アパートのリノベーションを検討するタイミングとは、一般的に「空室率が上がってきたとき」になります。
少子高齢化により、大都市圏を除くと人口は減少傾向にあります。人口が減少すると不動産の需要も下がっていき、アパート経営も競争が激しくなっていくことが予測されます。
特に、日本国内では、築年数が比較的浅い物件に人気が集中します。一方で、築年数30年以上など古いアパートなどは、外観デザインや設備の古めかしさなどから若年世代には敬遠されてしまいます。よって、築年数が経過したアパートは一般的に空室率が高く、また家賃を安くしても入居者が集まらないなどの事態が多く発生しています。
そこで、アパート経営で入居率を向上させ且つ家賃収入を増やしたいのであれば、工夫が必要です。その一つの方法が、リノベーションとなります。リノベーションすることで、他の物件と差別化ができます。また、今後到来する人口減社会のなかで、厳しい競争に勝ち抜ける可能性が高まります。
この記事では、アパートをリノベーションするときのポイントやメリット、主なリノベーションの費用と工事期間などについて解説します。
目次
アパートのリノベーションすべきタイミング5つ
アパートのリノベーションをすべきタイミングとしては、主に以下5つが考えられます。
- 空室が目立つ時
- 外装デザインや内装が古い場合
- 耐震性や耐久性に不安がある場合
- 間取りや設備がニーズに合っていない場合
- 相続税対策を考えているとき
①空室が目立つ時
アパートのリノベーションする代表的なタイミングは、空室が目立つときです。
空室が目立つアパートの特徴は、築年数が古く、外観や内装デザインなどが古いことや傷みが激しい、インターネットなどの最新設備が整っていないなどになります。つまり、築浅物件と比べると内装や設備に雲泥の差があり、特に若者には物件自体を敬遠されてしまいます。
賃貸物件の場合には、一般的に内見して決めるケースが殆どです。古いアパートの見た目の古さや設備の古さは、築浅物件と比べると顕著となってしまいます。また、家賃を下げたところで入居者が決まっても、賃料収入自体は減少しています。
また、築年数が古いアパートは、設備の交換や外装・内装の補修工事の頻度は一般的に多く、交換・補修に掛かる工事費用は築年数経過とともに増加していきます。よって、入居率の低下且つ家賃の下落と補修費用などの増加により、総じてアパート経営は徐々に苦しくなります。
②外装デザインや内装が古い
また外装や内装が古いこともリノベーションを検討すべき条件のひとつです。
例えば外装はトタン屋根、内装は和室で押し入れ、バランス窯式の浴槽、キッチンのお湯はガス湯沸かし器、オートロックなどの設備がないなどです。先述でも触れていますが、総じてデザインや設備が古いアパートは若者に敬遠されてしまいます。
よって、空室率を下げるためには、外装デザインや内装を流行りのデザインや最新の設備機器を整える必要があります。
③耐震性や耐久性に不安がある
次に、耐震性や耐久性に不安があるときです。
アパートは、多くの人が居住する住宅となります。その安全性が確保できない住宅は、リノベーション工事として耐震補強や補修を行うことが必要です。
日本国内では、どの地域でも大きな地震や台風などの災害に遭う可能性があります。耐震性や耐久性に不安があるときなどは、早めにリノベーション工事を行った方が良いでしょう。
④間取りや設備がニーズに合っていない
続いて、間取りや設備がニーズに合っていないときです。
例えば間取りが合っていないとは、学生が多い街であるのに3DKの間取りになっていることや、都心部への通勤者が多くファミリー層中心の街であるのに間取りが1DKであるなどです。このように、地域のニーズに合っていない間取りを貸そうと思ってもニーズが低いのでなかなか借り手は現れません。
また、築年数が古いことで、備え付けの設備面で築浅物件に劣ってしまいます。例えば、設備で代表的なのが通信環境です。インターネット全盛の時代において、住まいでの通信環境の良さは欠かすことができません。最近ではテレワークなど自宅で仕事する人も増えてきているため、通信環境が整っていることを重視する傾向があります。
このように、間取りや設備面などで借り手のニーズに合っていないときには、リノベーションを検討するべきです。
⑤相続税対策を考えているとき
最後は、相続税対策を考えているときです。
古いアパートは、子世代に相続させることができます。また、不動産以外でも現金で相続する際に、現金の一部をリノベーション費に充てることで相続税の対象から外れ、節税効果が期待できます。リノベーションに掛けたお金は、その後家賃がアップすることで回収できます。
よって、少しでも相続税を安くしたいと考えているときには、自宅アパートに先行投資としてリノベーションを行うことがあります。
リノベーションすることで得られるメリット
リノベーションは、建て替えより費用を抑えられることがメリットになります。また、リノベーションすることで建物や部屋内が新築同然に生まれ変わり、築年数が経過した古いアパートと思えないような雰囲気を醸し出せます。
では、リノベーションすることで得られるアパート経営としてのメリットとは、どんなことになるのでしょうか?以下に、4点取り上げ解説します。
- ①入居率アップが期待できる
- ②家賃を値上げできる
- ③若い人が借りてくれる
- ④建物の寿命が延びる
①入居率アップが期待できる
一つ目は、入居率のアップが期待できます。
新たに入居者の募集をするときにリノベーション済みと宣伝でき、部屋内が綺麗な状態の画像や最新設備の画像を掲載できます。日本国内では築浅物件が好まれると紹介しましたが、厳密には設備が新しいところが好まれ、築年数はあまり関係がないことがあります。
よって、新たな入居者を獲得しやすい状況となります。
②家賃を値上げできる
二つ目は、家賃を値上げできます。
最新の設備や新築同然の部屋内であれば、綺麗な状態で住み心地が良いので、当然にニーズが高まります。ここを借りたいと思う人、若しくは借りる候補とする人が多ければ多いほど市場の競争心理が高まるので、総じて家賃の値上げが可能となります。
リノベーションで多額の費用を先行投資する必要がありますが、結果として空室率の改善や家賃アップにより、アパート経営が安定しやすくなるメリットがあります。古いままのアパートで何も策を講じなければ、空室率の改善を見込むことはできません。
リノベーションすることで、経営環境が一気に改善する可能性があります。
③若い人が借りてくれる
三つ目は、若い人が借りてくれます。
これまでの古いアパートが新しく生まれ変わったことで、新たな需要を開拓できます。さまざまな年代の人がまんべんなく借りてくれることで、入居者が特定の層に限定されず、空室が発生しにくい状況となります。
④建物の寿命が延びる
最後は、建物の寿命が延びることです。
建物は、適時メンテナンスすることで長持ちさせることができます。リノベーションでは、床や天井部分を剥がすことや壁を壊すなど、普段の補修ではやらない解体工事があります。
解体することにより建物のコンディションを確認でき、適時必要な個所に補修工事を行えます。例えば、床下の土台に腐食があれば交換工事、木材を止めている金具が錆びていれば新しく金具を打ち付け補強するなど、建物の欠陥箇所を発見し補強・補修工事を行えます。
これにより、建物自体のコンディションを上げることができ、建物寿命が延びることに繋がっていきます。
リノベーションするときのポイント4つ
アパートのリノベーションは、単に設備や内装を新しくすれば良いというものではありません。アパートをリノベーションするには、リノベーションする目的やどの程度の費用を掛けるかなど、幾つかのポイントがあります。
ここでは、アパートをリノベーションするときのポイントを4つ取り上げて解説します。
- ①アパートの構造を確認する
- ②入居者のターゲットを絞る
- ③最新の設備を導入する
- ④費用の回収見込みからリノベーション費用を逆算する
①アパートの構造を確認する
まずは、アパートの構造を確認することです。
アパートの構造には、大きく2種類あります。それは、ラーメン構造か壁式構造です。ラーメン構造とは、建物を支える柱や梁が、縦・横・垂直方向に張り巡らされている構造のことになります。また、壁式構造とは建物を支える柱や梁がなく、耐力壁で建物の荷重を支える構造となります。
ラーメン構造の特徴は、室内に柱や梁の出っ張りが出ることがあるものの、大きな窓や間取りの変更が容易にできることです。また、壁式構造の特徴は部屋が耐力壁で囲まれているため、室内に柱や梁の出っ張りがなくすっきりとした空間になることになります。
一方で、壁自体が建物全体を支えているため、壁を壊すなどによる間取りの自由度は制限されます。よって、リノベーションするときにはアパートの構造を確認し、目的のリノベーション工事ができるのかを判断する必要があります。
②入居者のターゲットを絞る
次に、入居者のターゲットを絞ることです。
入居者には主に、単身・DIKKS・カップル・ファミリーというそれぞれ異なった形態の世帯があります。どの世帯をターゲットにするかでリノベーションの仕方は変わってきます。
例えば、単身女性がターゲットであればセキュリティを強化すること、平均年収が高いエリアであれば室内の設備のグレードを上げること、ファミリー層がターゲットであれば室内設備などに小さな子供向けの安全対策を強化するなど、ターゲットとする世帯のニーズを掴む必要があります。
よって、所有するアパートが立地するエリアが、現状どのような世帯が多い地域であるのかを不動産会社などにヒアリングしておくのが良いでしょう。また、周辺物件の人気の間取りや人気の設備、家賃相場などを調査し、その地域にマッチした物件にリノベーションすることが重要です。
多額の費用を掛けてリノベーションするからには、しっかりとしたリサーチをしましょう。
③最新の設備を導入する
続いて、最新設備を導入することです。
キッチン、洗面、浴室、インターネット設備などには、最新の新しい設備を導入し居住性をアップさせることにあります。リノベーションし部屋が新しくなるからには、家賃設定を上げて収益アップを目指したいところです。家賃を上げるからには、家賃に見合った室内設備、また外装デザインにすることが必要となります。
借り手は、家賃、部屋の広さ、清潔さ、室内設備の充実度、建物の見た目などで総合的な判断で物件を決めていきます。リノベーション物件であれば、内見前の借り手期待度は一気に上がっています。その期待感に応えられるような部屋にするには、最新設備の導入が必要です。
④費用の回収見込みからリノベーション費用を逆算する
最後に、家賃収入による工事費用の回収見込みからリノベーション費用を逆算することです。
リノベーション費用は、先行投資であるため費用の回収見込みがなければ、アパート経営は悪化してしまいます。よって、リノベーションを行った効果により得られる家賃収入を想定し、何年かけて費用回収を完了させるかを決めていきます。これにより、リノベーションに掛けられる費用は概ね定まります。
よって、回収見込みからリノベーション費用の逆算をすることは、リノベーション後のアパート経営の成否を左右する大事なポイントです。
リノベーションに掛けられる費用から規模感を決めていく
リノベーションに掛けられる費用は、工事を行う規模感から決めていきます。以下に代表的な2例を紹介します。
- A.アパート一棟まるごとリノベーション
- B.内装のみのリノベーション
A.アパート一棟まるごとリノベーション
まずは、アパート一棟まるごとリノベーションです。
外装・内装・設備など全て交換する工事になります。実際の工事では、建物の骨組みを除き全て取り壊し、外装や内装や設備を新設します。全て交換になるので、外装や内装に拘りを持てることや建物自体の耐震補強、電気ガス水道の管を全てリフレッシュできます。
よって、アパート一棟まるごとリノベーションは、建物の寿命が延び長期の運営を見越した工事となります。また、お洒落な外観となれば若者にも好まれ、入居者が増えるなどの効果が見込まれます。
B.内装のみのリノベーション
次に、内装のみのリノベーションです。
外装はそのままで、内装を交換する工事になります。内装のリノベーションでメインになるのは、水回りです。キッチン・バスルーム・トイレ・洗面は、最も傷みが激しく管などは腐食している可能性があります。
次に、床と壁です。床はキズや汚れが多くあるので綺麗なフローリングに取替え、壁はクロスの張替えを行います。内装のみの場合は、リノベーション費用を少しでも抑えたいときなどにおすすめです。
リノベーション工事に向けての注意事項4つ
アパートのリノベーション工事を行うにあたり、注意すべきポイントがあります。ここでは、代表的な4点を挙げ解説します。
- ①リノベーション工事には多額の費用が掛かる
- ②リノベーション工事完了まで赤字経営となる
- ③入居者がいれば立退き交渉がある
- ④リノベーション工事の会社を選ぶときは、複数社に見積もりを取る
①リノベーション工事には多額の費用が掛かる
一つ目は、リノベーション工事には多額の費用が掛かることです。
リノベーション工事は建て替え工事と比較すると、工事が短期間で済むことや工事に掛かる費用は安価となります。しかし、リノベーション工事自体は数百万単位の費用が掛かることが殆どです。仮に、手持ち資金以外の資金調達としてリフォームローンを利用する場合には、金利負担を考慮しなければなりません。
リノベーション後も満室になるとは限らないので、入居率70%程度で想定した場合の家賃収入を想定し、ローンの支払いを負担したとしても黒字になるようなプランにしなければなりません。
②リノベーション工事完了まで赤字経営となる
二つ目は、リノベーション工事完了までは赤字経営となります。
リノベーション工事中は、原則入居者が退去しているので、家賃収入を見込むことはできません。しかし、土地を所有しているため、固定資産税等は毎月掛かります。よって、リノベーション工事中は固定費のみ負担する赤字経営となる可能性があります。
リノベーション工事を行う前には、工事費用の他に固定費を負担できる分の貯蓄が必要です。
③入居者がいれば立退き交渉がある
三つ目は、入居者がいれば立退き交渉があることです。
立ち退き交渉には、時間が掛かることがあります。特に、築年数の古いアパートの場合、居住年数が長い年配の人が多く立ち退きを拒否されることもあります。
しかし、立ち退きが必要なのは一棟まるごとリノベーションの場合のみです。立ち退き拒否があれば、内装のみのリノベーションに切替え空き部屋から工事を進めていく方法でも良いでしょう。また、リノベーション工事を行うための立ち退き交渉も継続して行っていきます。
なお、立ち退き拒否の人には、リノベーション済みの部屋に移ってもらうなどの柔軟な対応が必要です。
④リノベーション工事の会社を選ぶときは、複数社に見積もりを取る
最後は、リノベーション工事の会社を選ぶときには、複数社に見積もりを取ることです。
リノベーションを行う会社は、数多くあります。優良な会社が殆どですが、なかには悪徳な会社があることも事実です。よって、リノベーション工事の会社を選択するときには複数社に見積もりを取り、工事自体の相場観を掴むことや工事全般の流れを把握すること、見積り金額などの詳細を確認し、優良な会社であるのか否かを判断していきましょう。
アパートのリノベーションの費用相場と工事期間
では、実際にアパートのリノベーションの費用相場と工事期間がどのくらいになるのかが気になるところです。ここでは、各々のリノベーション工事について大まかな費用の相場と工事期間について解説します。
- ①外装のリノベーション
- ②壁紙や床材の張替え
- ③キッチンのリノベーション
- ④トイレのリノベーション
- ⑤バスルームのリノベーション
- ⑥和室から洋室へのリノベーション
- ⑦アパート一棟まるごとリノベーション
①外装のリノベーション
外装や屋根部分のリノベーションは、主に塗装工事になります。塗装工事は使用する塗料のグレードにより費用は変わります。費用を抑えるために安い塗料を使うと耐久性に乏しく、数年で塗装が剥げてしまう可能性があります。このようにグレードによって塗料の耐用年数の長さは異なるため、今後どの程度アパート経営を続けるかを考慮しながら選択していきます。
塗装工事の期間は、足場造りから塗装作業、足場の解体等で工事期間は概ね1週間程度になります。費用については2階建てのアパートで120万円~300万円程度になるでしょう。
②壁紙や床材の張替え
壁紙の張替えは、使用するクロス素材によりグレードがありますが、概ね750円~1500円(1㎡あたり)となります。工期は部屋の広さにより1日~2日程度を見ておけばよいでしょう。
また、床材の張替えでは2~6万円(1畳あたり)となり、工期は部屋の広さにより1日~2日程度になります。
③キッチンのリノベーション
水回り設備は、住戸内で一番使用頻度が高く、その分設備の傷みも激しい箇所になります。キッチン設備については概ね10年~15年に一度程度のリノベーションがおすすめです。
なお、システムキッチンに変更すると費用は50万円~100万円となります。また、工期は既存のキッチン設備の撤去、新しいシステムキッチンの設置や内装などを整える工事があり、概ね2日間程度掛かります。
④トイレのリノベーション
トイレのリノベーションでは、和式を洋式への交換や古い洋式トイレの交換があります。和式を洋式にする場合には、トイレ内の改良工事が必要で工期は2日程度掛かり、費用は20万円~40万円程度です。
また、古い洋式トイレの交換は一日程度で工事は完了し、費用は10万円~20万円程度になります。
⑤バスルームのリノベーション
バスルームのリノベーションでは、昔ながらのバランス釜から給湯器の設置と浴室全体のリノベーションを行った場合となります。
バランス釜は、保温や追い炊きができないことから入居者には不人気な設備です。バスルームのリノベーション工事は、浴槽の交換や給湯器の設置などで期間は早ければ1日程度です。費用は、20万円~30万円程度になります。
また、ユニットバスの交換では費用は40万円~80万円で工期は3日~4日程度、浴槽の交換費用は10万円~20万円程度で工期は1日となります。
⑥和室から洋室へのリノベーション
古いアパートには、和室があります。和室から洋室へのリノベーションでは、畳をフローリング、押し入れをクローゼット、クロスの張替えなどが主なリノベーションポイントです。
クロスの張替えは、750~1500円(1㎡あたり)、畳をフローリングへの変更は3~5万円(1畳あたり)、押し入れをクローゼットにする変更は15万円~25万円程度になります。よって、和室から洋室への変更は6~8畳の部屋で60万円~100万円程度です。
⑦アパート一棟まるごとリノベーション
総世帯数8戸のアパートの場合、一部屋当たりの内装だけのリノベーション工事費用は、200万円~300万円程度です。よって、内装だけのリノベーション工事費用は概ね1,600万円~2,400万円程度になります。
また、外装のリノベーションで1000万円程度掛かったとすると、概ね3000万円前後が費用の目安になるでしょう。なお、工期はアパートの規模感や施工業者の工事手順等により変わりますが、最低でも1か月~2か月以上は掛かります。
リノベーションと建て替えの判断基準6つ
リノベーションをするのか?建て替えをするのか?については、実際にはさまざまな状況により判断は分かれます。ここでは、実際に想定されるケースを取り上げ、リノベーションが良いのか?建て替えが良いのか?の判断基準について紹介します。
なお、これらについては最終的に専門家への相談がおすすめです。
- ①建物が寿命を迎えているときは建て替え
- ②建物の構造に問題なければリノベーション
- ③建て替えするまでの費用を用意できなければリノベーション
- ④経営上工事期間をあまりとれない場合は、リノベーション
- ⑤再建築不可で建物の構造に問題なければリノベーション
- ⑥耐震性・耐久性・セキュリティなどの安全性に不安があれば建て替え
①建物が寿命を迎えているときは建て替え
建物が寿命を迎えているときには、建て替えがおすすめです。
リノベーションを行うには、建物の構造体などがしっかりと使える状態であることが条件となります。若しくは、多少の補修工事などを行えば使える状態であることです。建物自体が寿命を迎えているとは、建物の傷みや劣化が激しく、崩れかけているなどの状態となります。
②建物の構造に問題なければリノベーション
建物の構造に問題がなければ、リノベーションの選択が可能です。
建物の骨組みがしっかりとしていれば、一棟丸ごと若しくは内装のみのリノベーションができ、建て替えに比べて費用を抑えることができます。
③建て替えするまでの費用を用意できなければリノベーション
建て替えするまでの費用を用意できなければ、リノベーションになります。
アパートの建て替えは、数千万円単位の費用が掛かることが殆どです。建て替え費用を捻出できない場合には、リノベーションを行い建物寿命を伸ばす方法が賢明です。
④経営上工事期間をあまりとれない場合は、リノベーション
アパート経営上、工事期間をあまり取れず、建物の構造に問題がなければリノベーションがおすすめです。
リノベーションは、建て替えより工事期間を短縮できます。また、リノベーションは空き部屋から順次行うことができるので、リノベーション完了次第入居者を集うことができます。これにより、家賃収入がなく赤字経営となる期間を短縮できる可能性があります。
⑤再建築不可で建物の構造に問題なければリノベーション
再建築不可で建物の構造に問題がなければリノベーションになります。
アパートが所在する土地が再建築不可物件であれば、建て替えを行うことはできません。建て替えを行うには、間口を接面道路に対し2m以上確保する、且つ幅員4mを確保するためのセットバックが必要です。
仮に、土地が旗竿地で間口を広げることができない場合には、取り壊し後の再建築は不可能となります。よって、再建築不可で建物の構造に問題がなければ、リノベーションとなります。
規模は縮小するものの経営的に問題なければ建て替え
土地のセットバックを行い建物規模は縮小するものの、アパート経営的に問題がなければ建て替えがおすすめです。建物規模は縮小するが、賃貸住戸の数、想定家賃収入と建て替え工事に掛かる費用を回収する期間に無理がなければ、建て替えを選択しても良いでしょう。
⑥耐震性・耐久性・セキュリティなどの安全性に不安があれば建て替え
耐震性・耐久性・セキュリティなどの安全性に不安があれば、建て替えがおすすめです。
日本国内では、いつ大きな地震が起きるかわかりません。また、台風や異常気象などによる災害もあります。さらに、都市部など人口が多い地域であれば、空き巣などの被害に遭わないためにセキュリティの強化も必要です。
これら、さまざまな観点から安全性を担保できないような状態であれば、建て替えがおすすめになります。
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まとめ
アパートのリノベーションは、空室率が高まってきたときに行います。また、外装や内装の古さや設備の古さ、建物の耐震性や耐久性に不安があるときなどもリノベーションを行うのが良いでしょう。
なお、リノベーションは建て替えに比べて費用は安く抑えられるものの、数百万単位の多額の費用が掛かります。よって、リノベーションを行う目的や入居者のターゲットを決め、決して闇雲に工事行わないことが注意点になります。
また、リノベーション工事を行う業者は多くあるため、必ず複数社に見積もりを取り工事規模と相場観のバランスを掴んでおきましょう。
リノベーションはアパート経営の転換点です。しっかりとした市場調査やリノベーション工事に掛かる費用とその後の賃料アップによる回収見込みなどを想定しておくことが、リノベーション工事後にアパート経営を成功させるポイントになります。
「アパート リノベーション」に関してよくある質問
アパートのリノベーションを行うタイミングとは、空室率が高まってきたときです。他には、外装や内装の設備が古いときや、耐震性・耐久性に不安があるときなどになります。
以下に、リノベーションを行うメリットを挙げていきます。
・入居率アップが期待できる
・家賃を値上げできる
・若い人が借りてくれる
・建物の寿命が延びる
アパートのリノベーションは闇雲に行うのではなく、下記ポイントに則り行っていくことがおすすめです。
・アパートの構造を確認する
・入居者のターゲットを絞る
・最新の設備を導入する
・費用の回収見込みからリノベーション費用を逆算する
リノベーション工事に向けて注意するポイントについて紹介します。詳細は本文をご参照ください。
・リノベーション工事には多額の費用が掛かる
・リノベーション工事完了まで赤字経営となる
・入居者がいれば立退き交渉がある
・リノベーション工事の会社を選ぶときは、複数社に見積もりを取る
原則は、専門家への相談がおすすめとなります。また、下記基準を基に方向性を決めてみてはいかがでしょうか。
・建物が寿命を迎えているときは建て替え
・建物の構造に問題なければリノベーション
・建て替えするまでの費用を用意できなければリノベーション
・経営上工事期間をあまりとれない場合は、リノベーション
・再建築不可で建物の構造に問題なければリノベーション
・耐震性・耐久性・セキュリティなどの安全性に不安があれば建て替え
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