事故物件買取の流れとは?業者や取引方法の違いを解説

事故物件 買取の流れ

事件や事故で人が亡くなり、居住に抵抗感や嫌悪感がある事故物件。

事故物件を進んで買う人は少なく、売り出したものの長年買主がつかないという不動産オーナーも多いでしょう。

事故物件をスムーズに売却するには、訳あり物件専門の買取業者に相談するのがベストです。

訳あり物件専門の買取業者なら、早ければ2日での買取もできます。不動産売却時に売主が負う「契約不適合責任」も免責されるため、トラブルもほとんど起こりません。

まずは無料査定を利用して、売却予定の物件がいくらになるか調べてみましょう。

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この記事のポイント

  • 不動産会社には仲介業者と買取業者があり、売却のスピードを重視するなら買取業者がおすすめ。
  • 不動産の査定には「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」の2段階がある。
  • 買取業者に売却すれば契約不適合責任が免責され、損害賠償や契約解除といった売却後のトラブルが起こらない。

事故物件を買取してもらう流れ

事故物件を買取業者に売却する際の流れは、基本的に以下のようになっています。

売却の流れ

  1. 査定を依頼する
  2. 買取業者を選ぶ
  3. 買取業者から売却価格を提示される
  4. 売却価格に納得すれば売買契約を締結する
  5. 売却価格が入金され物件を引き渡す

以下の項目から、順番に見ていきましょう。

1.査定を依頼する

事故物件の売却を検討しているなら、まずは訳あり物件専門の買取業者に問い合わせ、査定依頼をしましょう。

電話・メール・WEBサイトなどから簡単に問い合わせできます。査定依頼することで「事故物件がおおよそいくらで売れるのか」を知ることができます。

また、事故物件に限らず不動産を売却する際は、必ず複数の業者に査定依頼をしましょう。

1つの業者だけに査定を任せてしまうと、査定額を比較できないため「査定額が最も高額なのか?」を判断できません。

複数の業者から査定を受け「事故物件を専門に取り扱っているか」「査定額・売却条件がよいか」といった観点から、実際に売却する業者を選びましょう。

2.買取業者を選ぶ

複数の査定結果をもとに、実際に売却する買取業者を選びましょう。

買取業者によって査定額や売却条件に差異があるため、注意が必要です。

なお、事故物件を売却する際は、以下のポイントを意識して買取業者を選ぶとよいです。

  • 事故物件を専門に取り扱っている
  • 事故物件の買取実績がある
  • 弁護士と提携している

3.買取業者から売却価格を提示される

買取業者を選んだら、その買取業者から売却価格を提示されます。

売却価格は「物件そのものの価値」だけではなく、不動産の立地や事故物件となった原因など、さまざまな要素に応じて決められることを覚えておきましょう。

また、事故物件の相場価格は「通常物件から2~5割程度」下げられた価格が一般的だといわれています。

例えば、通常1,000万円で取引される物件であっても、事故物件であれば500万円〜800万円程度でしか取引されません。

これらを踏まえたうえで、売却額を見極めるとよいです。

4.売却価格に納得すれば売買契約を締結する

買取業者から提示された買取価格に同意すれば、売買契約を締結します。

売買契約では、権利証や実印、印鑑証明書といったものが必要になります。

契約する買取業者の指示に従って、契約時までには準備をしておきましょう。

5.売却価格が入金され物件を引き渡す

契約締結後に事故物件の移転登記をおこないます。それと同時に、売却額の入金がおこなわれます。

物件を引き渡すタイミングは、移転登記をおこなう日と同一日になるのが原則です。

業者の多くが、契約の締結から振込まで1週間以内でおこなってくれます。

入金・引き渡しが完了すれば、買取業者との取引もすべて終了となります。

事故物件の買取業者を選ぶポイントとは?

事故物件をどうせ売るなら、できるだけ高値で売りたいと考えるものです。

しかし、事故物件の売却価格は一定ではなく、同じ物件を売るにしても、依頼する買取業者によって売却価格に大きな差ができます。

また、対応が不誠実な悪徳業者に売却してしまうと、足元を見られて事故物件を不当な価格で安く買い叩かれてしまうかもしれません。

つまり、事故物件を高値で売るためには、買取業者の選び方が非常に重要です。

以下3つのポイントを満たしている買取業者へ依頼するようにしましょう。

  • 事故物件を専門に取り扱っている
  • 事故物件の買取実績がある
  • 弁護士と連携している

事故物件を売る際は、これらの点を公式サイトやホームページから確認して、信頼できる買取業者なのか見極めることが大切です。

次の項目から各ポイントを詳しく解説していきますが、手っ取り早くおすすめの買取業者を知りたい場合は、下記の関連記事も参考にしてください。

ポイント1.事故物件を専門に取り扱っている

買取業者に限らず、不動産会社にはそれぞれ得意・不得意があります。「都内の戸建てが得意」「投資用マンションを中心に取り扱っている」など、業者によってメインで扱う物件は異なり、それ以外は知識がないことも少なくありません。

特に事故物件は、買取後の取り扱いが難しいので、ノウハウがない業者だと買取価格が下がります。取り扱いを断られることもあるでしょう。

逆に言えば、「事故物件専門」を標榜してる業者なら、その他の不動産会社より高値で売れる可能性があるということです。事故物件の買取を依頼したい場合は、ホームページなどで「事故物件専門に取り扱う不動産会社」であることを明示している業者を選びましょう。

ポイント2.事故物件の買取実績がある

先述の通り、不動産会社には得意・不得意があります。そして、どれだけ得意なのか測るのが実績の豊富さです。

自社の実績に自身がある業者なら、買取実績や最短買取期間など、具体的な事例や数値で提示しています。買い取った物件の再生・活用方法も熟知しているので、他では金額の付かないような物件でも高く買い取ってくれるかもしれません。

実績が豊富であるほど、買取額が高く、幅広いタイプの事故物件に対応してもらえるのです。

ポイント3.弁護士と連携している

事故物件の売却は、法的トラブルも起こりやすい物件です。

  • 誰が相続するかで遺産分割がこじれている
  • 権利関係があやふやになっている
  • 家賃の滞納がある

これらのトラブルも、弁護士と強く連携した買取業者なら、積極的に買い取ってもらえます。

普通の不動産会社だと、問題を抱えた物件はなるべく取り扱いたくないものです。ただでさえ「事故物件」という問題があるのに、法的なトラブルまで加われば、取り扱いを断る業者も増えてきます。

しかし、弁護士と協力体制を敷いている買取業者なら、トラブルの解決をスピーディーかつ低コストで行えるため、高額買取が期待できます。相続問題などもまとめて相談できるので、スムーズに事故物件を処分できるでしょう。

事故物件は買取業者へ売却するのがおすすめ

事故物件とは、過去に自殺や他殺があったなど、住居内で住人が死亡した家のことです。

そして、事故物件には「心理的瑕疵がある」とされています。

心理的瑕疵とは?
不動産を取引するとき、買主が「その事実を知っていたら購入しなかった」と感じる瑕疵のこと。

事故物件には心理的瑕疵があるため、購入希望者がつきにくく、売れにくい傾向にあります。

ただし「事故物件だから絶対に売れない」わけではありません。告知義務を果たすことで売却できます。

告知義務とは?
物件の取引時に買主が売主に対して、家の瑕疵や状態を事細かに説明する義務のこと。

例えば、過去に殺人事件があった物件を売却する場合は「過去に殺人事件があった」事実を、買主に隠さず伝えなければなりません。

もしも「事故物件である」ことを隠して売却すると、契約を無条件で解消されたり損害賠償を請求される(契約不適合責任)恐れもあるため、絶対にやめましょう。

なお「告知義務」には明確な法律や条例はなく、告知すべき内容や告知を続けるべき期間などは決められていません。告知義務が発生し、事故物件とみなされるかはケースバイケースです。

そこで、事故物件は「訳あり物件専門の買取業者」へ売却することをおすすめします。訳あり物件に詳しい買取業者であれば、契約不適合責任が免責されるため売買トラブルが起きません。

事故物件を買取業者に売却するメリット

前の項目で説明した通り、事故物件を売却するためには「事故物件である」ことを隠してはなりません。

ですが、過去に自殺や殺人事件があった、事故物件に居住したいと考える人は多くありません。売却の手続きが進んでいたとしても、買主が事故物件であることを知ると、契約を解消されてしまうケースもあります。

そこで、事故物件は「訳あり物件専門の買取業者」に売却するとよいです。訳あり物件専門の買取業者に売却すると、以下3つのメリットが得られます。

  • 最短数日で現金化できる
  • 近隣住民に知られずに売却できる
  • 契約不適合責任が免責されるためトラブルが起きづらい

メリット

メリット1.最短数日で現金化できる

普通、仲介で不動産を売るときは平均3ヶ月程度かかります。売却を依頼した後、広告宣伝で買主を探すステップがあるからです。

しかし、買取なら業者が直接物件を買い取るため、買主募集の手間を省けます。査定額がそのまま買取額になり、売主の合意さえあれば、最短数日で現金化まで可能です。

仲介でも売れないとは限りませんが、スピードと手軽さを重視するなら、買取業者を選ぶのベターな方法といえるでしょう。

訳あり専門業者なら特殊清掃も不要

訳あり物件なら、特殊清掃が必要な物件でもそのまま買い取ってもらえます。

特殊清掃とは、血液や腐敗した遺体の跡などを取り除き、原状回復する業務です。普通は数万~数十万円の費用をかけて専門業者に依頼しますし、数日~数週間かかります。

しかし、訳あり物件専門の買取業者は「物件のリフォーム」を前提としており、その一環で特殊清掃の手配も慣れています。そのため、遺体が運び出されて直後の状態であっても、積極的な買取を期待できるのです。

特殊清掃については下記の記事でも解説しているので、よろしければ参考にしてください。

メリット2.近隣住民に知られずに売却できる

仲介では買主を探すため、売り出し中であることを多くの人に広める必要があります。そのため、「近隣住民に内緒で売却したい」と思っても、実際に隠すことは困難でした。

しかし、買取は買主募集のステップを飛ばせるうえ、取引に第三者が介入しません。売主と買取業者(買主)の1対1で契約を結ぶので、よそに情報が漏れる心配がないのです。

内密の売却が可能な点も、買取業者の利点と言えます。

メリット3.契約不適合責任が免責されるためトラブルが起きにくい

契約不適合責任とは、取引で引き渡したものが契約に適してないとき、売主がどこまで責任を負うのか定めたものです。

例えば、不動産売買で売主が瑕疵(欠点や欠陥)に気づかず売却してしまっても、買主はその補填などを求めることができます。具体的な「請求可能な項目」は以下の通りです。

  • 追完(修繕や数量不足の補充)
  • 代金減額
  • 損害賠償
  • 契約解除

しかし、売主が個人、買主が不動産業者の場合、契約不適合責任は免責されます。つまり、瑕疵に気づかず売却してしまっても責任を問われる恐れがないため、売却後のトラブル発生を避けることができるのです。

事故物件を買取業者に売却するデメリット

メリットの多い買取ですが、都合の良い部分だけではありません。

事故物件を買取業者に売却するデメリットとしては、以下の2つが挙げられます。

  • 仲介より安くなる場合がある
  • 買取業者によっては事故物件に対応していない

デメリット1.仲介より安くなる場合がある

一般的に、仲介より買取のほうが価格は安くなります。

買取業者は物件を再生・再販することで利益を得るので、一連の流れでかかるコストなどが買取価格から差し引かれます。結果として、仲介で売るときの相場より2~5割ほど安くなるのです。

ただし、事故物件を売る場合は事情が少し異なります。事故物件の場合、仲介だと中々売れないことが多く、結局値下げするケースが多くなります。

つまり、事故物件の売却に限っては、仲介も買取も大きな価格差は生まれにくいのです。早く売れる分、買取のほうがメリットは多いと言えるでしょう。

デメリット2.買取業者によっては事故物件に対応していない

買取業者だからといって、全ての業者が事故物件に対応しているとは限りません。

事故物件の売却は特殊なノウハウが必要になるので、地域によっては対応してもらえる業者が中々見つからない可能性があります。

スムーズに依頼先を見つけるためには、全国対応を明言している買取業者を探すと良いでしょう。

事故物件の買取時に知っておくべき業者や査定方法の違い

これまで説明した通り、事故物件は訳あり物件専門の買取業者に買取してもらうことで、高値で売却できます。

また、事故物件を買取してもらう際は以下のことを知っておくべきです。

  • 「買取業者」と「仲介業者」の違い
  • 「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」の違い
  • 買取価格は相場価格よりも安くなってしまう

次の項目から、それぞれのポイントを順番に見ていきましょう。

「買取業者」と「仲介業者」の違い

不動産の売却方法は、主に「仲介」と「買取」にわけられます。

買取と仲介

買取とは「買取業者が直接買主になって」買い取ってくれる方法です。一般の買主を探す必要がないため、素早く物件を現金化できます。

一方で、仲介とは「不動産業者が一般の買主を探して」売却の手続きを仲介する方法です。一般の買主を探す時間がかかるため、売却そのものにも時間がかかります。


買取 仲介
買主 不動産業者 個人
販売活動 不要 必要

ですが、事故物件を売却する際は、仲介で探しても買主が見つからないことがほとんどです。事故物件に居住したいと考える人は少ないからです。

そこで、すぐに事故物件を手放したい人は「訳あり物件専門の買取業者」へ査定依頼しましょう。

「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」の違い

事故物件にかかわらず、不動産を売却する際は複数社から査定を受けるべきです。

そして、査定には「簡易査定(机上査定)」「訪問査定」の2種類があります。

査定方法

簡易査定とは、物件の構造や築年数といった「情報」のみをもとに査定する方法です。

物件を目視で確認することはないので、実際の査定額と差異が生じるケースもありますが、24~48時間で査定結果がわかります。

一方、訪問査定とは、情報だけではなく買取業者が実際に物件の状況を目視で確認し、それをもとに査定額を決める方法です。

簡易査定と比べると、より正確な査定額がわかりますが、簡易査定より手間や時間がかかり、査定にはおおよそ一週間かかります。

事前に不動産の価値を知っておけば買い叩かれない

これまで説明した通り、事故物件の価格は市場価格と比べて、低くなることが一般的です。

そこで、事故物件を売却する際は、事前に不動産の価値を把握しておけば、安値で買い叩かれることを防げます。

例えば、市場価格が4,000万円の事故物件を売ろうとしているなら、売却額の最低ラインを「3,200万円」と定めておきましょう。

※事故物件となった原因によっては、最低ラインを5割程度(2,000万円)まで下げるべきケースもあります。

事前に最低ラインを定めておくことで、不当な値段で買い叩かれることを防げます。

まとめ

事故物件は買主がつきにくいため、売却が困難ですが訳あり物件専門の買取業者なら高く、早く買取してくれます。

仲介業者に依頼すると、売却までに期間がかかってしまいますが、買取業者なら売却までのさまざまな流れを省けます。ケースによっては、最短48時間で現金化も可能です。

なお、事故物件を高値で売却するには、買取業者の選定が重要です。この記事で説明した3つのポイントを意識してみてください。

また、事故物件を売却する際は、相場価格と比べて「売却価格が安くなる」ことを把握しておきましょう。

事故物件の売却でよくある質問

  • 事故物件でも売れるの?

    確かに、購入希望者がつきにくいため、売却が困難です。しかし「事故物件はまったく売れない」わけではないので、安心してください。

  • 事故物件はどこに売ればいいの?

    事故物件を売るなら「訳あり物件専門の買取業者」の買取をおすすめします。訳あり物件専門の買取業者に任せることで、スムーズに現金化できます。

  • 事故物件を買取してもらう流れは?

    「1.査定を依頼する」「2.買取業者を選ぶ」「3.買取業者から売却価格を提示される」「4.売却価格に納得すれば売買契約を締結する」「5.売却価格が入金され物件を引き渡す」といった流れで売却が完了します。

  • 事故物件の買取業者はどう選ぶべき?

    事故物件を売却する買取業者を選ぶには、さまざまなポイントを意識するとよいです。なかでも「事故物件を専門に取り扱っている」買取業者へ売却することが、最も重要だといえます。

  • 事故物件の価格相場は?

    事故物件の買取価格は相場から2~5割程度安くなった価格が一般的です。また、心理的瑕疵の強さが売却価格に影響することも覚えておきましょう。