1年以上売れない家は値引きが必要?売れない理由と対策を解説します

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時折、「家を売り出したものの1年以上売れ残っている」というケースがあります。家が売れないことで、引っ越しの資金計画などに支障が出ている人も少なくありません。

家の売却にかかる期間は通常3ヶ月程度なので、1年以上売れない家は早急になんらかの対策が必要といえます。

大切なのは「なぜ売れないのか」を考え、適切な対処をすることです。値引きや不動産会社の変更など、売れない理由に合わせた対策を講じましょう。

とくに影響が大きいのは売り出し価格で、適正価格より高すぎると購入希望者から敬遠されてしまいます。まずは適正価格を把握して、いまの価格設定が高すぎないかチェックすることをおすすめします。

適正価格を調べる際は、オンラインの一括査定を利用しましょう。複数の査定額を比較すれば平均的な価格相場がわかりますし、スムーズに売却できる不動産会社を見つけることが可能です。

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この記事のポイント

  • まずは適正価格を把握して売り出し価格を決めることが重要。
  • 不動産会社に問題がある場合は遠慮なく切り替えることも大切。
  • 値引き交渉では約15%~20%程度安くするのが一般的。

1年以上家が売れない理由と対策

家の売却にかかる期間は、おおむね3ヶ月程度が一般的です。東日本不動産流通機構の統計でも、中古戸建て住宅の成約日数は約3ヶ月が平均となっています。

レインズ登録から成約に至る日数
年度 中古戸建住宅の成約日数
2011年 83.2
2012年 87.5
2013年 88.5
2014年 88.4
2015年 89.6
2016年 92.4
2017年 91.0
2018年 96.2
2019年 100.1
2020年 114.1
2021年 95.2

参照:公益財団法人東日本不動産流通機「首都圏不動産流通市場の動向(2021年度)」

レインズとは?
不動産会社が物件情報を共有・確認するためのオンラインシステム。

地域や間取りなど個々の条件で違いはありますが、1年以上も売れない状態は一般的ではなく、なんらかの対策が必要といえます。

家が売れない理由として代表的なのは下記の4つですが、どれか1つではなくそれぞれ複合的に発生しているケースがほとんどです。

  • 売り出し価格が高い
  • 家の老朽化や損傷が激しい
  • 立地や土地の形状が悪い
  • 不動産会社の営業方法に問題がある

まずは現在の売却状況を見直し、なぜ家が売れないのか理由を分析してみましょう。

次の項目から、家が売れない理由とそれらの対策について、詳しく解説していきます。

理由1.売り出し価格が高い

売り出し価格は、不動産売買におけるもっとも重要なポイントです。近隣相場と比較し、立地や築年数など個々の条件を踏まえて適切な価格を設定する必要があります。

売主として「なるべく高く売りたい」と考えるのは自然なことですが、本来の資産価値より高すぎる価格設定は買主側に敬遠され、売却活動の妨げになります。

また、相場通りの価格設定であっても、競合物件が多かったり、地域の不動産需要が低かったりすると売れにくくなるため注意が必要です。

売り出し価格を設定するときは、立地や築年数といった物件そのものの要因と、不動産市場の動向といった外的要因を考慮しましょう。

【対策】適正価格を調べて値引きする

価格を見直すときは、まず適正価格を把握することが大切です。個人で家の適正価格を調べたいときは、次のような方法があります。

家の適正価格を調べる方法
調べ方 具体的な方法・注意点
不動産ポータルサイトで近隣物件を調べる ・近隣の売り出し中物件を検索し、自分の家と近い条件の物件をもとに価格を決める
・掲載されている価格は値引き交渉を踏まえて設定されている可能性に注意
国土交通省の「不動産取引価格情報検索」を使う ・過去に成立した不動産売買の価格を調べて参考にする
・取引事例から実際の成約価格を調べられるが、掲載されている事例は限られる
不動産流通機構の「不動産取引情報提供サイト」を使う
複数の不動産会社に査定してもらう ・複数社の査定価格を調べることで中央値を把握できる
・1社ずつ依頼するのは手間がかかるため、一括査定を利用すると良い

不動産ポータルサイトや土地総合情報システムを使って他の物件と比較するのが基本的な方法ですが、これらはデータに偏りがあったり、条件の近い物件が見つからなかったりする場合もあります。

そのため、確実に、かつ手っ取り早く調べるには、不動産会社に査定してもらうのがおすすめです。不動産会社は各社独自にデータを蓄積しているので、より正確に価格を判断できます。

適正価格と比べて現在の売り出し価格が高ければ、差額の分だけ値引きするとよいでしょう。より売りやすくしたければ、適正価格よりさらに値引きをして「お買い得物件」にするのも効果的です。

理由2.家の劣化や損傷が激しい

どのような建物でも、築年数の経過による老朽化は避けられません。適切な管理をしていても、家は傷んでしまいます。

壁の汚れやひび割れといった外見的な問題だけでなく、雨漏りや排水管の劣化、シロアリ被害など目に見えないトラブルもあります。

このように、生活に直接悪影響を与えるような劣化や損傷があると、どれだけ価格を下げても売却は困難です。

また、大きな劣化や損傷がなくても、全体的な雰囲気が古臭く暗い感じだと、内覧に来た人の購買意欲を削いでしまいます。

売却する家は「商品」と考え、商品をできるだけ良い状態に保ち魅力的に見せることが、売主にとって大切です。

【対策1】リフォームや解体をおこなう

劣化や損傷に対する対策としては、第一にリフォームが考えられます。リフォームで劣化箇所を修繕し、見た目をきれいにすれば、物件の需要は上がります。

劣化箇所が多い場合は、解体して更地にするのも良いでしょう。使いみちのない建物を残しておくより、更地にして土地だけの状態で売り出したほうが買い手が付く場合もあります。

ただし、いずれの方法も必ず売れる保証はないので注意が必要です。費用も数十万~数百万円かかるため、工事費の分だけ赤字になる恐れもあります。

リフォームも解体もまずは不動産会社などに相談し、コストに見合うリターンがあるか(工事をすれば売れるか、売れたとして工事費を回収できるか)をしっかり考えましょう。

【対策2】瑕疵担保責任保険をつける

劣化や損傷に備えつつ物件に付加価値を付ける方法として、「瑕疵担保責任保険」があります。

瑕疵担保責任保険とは?
住宅の構造上主要な部分および雨水の侵入を防止する部分等について瑕疵(欠点や欠陥)が見つかったとき、その部分の修繕費用が支払われる保険。

瑕疵担保責任保険は、保険料は売主・買主のどちらかが負担しますが、保険の加入者(被保険者)は住宅の検査事業者になる点に特徴があります。

瑕疵担保責任保険の流れを説明すると、次のようになります。

  1. 売主もしくは買主が検査事業者に検査・保証を依頼(保険料の負担は売主・買主の話し合いによるが、売主負担とするのが一般的)
  2. 検査事業者が住宅を検査し、保険に加入
  3. 売買後に瑕疵が見つかった場合、買主が検査事業者に修繕を依頼
  4. 検査事業者が修繕をおこない、費用は保険金から支払われる

売主側から検査・保証を依頼することで、買主は「コストをかけず建物の瑕疵に備えられる」という付加価値を得られます。

瑕疵担保責任保険の仕組み

なお、検査・保証を依頼できる検査事業者は、専門の保険会社で審査を受けた登録事業者のみです。下記のサイトで検索できるので、瑕疵担保責任保険を利用するときは参考にしてください。

一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会「かし保険を利用する登録事業者等の検索」
※個人が売主となる中古住宅売買では、検索する商品の種類は「既存住宅売買かし保険(個人保険売買タイプ)」を選択してください。

【対策3】ホームインスペクションをおこなう

目に見えない劣化・損傷の対策として、ホームインスペクションという方法もあります。

ホームインスペクションとは?
「住宅診断」ともいわれ、家の状況を専門家が調査するサービス。今すぐ修繕したほうが良い箇所や、今後発生する修繕の時期・費用などをアドバイスしてもらえる。

現状の物件に問題があるかや、これからどのような修繕が必要になるかがわかるので、買主は安心して物件を購入できます。

なお、ホームインスペクションは各業者が独自に提供するサービスであり、先に解説した瑕疵担保責任保険の検査とは異なります。

ホームインスペクションと瑕疵担保責任保険の検査を同時におこなえる場合もあるので、詳しくは検査事業者に問い合わせてみましょう。

【対策4】こまめな清掃などで内覧時の印象を良くする

内覧希望者はいるものの成約まで至らない場合は、室内の印象に問題があるかもしれません。例えば、次のような点は買主にとってマイナスポイントとなります。

  • 玄関や部屋に物が多く雑然としている
  • シンクや風呂場など水周りが汚い
  • タバコやペットなどの匂いがする
  • 庭が放置され雑草が伸び切っている
  • 外壁や塀が黒ずんでいたり、落書きされていたりする

上記のような点はこまめな清掃で改善できますし、汚れがひどいときはハウスクリーニングを依頼するのも良いでしょう。

また、より売りやすくするためには「ホームステージング」を利用して印象を良くする方法もあります。

ホームステージングとは?
家具や照明、インテリアなどをコーディネートし、モデルルームのように室内を演出するサービス。

ホームステージングをおこなうことで内覧者の購買意欲を刺激し、成約に繫がりやすくなります。1年以上売れない家であっても、売却期間の短縮が期待できるでしょう。

理由3.立地や土地の形状が悪い

立地や土地の形状も、家の売却期間に影響を与えます。売却でマイナスポイントとなる特徴としては、次のような例があげられます。

立地のマイナスポイント
  • 駅やバス停まで遠い
  • 買い物できる場所や病院などが周辺にない
  • 坂道や階段が多い
  • 郊外・過疎化している

土地の形状のマイナスポイント
  • 公道と接していない(無道路地、未接道物件)
  • 奥まった空間に土地が広がっている(旗竿地)
  • 三角形や台形の土地

これらの特徴があると居住に適さず、通常の物件と比べて売却は困難となります。

個人では解決できないケースが多いため、どうしても売れない場合は「不動産を直接買い取る業者」に相談することも検討してみましょう。

【対策1】買取業者に買い取ってもらう

不動産会社には、一般的な「仲介業者」のほかに「買取業者」があり、それぞれ次のような違いがあります。

不動産会社の種類 特徴
仲介業者 ・売主と買主を仲介して手数料を取る業者
・相場価格で売れる可能性は高いが、買主が見つからない限り売却できない
買取業者 ・不動産を買い取り、再販することで利益を得る業者
・相場価格より安くなる傾向にあるが、早ければ数日で売却可能

買取業者のメリットは、仲介業者では売れないような物件でも積極的に買い取ってもらえる点です。

買取業者には物件を再生・活用する知識や資金があるので、条件の悪い土地でもスピーディーに買い取ってもらえます。1年以上売れ残った家でも、買取業者なら数日で現金化できるかもしれません。

下記リンク先のイエウールでは、買取業者も参画する一括査定を申し込めます。無料で複数の不動産会社に査定してもらえるので、まずは各社の査定額を比較してみましょう。

【対策2】隣地を買い取って土地を広げる

土地の形状を改善する方法としては、隣地を買い取るという方法もあります。

例えば、公道と接していない未接道物件の場合、隣地から通路となる部分を買い取れば通常の物件にすることが可能です。

土地を広げれば資産価値も向上するうえ、建てられる建物の自由度も高くなるなど多くのメリットがあります。

ただし、隣地を買い取るには費用がかかりますし、隣地所有者が承諾しない場合は当然不可能です。メリットは大きいですが、実現はむずかしい方法といえます。

手元の資金に余裕があり、隣地所有者と良好な関係が築けている場合は、検討してみる価値があるでしょう。

【対策3】空き家バンクを活用する

空き家バンクとは、空き家を売りたい・貸したい人と、買いたい・借りたい人を繋ぐ制度です。自治体が主体となって、空き家の売買や賃貸借を促進しています。

古民家や郊外で暮らしたい人が集まるので、不動産需要の低い地域でも売りやすい点がメリットです。自治体によっては買主側に補助金を設けている場合もあり、劣化していてもそのままの状態で売却できる可能性があります。

空き家バンクを導入しているかどうかは自治体によるので、まずは役所で制度の有無を確認してみましょう。

理由4.不動産会社の営業方法に問題がある

長期間売れない状態が続いているのであれば、売却を依頼している不動産会社に問題があるかもしれません。

売れる見込みがない、もしくは売れても利益率が低い(仲介手数料が少ない)と、売却活動に力を入れてもらえないケースがありえます。

また、不動産会社によっては業者としての経験が浅かったり、売却する家のエリアに不慣れだったりして、営業が不十分になっている恐れもあります。

同じ物件でも不動産会社によって売却期間は大きく変わるため、長期間売れない場合は他社への切り替えを検討してみましょう。

【対策1】担当者が営業しやすい環境にする

まずは、不動産会社の担当者が営業しやすい環境になっているか、状況を見直してみましょう。

例えば、居住用物件を売る場合、入居している状態より空家のほうが売りやすくなります。空家のほうが内覧がしやすく、担当者も営業しやすいからです。

住み替えで売却を検討しているなら、先に新しい家を買って引っ越す「買い先行」の計画を立ててみましょう。

また、次のような物件は現地案内がしにくくなるため、担当者も積極的な営業をしなくなる可能性があります。

  • 空家物件だが鍵の保管場所が現地から遠い
  • 近隣に駐車スペースがない

これらの対策としては、現地に鍵ボックスを設置したり、営業車が敷地内に駐車するのをOKにするといった対応が効果的です。

「現地に鍵を置くのは危険では?」「担当者の駐車ミスで壁や塀にぶつけられるのが怖い」という不安もありますが、こまめな報告や定期的な見回りを徹底することでリスクは下げられます。

営業担当者は成約した件数で社内評価が決まるため、営業しやすい物件であれば顧客へ積極的におすすめしてくれます。内覧希望者が増えれば、売却できる可能性も高くなるでしょう。

【対策2】不動産会社の出す広告をチェックする

不動産会社の営業方法に問題がないか調べる際は、物件の広告がどのように出されているかチェックするのが効果的です。

インターネットや不動産情報誌に出された広告を見て、次のポイントが押さえられているか確認してみましょう。

  • 写真や図面は見やすいか、枚数は十分か
  • 室内の写真が暗い印象になっていないか
  • 物件情報に過不足はないか
  • 近隣施設(商業施設や公園、学校など)の情報が充実しているか
  • 購入を後押しするような文章になっているか

また、広告の内容だけでなく「どこにどれだけ広告を出すか」も重要です。

広告媒体としてはインターネットや不動産情報誌のほか、近隣へのチラシ送付や看板広告といった方法があります。

広告の内容に問題がないか確認したうえで、より多くの人に見てもらえるよう追加の広告を出せないか不動産会社に相談してみましょう。

【対策3】不動産会社との契約方式を変える

仲介業者へ家の売却を依頼するときに結ぶ契約を「媒介契約」といいますが、この契約は次の3種類に分けられます。

媒介契約 メリット デメリット
一般媒介契約 ・同時に複数の不動産会社へ依頼できる
・自分で買主を見つけても良い
・不動産会社にレインズへの登録や状況報告の義務なし
専任媒介契約 ・不動産会社は7日以内にレインズへ登録する義務がある
・2週間に一度以上、必ず状況報告がある
・自分で買主を見つけても良い
・1社にしか仲介を依頼できない
専属専任媒介契約 ・不動産会社は5日以内にレインズへ登録する義務がある
・1週間に一度以上、必ず状況報告がある
・1社にしか仲介を依頼できない
・自分で買主を見つけるのは不可

一般的には、依頼先を1社に絞ったほうが営業活動に注力してもらえるため、専属専任媒介契約が一番早く買主を見つけられます。

しかし、依頼先を絞ることで売却ルートを狭めてしまい、かえって売却期間が長引くケースもあります。

まずは専属専任媒介契約を結び、それで長期間売れない場合は一般媒介契約への変更も検討すると良いでしょう。

悪質な仲介業者に横行する「囲い込み」とは?

専任媒介や専属専任媒介契約を結んだとき、注意しなければいけないのが仲介業者による「囲い込み」です。

囲い込みとは?
仲介業者が物件情報をあえて隠し、家が売れないようにする行為のこと。他社を介した購入希望者が来なくなるので、売却期間が長引いてしまう。

仲介業者は、売主・買主両方を自社で担当すれば双方から仲介手数料を取れます。そのため、自社で買主を見つけられるまで物件情報を隠してしまう仲介業者がいるのです。

囲い込みは売主にとってデメリットしかなく、悪質な行為です。以下の方法を参考に、自分の物件が囲い込みされていないかチェックしてみましょう。

囲い込みを見破る方法
  • 依頼先の仲介業者を介した購入希望者しか紹介されない
  • 物件に問題はないのに内覧の申し込みがない
  • ひんぱんに値引きを勧められる
  • 購入希望者がいないのに、レインズのステータスが「書面による購入申込あり」「売主都合で一時紹介停止中」になっている

レインズの情報については、専任媒介や専属専任媒介を依頼すると不動産会社から登録証明書をもらえるので、そこに記載されたIDとパスワードを使って確認しましょう。

レインズのログイン画面→REINS IP

【対策4】不動産会社を変える

長期間売れ残っている場合、不動産会社を別のところに切り替えるのもおすすめです。不動産会社によって得意な地域などが異なるため、切り替えによって意外なほどあっさり売れる可能性があります。

しかし、不動産会社を探すのは意外と大変な作業です。ほとんどの人は、なにを基準に、どうやって探せば良いかわからないでしょう。

そこでおすすめなのが「オンラインの一括査定」です。一括査定では複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できるので、査定額や売却条件を簡単に比較できます。

仲介業者だけでなく買取業者にも査定を出せるので、幅広い選択肢から不動産会社を選ぶことができます。現在依頼している不動産会社に不満がある人は、ぜひ無料の一括査定を利用してみましょう。

1年以上売れない家は買主からの値引き交渉が起こりやすいので注意

不動産の売買では、買主から値引き交渉を持ちかけられる場合があります。

とくに、1年以上も売れ残っている家だと買主も強気になりやすく、大幅な値引きを求められるかもしれません。

早く売却するためには値引き交渉に応じることも大切ですが、あまりにも安くしてしまうと損をしてしまいます。

先にも解説したとおり、まずは適正価格を把握したうえで、どこまで値引きを許容するか考えておきましょう。

中古住宅は約15%~20%程度値引きされるのが一般的

不動産の売買においてどの程度値引きするのが一般的なのか把握しておくと、価格設定や値引き交渉に役立ちます。

一例として、東日本不動産流通機構の調査による中古戸建住宅の「新規登録状況」と「成約状況」を比較してみましょう。

年度 新規登録価格(万円) 成約価格(万円) 価格比(小数点以下切り捨て)
2011年 3,913 2,936 -24%
2012年 3,748 2,936 -21%
2013年 3,714 2,920 -21%
2014年 3,621 2,958 -18%
2015年 3,607 3,004 -16%
2016年 3,743 3,035 -18%
2017年 3,849 3,111 -19%
2018年 3,876 3,111 -19%
2019年 3,781 3,117 -17%
2020年 3,810 3,199 -16%
2021年 4,127 3,524 -14%

参照:公益財団法人東日本不動産流通機「首都圏不動産流通市場の動向(2021年度)」

新規登録価格は「最初に売り出したときの価格」を、成約価格は「最終的に契約が成立した売却価格」を表します。

平均値の比較なのであくまで参考程度のデータですが、上記の表からはおおむね15%~20%あたりが一般的な値引き幅と考えられます。

値引き交渉も踏まえた価格を設定することが重要

不動産の売却価格は売主と買主の同意で決まるものなので、値引き交渉ではいかに相手に満足してもらえるかが重要です。

端的にいえば、買主に「お買い得だ」と思わせることができれば高い確率で成約できます。しかし、値引きのしすぎで利益がなくなってしまうのも避けたいところです。

そのため、売り出し価格を決める時点で「値引き交渉を踏まえた価格」を設定すると良いでしょう。

例えば、最低限の売却希望価格が1,000万円なら、売り出し価格を1,200万円にしておくことで200万円まで値引きが可能です。

買主からすれば20%の値引きは充分お買い得といえるため、交渉がスムーズにまとまりやすくなります。

まとめ

家を売り出してから1年以上経っている場合、そのままでは今後も売れ残り続ける恐れがあります。価格の見直しや不動産会社の変更など、なんらかの対策が必要です。

なかでも価格の値下げは売りやすくする対策として効果的ですが、あまりにも値下げしてしまうと売主にとって損失となります。

まずは適正価格を把握したうえで、値引き幅を考えるようにしましょう。

適正価格を調べるには、なるべく多くの不動産会社に査定してもらうのが手っ取り早く正確です。無料で利用できるオンラインの一括査定もあるので、気軽に申し込んでみましょう。

家の売却についてよくある質問

  • 家を売りたい場合、売却期間はどれくらいが一般的ですか?

    個々の条件によるため一概にはいえませんが、おおむね3ヶ月程度が一般的です。

  • 1年以上家が売れ残っている場合、どんな理由が考えられますか?

    代表的な例だと「売り出し価格が高い」「家の劣化や損傷が激しい」「立地や土地の形状が悪い」「不動産会社の営業方法に問題がある」といった理由が考えられます。あてはまる理由に合わせて対策を講じましょう。

  • 家の適正価格を調べる方法はありますか?

    不動産ポータルサイトや国土交通省の「土地総合情報システム」を使って近隣の物件と比べるほか、一括査定で複数の不動産会社から査定してもらい、価格を比較する方法があります。一括査定ならオンラインで手軽に申し込めるので、手っ取り早く調べたいときはおすすめです。→【オンラインで価格がすぐわかる!】不動産の一括査定はこちら

  • 不動産会社に直接買い取ってもらうことはできませんか?

    買取業者に依頼すれば、直接買取も可能です。条件が悪く一般の買い手がつかないような物件は、買取業者に依頼したほうがスムーズに売却できるでしょう。

  • 値引き交渉を持ちかけられた場合、どれくらい値下げすればよいですか?

    中古の戸建て住宅の場合、15%~20%程度の値引きが一般的です。最初に最低限の売却希望価格を決めたうえで、そこから15%~20%程度上乗せした売り出し価格を設定しておけば、値引きにも対応しやすくなります。