マンションが売れないと管理費はどうなる?支払い義務について解説

マンション 売れない 管理費

マンションの管理費は、所有している限り支払い続けるのが原則です。使用状況については関係がなく、空き家でも支払わなければいけませんし、売却活動中でも例外ではありません。

管理費を滞納してしまうと、売却活動にも影響が出る可能性があるので、売却が完了するまでしっかり支払いましょう。

この記事では、マンション管理費の支払い義務と、売却への影響について解説していきます。

この記事のポイント

  • 管理費は、売り出し中かどうかに関係なく所有者が負担する。
  • 滞納したまま売ると、支払い義務は買主に引き継がれる。また、滞納を隠して売るとトラブルの元になる。
  • 管理費負担をなくすには、なるべく早く売ることが重要。そして、早く売るためには相性の良い不動産会社選びが大切。

マンションが売れない場合、管理費の支払いはどうなる?

マンションが売れない場合の管理費の支払いや、注意点などについて紹介していきます。

マンションの所有者である限り支払う必要がある

マンションが売れない場合、管理費は所有者である本人が負担し続けます。

管理費は、共有部分の点検・メンテナンス費や、管理組合の運営費などに充てられます。マンションを維持するために必要不可欠なものであり、オーナー全員で負担すべきものです。

専有部分を貸し出していようが、空き室として放置していようが、オーナーであり続ける限り支払い義務が発生します。

滞納すると次の所有者に支払い義務が引き継がれる

管理費を滞納した状態で買主に引き渡しをすると、滞納分の支払い義務が引き継がれます。

管理費の滞納は、買主にとってマイナス要素でしかなく、購入を取りやめる要因にもなり得ます。可能な限り、売却活動前に納状態は解消しておきましょう。

また、滞納している管理費の支払いが難しい場合は、トラブル防止のため売却を依頼する不動産会社に伝えておくべきです。物件を紹介するときに買主へ説明し、管理費滞納があることを認識してもらった上で売却することが大切です。

管理費滞納を黙って売るとトラブルになる

管理費滞納を黙っていると、買主に伝わらないままトラブルになる可能性があります。契約前に滞納の事実を伝えず、契約書にも一切の記載がない場合、契約不適合責任とみなされるでしょう。

契約不適合責任とは?
売買契約における売主の責任について定めたもの。引き渡した品物が契約内容に適合しない場合、買主から追完(不足分の履行)や損害賠償、契約解除などを請求される恐れがある。

売却後のトラブルを防ぐためにも、管理費滞納の事実は確実に告知する必要があります。

滞納を続けるとマンションを差し押さえられる可能性がある

管理費の滞納が続き、支払いの督促に応じない場合、マンションを差し押さえられる可能性があります。

管理費を滞納すると、まずは管理会社からの電話や訪問にて支払いの確認がされます。口座の残高不足により支払いができなかったケースもあるため、この時点での対応は、故意か否か確認やいつ支払えるかの約束程度でしょう。

しかし、滞納が1か月以上続いた場合には、書面による督促や、催告書(法的措置に移行することの通知)送付が行われます。

その後も対応を続けた場合、管理組合は裁判所に申し立て、支払い督促や民事訴訟に移ります。最終的にはマンションを差し押さえられ、強制執行による競売にかけられるかもしれません。

滞納を続けていてもメリットは何一つないので、早めに支払うか、売却で手放すことをおすすめします。

支払った管理費はマンション売却後に返ってくる?

マンションの売却に伴い、支払った管理費が戻ってくるケースはあるのでしょうか?

結論から言うと、支払い済みの管理費は、マンションを売っても払い戻しになることはありません。所有者が支払った管理費は、既に管理委託費や共用部のメンテンス費などに使われているからです。

先述した通り、居住実態があるかどうかも関係ありません。マンションの所有者であることと、管理費の支払い責任を持つことはイコールなので、どのようにマンションを使っていたか(あるいは使わず放置していたか)に関係なく支払いが必要です。

引き渡し時期に応じた日割り精算は可能

管理費の払い戻しはないと解説しましたが、引き渡しが月の途中の場合、買主から日割り計算で変換される場合はあります。

例えば、売却月分の管理費5万円をすでに支払っている状態で、物件引き渡し日が月の真ん中だった場合、2万5,000円が買主から支払われます。引き渡し後の管理は買主(新所有者)が負担すべきだからです。

管理費以外も同様で、修繕積立金や固定資産税・都市計画税も同様に日割り精算が可能です。

ただし、実際に日割り計算を行うかは、個々の契約内容によります。地域の商慣習で日割り計算をしない場合もあるため、気になる場合は不動産会社に確認してみましょう。

管理費が高いとマンションは売りにくくなる?

「管理費が高い」ことは、マンションが売れない要因になるケースもあります。管理費が高ければ、月々に負担するラニングコストが高くなるからです。

マンションを所有すると、住宅ローン以外に管理費・修繕積立金が必ず掛かり、他に使用状況により駐輪場使用料・駐車場使用料が掛かります。また、最近ではインターネットを全戸一括導入するマンションも増えており、インターネット使用料もあります。

このように、住宅ローン以外に掛かる費用は多岐にわたるため、トータル的なコストは少しでも安くしたいと思うのが買主の心情です。よって、管理費に割高感があれば、売れ行きにも影響します。

特に、築年数が古いマンションほど維持管理に費用がかかるため、管理費も高い傾向にあります。つまり、「管理費が高い上に古いマンション」というケースが多く、余計に売りにくくなります。

スムーズにマンションを売るには、部屋をリフォームしたり、リフォーム費用分の値引きに応じたりなど、他の物件とは異なる「お得感」を買主に与えることが重要です。

売れないマンションを早期に売却する方法5つ

売れないマンションを早期に売却する方法があります。以下に、5つ紹介していきます。

  • ①相場を再調査し、価格を見直す
  • ②リフォームを行う
  • ③モデルルームのように家具を配置する
  • ④不動産会社を変更する
  • ⑤不動産買取を利用する

①相場を再調査し、価格を見直す

売れないマンションを早期に売却するには、相場を再調査し価格の見直しから始めていきます。以下は、相場を調査する方法です。

  • A.自らで調査する
  • B.複数社に査定を出す

A.自らで調査する

自らで相場を調査する方法には、レインズマーケットインフォメーションや土地総合情報システムの活用があります。これらのWebsiteは、調査したい地点の過去の売買履歴を誰でも無料で閲覧できます。

これらのサイトで過去の売買金額を確認すれば、価格見直しの材料の一つにできます。ただし、レインズマーケットインフォメーションで提供されるデータは、マンション自体が特定されないように所在地や広さ、成約年数など詳細な情報は伏せられています。よって、データ抽出の際には注意が必要です。

全国指定流通機構連絡協議会「レインズマーケットインフォメーション」

国土交通省「土地総合情報システム」

他の調べ方としては、不動産ポータルサイトの利用もおすすめです。現在市場にある中古マンションがいくらで売り出されているのかわかるので、リアルタイムの情報を得られます。

自分が売却したいマンションと同じ地域を検索し、駅徒歩数や広さ、階数などが近い物件をチェックしてみましょう。

B.複数社に査定を出す

次に、複数社に査定を出す方法です。複数社の査定額から平均的な価格を算出すれば、価格相場としての精度が上がりますし、各社の中から高値で売れそうな不動産会社も見つけられます。

なお、複数社に査定を出すときには、一括査定サイトの利用がおすすめとなります。一括査定サイトでは、査定したいマンションの住所や部屋番号、広さや築年数などを指定のフォームに入力することで、不動産会社の机上査定を受けられます。

一括査定で良さそうな不動産会社があれば、そのまま訪問査定、そして売却依頼へスムーズに移行可能です。

査定してもらうだけなら無料なので、まずは気軽に申し込んでみましょう。

②リフォームを行う

売れないマンションを早期に売却するには、綺麗な状態で内見してもらうことが必要です。そのための方法としてリフォームがあります。

築古や管理状態の悪いマンションは、見た目の印象が原因で希望価格通りに売れない恐れがあります。逆に言えば、劣化箇所や古くなった部分を修繕するだけで需要をアップできるかもしれないのです。

ただし、リフォームに費用をかけすぎると、せっかく売れても赤字になってしまうかもしれません。リフォームを検討する場合は、費用はいくらか、その費用はどれくらい売値に上乗せできるかを考え
ましょう。

③モデルルームのように家具を配置する

売れないマンションを早期に売却するには、モデルルームのように家具を配置する方法があります。

空室の状態だと、広さの感覚や実際に家具を置くイメージがしづらく、買主の印象に残りにくくなります。そこで家具を配置し、実際に住んだときのイメージを持ってもらうことで、購買意欲を刺激するという方法です。

「ホームインスペクション」という、室内の演出を専門としたサービスもあります。マンションが売れずに苦戦している状態であれば、家具の配置でイメージアップを図ってみましょう。

④不動産会社を変更する

不動産会社の力量不足によってマンションが売れない場合もあります。よって、売り出してから中々買主が見つからない場合は、不動産会社の変更を検討してみましょう。

マンションが売れないときこそ、不動産会社の力が試されます。例えば、価格を見直すだけでなく、宣伝方法の見直しや広告内の画像やキャッチコピーなどの見直しなど、改善する点はたくさんあります。

不動産会社も、持っているノウハウや顧客ネットワークなどによって、得意な物件・苦手な物件があります。相性の良い不動産会社に変えることで、短期間で売却できるかもしれません。

⑤不動産買取を利用する

一刻も早く現金化したい場合は、不動産買取も検討してみましょう。

不動産買取とは、不動産会社がマンションを直接買い取る売買です。買主が不動産会社となるので手続きがスムーズで、早ければ査定から数日で売れるケースもあります。

他にも、契約不適合責任が面積されたり、築古・訳あり物件でも売りやすいといったメリットも特徴です。ただし、仲介で売るより価格は低くなりがちな点は注意しましょう。

なるべく高く売りたいときは、仲介と同様、なるべく多くの不動産会社を比較することが大切です。

まとめ

マンションの管理費は所有している限り、支払い義務が発生します。トータルコストを抑えるためには、なるべく早く売ることが重要です。

また、スピーディーに売却するためには、適正価格で売り出し、広告や内見対応を適切に行うことが大切です。そのため、まずは複数の不動産会社に査定してもらい、相性の良さそうな業者を見つけることから始めましょう。

「マンション売れない 管理費」に関してよくある質問

  • マンションが売れない場合、管理費の支払いはどうなるのか?

    マンションが売れない場合、管理費の支払いは現時点の所有者が負担します。空き家や賃貸といった使用実態は関係なく、登記簿に記された名義人が支払わなければいけません。

  • 管理費を滞納するとどうなるのか?

    管理費を滞納すると、管理組合より督促状が届きます。また、管理費滞納のまま売却すると次の買主に引き継がれます。なお、滞納があることを伝えずに買主に引き渡すとトラブルの要因となるため、管理費の滞納があれば売却活動前に精算、若しくは引き渡しまでに滞納を解消するなどの特約を契約時に交わすなどの対策が必要です。

  • 管理費の日割り精算は可能か?

    買主との間で、引渡し月の管理費の日割り精算は可能です。また、修繕積立金や固定資産税・都市計画税についても日割り精算は可能となります。

  • マンションが売れない要因に「管理費が高い」はあるのか?

    「管理費が高い」はマンションが売れない要因になるケースがあります。管理費が高ければ、月々に負担するラニングコストが高くなり、住宅ローンを加えた月々の負担額が増えるからです。
    マンションを所有すると管理費以外に修繕積立金や駐車場使用料など多くのコストが掛かります。少しでも月々の支払いを抑えたいという家庭が多いなか、管理費が高いマンションは、中古物件として敬遠される可能性があります。

  • 売れないマンションを早期に売却するには、どのような方法があるのか?

    マンションが売れないときに行う効果的な方法としては、次の5つがあります。
    ・相場を再調査し、価格を見直す
    ・リフォームを行う
    ・モデルルームのように家具を配置する
    ・不動産会社を変更する
    ・不動産買取を利用する
    特に重要なのは不動産会社選びなので、売り出してから中々買主が見つからない場合は、別の不動産会社へ変えてみることも検討してみましょう。