事故物件を解体するメリット・デメリットは?費用や注意点を解説

事故物件 解体

資産価値が低く活用も難しい事故物件ですが、解体することで心理的瑕疵を低下させたり、他の用途へ変更して新たな収益を得ることも可能です。

しかし、解体は費用がかかるだけでなく、固定資産税の軽減処置が受けられなくなるなど、デメリットや注意点もあります。

この記事では事故物件を解体するメリットとデメリット、解体する場合の費用などを解説します。

この記事を参考に、事故物件を解体すべきかどうか検討してみましょう。

また、もし事故物件を完全に手放したいのであれば、訳あり物件専門の買取業者に相談するのもおすすめです。早ければ2日程度で、事故物件を売却することができます。

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この記事のポイント

  • 事故物件を解体すると心理的瑕疵は軽くなるが、完全に価格減少を抑えられるわけではない。
  • 解体費用の相場は1坪2~6万円が相場。
  • 事故物件が空き家の場合、解体に補助を出す自治体もある。

事故物件を解体するメリットとデメリット

事故物件の解体には、メリットとデメリット両方存在します。

事故物件を解体するメリット3つ

事故物件を解体するメリットとして以下の3点について詳しく解説していきましょう。

  • 売却しやすくなる
  • 用途を変更できる
  • 事故物件のイメージを払拭できる

①心理的瑕疵が軽くなり売却しやすくなる

事故物件を解体することで、心理的瑕疵が軽くなり売却しやすくなる傾向があります。

建物が事故物件となってしまうと、住人に不快感や恐怖感を与えてしまうため心理的瑕疵物件として扱われてしまうのは避けられません。

しかし、建物を解体してしまえば事故や事件、人の死などが連想されづらくなり、心理的瑕疵は軽くなります。

建物が一度取り壊されていたり、建物が建て替えられているのであれば、事故物件でも構わないという考えの方も多くいるため、事故物件をそのまま売りに出すよりも、一度解体した方が売却しやすくなる傾向があります。

②賃貸物件や駐車場など用途を変更できる

事故物件を解体して更地にすると、駐車場やシェアハウス、賃貸物件などへ用途を変更できるようになります。

事故物件を解体した後は、更地にして売却することはもちろん、賃貸物件やシェアハウス用に建て直せば、収益物件として活用することもできるでしょう。

また、駐車場や貸倉庫、トランクルームなどであれば、事故物件という瑕疵の影響は関係なく、収益を得ることもできます。

事故物件解体後の更地は、賃貸事業や貸しスペースなど、立地や環境の需要に合わせて有効活用してみてはいかがでしょうか。

③事故物件のイメージを払拭しやすい

事故物件は解体してしまえば、事故物件であったという印象やイメージを払拭しやすくなります。

個人の買い手を想定した場合、事故物件の建物がそのまま残っている状況よりも、解体して更地となっている状況の方が事故物件という印象は薄れやすいです。

また、事故物件であるという話は近隣住民にも広まりやすいですが、解体して更地にしてしまうことで、近隣住民の記憶からも薄まりやすいでしょう。

そのため、大きな事件や事故により事故物件という印象が強く刻まれてしまっている物件の場合は、一度解体して、世間からの悪いイメージが風化されるまで待つのも一つの策です。

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事故物件の解体に伴うデメリット2つ

事故物件の解体には以下のようなデメリットも考えられます。

  • 固定資産税の負担が増える
  • 解体後も価格の減少は避けられない

①軽減措置対象外となり固定資産税の負担が増える

建物を解体して更地にすると、固定資産税の軽減措置対象外となり税金の負担が増えてしまいます。

建物の建っている土地には、固定資産税の軽減措置が適用されているため、最大1/6まで税金を抑える事ができますが、建物のない土地は軽減措置対象外となってしまいます。

そのため、すぐに新たな建物に建て替えるために事故物件を解体するのであれば問題ありませんが、解体後、更地のまま保持しようとしている場合は固定資産税の負担額が増える点に注意しましょう。

②更地にしても3割~5割の価格減少は避けられない

事故物件を解体して更地にしても、3割~5割の価格減少は避けられないと考えましょう。

事故物件のような心理的瑕疵物件は、解体して痕跡がなくなったとしても、相場価格で売ることは難しいです。

一般的に、自殺による事故物件の場合は相場価格の3割程度、他殺や事件による事故物件の場合は相場価格の5割程度低下してしまうと考えられています。

しかし、人気の高いエリアや需要のある立地の物件であれば、価格の減少も1割ほどに抑えられる可能性もありますので、売却を検討している場合は売却方法や物件の相場について不動産屋に相談してみましょう。

事故物件の解体費用はどれくらいかかる?

実際に、事故物件の解体費用はどれくらいかかるのでしょうか。

  • 解体費用
  • 撤去費用
  • 廃材処分費用

事故物件を解体する上で費用が発生する上記3点に分けて詳しく見ていきましょう。

解体費用は1坪2~6万円が相場

解体費用は、坪数や構造によって費用に大きく差があり、1坪あたり2~6万円が相場となります。

坪数、構造別に費用の相場を見てみると以下のようになります。

木造 鉄骨造 鉄筋コンクリート造
1坪 2~4万円 3~4万円 4~6万円
40坪 80~160万円 120~160万円 160~240万円

坪数が大きくなるほど解体作業の範囲も広がるため物件の坪数に比例して、価格は上がります。

鉄骨造の建物は、内装の撤去が完了すれば、ほぼ鉄のみが残り解体はスムーズですが、木造よりも費用相場は高くなります。

ビルやマンションなどに多く使われている鉄筋コンクリート造は、鉄骨の中にコンクリートが流し込まれているため、解体工事には大型重機が必要となり、その分費用も高くなってしまうでしょう。

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家屋以外の撤去にも費用がかかる

事故物件を解体する際、建物以外にも撤去費用がかかる事を覚えておきましょう。

庭に植えられた植物やブロック塀など、建物以外を解体・撤去することは付帯工事と呼ばれており、おおよその費用相場は下記のようになります。

解体・撤去物 解体・撤去費用の相場
ブロック塀 1㎡あたり5千円~1万円
庭の樹木 1~5万円
倉庫や物置 2~3万円
門や扉 2万円前後

事故物件を解体しようと思ったとき、つい建物の解体費用にばかり目がいってしまいますが、上記のように付帯工事にも費用が発生するので注意しておきましょう。

しかし、事故物件を解体して新たに建物を建てる場合には、塀や樹木などをそのまま再利用できる場合もありますので、付帯工事による解体・撤去が必要かどうかよく考えた上で解体業者へ依頼しましょう。

廃材処分にも費用が発生する

事故物件の解体に伴って出た廃材(ゴミ)は産業廃棄物として扱われ、廃棄するのに費用が発生します。

廃材はその種類や処分する業者、処分する地域によって費用は異なりますが、おおむね以下の金額になると考えられます。

廃材品目 廃棄費用(1㎡)
木くず 5千円以上
石膏ボード 1万3千円以上
タイル・カーペット 2万7千円以上
レンガ 2万7千円以上

参照:産業廃棄物 収集運搬 処理・処分 専門 晴栄運送 産業廃棄物収集運搬処理料金表

上記のように廃材を廃棄するのも安くは済みませんが、木くずや石膏ボードなど、リサイクル可能なものに関しては、費用を抑えることも可能です。

解体費用の見積もりを出してもらう際には、リサイクル可能な廃材の処分費用は安くできるか確認したり、リサイクル品を安く処分してくれる業者を選んだりすると費用を安く抑えられるでしょう。

事故物件の解体費用を安く抑えるポイント2つ

事故物件の解体費用を安く抑えるには、以下の2つのポイントを抑えておきましょう。

  • 自治体からの補助金を利用する
  • 家電は事前に自己処分しておく

自治体からの補助金を利用する

事故物件を解体する場合、自治体から解体費用の補助金を受け取れる場合があり、これを活用することで解体費用を安く抑えられる可能性があります。

解体費用の補助金を受け取れる条件は自治体によって異なりますが、主に以下のような条件が設定されていることが多いです。

 〈補助金の対象物件例〉

  • 対象の市区町村の中にある
  • 一定期間使用されていない空き家
  • 崩壊や事故などの危険性がある

この補助金は、空き家の老朽化による事故の発生や、放火・犯罪などの発生を防ぐ目的で、国から自治体へ出されているものです。

そのため、補助金は主に空き家の解体を対象としていますが、自治体によって細かな基準は異なりますので、事故物件のある地方自治体のホームページから、補助金の対象になるか確認をしておきましょう。

家電は事前に自己処分しておく

事故物件を解体する際、エアコンやテレビなどの家電を、自分で事前に処理をしておくことで、解体費用を安く抑えられる可能性があります。

タンスやカーテン、家電などの家財道具を残したまま、建物の解体を依頼することもできますが、家電に関しては、産業廃棄物として解体業者に処分依頼をするより、粗大ゴミとして自己処理をした方が安くなる場合があるのです。

依頼する業者や自治体によって、処分費用は異なりますが、解体業者に依頼するものと自己処理するものの線引きは、大概以下を基準とするといいでしょう。

自己処理の方が安く済むもの 廃棄処分の方が安く済むもの
テレビ タンス
エアコン 木製のテーブル
洗濯機 スチールラック

また、家電特化型のフリマアプリや地域特化型のフリマアプリなどを活用すれば、商品として売却できる可能性もありますので、処分を急がない場合は家財道具を出品するのもおすすめです。

事故物件の解体時の注意点3つ

事故物件の解体をする際は以下の3点に注意しましょう。

  • 事故物件は解体後も告知義務がある
  • 再建築不可物件ではないかを確認
  • 解体業者は相見積もりで選ぶ

事故物件は解体しても土地に告知義務が残る

事故物件は、解体して更地にしたとしても、その土地自体に告知義務が残っているため、土地を売却する際や、新たに建物を建てて貸し出す際には注意しましょう。

事故物件には心理的瑕疵が伴うため、売却時、もしくは貸出時には事故物件であることを買主や住人へ伝えなければならない、という告知義務があります。

事故物件を解体した後の土地にも告知義務は残り、さらに新しい建物を建て替えたとしても事故物件としての告知義務を果たさなければいけません。

国土交通省により事故物件ガイドラインが定められており、告知義務を守らず、瑕疵を隠ぺいして売却や貸出を行った場合は訴訟に発展してしまう可能性もありますので注意しましょう。

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再建築不可物件ではないか確認をする

事故物件のあった土地が再建築不可物件となっていないか確認しておかないと、事故物件の解体後に、新しい建物が建てられなくなってしまう可能性があります。

主に「接道義務」を満たしていない土地が、再建築不可物件として扱われ、建物を解体して更地にしてしまうと法律上新たな建物の建築は不可能です。

接道義務とは「幅員4m以上の道路に2m以上接している必要がある」というもので、救急車や消防車などの救急車両がスムーズに侵入できるようにするために定められています。

この接道義務が定められたのは1950年のため、それ以前に建てられた建物は、接道義務が満たされていない再建築不可物件となっている可能性もあるので注意しましょう。

もし、解体を予定していた事故物件が再建築不可物件だと判明した場合は、解体はせず、リフォーム・リノベーションをして心理的瑕疵を抑えたり、駐車場として活用したり、代替案を検討してみましょう。

解体業者選びは相見積もりで決める

事故物件の解体を依頼する業者を選ぶ際は、複数の業者に見積もりを出してもらい、相場を把握することが重要です。

事故物件を解体する費用は依頼する業者によって変動するため、多額の工事費用を負担してしまわないためにも、複数業者の見積もりを比較して解体費用の相場を把握しておきましょう。

解体費用の見積もりは、業者へ直接問い合わせをするのが一般的ですが、業者のホームページ上にも解体費用例や費用一覧を載せている業者もいますので、気になる業者があればホームページを確認しておきましょう。

また、解体業者の一括見積もりサイトなどもありますので、時間がない場合には一括見積もりサイトを活用して、簡単に複数業者の見積もりを比較するのもおすすめです。

まとめ

保有物件が事故物件になってしまった場合は、解体することで、心理的瑕疵を低下させたり、駐車場やシェアハウスなどの他の用途に物件を有効活用したりすることが可能です。

解体費用は、構造や坪数によって変動しますが、家電を自分で処理したり、自治体からの補助金を利用したりすると、費用を安く抑えられることを覚えておきましょう。

また、事故物件を解体する場合は、固定資産税の負担額や再建築不可物件かどうかの確認をしっかりと行い、解体後に後悔することのないように注意が必要です。

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事故物件の解体に関するよくある質問

  • 事故物件を解体するメリットはなんですか?

    事故物件を解体することで、心理的瑕疵を低下させたり、駐車場やシェアハウスなど用途を変更して運用していくことができるのがメリットとして挙げられます。

  • 事故物件の解体にデメリットはありますか?

    更地になると、土地に対する固定資産税が上がってしまう可能性があります。また、価格減少を完全に抑えられるわけではないので、売却価格は3割~5割ほど下がってしまうでしょう。

  • 事故物件を解体するのにかかる費用相場はいくら?

    解体費用は、一坪あたり2万円~6万円が相場となります。

  • 事故物件を解体するときの注意点はありますか?

    事故物件を解体しても告知義務があることや、再建築不可物件ではないかを確認することが重要です。

  • 解体業者はどのように選べばよいですか?

    複数の業者に見積りを出してもらい、比較することが大切です。業者に直接問い合わせたり、解体業者の一括見積もりサイトを利用しましょう。