分譲で所有しているマンションの共有部分で飛び降り自殺があった場合、専有部分の売買や賃貸をおこなうときに告知義務は発生するのでしょうか?
原則としては告知義務はありませんが、状況次第では告知が必要となる場合もあります。
個々のケースによって判断基準が変わるため、不動産会社に確認しながら売買・賃貸契約を結びましょう。
また、売却を検討しているなら、訳あり物件専門の買取業者に相談することをおすすめします。
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- 自分の専有部分とまったく関わりがない飛び降り自殺なら、告知義務は発生しない。
- 告知義務がなくても、実際には伝えたほうがよい場合もある。
- 告知義務を怠ると契約不適合責任に問われ、損害賠償などを請求される。
目次
マンションの共用部で飛び降りに告知義務はある?告知義務の発生条件について
マンションの共用部で飛び降り自殺が起きた場合、基本的に告知義務は発生しません。
ここでは、
- マンション共用部の飛び降り自殺で告知義務が発生しない理由
- マンションの飛び降りで告知義務が発生するケースとしないケース
について解説していきます。
マンションの共用部の飛び降りでは告知義務は発生しない
マンションの専有部分での自殺や事故については告知義務が発生しますが、マンションの周辺や日常使いしない場所で起こる人の死についてまで貸主は責任を負うことはできないため、告知義務は発生しないのが一般的です。
マンション共用部での飛び降りが告知義務の発生には繋がらない例として、「平成18年4月7日東京地裁」東京地裁の判決を見てみましょう。
賃借人は契約の際に告知をする義務があったとして、賃貸人及び仲介業者に対し2000万円の損害賠償を請求。
上記の例では、賃貸契約をしている専有部分とは無関係の場所で飛び降りが起きたため、損害賠償請求は却下されました。
告知義務はなくても住居者には伝えるべき場合もある
告知義務のないマンションの共用部での飛び降りでも借主へ告知をした方が良いケースもあります。
特に、以下の2点に当てはまる場合は注意が必要です。
- 損害賠償請求される
- 風評被害が大きい
損害賠償請求される
告知義務のない共用部分の飛び降りが起きた場合でも、損害賠償請求をされる可能性もあるため、借主や買主へ告知をした方がいい場合もあります。
基本的に告知義務の有無について、明確な決まりは定められていません。
そのため、物件がどのようなケースで事故物件となっているのか、また、買主や借主がマンション内で起きた飛び降りについてどのように受け入れるかによって告知すべきかどうかは変わってきます。
そのため、上で紹介した「平成18年4月7日東京地裁」の裁判例のように、物件の瑕疵について告知を受けなかったにも関わらず契約後に瑕疵について知ってしまった場合、買主や借主から損害賠償を請求される可能性は否定できない、という点は留意しておきましょう。
風評被害が大きい
風評被害が大きい場合も、マンションで起きた飛び降りに関して住居者や借主、買主に事実を伝えた方がいいでしょう。
例えば、有名人がマンション敷地内で飛び降りをした場合や大きなニュースとして取り上げられた事件など、周辺住民やネット民から多くの注目や批判を受けることもあります。
このような場合、告知義務がないからと住居者に飛び降りについて隠したとしても、ネットや近所、さまざまなところに転がっている情報から「飛び降りがあった」という事実はバレやすいです。
共用部分の飛び降りでは告知義務は発生しませんが、風評被害が大きい場合は、マンションの住居者へ飛び降りの事実関係について伝えておいた方がいいかもしれません。
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マンションの飛び降りで告知義務が発生するケースとしないケース
マンションの飛び降りで告知義務が発生するケースとしないケースは、主に専有部分が関係しているかしていないかに関係しており、
- 専有部分からの飛び降り
- 告知義務あり
- 専有部分へ落下
- 告知義務あり
- 共用部から共用部への飛び降り
- 告知義務なし
というように区別されます。
専有部分からの飛び降り・・・告知義務あり
マンションの専有部分から飛び降り自殺が起こった場合は、告知義務が発生します。
例えば、以下のようなケースでは告知義務が発生します。
- 専有部分のベランダから飛び降りて隣接した道路に落ちた
- 専有部分の部屋の窓から飛び降りて駐車場に落ちた
これらの場合、飛び降りによって専有部分が汚れることはないため物理的瑕疵は低いです。
しかし、専有部分の一角から飛び降り自殺者が出たとベランダや窓を見るたびに連想されてしまうため、心理的瑕疵は高くなるでしょう。
落ちた場所が共用部でも、飛び降りた場所によって告知義務の発生有無が分かれるため、マンションで自殺者が出た場合は、自殺者が飛び降りた場所も把握するのをおすすめします。
専有部分へ落下・・・告知義務あり
飛び降り自殺者がマンションの専有部分へ落下した場合にも、告知義務が発生します。
例えば、
- 飛び降り自殺者が専有部分の庭に落ちた場合
- マンションの屋上から飛び降りて階下のベランダに落ちた場合
などは告知義務が発生するケースです。
専有部分から飛び降りをした場合と同じように、自殺者の死が専有部分に関連しているため自殺者の落下場所は告知義務の発生有無を分ける重要な要素になります。
自殺者が落ちた場所は、自殺者とはもともとなんの関係も無いのですが、「飛び降り自殺者が落ちてきた物件」や「飛び降りした人が死んだ物件」となるとどうしても不気味で心理的瑕疵は高くなってしまうでしょう。
そのため、飛び降りした者と物件の関係性が無かったとしても、その飛び降り事件によって事故物件として扱われてしまうので注意が必要です。
不慮の事故死・・・告知義務なし
飛び降り自殺や他殺による転落事故ではなく、不慮の転落事故だった場合には、死者が出た場所が専有部分であってもなくても告知義務は発生しません。
そもそも告知義務が発生する死因とは、他殺、自殺が主です。
自然死や老衰死、日常生活で起きた不慮の事故の起きた物件には、告知義務は発生しないと国土交通省の定める「事故物件告知義務ガイドライン」に記載されています。
そのため、
- 子供が誤ってベランダから転落死
- 飲酒により転落死
などが起きた場合は、告知義務のない不慮の事故死となるでしょう。
瑕疵を隠すと契約不適合責任を追及されることも
マンション共用部が絡んだ飛び降りで告知義務が発生するケースだった場合、告知義務に反して瑕疵を隠して売買や賃貸に出すと契約不適合責任を追及されることがあります。
では、
- 契約不適合責任とは
- 責任の追及期限はどれくらいか
の2点について解説していきます。
契約不適合責任とは民法で定められている売主の責任
契約不適合責任とは、民法で定められている売主の責任のことです。
マンションの飛び降りは心理的瑕疵(心理的に嫌悪感がある要素)にあたります。
飛び降りが起きたのにこの事実を隠して物件を売却した場合、買主には損害賠償を請求する権利や契約解除する権利が行使可能です。
責任の追及期限は瑕疵発見から1年以内
契約不適合責任の追及期限について、民法では瑕疵発見から1年以内と定められています。
売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。(後略)
1年の猶予期間の間に、損害賠償請求や契約解除をされてしまう可能性がありますので、物件売却時には心理的瑕疵に関わることを隠さず買主に伝えるように注意しましょう。
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マンションの共用部で飛び降りが起きた物件の資産価値は低下する?
マンションの共用部で飛び降りが起きた物件の資産価値は、一般的には低下しません。
ここでは、
- 共用部で起きた飛び降りによる資産価値
- 専有部で起きた飛び降りによる資産価値
について解説していきます。
共用部での飛び降りでは資産価値は低下しないのが一般的
共用部での飛び降りでは資産価値は低下しないのが一般的です。
共用部で起きた飛び降りは、心理的瑕疵が低いため部屋の貸し出しや売却時に値段が下がることは考えにくく、基本的に資産価値の低下を懸念する心配はないでしょう。
専有部分で飛び降りが起きた場合の資産価値は低下する
専有部で飛び降りが起きた場合は、資産価値が1~5割ほど低下するのが一般的です。
専有部分で飛び降りが起きた物件の資産価値の低下率は、以下のような項目で大きく変わってきます。
資産価値の低下が低いケース
- マンションが人気エリアにある場合
- 飛び降りした人が死亡していない場合
資産価値の低下が大きいケース
- 該当物件内から飛び降りた場合
- 風評被害が大きい場合
心理的瑕疵のある物件であっても魅力的な立地条件であったり、人命が助かるなどして心理的瑕疵が低ければ、資産価値の低下は1~2割程度に抑えられるでしょう。
マンションの共用部で飛び降りあったことを後から知った場合訴訟は勝てる?
マンションの共用部で飛び降りがあったことを後から知った場合訴訟で勝てる確立は低いでしょう。
共用部からの飛び降りでは訴訟で勝てる確立は低い
共用部からの飛び降りで、専有部に害がない場合は損害賠償請求を起こしても訴訟で勝てる確立は低いでしょう。
上でも紹介した「続・心理的瑕疵に関する裁判例について」では、飛び降りが起きたのが共用部で、賃貸契約をしている専有部は含まれていないため、心理的瑕疵は低く損害賠償を請求するまでに値しないと訴訟は却下されています。
一部を保有しているマンションや、住んでいるマンションで飛び降りが起きたとしても、専有部に関連しない飛び降りの場合は、訴訟で勝てる確立は低いと考えておきましょう。
投資・転売目的で購入したマンションの場合訴訟に勝てる可能性もある
マンション共用部で飛び降りがあった場合でも、転売目的でマンションを購入している場合は訴訟に勝てる可能性もあります。
以下の訴訟は、売主がマンション共用部の飛び降りに関して告知義務違反を起こしたとして、買主が損害賠償請求を起こしたものです。
売主には飛び降り自殺があったことに関し告知義務があるとし、告知義務違反により損害賠償を命じた。
参照:「マンションを販売した不動産業者に、当該マンションで飛び降り自殺があったことの説明義務があるとされ、慰謝料名目の損害賠償が命じられた事例」
上記のケースの場合、買主は転売目的で共用部を含むマンション全体を購入しているため、売主には飛び降りに関する告知義務があると判断されたようです。
まとめ
マンションの共用部で飛び降りが合った場合、告知義務の対象になるのかどうかは、とても曖昧なラインで告知すべきか悩むこともあるでしょう。
一般的に、共用部の飛び降りでも、落下地点や飛び降り地点が庭やベランダなどの専有部が含まれている場合は告知義務が発生するものだと考えましょう。
しかし、飛び降りに共用部しか関係していない場合でも、損害賠償請求を求められることもありますので、飛び降りの状況や風評被害などを考慮した上で告知するかどうか決断しましょう。
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マンション共用部での飛び降りについてよくある質問
マンション共用部から飛び降り、落下場所が専有部の場合は告知義務の対象、それ以外の場合は対象外となります。
マンションの一部のみを専有部として購入した場合、損害賠償請求できる可能性は低いです。
基本的に不慮の事故による物件の瑕疵については、告知義務はないとされています。
共用部での飛び降りでは、資産価値は低下しないのが一般的です。専有部分での飛び降りや、飛び降りで落ちた先が専有部分の場合、1~5割ほど低下します。
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