道路に面していない土地はどう売却する?高値で売るコツを解説

道路に面していない土地 売却

「道路」に面していない土地は、原則として建物を建てられません。

ここでいう道路は建築基準法上の道路であり、幅が4m(一部地域では6m)のものを指します。

道路に面していない土地は売却が難しく、普通の売り方では買主が見つからないことも多々あります。

そのため、道路に面していない土地を売却するときは、訳あり物件専門の買取業者に相談するのがおすすめです。

訳あり物件専門の買取業者であれば、道路に面していない土地でも高額かつスムーズに買取可能です。まずは無料査定を利用して、土地がいくらになるか調べてみましょう。

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この記事のポイント

  • 建物の敷地には接道義務があり、接している道路の幅や、どれくらいの長さで道路に接しているかの基準がある。
  • 接道義務を満たしてない土地は、建物の新築や建て替えができず、住宅ローンも使えない。
  • 道路に面していない土地の売却相場は3割~5程度下がってしまう。
  • 訳あり物件専門の買取業者なら、道路に面していない土地でもスムーズな買取が可能。

「道路に面していない土地」とはどのような土地?

「道路に面していない土地」は、言い換えると「接道義務を満たしていない土地」のことです。

接道義務とは?
敷地が「建築基準法上の道路」に2m以上接していなければならない法律のこと。

建築基準法42条

この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
引用:建築基準法42条、e-Gov法令検索

そして、接道義務を満たしていない土地は大きく別けると次の4種類です。

  • 幅員4m未満の道路にしか面していない
  • 道路との間口が2m未満しかない
  • 土地と道路の通路幅が2m2m未満しかない
  • 周りを他の土地に囲まれている

それぞれの土地について説明します。

幅員4m未満の道路にしか面していない

1つ目は、道路ではない道に面している土地です。

建築基準法上の道路とは原則、幅員4m以上であることが必要です。

そのため、前面道路の道幅が4m未満のとき、そこを人や車が問題なく行き交っていたとしても「建築基準法上の道路」ではありません。

したがって、その道に面している土地は「道路に面していない土地」です。

道路との間口が2m未満しかない

2つ目は、道路に面している長さが足りない土地です。

接道義務を満たすためには、前面道路が「建築基準法上の道路」であるだけではなく、その道路と敷地が2m以上接している必要があります。

面している長さが足りなければ、それは「道路に面していない」とみなされます。

土地と道路の通路幅が2m2m未満しかない

3つ目は、土地と道路の通路幅が2mより狭い土地です。

旗竿地(旗と竿のような形状の土地)という、通路の形をした敷地で道路とつながっている土地においては、通路部分の幅が2m以上なければいけません。

間口が2m以上であったとしても、通路に途中で2m未満となる部分がある場合、接道義務を満たしていないことになります。

周りを他の土地に囲まれている

4つ目は、周りを他人所有の土地に囲まれている土地です。

「道路に面していない土地」として、最もイメージしやすい土地ではないでしょうか。

「袋地」とも呼ばれ、道路へ出るためには、他人の土地を通らなければなりません。

このとき、袋地に住んでいる人へは「公道に至るため、他の土地を通行する権利(囲繞地通行権)」が認められています。

なお、この通路幅が2m以上だったとしても直ちに、接道義務を満たしているとはなりません。特定行政庁の許可が必要になるので、土地が接道義務を満たしているかどうかは売却前に確認しておきましょう。

道路に面していない土地の売却が難しい理由

道路に面していない土地は接道義務を満たしていないため、新しく建物を建てられません。

また、すでに建物が建っていたとしても、再建築不可となっていることがほとんどです。

購入しても、その土地の使用にさまざまな制限がかかるので、売却が難しいです。

次の項目から、接道義務を満たしていない土地の売却が難しい理由を詳しく説明します。

新築や建て替えが原則できない

接道義務を満たしていない場合、建築物の建造や建て替えができません。建築確認申請をしても、接道義務を満たしていなければ、その申請が通らないからです。

すでに建物が建っている土地であっても、接道義務を満たしていなければ「既存不適格建築物」となり、建て替え不可となります。地震や豪雨などの自然災害で建物が全壊したとしても、再建築できません。

ただし、建築確認申請が不要な小規模なリフォームであれば可能です。どの程度までリフォーム可能かは、リフォーム会社や工務店に相談してみてください。

参照:国土交通省ホームページ(既存不適格建築物の増築等について)

リフォーム等も機器搬入しにくく難易度が高い

リフォームや解体を行うとしても、工事車両が入れないため工事の難易度が上がります。

建築に必要な機材や資材を運び入れることが難しく、工事車両が近づいて作業できない場合が多々あります。

工事の難易度が上がると、かかる費用も高くなってしまうので、活用や維持のコストが負担になります。

買主がローンを組めない

土地を買う場合、ほとんどの人はローンの利用を検討します。

このとき、購入する土地を担保に入れて融資を受けることが一般的です。

しかし、道路に面していない土地は担保価値「ゼロ円」とみなされることがほとんどです。

その結果、通常の土地購入と同じようなローンは組めません。

現金で購入するか、金利が高いノンバンクローンを利用する必要があります。

道路に面していない土地の売却相場は市場価格の5割~7程度

ここまで説明してきたように、道路に面していない土地は購入しても新しい建物を建てることが難しく、買主も限られます。

そのため、道路に面している以外は同じ条件と比べると、売却価格は非常に下がります。目安として、通常の価格相場と比べると、5割~7程度になるのが一般的です。

実際の査定は「坪単価×坪数」を基準にケース・バイ・ケース

土地の価格は基本的に「坪単価×坪数」で算出されます。

そのため、売却相場の当たりをつける際には、近隣の条件が似た土地の坪単価が参考になります。国土交通省が提供している「土地総合情報システム」では、実際におこなわれた不動産取引価格を検索できるので、利用してみてください。

参照:国土交通省ホームページ(土地総合情報システム)

ただし、建築物の有無や管理状況、駅からの距離、周辺環境など、価格はさまざまな条件で変動します。正確に相場を調べるなら、不動産会社の無料査定を受けましょう。

道路に面していない土地を高値で売却する方法

これまで説明した通り「道路に面していない土地」は接道義務を満たしておらず、利用価値が低いため売却価格は安くなります。

しかし、接道義務を満たしたり、売却先を選ぶことで高額で売却できる可能性があります。

その方法について次から詳しく解説します。

建築・再建築ができる状態にして売却する

道路に面していない土地の売却価格が低くなる主な原因は、土地を購入しても再建築ができないことです。

したがって、そのデメリットを解消すれば、高値で売却できます。

具体的には以下3つの方法があります。

  • セットバックする
  • 隣接地を購入して接道義務を満たす
  • 建物の建築・再建築時に隣地を借りる許可を取る
  • 但し書き許可を取る

次の項目から、それぞれの方法について具体的に説明します。

セットバックする

「セットバック」は土地に接している道の幅員が足りず、接道義務を満たしていない場合の方法です。

道と敷地の境界線を道路の中心線から2mの位置まで後退させます。

通常、道の両側には土地があるため、それぞれが土地の境界を後退させることで幅員4m以上を確保できます。

その結果、前面道路が規定の幅員を超えるため、接道義務を満たし建築・再建築ができるようなります。

ただし、セットバックすると敷地面積が狭くなるので、建物を建てる際には建ぺい率や容積率に注意が必要です。ケースによっては、当初の土地に建てるよりも規模が小さい建物しか建てられません。

隣接地を購入して接道義務を満たす

「隣接地の購入」は前面道路に接している間口の長さが足りず、接道義務を満たしていない場合の方法です。

間口を2m以上確保できるように隣接地を取得できればよいので、隣接地全体を購入する必要はありません。

特別、使用していない土地部分であれば、交渉次第では売却してもらえる可能性があります。

このとき、たとえ関係が良好だったとしても、当事者同士の交渉はおすすめしません。隣地所有者は土地の一部を売却することで、建ぺい率・容積率の規定を超えてしまう恐れがあります。

そうなると、隣地の建物は「違反建築物」として行政処分の対象となります。余計なトラブルを起こさないためにも、交渉は不動産会社に任せるとよいでしょう。

建物の建築・再建築時に隣地を借りる許可を取る

「隣地を借りる許可を取る」は隣接地の購入を断られたり、資金の問題で購入できない場合の方法です。

建物の建築・再建築の際、隣地を一時的に利用できる許可を得て、接道義務を満たす状態にします。

隣地所有者は所有権を失うわけではないので、売却よりも認めてもらえる可能性が高いです。

そして、許可を得られたら、その事実を第三者にも照明できるよう書面に残しましょう。

このとき、隣接地を借りる許可は土地の購入者に引き継がれることについても同意を得ておくことが大切です。隣接地を購入する方法と同じく、交渉は不動産会社に依頼することをおすすめします。

但し書き許可を取る

但し書き許可とは、特定行政庁が建築審査会の同意を得た上で、道路に面していない物件の再建築を認める制度です。

但し書き許可を得るには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 敷地の周囲に広い空地があること
  • 特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めること
  • 建築審査会の同意があること

参照:e-Govポータル「建築基準法第43条2項2号」

但し書き許可があれば買主は再建築できるようになるので、売却しやすくなるでしょう。

ただし、但し書き許可は永久に認められるわけではなく、建築のたびに許可を得る必要があります。自分で再建築を行ってから売り出した場合、但し書き許可はなくなります。

実際に認可されるかは申請してみないとわかりませんが、まずは不動産会社や弁護士、役所などに相談し、可能性があるか確認してみましょう。

隣地所有者に売却する

次に、道路に面していない状態のまま、土地を高値で売却する方法を説明します。

それは「隣地所有者に売却」することです。

すでに隣地が接道義務を満たしているのであれば、土地を取得したあと既存の建物を取り壊して、より大きな建物を建てられます。

また、隣地と合わせることで接道義務を満たせるようになるのであれば、建築・再建築不可もなくなるので、メリットが大きいです。

このように、一般的な購入者に比べて隣地所有者の方が土地を活用できる可能性が高いので、売却価格が高くても取引成立しやすいです。

訳あり物件専門の買取業者に相談する

接道義務を満たす対応ができず、隣地所有者への売却も断れられた場合、道路に面していない土地の売却は難しいです。

建物を建てようと思っても建てられず、接道義務を満たしていない土地は通行しにくい場合が多いので、駐車場としての土地活用にも向きません。売出し価格を下げて一般的な売却活動をしても、購入希望者はなかなか現れないでしょう。

そこで、道路に面していないまま土地を売却する場合には「訳あり物件専門の買取業者」をおすすめします。

「訳あり物件専門」なので、接道義務を満たしていない土地を活用するノウハウが豊富にあり、通常の買取業者に比べて高価買取を期待できるからです。

また、買取業者への売却であれば現金化まで1週間~1ヶ月程度と早く、仲介手数料もかかりません。手間なく、迅速な売却を実現できます。

道路に面していない土地を売却するときの注意点

道路に面していない土地の売却で失敗しないために、以下の2点には注意しておきましょう。

  • 更地化しても売却・活用は難しい
  • リフォームはコストと売却価格のバランスを取ることが大切

それぞれ詳しく解説していきます。

更地化しても売却・活用は難しい

築年数の古い建物があると、一旦更地にしたほうが売れやすくなったり、他の用途で活用しやすくなったりすることもあります。

しかし、道路に面していない土地の場合、土地へのアクセスが悪い場合や、土地そのものが狭い場合が多いため、更地にしても売却・活用は困難です。

むしろ、いまある建物を解体することで再建築ができなくなり、より売りにくくなるかもしれません。

更地化は固定資産税が上がる点も要注意

更地化すると、土地の固定資産税が上がることにも注意が必要です。

宅地は、建物があると一律で固定資産税・都市計画税の軽減措置が適用されます。しかし、建物を解体することで、その軽減措置が外されてしまうのです。

具体的な軽減内容は、以下の通りです。

区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地の場合
(200㎡以下)
固定資産税評価額×1/6×1.4% 固定資産税評価額×1/3×0.3%
一般住宅用地の場合
(200㎡腸)
固定資産税評価額×1/3×1.4% 固定資産税評価額×2/3×0.3%
通常の土地(特例外)の場合 固定資産税評価額×1.4% 固定資産税評価額×0.3%

例えば、200㎡未満の土地に対して現状3万円の固定資産税を納めている場合、建物を解体すると6倍の18万円かかるようになります。

土地の課税は毎年1月1日時点の状況を基準にするので、仮に解体する場合、1月1日に更地のまま土地を持たないようにしましょう。

リフォームはコストと売却価格のバランスを取ることが大切

不動産が中々売れないときの対処として、建物をリフォームするという考えもあります。先述の通り、小規模なリフォームであれば道路に面していない土地でも可能です。

しかし、リフォームは小規模でも数十万円の費用がかかる場合があります。また、その費用を売却価格に上乗せできるとは限らず、却って売却益を減らしてしまうかもしれません。

費用面でのリスクがあるため、事前にコストと売却価格のバランスを考えることが大切です。独断でリフォームせず、不動産会社やリフォーム業者などプロのアドバイスを聞いてみましょう。

まとめ

道路に面していない土地は原則、建築・再建築不可のため、購入しても利用価値が小さいです。

そのため、買主がなかなか見つからず、売却価格も低くなる傾向にあります。

高額売却を実現するには「接道義務を満たす」か、土地取得のメリットが大きい「隣地所有者への売却」のどちらかです。

そして、上記の方法が難しい場合や、迅速な現金化が必要な場合には、買取業者への売却を検討してみてください。なかでも「訳あり物件専門」であれば、高価買取を期待できるのでおすすめです。

道路に面していない土地の売却でよくある質問

  • 道路に面していない土地って具体的にどんなものがあるの?

    道路ではない道に面している場合や、道路には面しているが接している長さが足りない場合、他の土地に囲まれている場合です。

  • 道路に面していない土地を売却できますか?

    法律上の制限はないので、道路に面していない土地でもそのまま売却できます。ただし、買主が見つかりにくいため、なかなか売れにくいです。

  • 道路に面していない土地の売却価格はどの程度ですか?

    道路に面していない土地は通常の物件と比べて需要が低いため、売却価格は相場の3~5割が一般的です。

  • どうすれば道路に面していない土地を高く売れますか?

    隣地所有者に売却したり、セットバックや接道義務を満たすことで、再建築可能になるよう対策を施せば高く売れやすいです。

  • 道路に面していない土地はどこに売ればいいですか?

    「訳あり物件専門の買取業者」へ売却するとよいです。契約不適合責任を負う必要がなく、最短数日で現金化も可能です。訳あり物件専門の買取業者はこちら→