土地の購入で古家付きの事故物件はあり?取り壊しから新築までの注意点

事故物件 取り壊し 新築

土地の購入で古家付きの事故物件の検討は、「あり」です。

事故物件は一般的に周辺相場より安価に販売されます。よって、購入費用を抑えることはできるのですが、そもそもの事故物件自体の本質や将来的な資産性、リスクがあったら知りたいところです。

では、諸々条件を満たす物件が事故物件であった場合、購入にはどのようなメリット・デメリット、注意点等があるのでしょうか?

この記事のポイント

  • 「古家付きかつ事故物件」は格安で買える可能性が高い。
  • 解体や整地でコストがかかる点には注意が必要。
  • ②購入時は必ず現地確認を行おう。

土地の購入で古家付きの事故物件はあり

土地の購入で古家付きの事故物件の検討は、ありです。

古家とは、一般的に中古住宅としての利用が難しい物件で一概に基準はありませんが、木造住宅の場合には法定耐用年数の22年超の物件を指すことが多くあります。

もともと古家付きの物件は、購入後に解体費用が掛かることや古家があることで土地の全容が把握しにくいことから、売買価格が周辺相場よりやや安めに設定されることがあります。さらに、事故物件であることで一般的に価格の下落があることから、周辺相場に比べれば相当な割安感があります。

よって、土地の購入予算を抑えて住宅を建てたい人には向いています。また、建物が仮に使える状態であれば、大規模なリフォームを施し居住するのもよいでしょう。

尚、土地の所有者が更地にしない主な理由は、解体や整地に多額の費用が掛かることや、更地になると固定資産税の減免措置がなくなり、宅地があった頃と比べると約6倍に跳ね上がってしまうからです。

事故物件とは、過去に孤独死や自殺があった物件

事故物件とは、過去に住居内若しくは庭などの敷地内にて、孤独死・自殺・殺人事件などが起きた物件のことを指します。水漏れや外壁・屋根の劣化など物理的な瑕疵はないものの、孤独死や自殺など不幸にも人の死が起きてしまった物件は、どうしても第三者には「気色悪い」「幽霊が出るのでは」などと精神的なストレスを与える要因となってしまいます。

尚、事故物件を売買するときには、告知義務があります。

告知義務とは、過去に起きた事故を売買契約時に買主に伝える義務のことです。例えば、10年前に浴室内にて自殺が起きていた場合、起きた時期と具体的な場所やその後どのような対処(特殊清掃やリフォームなど)を行ったかを正確に伝える必要があります。

事故物件の売買では、告知義務の期間に制限はありません。よって、仮に40年前に起きた事象でも告知義務は発生します。

事故物件が安い理由は、流通性が低く住みたいと思う人が少ないから

事故物件の資産性は一般的に下落に転じ、周辺相場より価格は安くなります。その理由を二つ解説します。

流通性が低いから

まずは、事故物件の流通性が低いことです。

事故物件自体、世の中に出回っている全ての不動産案件の中では割合的にかなり少ないもので、不動産案件の中では特殊物件の部類になるでしょう。

よって、事故物件の供給と需要は極めて少なく、わざわざ事故物件を目掛けて検討する人自体は少なくなります。

流通性が低ければ、事故物件の販売があったとしても周辺に競合するようなケースや、内見者同士の競争が起きる可能性も低くなるため、価格はどうしても安くなってしまいます。

住みたいと思う人が少なく、安くせざる得ない

また、先述でも触れていますが事故物件に住みたいと思う人は少ないので、安くせざる得ません。

事故物件は心理的瑕疵が大きいことから需要が低く、周辺相場より相当な割安感を出すことが求められます。価格が安いことで事故物件の心理的瑕疵を乗り越えることができ、購入への検討が進む場合があります。

事故物件に住める人は、事故物件であることが一切気にならない人や霊感がない人の中で、不動産の購入費用を極力抑えたいと思っている人です。人気の駅や街の好立地は、一般的に不動産価格が高い傾向がありますが、事故物件のようないわゆる訳アリ物件を検討することで、購入費用を抑えられることは大きなメリットとなるでしょう。

古家付きの事故物件購入のメリット・デメリット

古家付きの事故物件購入には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?ここでは順を追って解説します。

メリット

まずは、古家付きの事故物件購入のメリットです。

  • ①周辺相場より割安に購入できる
  • ②一般的に検討者が少ないので、物件の購入に時間を掛けられる
①周辺相場より割安に購入できる

まずは、周辺相場より割安に購入できることです。

昨今不動産価格が上昇する中、事故物件は訳アリ物件として割安に販売されています。

当初の購入費用を安くできればトータルコストを抑えることができるほかに、ローンを組む金額を少なくできることで利息負担を減らすことや、購入費用を軽減できた分を新築住宅の建設費用に投入でき、外装や内装などにグレードの高い建材の使用も可能となります。

②一般的に検討者が少ないので、物件の購入に時間を掛けられる

次に、一般的に検討者自体が少ないので、物件の購入に時間を掛けられます。

古家付きの住宅は更地の状態と違い、その土地の現況を把握しにくい状況となっています。よって、事故物件の購入には事故の要因がどんなもので、風評などがSNS上にアップされていないか、さらに土地の履歴や形状、公道などから土地までのアクセス、周辺環境などを慎重に調べておきたいところです。

仮に、競争が起きそうな好立地の土地であれば、細かく調査する時間もなく物件が誰かに買われてしまう可能性がありますが、事故物件であれば慎重に調査などを行い判断できる可能性が高いでしょう。

デメリット

つづいて、古家付きの事故物件購入のデメリットです。

  • ①資産性は低い
  • ②事故があった建物を解体しても告知義務は消えない
  • ③心理的瑕疵など精神的なストレスを感じるときもある
①資産性は低い

まずは、資産性の低さです。

購入時に割安であった事故物件は、将来的にも告知義務は継続されるため、資産性の低さに変わりはありません。

しかし、今回は土地のみの取引である為、購入後に土地の評価額が大幅に下がらない限り、大きな損をする可能性は低いでしょう。

②事故があった建物を解体しても告知義務は消えない

次に、事故があった物件を取り壊しても告知義務が消えることはありません。

古家を取り壊して新築した場合、「事故があった土地」として告知義務だけが残ります。よって、今後新築した住宅を10年後に売却するときには、従前にあった住宅で事故が発生しているという事実の告知が必要です。

事故があった物件自体は取り壊して現状はないものの、告知義務だけが残っているので周辺相場よりは割安になってしまいます。

尚、告知義務を怠り、後々事故物件であったことが発覚してしまうと告知義務違反に問われ、多額の損害賠償を請求される可能性があります。

SNSなどの書き込みや近所の人からのうわさ話等で、事故があった情報を買主が得る可能性は十分あります。告知義務を怠ることによるリスクは先述の損害賠償の他に、当事者同士の話し合いや係争等で多くの時間を割くことや、弁護士を雇う費用が掛かることなどがあります。

③心理的瑕疵など精神的なストレスを感じるときもある

実際に事故があった物件を取り壊し新築しているとはいえ、ふと心理的瑕疵を受けるなど、精神的なストレスを感じることもあります。

例えば、夜中に不自然な物音がすれば「以前事故があったときの霊の仕業では」と、これまで事故のことなど気にせずに生活してきたにもかかわらず、急に懐疑的な見方になることもあるでしょう。

また、近所に以前事故があった土地と認識されていたり、SNS上の事故物件専用サイト等に情報が掲載されているのを見てしまった場合にストレスを感じることもあります。

土地の購入で古家付きの事故物件検討時の注意事項とはなにか

では、古家付きの事故物件検討時に注意しておきたいこととは何でしょうか?ここでは、事故物件検討時に注意すべき内容について解説します。

  • ①事故物件となった要因を把握しておく
  • ②高値掴みしないように相場観を確認しておく
  • ③解体や整地費用に多額の費用が掛かる
  • ④取り壊し後、同規模の建物が新築できる土地か確認する
  • ⑤土地履歴を調査しておく

①事故物件となった要因を把握しておく

まずは、事故物件となった要因をしっかりと把握しておくことです。

事故物件を契約する前には、事故の内容について告知を受けます。当該敷地内にて、いつ頃?どの場所で?どのような事故があったのか?をしっかりと把握し、現況確認時にその場所が今どのような状態になっているのかなども、確認しておきましょう。

尚、土地の売買では契約不適合責任があります。

契約不適合とは、引き渡された不動産が契約の内容通りではない場合に、買主が売主に追及できる権利となり、2020年の民法改正にて従来の瑕疵担保責任に代わるものとして制定されました。

売主は、不動産の状況を予め契約前に買主に伝える義務があります。例えば、敷地内に土壌汚染があるにも関わらず、土壌汚染がないものとして売買契約を結び、引き渡し後に発覚してしまった場合には、契約不適合責任を追及できます。

契約不適合は、修補・代金減額請求・損害賠償・契約解除の4つの権利を買主側に付与し、売主に追及できる権利は2年間、売主は買主から異議申し立てがあった場合に速やかに対応しなければなりません。

心理的瑕疵が低い物件を選ぶ

事故物件の検討時は、心理的瑕疵が低い物件を選びます。

同じ事故物件でも、事故の内容によっては心理的瑕疵の強さは変わり、その後の資産性や売買等に影響がでてきます。

一般的に心理的瑕疵の度合いは、孤独死<自殺<殺人事件となります。つまり、凄惨な事件が起きてしまった物件より孤独死があった物件の方が、同じ事故物件でも心理的瑕疵が低いケースが多くなります(心理的瑕疵は人により異なるので注意)。

よって、その後の資産性や売買等を考慮すると、心理的瑕疵がなるべく低い物件を選ぶとよいでしょう。

②高値掴みしないように、相場観を確認しておく

次に、高値掴みしないように、周辺の相場観を確認しておくことです。

一般的に事故物件は、周辺相場より割安で販売されることが殆どですが、その価格が本当に割安であるかどうかは、周辺相場などを掴んでいない限りわかりません。

よって、不動産ポータルサイトなどで事故物件があるエリアで、立地条件や広さなどが似ているような物件の販売価格がどの程度になっているかを調べておきます。尚、不動産サイトによっては具体的な立地や広さごとに相場価格を明示しているものもあり、複数サイトを閲覧しながらなんとなくの相場観を掴んでおくのがおすすめです。

事故物件は、起きた事象によって相場がある

事故物件には、起きた事象により下落幅に相場があります。

例えば、孤独死が起きた物件であれば周辺相場比で2割~3割の下落、自殺であれば3割~4割、殺人事件であれば5割前後となります。つまり、一般的に心理的瑕疵が強い物件であるほど下落幅は高くなる傾向です。

立地により価格差が出ることはあり

上記下落幅は、立地により価格差が出ることもあります。

事故物件であろうとも、人気の街や駅に近いなど不動産需要が高いエリアであれば、当然に不動産を欲しいと思っている検討者も多くなります。検討者が多い中で割安感の演出ができれば、下落幅を抑えられる可能性が高くなります。

つまり、事故物件の一般的な下落幅は需要が少ないために下げているもので、不動産需要が高い地域であれば相場よりも高値で売れることもあります。

一方、駅や市街地から離れた地域など不動産需要が低い地域については、下落幅が増えることも十分に考えられます。

③解体や整地費用に多額の費用が掛かる

古家の解体や整地には、多額の費用が掛かることを忘れてはいけません。解体は業者の手配から、解体工事の開始と完了時の立ち合いが必要で手間となります。

解体業者は個人で手配可能

解体業者は、個人で手配可能です。インターネット等で検索すると解体業者は簡単に見つかります。

しかし、建物の解体など初めて行うケースが殆どで、いったいどのくらいの費用が掛かるのかについて未知数なところも多いでしょう。

よって、解体時の見積もりは少し手間でも最低3社程度から貰うようにします。複数社から見積もりを取ることで、解体費用の大まかな平均値や工事の内容等の違いで、見積もりの良し悪しが分かってきます。

解体費用は解体しやすさで大きく変わる

建物の解体費用は、解体しやすさで大きく変わります。そのキーポイントになるのが建物の構造と間口の広さです。

建物の構造

建物には、木造、RC、SRCがあります。解体がしやすいのは木造住宅で、一方建物が固い構造体であるほど解体はしにくくなります。SRC構造は、鉄筋コンクリートの中に鉄骨が入っていることで工事の手間が増え解体がしにくく、重機や職人の稼働数と日数が長くなることから解体費用が高くなってしまいます。

また、木造住宅の解体費用は坪3万円前後が一般的な相場です。

解体工事には、工事契約締結後に近隣へ工事に関する挨拶回り、建物周りの仮設養生、本体解体工事、廃棄物の収集と分別・運搬、地中埋設物の確認と撤去、敷地内の整地が含まれます。

仮に、地中に以前工事した際のコンクリート片や木材片など埋設物があった場合や、アスベストが使われている場合などには、解体と廃棄物の分別に時間が掛かり、費用が坪3万円以上になることもあります。

間口の広さ

次に、間口の広さです。

接面道路と接する間口が広ければ、重機の搬入や廃棄物の搬出もしやすく解体工事が短期間で済みます。

一方、接面道路から奥まったいわゆる旗竿地となると、仮設養生の設置のしにくさや重機搬入のしにくさ、若しくは間口が2m位と極端に狭い場合には大型重機の搬入もできず解体自体に手間が掛かります。

また、間口が狭ければ廃棄物を搬出するトラックを横付けできないことから、解体した廃棄物などの搬出もしにくく、やはり手間が掛かります。よって、手間が掛かる分解体に要する時間と人が掛かるので費用が高くなります。

④取り壊し後、同規模の建物が新築できる土地か確認する

次に、建物を取り壊した後、同規模の建物若しくは希望通りの建物が新築できる土地であるのかを確認します。

建物を建てるには、用途地域・建蔽率・容積率・日影規制・道路斜線・北側斜線規制・高さ制限など自治体が定める規制に、則り建物を建設する必要があります。よって、規制の内容によっては希望通りの建物が建設できないこともあります。

また、敷地が接道義務を果たしているかも大きなポイントです。古家付きの土地で建物の築年数が相当古いものになると、接道義務を果たしていない物件もあり、そのままの状態では建物が建築できないこともあります。

よって、検討している土地にどのような建物が建築可能であるかなど、不動産会社に確認するのがよいでしょう。

接道義務とは?

接道義務とは、都市計画区域内にて建物を建築する場合に、幅員4mの道路(建築基準法上の道路、公道や私道)に2m以上土地が接することを言います。

したがって、接道義務を果たしていない土地に新たな建物を建築することはできません。これらは一般的に再建築不可物件と言います。再建築不可物件は、周辺相場に比べて価格が安いなどのメリットがある反面、新たな建物を現状では建築できないことなどのデメリットがあります。

よって、再建築不可物件を購入後には、接道義務を果たす対策が必要です。

接道義務を果たしていない土地を購入した後に行うこと

接道義務を果たしていない土地に行う対策は、下記2つです。

幅員が足りない場合にはセットバック、間口が足りない場合には間口を広げます。また、双方満たしていない場合にはどちらも行います。

セットバックをする

セットバックとは、幅員が4m未満の道路の場合に行う対策で、道路中心線から2mまで敷地を下げることです。

例えば、幅員3mの道路で道路中心線が真ん中に引かれているケースでは、50センチ敷地側に後退させることとなります。

尚、道路として提供した部分については、所有権を保持し私道扱いとするか、自治体への寄付が一般的です。

セットバックした部分の敷地面積は、自由に使える土地ではないため建蔽率や容積率の計算からは除外しなければならず、これにより従来建築できる規模の建物が、セットバックを行うことでできなくなることがあります。

間口を広げる

間口が2m未満の場合には、間口を広げる対策を行います。

間口を広げるには、隣地の土地を取得が必要です。取得方法は、土地の購入か賃貸となります。

双方とも間口を広げる分のみ土地を取得できるのが一番良いのですが、隣地所有者との交渉次第となります。よって、間口を広げる場合には隣地所有者との交渉があるので再建築不可状態を解消するには、少しハードルが高くなります。隣地が良いタイミングで売りに出されていれば良いのですが、住宅街等であればそのようなことが起きる確率は高くはないでしょう。

よって、間口を広げる必要がある細長い土地や旗竿地の検討は、取り壊して新築住宅を建てるには不向きです。

⑤土地履歴を調査しておく

最後に、土地の履歴調査となります。

土地の現況がわかりずらい分、履歴調査は大事です。従前地も住宅であれば問題ないのですが、古地図などを調べて田んぼや畑であったりすると軟弱地盤の可能性があります。また、地名に川や谷などの「水」を連想するような漢字が含まれている場合も要注意です。

尚、軟弱地盤である可能性が高い場合には、念のため地盤調査を行うのがおすすめとなります。

さらに、川が近くにあれば自治体のホームページに発表されているハザードマップにて浸水想定区域の確認や、液状化マップにて液状化のしやすさの確認など、その土地の特性を掴んでおくことが重要となります。

事故物件購入のフロー

ここからは、事故物件の購入をする際のフローについて解説します。

  • ①事故物件を専門で扱う不動産会社に問い合わせする
  • ②購入時は現地確認を行う
  • ③売買契約を結び土地の引き渡しを受ける

①事故物件を専門で扱う不動産会社に問い合わせする

まずは、事故物件を専門で扱う不動産会社に問い合わせすることです。

事故物件を検討するには、インターネットにて「訳アリ不動産」と検索すると、事故物件を専門で扱う不動産業者がみつかります。実際にどのような物件が発売中であるのかなど、ホームページ上で確認してみましょう。

②購入時は現地確認を行う

購入時には、必ず現地確認を行います。

まずは現況の建物やそのほかの構造物の確認です。家屋の他に車庫や物置などが設置されていることがあります。

また、地面に設置されている境界標なども確認し、隣地や接面道路との境界確定ができているかなど、確認できる範囲で見ておきましょう。さらに、接面道路の幅員や間口の確認もしておきます。

最寄り駅からのアクセスや周辺道路からの敷地へのアクセスを確認する

また、最寄り駅からのアクセスや周辺道路からの敷地へのアクセスしやすさも確認します。

最寄り駅からの徒歩ルート上の歩道の有無や広さ、街灯の有無、買い物ができる施設があるかなどです。お子様がいる世帯であれば、小学校までの通学ルートも確認しておきましょう。

また、車の車庫を設けたいのであれば幹線道路からのアクセス性や、接面道路の通行のしやすさ、車庫への駐車のしやすさなどを見ておくのがよいでしょう。

周辺環境を確認する

次に、周辺環境の確認です。

周辺環境とは、近所に嫌悪施設や日当たりを阻害するような建物がないかなど、日常生活に支障がありそうなものがないかの確認となります。

仮に、近くにコンビニエンスストアがあれば日常的には便利となりますが、夜中でも人の出入りがあるので喧騒感がある可能性があります。また、交通量の多い道路沿いの場合、騒音や排気ガスなどの影響を受けます。周辺環境の確認は、昼夜行ってみるのがよいでしょう。

販売状況により値引き交渉も可能

販売状況等によっては、値引き交渉も十分可能です。

事故物件はそもそも検討者が少なく、売主も検討者がいたら是が非でも売りたいと思うケースが多くなります。よって、値引き交渉できる余地は十分あるでしょう。

値引き要求する金額の目安ですが、発売されている価格に対し、5%~10%程度であれば交渉の土台に乗る可能性が高くなります。一方、事故物件はもともと安価に価格が設定されており、20%を超えるような値引きは難しいと考えるのが無難です。

③売買契約を結び土地の引き渡しを受ける

事故物件であること以外は、通常の土地取引とは何ら変わりはありません。

購入の申し込みが済んだら売買契約を結び、土地の引き渡しを受けます。このときに不動産会社へ支払う仲介手数料、所有権移転登記料、ローンの諸費用等が掛かります。また土地の購入にも住宅ローンを使えます。

つなぎ融資を使うのが一般的

そもそも住宅ローンを土地の購入代金だけのために利用することできません。

しかし、購入した土地に居住用の家の購入や建築する場合に、土地と建物を一本化してローンを組むことは可能です。ただし、ローンの実行は建物の引き渡しを受けたときになります。よって、土地の代金を支払うためにローンを組む場合には、つなぎ融資を使います。

つなぎ融資とは、ローンの実行を受ける前までに必要な土地の資金を一時的に借りることができるローンの仕組みです。つなぎ融資を活用することで、土地購入時に多額の自己資金を用意する必要はありません。

尚、つなぎ融資は一般的な住宅ローンより金利が高めになることが、注意点となります。

まとめ

土地の購入で事故物件の検討は、価格が安いというメリットがある反面、告知義務が残ることや資産性の低さなどデメリットもあります。

よって、事故物件購入時には将来的なリスクや、多くの注意点を鑑み慎重に進める必要があります。

特に、その土地に希望通りの住宅を新築できるかは、必ず不動産会社など専門家に確認しましょう。

土地の購入で古家付きの事故物件はあり?に関してよくある質問

  • 土地の購入で古家付きの事故物件購入のメリットは何か?

    古家付きであることで元々安価になっている物件が、事故物件であることでさらに安価になることで、周辺相場より相当な割安価格で購入できることです。

  • 土地の購入で古家付きの事故物件購入のデメリットは何か?

    資産性が低いこと、事故があった建物を解体しても告知義務が消えないこと、心理的瑕疵など精神的なストレスを感じるときがあること、になります。

  • 事故物件が周辺相場より安くなってしまう理由は?

    事故物件の流通性が低いことと、事故物件に住みたいと思う人が少ないからです。不動産流通市場で事故物件は、特殊物件となり供給自体も少ない中で、事故物件を求めている人も少ないことから相対的に安くなってしまいます。

  • 土地の購入で古家付きの事故物件購入で注意すべき点は何か?

    事故物件となった要因を把握しておく、高値掴みしないように相場観を確認しておく、解体や整地費用に多額の費用が掛かる、取り壊し後同規模の建物が新築できる土地か確認する、土地履歴を調査しておくこと、になります。

  • 古家の解体業者はどのように探せばよいのか?

    インターネットで検索すると、近隣の解体業者を簡単に探すことはできます。解体費用の相場はわかりにくいので、相場観を掴むためにも3社程度見積もりを取ることがおすすめです。