浸水想定区域にある家の売却相場は?スムーズに売却するコツを解説

浸水想定区域とは、大雨による住宅への浸水被害のリスクが高い区域のことです。浸水想定区域内にある家を売ろうとする場合、価格への影響が気になる人は多いでしょう。
しかし、浸水想定区域にある家は購入した時点でリスクが織り込まれているため、売却で極端に損をすることはありません。
ただし、実際に浸水被害を受けた家や、新たに浸水想定区域に含まれた家の場合には、売却価格は下がってしまいます。
浸水想定区域にある家の売却を検討しているなら、問題のある物件でも積極的に買い取る「訳あり物件専門の買取業者」に相談しましょう。
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この記事のポイント
- 浸水想定区域にある家の売却相場は、実際に浸水被害にあっているかどうかで変わる。
- 実際に浸水被害を受けると売却価格は下がってしまうので、早めに売却するとよい。
- スムーズに売却するなら、訳あり物件専門の買取業者がおすすめ。
目次
浸水想定区域とは水害が発生した際に浸水が想定される区域のこと
最初に、そもそも「浸水想定区域」とはなにかについて説明します。
浸水想定区域とは、水害が発生した際に浸水が想定される区域のことです。
そして、浸水想定区域には次の3種類があります。
- 洪水浸水想定区域
- 内水浸水想定区域
- 高潮浸水想定区域
浸水が想定される区域と、予想される浸水被害を示した地図を「浸水想定区域図」と呼びます。
この浸水想定区域図に避難場所や避難経路、防災関係施設などの位置を示した地図が「ハザードマップ」です。
これらは、水害発生時に円滑かつ迅速な避難を確保し、被害を軽減させる目的で作成されています。
洪水浸水想定区域とは雨で河川が氾濫した際に浸水する恐れがある区域
「洪水浸水想定区域」とは、雨で河川が氾濫した際に浸水する恐れがある区域です。
洪水浸水想定区域が導入されたときには「50年~150年に1回程度」の雨量が想定されていました。
しかし、豪雨災害が増えたことを踏まえ、水防法が2015年に改正され、想定される雨量は「1000年に1回の大雨」となりました。
そのため、家を購入したときには浸水想定区域外であったが、今は浸水想定区域に含まれている場合があります。
近くに河川がある場合には、売却前に確認したほうがよいでしょう。
なお、単に「浸水想定区域」というときには「洪水浸水想定区域」を指すことが多いです。
内水浸水想定区域とは排水能力を上回る降雨の際に浸水する恐れがある区域
「内水浸水想定区域」は、地域の既往最大級または想定最大規模降雨など、下水道の雨水排水能力を上回る降雨があった際に、浸水する恐れがある区域です。
洪水よりも浸水深は小さいですが、発生頻度が高いことが特徴です。
また、内水浸水想定区域では、河川の氾濫が発生するまでを想定した浸水被害であり、氾濫後は洪水浸水想定区域とも連携した避難行動が必要になります。
内水浸水想定区域は作成されていなかったり、改定されないままになっている地域が洪水浸水想定区域に比べると多いです。
住んでいる自治体が内水浸水想定区域図・内水ハザードマップを公表しているか確認してみてください。
参照:経済産業省ホームページ(建築物における電気設備の浸水対策のあり方に関する検討会)
高潮浸水想定区域とは高潮による氾濫が発生した際に浸水が想定される区域
高潮浸水想定区域は、水防法または国土交通省令で定められた海岸について、既往最大規模の台風を基準に高潮による氾濫が発生した際に、浸水が想定される区域です。
この基準のもと、河川流量、潮位、堤防の決壊などの条件も最悪の事態を想定して、浸水区域、浸水深、浸水継続時間を求めています。
しかし、高潮ハザードマップの作成率は低く、2020年3月末時点で対象となる39都道府県のうち、公表済は18%でした。
高潮浸水想定区域の公表状況は下図のとおりです。

高潮浸水想定区域が未公表だからといって、高潮による氾濫で浸水が起きないわけではありません。
家が沿岸部にある場合には、高潮による浸水リスクも売却活動を始める前に確認しておきましょう。
参照:国土交通省ホームページ(資料2-1:水管理・国土保全局資料)
水害発生時の浸水想定を調べるなら「浸水ナビ」が有用
水害発生時に、売却を考えている家がどのくらいの浸水被害を受ける可能性があるのか、ピンポイントで調べるなら「浸水ナビ」がおすすめです。
正式名称は「地点別浸水シミュレーション検索システム」で、国土交通省が提供しています。
時間変化に伴う水位変化をアニメーションで見られるので、洪水浸水想定区域を自分で読み解くよりも浸水被害をイメージしやすいでしょう。
なお、浸水シミュレーションデータは収集中ですので、全地域で調べられるわけではありません。
「浸水ナビで検索結果がなければ浸水が発生しない」わけではないので注意してください。
浸水想定区域にある家の売却相場
「家が浸水想定区域に入っているので、売却価格は下がってしまうのでは・・・」と心配になる人もいるでしょう。
しかし、浸水想定区域にあるからといって、必ず売却価格が下がるわけではありません。
なぜなら、浸水想定区域にある家は、もともと不動産評価の際に浸水リスクは織り込み済みだからです。
「浸水想定区域にある」という理由だけで、売却価格が周辺の一般的な不動産売却相場より下がることはありませんので安心してください。
次の項目から詳しく説明します。
原則的に浸水リスクは織り込み済みなので売却価格は下がらない
専門家が不動産価格を鑑定する際、洪水や台風などによる風水害のリスクは織り込み済みです。
浸水リスクはその地域一帯に共通する環境的要因のため、条件が近い周辺の物件売却価格から下がることはありません。
売却する予定の物件特有の欠陥というわけでもないので、浸水想定区域にあることは「瑕疵」にならない点もポイントです。
新たに浸水想定区域に含まれた場合は売却価格が下がる恐れはある
ゲリラ豪雨・集中豪雨などで浸水被害が多発したことを背景に、2015年5月に水防法が改正されました。
洪水浸水想定区域を指定する際に基準となる降雨量が「50年~150年に1回程度」から「1000年に1回程度」の大雨に変更されたことで、新しく浸水想定区域に含まれた家もあります。
そのような家は、購入当初、浸水リスクが土地の評価に織り込まれていなかったと考えられるので、過去の売却価格相場からは売却価格が下がる恐れがあります。
とはいえ、他の浸水想定区域と同様に地域一帯に共通するものですので、売却する家の評価のみが下がるわけではありません。
浸水被害にあっていれば売却価格は大きく下がる
浸水想定区域内であり、過去に浸水被害があった場合、売却価格は市場価格から大きく下がります。
売却価格は、浸水被害がない家と比べて20%~30%程度安くなるでしょう。
また、カビが発生していたり、木材が腐食しているなど、家のさまざまな箇所で欠陥が生じていた場合、建物は価値ゼロと評価されて、土地のみの価格になるケースもあります。
どのくらいの売却価格になるか、一度不動産会社に査定を依頼してみてください。
浸水被害を受けた物件の評価時に影響する内容
浸水被害を受けていても、建物への影響がほとんどなかったり、すでに修繕済みであれば物件の評価には影響しません。
反対に、重大な欠陥があれば建物の価値は大きく下がります。
他にも、浸水被害にあった物件の査定では主に、下記の項目が影響を与えます。
- 浸水被害が再発する確率
- 浸水被害の大きさ
過去の浸水被害が「想定最大規模降雨」により起きたものであれば、めったにない降雨ですので、再発確率は低いと判断されます。
そのため、査定結果への影響は小さいです。
次は、浸水被害の大きさです。氾濫があった際の「浸水深」と「浸水継続時間」は浸水想定区域図に記載されています。
浸水深が深く、継続時間も長いほど、査定価格は下がります。浸水被害にあった物件は、通常の査定項目に上記3点を追加して考慮し、査定価格が算出されます。
浸水想定区域にある家をスムーズに売却するポイント
ここから、浸水想定区域にある家をスムーズに売却するポイントを説明します。
理想は「浸水被害にあう前」に売却することです。相場に近い価格で売却できます。
もちろん「浸水被害にあった後」でも売却は可能です。
ただし、1度でも浸水被害にあっていると家への影響を買主が心配するので、売却前にホームインスペクションを実施しておきましょう。
以下の項目で詳しく説明していきます。
浸水被害にあう前に売却する
浸水想定区域にある家をスムーズに売却する1番のポイントは「浸水被害にあう前」に売却することです。
浸水していなければ、相場どおりの価格で売り出しても買主が見つかる可能性は高いです。
最近は地震や集中豪雨などの自然災害が頻繁に起きています。
いままで大丈夫だったとしても、次同じような雨が降った際に浸水しないとはいい切れません。
売却を考えているのであれば、早いうちに売却活動を始めることをおすすめします。
浸水想定区域に含まれることは重要事項説明の対象
2019年7月に宅地建物取引業施行規則が改正され、重要事項説明でハザードマップにおける宅地・建物の所在地を説明しなければならなくなりました。
重要事項説明とは、売主が買主に対して「物件の状態」や「瑕疵」などを事細かに伝えることです。不動産売却時には必ずおこなわれます。
そのため、これから売却する場合には、浸水被害にあったことがなくても、浸水想定区域に含まれることは買主へ伝えなければいけません。
参照:国土交通省ホームページ(宅地建物取引業法施行規則の改正について)
過去に浸水被害があればホームインスペクションを実施して売却する
浸水被害を受けた家を売却する際は「ホームインスペクション(住宅診断)」を売却前に実施すべきです。
なぜなら、浸水による建物への影響が、一目では見えないところに出ているかもしれないからです。
ホームインスペクションでは、住宅の劣化状況、欠陥の有無、修繕すべき箇所をホームインスペクターや建築士などの専門家が診断します。
一般人であれば見逃してしまうような欠陥も発見できるため、買主への安心につながります。
ちなみに、ホームインスペクションの費用相場は5万円~10万円です。
高いと感じるかもしれませんが、それだけの費用で売却後に契約不適合責任を問われるリスクを減らせるのであれば、十分なメリットがあるといえるでしょう。

浸水被害を受けたことは買主へ告知義務がある
ホームインスペクションの結果、家への影響がなかったとしても、浸水被害を受けたことは買主へ告知義務があります。
浸水被害があったことを知っていれば購入しなかったり、買うにしても適切な浸水被害への対策を含めて工事するなど判断が変わってくるからです。
もしも買主へ告知せず、その家が浸水被害にあった場合は「説明義務違反」として損害賠償請求される恐れがあります。
家の売却が不利になると思えますが、隠して売却する方がその後の損害は甚大です。裁判になると手間や時間がかかるため、必ず説明しましょう。
迅速に現金化したければ訳あり物件専門の買取業者へ売却しよう
近年、多発している集中豪雨によって、浸水想定区域にある家が今まで以上に売れにくくなっています。
そこで、スムーズに現金化したいなら、訳あり物件専門の買取業者への売却がおすすめです。
買取業者の査定結果に納得すればすぐに売買契約を交わせるので、売却活動に時間がかかりません。買取業者にもよりますが、最短48時間以内に現金化できます。
また、査定価格は買取業者によって異なります。
一般的な戸建てやマンションのみを取り扱う買取業者の場合、査定価格が著しく低いか買取拒否されるケースが多いです。
高価買取を実現するためには、実績豊富な「訳あり物件専門」の買取業者に依頼しましょう。
まとめ
浸水想定区域は不動産独自の問題ではなく、地域一帯に共通する特徴です。
不動産評価の時点で浸水リスクは織り込まれているので、売却価格が相場から下がることはありません。
しかし、一度でも浸水被害にあってしまうと、売却価格は大きく下がります。
そのため、浸水想定区域にある家を高額で売却したいならば「浸水被害にあう前」のタイミングがおすすめです。
最近の頻繁な豪雨災害で、浸水リスクを懸念して買主が見つからない恐れもあります。
できるだけ早く、高く売却したい場合には、訳あり物件専門の買取業者へ依頼するとよいでしょう。
浸水想定区域にある家の売却時によくある質問
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浸水想定区域にある家でも売れる?
浸水想定区域にある家でも、通常の物件と同じように売却できます。浸水想定区域は、水災時の対応や事前対策など浸水被害を軽減する目的で作られたものだからです。
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浸水想定区域にある家はいくらで売れる?
「家が浸水想定区域に建っている」といった事実だけでは、売却価格の下落要因にはなりません。ただし、過去に浸水被害があれば価格は大きく下がる恐れがありません。
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浸水想定区域にある家の評価基準は?
「過去の浸水被害の有無」「浸水が起きたときの影響」「浸水が起きる確率」といった3つのポイントが評価の基準になります。
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浸水想定区域にある家をスムーズに売却するには?
「浸水被害にあう前に売却する」「過去に浸水被害があればホームインスペクションを実施して売却する」といったことが大切です。
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浸水想定区域にある家はどこなら買ってもらえる?
訳あり物件を専門に扱う買取業者であれば、浸水想定区域にある物件でも本来の資産価値を評価してくれるため、高く売却できます。訳あり物件専門の買取業者はこちら→