リースバックの賃料はいくらになる?相場と節約方法について

リースバック 賃料

リースバックとは、自宅を売却して現金化した後も、買主と賃貸借契約を結んで住み続けられるサービスです。売却後も同じ家に住み続けられるので、シニア世代の老後資金調達などに有効です。

メリットの多いリースバックですが、賃貸借契約を結ぶ以上、売却後は賃料の支払いが発生します。しかし、リースバックの賃料は通常とは違う方法で計算するため、注意が必要です。

賃料で後悔しないためには、事前にどの程度の賃料がかかるのか把握し、問題なく支払いができるかシミュレーションすることが大切です。この記事では、リースバック賃料の計算方法や、賃料を安く抑える方法について解説していきます。

なお、リースバックを検討するときは、なるべく多くのリースバック業者に査定してもらい、賃料や買取価格、その他の契約条件を比べることが大切です。

一括査定を使えば、複数の業者をまとめて比較できるので、リースバックを検討する際はぜひ利用してみましょう。

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画像引用:家まもルーノ

この記事のポイント

  • リースバックの賃料は「買取価格×期待利回り(6%~13%)÷12カ月」で計算するのが一般的。
  • 買取価格をあえて抑えたり、リースバック業者を比較したりなど、賃料を抑える方法がある。
  • 賃料と買取価格のどちらを優先するかは、ケース・バイ・ケースで判断すべき。

リースバックの賃料を計算する方法

リースバックを利用すると、まとまった資金を得ることができますが、その代わりに毎月賃料を支払う必要があります。では、リースバックの賃料はどのように決まるのでしょうか?

通常の賃貸借契約では、周辺の賃料相場を基準とするのが一般的ですが、リースバックの場合は「買取価格」と「期待利回り」がポイントとなります。

具体的にどのような計算をするのか、次の項目から詳しく解説していきます。

計算式は「買取価格×期待利回り(6%~13%)÷12カ月」

1ヶ月あたりのリースバック賃料は、一般的に以下の式で計算されます。

賃料=買取価格×期待利回り÷12カ月

期待利回りとは、買主が想定する「リースバック物件から得られる収益の割合」を指します。物件の立地や状態、市場動向などによって変動しますが、一般的には6%から13%程度が期待利回りの相場です。

例えば、買取価格が2,000万円で期待利回りが10%だとすると、賃料は以下のようになります。

賃料=2,000万円×10%÷12カ月=16.6万円

このように、買取価格や期待利回りが高くなれば、賃料も高くなります。

買主側が期待利回りをどのように設定しているかが重要

期待利回りは、買主側がリースバック物件から得られる収益性を示す指標ですが、同時にリスクも反映しています。

一般的に、不動産需要の低いエリアほど期待利回りは高くなります。空室や資産価値下落のリスクを、利回りを上げる(つまり、賃料を高く設定する)ことで補うためです。

反対に、不動産需要が高いエリアだと、期待利回りは低い傾向になります。前述のリスクが少ないため、利回りを下げても(賃料を低く設定しても)十分な収益が見込めるためです。

エリアだけでなく、築年数や駅までの距離など、さまざまな要因で期待利回りは変わります。しかし、特に重要なのは、買主となるリースバック業者がどの程度の利回りを期待するかです。

賃料を抑えたい場合は、期待利回りを低く設定している業者を見つける必要があります。業者によって利回りに対する判断は異なるため、なるべく多くのリースバック業者を比較することが大切です。

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物件の必要経費が上乗せされる場合もある

リースバックでは、物件の必要経費が家賃に上乗せされる場合もあります。必要経費とは、物件の維持管理費や固定資産税などのことです。

通常の賃貸借契約では、これらの経費は貸主負担とするのが一般的です。しかし、リースバックでは、借主負担とする特約を付けられる場合があります。

必要経費が上乗せされるかどうかも業者によって異なるため、契約時に必要経費の有無や金額を確認しておくようにしましょう。

買取価格の算出方法と賃料目安

リースバックの買取価格は、通常の市場価格から60%~80%まで下がるのが一般的です。市場価格の相場が1,000万円なら、600〜800万円がリースバックでの買取相場と考えましょう。

つまり、現在の市場価格がわかれば、リースバックの買取価格と、賃料をおおまかに計算できるということです。

例えば、市場価格が3,000万円の不動産をリースバックする場合、買取価格は次の金額が目安となります。

  • 60%の場合:1,800万円
  • 70%の場合:2,100万円
  • 80%の場合:2,400万円

上記の金額に、前述した計算式を当てはめれば、賃料の目安を算出できます。仮に買取価格を1,800万円、期待利回りを6%とすると、次のような計算になります。

1,800万円×6%÷12カ月=10.5万円

以上の計算を、買取価格と期待利回りごとにまとめると、以下の表のようになります。

利回り6% 利回り7% 利回り8% 利回り9% 利回り10% 利回り11% 利回り12% 利回り13%
1,800万円 10.5万円 12万円 13.5万円 15万円 16.5万円 18万円 19.5万円
2,100万円 12.25万円 14万円 15.75万円 17.5万円 19.25万円 21万円 22.75万円
2,400万円 14万円 16万円 18万円 20万円 22万円 24万円 26万円

周辺の賃料相場とは異なる場合が多い

ここまで解説した通り、リースバックの家賃は、周辺の賃貸物件の相場とは異なる計算を用います。

一般的な賃貸物件の家賃は、地域の相場を参考に、物件の立地や築年数、間取りなどによって決まります。しかし、リースバックの家賃は、買主が求める利回りが基準です。

そのため、周辺の賃貸物件と比べて、リースバックの家賃が高くなったり低くなったりすることがあります。リースバックを利用する際は、周辺の賃料相場に惑わされずに、自分の支払い能力や目的に合わせて選ぶことが大切です。

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住宅ローンの返済とリースバックはどちらがお得?

リースバックを検討する理由として、「住宅ローンの返済が苦しい」というものがあります。そのため、住宅ローンの返済額と、リースバックの賃料だとどちらがお得なのか、気になる人も多いと思います。

しかし、住宅ローンもリースバックも個々の状況で支払額が変わるため、一概にどちらがお得とは言えません。

例えば、以下のような物件があるとします。

物件の条件例
  • 新築で購入したマンション。
  • 3,000万円の住宅ローンを借入。
  • 借入期間は35年、固定金利1.450%。
  • ローン返済額:月9万1,122円(ボーナス払いはなし)。※1

※1:ローン返済額は住信SBIネット銀行の「住宅ローンシミュレーション」を参照

上記のマンションが築25年になったときリースバックすると仮定して、ここまで解説した賃料や買取価格の目安を元にシミュレーションすると、以下のようになります。

リースバックしたときの賃料計算例
  • 築25年時のローン残債は約1,000万円。
  • マンションの市場価格は、築25年でおよそ50%下がるのが一般的※2なので、リースバック時点では1,500万円が相場になっていると想定。
  • リースバックで80%まで下がるとすると、買取価格は1,200万円。
  • 期待利回りを8%と仮定すると、リースバック後の賃料は「1200万円×8%÷12ヶ月=8万円」となる。

※2:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」より、中古戸建住宅の価格査定の例を参照

上記の計算では、リースバック後のほうが賃料は1万円以上下がります。しかし、住宅ローンの金利設定や、リースバックの買取価格および期待利回りなど、条件がわずかに違うだけで逆転することもありえます。

大切なのは、単純に支払額だけを比較するのではなく、ライフプランやリースバックの目的も考慮することです。複雑な計算や細かい将来設計が重要なので、不動産会社やFPなどの専門家に相談することもおすすめします。

リースバックの賃料を抑える方法

「リースバックの賃料は買取価格で決まる」といっても、売却後の生活を考えると、可能な限り安く抑えたいものです。

リースバックの賃料を抑える方法として、次の3つを押さえておきましょう。

  • あえて買取金額の低い業者を選ぶ
  • リースバック業者を比較する
  • 定期借家契約を結ぶ

あえて買取価格の低い業者を選ぶ

あえて買取価格の低い業者を選ぶことで、賃料を安く抑えられます。

先述の通り、賃料は「買取価格×期待利回り÷12カ月」で計算するため、基準となる買取価格が低ければ、賃料も安くなります。

リースバックの目的が資金調達で、必要な金額が明確な場合、最低限の買取価格に抑えると良いでしょう。

ただし、上記の計算式はあくまで基本の決め方です。リースバック業者によって賃料決定の仕組みが異なる場合もあり得るので、買取価格はあくまで指標の1つと考えましょう。

リースバック業者を比較する

リースバック業者は数多く存在し、それぞれ独自の強みや、異なる経営方針を持っています。そのため、複数のリースバック業者を比較することが大切です。

賃料設定も各社で大きく変わる場合があり、業者が違うだけで賃料が数万円変わる場合もあり得ます。賃料だけでなく、買取価格やその他のサポートも、業者によってさまざまです。

後悔しないリースバックを実現するためにも、1社だけで判断するのではなく、なるべく多くのリースバック業者を比べるようにしましょう。

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信頼できる業者の見極め方

リースバック業者を選ぶ際には、以下の点をチェックしましょう。

  • 買取価格
  • 賃料
  • 賃貸借契約の期間
  • 付帯サービス
  • 得意エリアや得意物件
  • 資金力や実績

買取価格や賃料、そして賃貸借契約の期間は、リースバック契約の基本となる条件なので、特に重視するようにしましょう。付帯サービスや得意エリア・得意物件、および資金力・実績は、大手業者ほど有利となります。

しかし、中小規模の業者だからこそ経営努力で独自のサービスを受けられたり、丁寧なアフターフォローをしてもらえたりするケースもあるので、広い視野を持って業者探しにあたることが大切です。

リースバック業者の比較には一括査定がおすすめ

リースバック業者は数多く存在しているため、自分で1つずつ調べて比較するのは大変な労力と時間がかかります。そこで、効率的に業者を比較する方法として、一括査定サイトの利用をおすすめします。

一括査定は、複数の業者からまとめて査定してもらえるのが、最大の特徴です。また、オンラインで申し込みが完了し、無料で利用できます。

複数社の査定額をまとめて取得することで、不動産の価格相場がわかりますし、その他の条件も比べることが可能です。

例えば、下記のリンクから利用できる「家まもルーノ」はリースバック専用の一括査定サイトです。リースバックに対応している業者も多数提携しているので、ぜひ活用してみましょう。

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定期借家契約を結ぶ

定期借家契約とは、契約期間があらかじめ決まっており、期間満了と同時に契約が終了する賃貸借契約のことです。2~3年の賃借期間が定められているのが一般的です。

定期借家契約の場合、期間が満了しても更新できないため、時期が来たら引っ越す必要があります。その代わり、賃料が安く設定されることが多いのです。

長く住み続けたい場合は不向きな方法ですが、将来的に転居を想定しているなら、定期借家契約がお得なのでおすすめです。

リースバックは賃料・買取価格のどちらを優先すべき?

リースバックを利用する際には、買取価格と賃料のバランスが重要です。買取価格が高ければ高いほど、賃料も高くなる傾向があります。

では、リースバックは賃料と買取価格のどちらを優先すべきでしょうか?ここでは、賃料を優先すべきケースと買取価格を優先すべきケースについて詳しく紹介していきます。

賃料を優先すべきケース

リースバックで賃料を優先すべきケースは、以下のような場合です。

  • 長く住み続けるつもりの場合
  • 収入が不安定な場合
  • 将来的に買い戻すつもりの場合

長期間居住して賃料総額が高くなる場合や、リースバックの賃料支払いに不安がある場合は、賃料の安さを優先したほうが良いでしょう。

また、将来的に買い戻す予定の場合も、買取価格をなるべく抑えておくという意味で、賃料を優先することをおすすめします。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

長く住み続けるつもりの場合

リースバックで住み続ける期間が長いほど、賃料の負担が大きくなります。そのため、長期的にリースバックを利用する場合は、賃料を抑えることがおすすめです。

例えば、1,000万円で家が売れた場合、賃料が10万円だと、8~9年ほどで賃料総額が買取価格を上回ります。それ以上の期間住むつもりなら、リースバックはかえって損失になってしまいます。

一時的にまとまった収入を得られるのがリースバックの魅力ですが、利用するときは長期的な観点でシミュレーションすることが大切です。

収入が不安定な場合

リースバックでは、毎月定期的に家賃を支払う必要がありますが、収入が不安定だと支払いが困難になる可能性があります。

リースバックも一般的な賃貸借契約と同じで、入居者の家賃支払いは欠かすことのできない義務です。滞納すると、契約解除や立ち退きの対象になる恐れがあります。

収入が不安定な場合は、確実に支払えるように、家賃をなるべく抑えたリースバック契約を結びましょう。

将来的に買い戻すつもりの場合

リースバックでは、賃貸借契約期間が終了した後に、元の所有者が物件を買い戻す場合があります。

リースバック業者によっては、買取価格と同じ価格での買い戻しを保証するプランもあるため、そういったプランを利用するときは買取価格を抑えるのがおすすめです。

なお、買い戻しは売却時に取り決める必要があるため、契約時に買い戻し条件をしっかり確認しておきましょう。

買取価格を優先すべきケース

リースバックで買取価格を優先すべきケースは、以下のような場合です。

  • 短期間で退去する予定の場合
  • 必要な資金が高額な場合

賃貸借期間が短く賃料総額が増えない場合や、可能な限り多くの資金が必要な場合は、買取価格を優先するのがおすすめです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

短期間で退去する予定の場合

短期間で退去する予定の場合、多少賃料が高くなっても、トータルの支払いはそれほど高くなりません。

家を新しく建てるときや、近い将来に高齢者施設に移るつもりのときなら、なるべく高く売ることを意識すると良いでしょう。

ただし、予定が変わって長期的に住み続ける必要がでてくると、負担が一気に大きくなるので、可能な限り確実なライフプランを組むことが大切です。

必要な資金が高額な場合

資金調達の目標額が決まっており、その金額が高額な場合、なるべく高く買い取ってもらう必要があります。

買取価格を高くする方法としては、リースバックの期間を短くすることが有効です。リースバックの期間が短ければ短いほど、買主のリスクが低くなるため、買主は買取価格を高く設定しやすくなるのです。

また、リースバック業者によって査定額が数百万円変わる場合もあるため、複数の業者を比較することも大切です。

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まとめ

リースバックの賃料は、買取金額を基準として、リースバック業者が想定する期待利回りによって決まるのが基本です。

リースバック業者によってどの程度の利回りを想定するかは異なるため、なるべく多くの業者に相談することをおすすめします。

ただし、単純な賃料の金額だけでなく、買取価格や付帯サービスの内容など、その他の条件も重要です。

リースバックで後悔しないためには、さまざまな条件を総合的に考慮し、自分のライフプランに最も適切な契約を結ぶようにしましょう。

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画像引用:家まもルーノ

リースバックの賃料についてよくある質問

  • リースバックの賃料相場はいくらぐらいですか?

    一般的に、「買取価格×期待利回り(6%~13%)÷12カ月」がリースバック後の賃料となります。ただし、リースバック業者によって細かい基準が異なるため、まずは業者へ直接相談するようにしましょう。

  • リースバックの買取価格はいくらぐらいですか?

    リースバックの買取価格は、通常の市場価格から60%~80%まで下がるのが一般的です。ただし、こちらもリースバック業者ごとの査定基準や、地域の不動産需要、物件の状態などで変わるため、まずは無料査定に出すことをおすすめします。>>【簡単60秒!】リースバックのオンライン一括査定はこちら

  • リースバックの賃料を抑える方法はありますか?

    あえて買取価格の低い業者を選んだり、複数のリースバック業者を選ぶことで、賃料を抑えられる可能性があるでしょう。また、期間が定まっていて更新ができない「定期借家契約」を結ぶと、賃料が安くなる傾向にあります。

  • リースバックは賃料・買取価格のどちらを優先すべきですか?

    ケース・バイ・ケースで異なります。長く住み続ける場合や、収入が不安定な場合は、賃料を抑えることを優先したほうがよいでしょう。一方、短期間で退去する予定の場合や、必要な資金が高額な場合は、なるべく高く売ることが重要となります。

  • リースバックで後悔しないためには、何をすればよいですか?

    自分のライフプランに照らし合わせて、目的に合わせた最適な選択をすることです。現時点で多くの資金を必要とするなら高く売る、将来的な買い戻しを計画するなら必要最低限の金額で売るなど、柔軟に考えるようにしましょう。