。よって、「(1,500万円×1.5%)+(500万円×2%)=32万5,000円」となります。

次に消費税ですが、税込価格から消費税額を計算するときは、「税込価格÷(1+消費税率)×消費税率」という計算式を使います。建物の税額を計算すると、次の通りです。

  • 売却時の税額:500万円÷(1+10%)×10%=45万4,545円
  • 購入時の税額:(2,500万円+250万円)÷(1+5%)×5%=130万9,523円

上記の場合、購入時の税額が売却時の税額を上回っているので、納税も不要です。住宅用賃貸物件では消費税還付が禁止されているので、上記のような差額があっても戻ってくることはありません。

以上をまとめると、売却にかかる税金は次のようになります。

印紙税 5,000円
登録免許税 32万5,000円
譲渡所得税 356万6,700円
消費税 0円
合計 389万6,700円

一戸建て売却の税金に関する注意点

ここまで解説した通り、税金の仕組みは非常に複雑です。自分で計算しようと思っても、専門的な知識がないとむずかしいでしょう。

正確に申告し、トラブルを起こさず起こさないためにも、専門家のアドバイスは大切です。

また、節税しようとあれこれ考えるのもよいのですが、売却価格を高くする方向で努力したほうが、手間をかけずに手残り金を増やせる可能性があります。

ここからは、上記2つの注意点について深掘りし、よりスムーズな売却につなげていきましょう。

申告・納付にミスがあるとペナルティが発生する

税金の申告や納付にミスがあると、不足分の請求(追徴課税)に加えて、ペナルティである附帯税が課されます。

申告・納付ミスによる附帯税の内訳は、次の通りです。

附帯税の種類 税率・計算方法
延滞税 (納税額×延滞税の税率×延滞した日数)÷365日
利子税 (納税額×利子税の税率×延長した日数)÷365日
加算税 過少申告税 経緯や追徴課税額により異なる
無申告税
不能不課税
重加算税

申告・納付ミスが発覚したら、速やかに修正をおこないましょう。税務署に指摘されてから修正するより、自分からなるべく早く修正することで、附帯税を軽くできる可能性があります。

申告手続きや節税方法は税理士に相談したほうがよい

本来、税金の申告・納付は当事者がおこなうものですが、仕組みが複雑な制度なのでミスもしやすくなります。

そのため、自分でやろうと無理せず、税の専門家である税理士に依頼したほうが、確実かつスピーディー申告・納付できるでしょう。

また、税理士であれば、個々の状況に合わせてもっともお得な節税方法をアドバイスすることが可能です。

税理士報酬として5万~30万円程度の費用はかかりますが、それ以上に大幅な節税も期待できます。

一戸建て売却は節税だけでなく「いかに高く売るか」も大切

節税する理由を突き詰めると、「手残り金をなるべく多くしたい」ということだと思います。一戸建ての売却は高額のお金が動くので、数%でも多く残したいと思うのが普通です。

しかし、節税にこだわりすぎると、かえって売り時を逃してしまう場合もあります。10年超保有の軽減税率を使うために保有を続けていても、その間に市場価格が下がってしまっては意味がありません。

また、手残り金を増やすためには、そもそも十分な価格で売れることが前提です。節税のためにあれこれ工夫するのも大切ですが、まずはなるべく高く売る工夫を考えてみましょう。

高値で売るためには「一括査定の利用」がおすすめ

一戸建てを高く売る方法として、確実かつ手間もかからないのが、一括査定サイトの利用です。

一括査定サイトを使えば、簡単な入力で複数の不動産会社をまとめて比較可能です。複数の不動産会社を比べることで相場価格を把握し、もっとも高値で売れる不動産会社を見つけられます。

とくに、下記リンクから利用できる「イエウール」は、全国2,000社以上もの不動産会社と提携しているのでおすすめです。悪徳企業の排除も徹底しているので、安心して優良業者を探すことができるでしょう。

まとめ

一戸建ての売却には、登録免許税や譲渡所得税など4種類の税金が発生し、それぞれ複雑な仕組みになっています。

税率も支払いのタイミングも違うため、ミスをしてしまわないよう注意しましょう。

確実な申告・納税をおこなうためには、専門家のアドバイスも大切です。税理士や不動産会社に相談して、スムーズかつトラブルのない一戸建て売却を実現しましょう。

一戸建ての売却と税金についてよくある質問

一戸建ての売却にかかる税金はなんですか?

「印紙税」「譲渡所得税」「登録免許税」「消費税」の4つがあります。

印紙税とはなんですか?

印紙税とは、契約書や領収書など、経済取引に伴って作成された文書に課せられる税金です。契約書などの記載金額に応じて課税額が決まります。

譲渡所得税とはなんですか?

一戸建ての売却益に対して課せられる税金です。保有期間によって税率が変わります。

登録免許税とはなんですか?

所有権移転登記など、登記申請にかかる税金です。固定資産税評価額をもとに税額が決まります。。

一戸建て売却における消費税とはなんですか?

基本的には、仲介手数料や司法書士報酬など、消費者としてサービスを利用する際の費用に課せられます。ただし、課税事業者として収益物件を売る場合、個人でも納税義務が発生し、確定申告で不動産の売却代金にかかる消費税を納めなければいけません。

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