不動産売買で用意する必要書類は何か?売却と購入でケース別に解説!

不動産売却 必要書類

不動産売買で用意する必要書類は数多くあります。しかし、不動産売買は一生に何度もあることではなく、日常生活では決して身近なことではありません。

よって、「自宅の売却で用意しておく書類はあるの?」「不動産の購入で必要となる書類がわからない」といった疑問を抱く人も多いでしょう。

そこで、この記事では不動産売買時の必要な書類を、売却側と購入側に分けて解説します。この記事を読めば、それぞれの必要書類が分かり、スムーズに不動産売買を進めることができるでしょう。

ただし、不動産売買の必要書類は、個々の状況で変わる場合もあります。実際の売買時は、この記事を参考に、不動産会社のアドバイスも聞くことをおすすめします。

誠実な接客を行う優良業者なら、必要書類も丁寧に教えてもらえるので、不動産会社選びの観点からも積極的に助言を聞いてみましょう。

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この記事のポイント

  • 不動産売却に必要な書類は、登記関係の資料や身分証明書などがある。
  • 不動産購入時の必要書類は、身分証明書の他、住宅ローンを組むために収入証明書などが要る。
  • 購入当時の資料やパンフレットは売却時に有用な資料になるので、なるべく取っておいたほうが良い。

不動産売却時の必要書類

はじめに、不動産売却する人向けの必要書類をご紹介します。

具体的には、以下9つの書類が必要です。

  • ①購入当時の資料やパンフレット
  • ②登記関係の資料
  • ③身分証明書や実印など
  • ④役所で発行される書類
  • ⑤物件の広さや建築許可などに関する資料
  • ⑥物件や設備の状態を説明する資料
  • ⑦引き渡しに必要な資料
  • ⑧抵当権の抹消に必要な資料
  • ⑨確定申告に必要な資料

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①購入当時の資料やパンフレット

不動産売却にあたって、まずは購入当時の資料やパンフレットを集めておきましょう。具体的には、下記に挙げる書類です。

  • 図面集
  • 物件紹介のパンフレット
  • 売買契約書
  • 重要事項説明書
  • 管理規約集(マンションのみ)
  • 長期修繕計画書(マンションのみ)

図面集や物件紹介のパンフレットは、新築で購入しているのであれば分譲主などから受け取っているでしょう。中古で購入している場合には、購入当時の売主よりこれらを承継していれば持っているはずです。ただし、これは取引を仲介する不動産会社でも用意できるので、手元になくても問題はありません。

売買契約書や重要事項説明書も、購入当時の分譲主、もしくは不動産会社より受領しています。売買契約書は購入当時の価格がわかり、譲渡所得計算時の取得費計上に役立つので、特に重要です。

マンションの管理規約集や長期修繕計画書は、手元になければ管理会社より調達できます。

②登記関係の資料

不動産を売却すると、譲渡した人に所有権移転登記を行います。そのためには、以下の書類が必要です。

  • 登記識別情報(登記済権利証)
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)

登記識別情報とは、登記申請時に使用する本人確認するためのものです。アラビア数字やその他の符号の組み合わせからなる12ケタのパスワードで、不動産及び登記名義人ごとに定められています。登記識別情報は、不動産登記が完了すると司法書士から自宅に送付されます。

ただし、登記識別情報は2005年以降にできた制度なので、不動産を取得した年代が古い場合は登記済権利証という書面が発行されています。

登記事項証明書(登記簿謄本)は、登記事項を記した書類で、法務局やインターネット上で取得できます。不動産会社によっては登記事項証明書の取得を代行してもらえるので、確認してみましょう。

登記原因証明情報とは、登記の原因となった事実により権利変動が生じたことを証明する情報です。不動産登記の情報を正確に反映させるには、登記の原因となる確固たる証拠が必要となります。

では、どういったものが登記原因証明情報に該当するかというと、不動産売買契約時であれば売買契約書です。売買契約書のコピーを登記申請時に提出します。

③身分証明書や実印など

不動産売却では、いわゆる「なりすまし」などを防止するため、本人確認が義務付けられています。以下の種類を準備しておきましょう。

  • 身分証明書
  • 実印(社印)

身分証明書は、一般的には運転免許証やパスポート、マイナンバーカードです。取引当事者が法人の場合には、代表者の身分証明書のほかに、法人の登記事項証明書や印鑑証明書が必要です。

取引に使用する印鑑は、実印を使用します。実印は役所で印鑑登録をする必要があるので、まだ登録していない場合は後述の「役所で発行する書類」を取得するときに登録しましょう。

なお、不動産売却を親族や第三者に代理してもらう場合には、本人自筆の委任状が必要となります。この場合、委任状に実印を押印し、本人の印鑑証明書を添付するのが一般的です。また、代理人になった人も、身分証明書と認印が必要です。

④役所で発行される書類

自治体の役所で取得しておく書類は、以下のとおりです。

  • 印鑑証明書
  • 住民票
  • 固定資産評価証明書

印鑑証明書は、印鑑登録をした際に取得できるほか、後から発行してもらうこともできます。住民票とあわせて、マイナンバーカードがあればコンビニ等での取得も可能です。

固定資産評価証明書は、売買契約成立後に買主と固定資産税・都市計画税を精算するときに使用します。こちらは役所内の資産税課で取得できます。

⑤物件の広さや建築許可などに関する資料

不動産を売却するときには、土地や建物に関する公的な資料も必要です。以下の書類を準備しておきましょう。

  • 建築確認済証、検査済証
  • 地積測量図、境界確認書

建築確認済証や検査済証は、新築で購入した時には分譲主(あるいは建築を依頼した建築会社)から渡されます。中古で購入した時には、売主から承継されます。

なお、紛失等によりこれら書類がない場合には、台帳記載事項証明書を不動産が所在する役所にて発行してもらいます。

地積測量図や境界確認書も、新築で購入した時には分譲主などから渡されます。地積測量図がない場合は法務局での取得、境界確認書がない場合は土地家屋調査士に依頼しての境界確定測量を行います。

⑥物件や設備の状態を説明する資料

不動産を売却するときには、どのような状態の物件を譲渡するのかについて買主に十分把握してもらうことが必要です。そのため、物件や設備の状態を説明する資料として、以下を作成して渡します。

  • 設備表
  • 物件状況報告書

設備表とは、物件売却時にどのような設備がついてくるのかを買主に伝える書類です。例えば、室内に設置されているエアコンや給湯器、家具などを記載します。居住中の物件を見学した場合に、どのような設備が付く物件を売却するのかについて、双方に誤解が生まれないようにするためです。

物件状況報告書とは、売却する不動産の状態を明記した書類となります。例えば、リビングの扉が多少開閉しづらい、階段は人が歩くと床が音鳴りするなど、物件の内覧だけでは気づきにくいことを細かく記載します。

これらの書類は、売主が契約不適合責任を問われないためにも重要です。契約不適合責任とは、契約内容と引き渡された物件が適合しない場合に、買主が売主に対して修補、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除を行える制度です。

設備表や物件状況報告書を作成することで、売主・買主の認識をすり合わせ、引き渡し後のトラブルを防ぎます。

正確な資料作成には住宅診断(インスペクション)がおすすめ

不動産知識のない人が家の状態を把握することは困難なので、住宅診断(インスペクション)を利用するのもおすすめです。

住宅診断とは、主に一級建築士などが家の細かな調査を行い、不具合箇所を指摘していくサービスです。床下の腐食、壁の中のシロアリ、柱の強度不足、外壁や屋根の劣化など、建築士からプロの観点で指摘を受けられ、ケースによっては修繕も依頼できます。

また、室内の設備機器の不具合や建具の不具合、内装の劣化なども、素人では気づきにくいことを指摘してくれます。住宅診断を行うことで、より細かく建物の状況を買主に伝えられるでしょう。

⑦引き渡しに必要な資料

売買契約を締結すると、その後は引き渡しに必要な資料を準備します。

  • 振込み口座がわかるもの
  • 委任状

振込み口座は、買主から最終金を受領する際に使用します。口座番号などが分かる通帳のコピーなどを用意するとよいでしょう。

委任状は、司法書士に所有権抹消登記と住宅ローンがあるケースで抵当権抹消登記を依頼するときに使用します。登記手続きは個人で行うことは難しく、仮に個人で行うと書類等に不備が生じ、手続き自体が遅滞なく進まないおそれがあります。

よって、司法書士に代理で登記手続きを依頼するために委任状を作成します。なお、委任状の雛形は司法書士より受領します。

⑧抵当権の抹消に必要な資料(住宅ローンがある場合)

住宅ローンがある場合、抵当権抹消登記があります。下記は、抵当権抹消登記に必要な書類です。

  • 登記申請書
  • 抵当権設定登記済証(抵当権設定契約証書、金銭消費貸借抵当権設定契約証書など)
  • 登記原因証明情報(抵当権解除証書、抵当権弁済証書、抵当権主債務消滅証書など)
  • 債権者(金融機関)の委任状
  • 登記識別情報

不動産登記を申請する場合の登記申請書は、法務局のホームページで取得できます。書面申請のほか、オンライン申請も可能です。

抵当権設定登記済証は抵当権が登記されていることを示す書類、登記原因証明情報は抵当権を抹消する根拠を示す書類です。いずれも借入先から発行され、金融機関によって書式や名称は異なります。

また、登記原因証明情報が発行される際、金融機関から委任状も発行されます。これは、抵当権抹消登記の手続きを本人に委任するため(つまり、本人が単独で手続きできるようにするため)の書類です。

これらに加え、司法書士に登記申請を依頼する場合は、委任状が必要となります。

⑨確定申告に必要な資料

不動産売買の結果、売却益(譲渡所得)がある場合には、確定申告が必要です。確定申告するためには、以下の書類が必要です。

  • 譲渡所得内訳書
  • 確定申告書
  • 不動産を売却した際の売買契約書コピー
  • 譲渡費用とした領収書コピー
  • 売却した不動産を取得した当時の売買契約書コピー
  • 取得費とした領収書コピー

申請の仕方で税額が大きく変わる場合もあるので、不安であれば税理士に相談することもおすすめします。

不動産購入時の必要書類

ここからは、不動産を購入する人向けの必要書類となります。主な書類は以下の通りです。

  • ①身分証明書など
  • ②住宅ローンを組むのに必要な資料

①身分証明書など

売買契約を締結するには、身分証明書や実印が必要です。

  • 身分証明書
  • 実印

なお、売買契約を配偶者など代理人に依頼する場合には、委任状に実印を押印し、印鑑証明書を添付します。

②住宅ローンを組むのに必要な資料

不動産購入で住宅ローンを組む場合には、下記資料が必要です。

  • 収入証明書
  • 健康保険証
  • 借入金の明細(現状借入金がある場合)
  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 課税証明書(住民税決定通知書)

住宅ローンの審査には、事前審査と本審査があります。

事前審査に必要な書類は、収入証明書・身分証明書・健康保険証、現在もっている借入金の明細などです。本審査に進んだときには、住民票や課税証明書(住民税決定通知書)、実印と印鑑証明書が必要となります。

これらは所有権移転登記のときなど複数回必要な場合があるので、不動産会社に必要通数を確認し、まとめて取得しておくとよいでしょう。

必要書類がわからなければ不動産会社に聞こう

不動産売買で必要書類がわからなければ、不動産会社に尋ねてみましょう。

不動産の売買で必要な書類は、ケースによりさまざまです。個々の状況次第では、この記事で説明した書類以外にも、必要なるものがあるかもしれません。

書類の準備が遅れれば、取引自体に支障が出る可能性もあるため、万全の準備をしておくようにしましょう。

まとめ

不動産売買では、取引前に必要書類を把握し準備しておくことで、取引を円滑に進められます。

面倒に感じることも多いと思いますが、早め早めに行動しておくことで、トラブルを防ぐことが可能です。

不動産会社や司法書士、税理士などの専門家にも相談しつつ、適切な書類を用意しておくことが大切です。

「不動産売買 必要書類」に関してよくある質問

  • 不動産売却時に用意しておくべき書類とは何か?

    不動産売却時に用意しておくべき書類は以下のとおりです。
    ・購入当時の資料やパンフレット
    ・登記関係の資料
    ・身分証明書や実印など
    ・役所で発行される書類
    ・物件の広さや建築許可などに関する資料
    ・物件や設備の状態を説明する資料
    ・引き渡しに必要な資料
    ・抵当権の抹消に必要な資料
    ・確定申告に必要な資料
    これら書類を遅滞なく集めておくことで取引は円滑に進めることができます。

  • 不動産売却時に用意しておくべき書類の中の「購入当時の資料やパンフレット」とは、具体的には何か?

    「購入当時の資料やパンフレット」とは、以下の書類となります。
    ・図面集
    ・物件紹介のパンフレット
    ・売買契約書
    ・重要事項説明書
    ・管理規約集(マンションのみ)
    ・長期修繕計画書(マンションのみ)
    このなかで最も重要なのは売買契約書です。売買契約書の原本は、本人のみしか所持していないため必ず用意します。
    その他の書類は、取引を仲介する不動産会社が手配できます。

  • 不動産売却時に用意しておくべき書類の中の「登記関係の資料」とは、具体的には何か?

    「登記関係の資料」とは、以下の書類となります。
    ・登記識別情報
    ・登記簿謄本
    登記識別情報とは、登記申請時に使用する本人確認するためのものです。登記完了時に司法書士より郵送されています。
    登記簿謄本は、法務局やインターネット上で取得します。

  • 不動産売却時に用意しておくべき書類の中の「物件や設備の状態を説明する資料」とは、具体的には何か?

    「物件や設備の状態を説明する資料」とは、以下の書類になります。
    ・設備表
    ・物件状況報告書
    設備表とは、物件売却時にどのような設備がついてくるのかを買主に伝える書類です。物件状況報告書とは、売却する不動産の状態を明記した書類となります。
    不動産を売却するときには、どのような状態の物件を譲渡するのかについて買主に十分把握してもらったうえで、取引を進めます。

  • 不動産の購入時に必要な書類とは何か?

    不動産の購入時に必要な書類は、以下のとおりです。
    ・身分証明書
    ・実印
    ・収入証明書
    ・健康保険証
    ・借入金の明細(現状借入金がある場合)
    ・住民票
    ・印鑑証明書
    ・課税証明書(住民税決定通知書)
    身分証明書と実印は、購入時には必ず必要です。また、それ以外の書類は住宅ローンを組むときに必要な書類となります。