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農地の共有持分を売却する条件とは?売却以外の処分方法も解説!

共有持分 農地

農地とは、田んぼや畑など「耕作をおこなう土地」のことです。

農地の売るときは多くの規制があり、通常の不動産と違って売却は困難です。農地の共有持分(共有名義不動産における各共有者の所有権)となると、売却はさらにむずかしくなります。

しかし、売却以外にも農地の共有持分を処分する方法はあります。共有持分を売却したり、他の共有者に譲渡して単独名義にすることも可能です。

ただし、いずれの処分方法も法律・不動産の専門知識が必要なため、弁護士や不動産会社といった専門家と相談しながら手続きを進めましょう。

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この記事のポイント!
  • 農地の持分売却は農地法によって制限されている。
  • 売却相手が共有者であっても「農家でない場合」は売却できない。
  • 「農地転用」で土地の用途を変更すれば制限なく売却できる。

農地の共有持分を売却するには「買主が農家であること」が条件

農地の売却には制限があり、農業委員会の許可が必要となります。この制限は、共有持分に関しても同様です。

農業委員会とは
市町村に設置され、農地に関する事務全般を執り行う行政委員会。

農業委員会から売却許可をもらう条件として「買主が農家であること」があります。

また、第三者に売却する場合は「持分売却後にだれがその土地を利用するか」も問題になります。

ただでさえ売却しにくい農地ですが、共有持分のみの売却はさらに困難といえるでしょう。

農地の売却は農地法によって制限されている

農地の売却については、農地法第3条で規制されています。

農地法第3条
農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。(後略)

引用:e-Govポータル「農地法第3条」

国内の食料自給率を保つためには農地の維持が必要とされることから、このような規制があります。

条文にあるとおり、売却だけでなくあらゆる権利の設定や移転に、農業委員会の許可が必要です。

農業委員会は市町村ごとに設置されています。許可申請の方法などは、役所に問い合わせましょう。

買主が農家でも「縁もゆかりもない第三者」に売却するのは困難

農地が単独名義なら、農家の買主さえ見つければ売却できます。共有持分の売却も同様です。

しかし、買主が農家であっても「縁もゆかりもない第三者」だと、売却許可をもらえないケースがあります。

なぜなら、農業委員会が農地売却について審査するときは「持分売却後の農地がどのように利用されるか」という点も見られるためです。

「自分の共有持分を購入した第三者」と「自分以外の共有者」の間で農地の利用に関してトラブルとなる恐れがあるため、売却許可をもらえない可能性が高くなるのです。

例えば、AとBが農地を共有しており、Aが自分の共有持分をCに売却したとします。CはA・Bと何のゆかりもない第三者です。
この場合、農地はまったく繋がりのないB・Cの共有となってしまいます。一般的に考えて、赤の他人同士が同じ農地を耕作することはありませんし、仮に実現しても「どんな耕作をするか」でトラブルになりやすくなります。
このように、農地の共有持分を第三者に売却するのは非合理的とみなされ、売却許可はもらいにくくなってしまうのです。

買主と他共有者の間で「持分売却後の農地利用」について協議が必要

買主が第三者の場合、農業委員会の許可をもらうには「売却後の農地利用」について、他共有者と取り決めておくことが必要です。

例えば、他共有者が耕作をおこなわず買主に農地すべてを使わせる代わりに、持分割合に応じた賃料を請求する方法があります。

貸し出したときの賃料相場が5万円の農地において、AとBが共有持分を1/2ずつもっているとします。Aが農地全体を使って耕作をおこなう(農地をAが占有する)場合、Bは賃料として2万5,000円を請求可能です。

上記の方法はあくまで一例です。実際にどんな取り決めがあれば第三者へ売却可能なのかは農業委員会の判断によるため、役所に問い合わせましょう。

下記は「共有者への家賃請求」についての記事ですが、農地の賃料に関してもあてはまる内容なので、ぜひ参考にしてください。

共有者に家賃を請求する 共有名義不動産の家賃請求は不当利得返還請求で可能!過去の家賃請求もできるのか?

売却相手が共有者であっても「農家でない場合」は売却できない

農地売却における「買主が農家であること」という条件は、共有者間の持分売買にもあてはまります。

「相続によって農地を兄弟の共有名義にしたが、どちらも会社勤務であり農家ではない」というケースは多々あります。

上記のような場合、共有者間であっても持分売却はできません。

ただし、この後に解説する「農地転用をおこなって売却する方法」や、自分の持分を放棄する「持分放棄」などを使えば、共有者が農家でなくても共有名義の解消は可能です。

「農地転用」で土地の用途を変更すれば売却の制限はなくなる

「農地転用」とは、農地を別の土地にすることを指します。

農地転用をすれば農地法の規制を受けないので、農業委員会の許可をもらう必要はありません。「買主は農家」という制限もなくなります。

ただし、農地転用には都道府県知事(地域によっては市町村の長)の許可が必要です。許可申請は、農業委員会を経由しておこないます。

参照:農林水産省「農地転用許可制度について」

「市街化調整区域」は農地転用の許可がおりない場合もある

農地転用にも条件があり、基本的に「市街化調整区域」の農地は転用できません。

市街化調整区域とは
環境保全などのために、住居や各種施設の建設を抑制される地域のこと。

下記の表は、市街化調整区域における農地の区分と、農地転用の許可基準をまとめたものです。


農地区分 農地の状況 農地転用の許可
農用地区域内農地 ・市町村によって農用地区域内農地に指定されている 原則不許可
甲種農地 ・農業公共投資を受けて8年以内
・大規模で生産性が高い
原則不許可
第1種農地 ・10ha以上の面積がある
・農業公共投資の対象地
・生産性が高い
原則不許可
第2種農地 ・農業公共投資の対象になっていない
・市街地として発展の可能性がある
個別の事情による
第3種農地 ・市街地の周辺にある
・市街地として発展の可能性が非常に高い
原則許可

表を見ると転用可能な農地は、ほぼ「市街地に近い農地」に限られるとわかります。

農地転用ができない場合は、農地のまま売却するか、売却以外の方法で処分しなければいけません。

共有持分のみを農地転用はできない

仮に転用が可能な農地であっても、共有持分のみを対象にした農地転用はできません。

共有持分とは「所有権の割合」を指すものであって、土地を現実に区分するものではないからです。

農地転用をするときは農地全体でおこなう必要があり、共有者全員が共同で申請しなければいけません。

「耕作がおこなわれている土地」は地目に関わらず農地法の対象になる

地目とは、登記簿に記載される土地の用途です。すべての土地は地目が設定されており、農地の場合は基本的に「田」「畑」のどちらかとなっています。

しかし、登記簿上の地目と、実際の使用状況が異なるケースは珍しくありません。「山林」という地目が登記されている土地で、耕作がおこなわれている状況もありえます。

地目と実際の使用状況が違う場合、使用状況を基準に規制されます。

つまり、地目が「田」「畑」以外であっても、実際に耕作がおこなわれていれば農地法の対象になるのです。

農地法の規制対象になる場合、土地を勝手に売却しても売買契約は認められないので注意しましょう。

農地をスムーズに売却するには「弁護士と連携している買取業者」へ相談

農地の共有持分を売却するときは、売却できるかどうかの判断や、売却にかかる許可申請の手続きに法律知識が必要です。

弁護士・司法書士といった法律家や、不動産会社のなかでも農地売買に詳しい業者でなければ、農地の持分売却は困難です。

そのため、農地の持分売却を検討しているときは「弁護士と連携している買取業者」に相談するとよいでしょう。

買取業者は物件を直接買い取るため、短期間での現金化が可能です。さらに、弁護士と連携していれば農地法に関する手続きを効率的に進められるため、コストを抑えて高額買取が可能です。

権利関係が複雑であったり、古い農地で共有者が不明になってしまった場合でも対応してもらえるので、農地の共有持分の処分で困っているときはぜひ相談してみましょう。

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「売却」以外に農地の共有持分を処分する方法

農地の持分売却にはさまざまな制限があり、場合によっては売却が不可能なケースもあります。

しかし、農地の共有持分は売却以外にも処分する方法があります。

  • 1.自分の持分を放棄する
  • 2.共有者と一緒に農地全体を売却する
  • 3.農地を「分筆」して共有名義を解消する

「売却益がなくても農地の共有持分を処分したい」や「共有者に自分の持分を譲渡したい」など、目的にあわせた方法を選択しましょう。

1.自分の持分を放棄する

共有持分は、自分の意思で「放棄」が可能です。放棄された持分は他共有者に帰属(持分割合に応じて分配)されるため、結果的に「共有者に無償で譲渡」されます。

持分放棄のメリットは、他共有者の同意が不要なうえ、農地法による規制を受けないことです。他共有者に「放棄する」という意思表示をおこなえば成立します。

ただし、注意点として「持分放棄は他共有者に贈与税が発生すること」と「他共有者が複数いる場合は特定の共有者へ帰属させられないこと」の2点は覚えておきましょう。

下記の関連記事で持分放棄のやり方について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

持分放棄 やり方 【持分放棄のやり方】放棄した共有持分の取り扱いや持分放棄すべきケースを解説!

2.共有者と一緒に農地全体を売却する

農地の共有持分だけ売却するより、共有者と一緒に農地全体を売却するほうが簡単かつ高値で売れます。

買主と他共有者の間で「持分売却後の農地利用」について話し合う必要がなくなりますし、農地転用後に売却するという方法も取りやすくなるからです。

農地の共有持分を売却するときは、事前に共有者と話し合い、一緒に農地全体を売却しないか聞いてみましょう。

ただし、持分売却より簡単とはいっても、農地の売却そのものに専門的な知識が必要なことに変わりありません。

持分売却と同じように、弁護士と連携した買取業者に相談するとよいでしょう。

なお、共有者全員で共有不動産を売却するときの流れなどは、下記の関連記事で詳しく解説しています。

共有不動産 全員 売却 共有不動産を全員で売却するときの7ステップやトラブル回避のポイントを解説します

3.農地を「分筆」して共有名義を解消する

共有している農地を持分割合に応じて分筆すれば、共有名義を解消できます。

分筆とは、1つの土地を複数に切り分け、別々の単独名義にする手続きです。

分筆で切り分けた農地は共有者それぞれの単独名義となるため、共有名義のときより農業委員会の売却許可をもらいやすくなります。

農地転用をおこなって売却する場合も共有者と共同で申請する必要がなくなり、単独で申請できるため手続きを進めやすくなります。

農地を分筆する手続きのやり方

分筆による共有名義の解消は、農地を切り分ける分筆登記と、持分を交換する持分移転登記の2段階に分かれます。分筆登記だけでは、共有名義の解消はできません。

例えば、AとBが1/2ずつの持分で農地を共有しているとします。まずは分筆登記によって土地を切り分けますが、この段階では「持分1/2ずつの農地が2つある状態」です。
2つの農地で「Aの共有持分」と「Bの共有持分」を交換することで、共有名義が解消されてそれぞれの土地が単独名義となります。

共有持分の分筆

分筆登記までは、農業委員会からの許可は不要です。

しかし、持分の交換については売却と同じように規制されるため、相手が農家でなければいけません。

これでは、せっかく分筆登記をおこなっても共有状態を解消できないケースが発生します。

そこで、持分を交換するのではなく、お互いが持分放棄をすることで、この問題を解決できます。すでに解説したとおり、持分放棄は農地法の対象とならないからです。

分筆の詳しいやり方については下記の関連記事でも解説しているので、あわせて参考にしてください。

共有持分 分筆 土地の共有持分は分筆で単独名義にできる!分筆の流れや注意点を解説します

まとめ

農地はただでさえ売却しにくい物件です。農地の共有持分を売却するのは、さらに困難といえるでしょう。

しかし、農地の持分売却ができなくても、持分放棄など他の方法で譲渡・処分は可能です。

いずれにしろ、農地に売却は許可申請など各種手続きに専門的な法律知識が必要です。

弁護士と連携した買取業者に相談して「売却できるかどうか」の判断や、必要な手続きについてアドバイスをもらうようにしましょう。

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農地の共有持分についてよくある質問

農地の共有持分は売却できますか?

売却は可能ですが、買主が農家であることが条件です。また、買主が農家であっても「縁もゆかりもない第三者」だと、売却許可をもらうために他共有者と買主の間で「持分売却後の農地利用」に関する取り決めが必要となります。

売却相手が他共有者の場合、自由に売却できますか?

いいえ、共有持分を売却する相手が他共有者であっても、規制の対象となります。他共有者が農家ではない場合、共有持分を売却することはできません。

農地を別の用途に変更すれば、制限なく売却できますか?

農地を農地以外の用途に変更する「農地転用」をおこなえば、売却の制限はなくなります。ただし、農地転用は立地などに基準があり、基本的に市街地の近隣にある農地でしか認められません。

売却以外に、農地の共有持分を処分する方法はありますか?

もっとも簡単なのは、自分の持分を放棄する「持分放棄」です。放棄された持分は、他の共有者に帰属されます。ほかには、共有持分だけでなく「農地全体」を共有者と一緒に売却する方法や、農地を分筆(持分割合にそって土地を切り分ける)してそれぞれ単独名義にする方法があげられます。

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