平屋を売却する方法とは?高値でスムーズに売るコツを解説

平屋は1階建ての家のことで、すべての部屋が1フロアに集約されています。
平屋には一般的な2階建ての家にはないメリット・デメリットがあります。
しかし「世帯人数が多いと平屋に住みづらい」「築年数が古い平屋は資産価値が下がりやすい」といったことから、平屋には買主が見つかりにくいです。
なるべく早く、高値で平屋を売却したければ、複数の不動産会社に査定してもらうことをおすすめします。
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この記事のポイント
- 平屋は、2階建て住宅と比較して買主が見つかりにくい。
- 高齢者や小さな子供がいる世帯、古民家好きなど平屋を好む人もいる。
- リフォームや解体で売れやすくなるケースもある。
目次
平屋は普通の住宅と比べ需要はあるのか?
平屋を売る際、もっとも気になる点が「売却しやすいかどうか?」だと思います。
一般的な不動産仲介業者を介して平屋を売る場合、買主が見つからない限り売却できないため、売りたくても売れないという状況に陥りかねません。
そこでまずは不動産売買における、平屋の売れやすさについて確認しておきましょう。
2階建て住宅と比較して買主が見つかりにくい
結論からいうと、平屋は2階建て住宅よりも買主が見つかりにくく、売却がむずかしいです。
平屋が2階建て住宅よりも買主が見つかりにくい理由として、次の2つが挙げられます。
- 世帯人数が多いと平屋は住みづらい
- 築年数が古い平屋は資産価値が下がりやすい
それぞれの理由について、1つずつ見ていきます。
世帯人数が多いと平屋は住みづらい
平屋に住む場合、家族の人数が多いほど個人のプライベートを確保しにくいです。
2階建ての家の場合、両親は1階・子供は2階といった具合で、居住空間を分けることで家族同士のプライベートを保ちやすい環境といえます。
しかし、平屋は家族全員が1つのフロアに住むため、話し声や物音といった生活音が聞こえやすく、家族同士のプライベートが筒抜けになりやすいのです。
こうした事情もあり、とくに思春期の子供を抱えている家庭や二世帯での居住を希望している家族からは購入を控えられてしまう傾向にあります。
築年数が古い平屋は資産価値が下がりやすい
一般的に平屋は築年数が古いため、単純に資産価値が低いケースも多いです。
いまでこそ生活スタイルの変化や建築技術の進歩により2階建て住宅が増えましたが、平屋はそれ以前に建築された建物が多く、木造住宅であることも珍しくありません。
木造住宅は資産価値が下がりやすく、築25年でほとんど価値がゼロになってしまうといわれています。
とくに築年数の古い平屋の場合、単純に資産価値が低いので購入するメリットが少ないと思われてしまい、なかなか買主が見つかりにくい傾向にあります。
高齢化社会によって平屋の需要は上昇しつつある
ここまで解説したとおり「平屋は売却しにくい」という評価が通説とされてきました。
しかし高齢化社会が進んだことで、近年は平屋のニーズが上昇しつつあります。
「30歳〜69歳の約4人に1人は平屋を希望している」という住宅メーカーのアンケート結果もあるので、一定数の需要があることは確実でしょう。
平屋は階段を登り降りせずに生活できるため、足腰の不自由な高齢者にとって「安心して老後を過ごせる魅力的な物件」として再評価を受けているのです。
ですので、そうした買主を上手く見つけることができれば、他の買主に購入を避けられてしまった平屋でも早く・高く売却できるかもしれません。
平屋を売却しやすいおすすめの売却先
一般的には「売りにくい」と評価されている平屋ですが、買主の希望と合致すれば、売却は十分に見込めます。
「なかなか平屋の買主が見つからない」といった場合、次のような売却先であれば購入してくれる可能性が高いです。
- 高齢者・小さい子供のいる家族
- 古民家など趣のある物件を探している買主
- 自社で買取してくれる不動産買取業者
どうして平屋を売却しやすいといえるのか、それぞれ見ていきましょう。
1.高齢者・小さい子供のいる家族
高齢者や小さい子供のいる家族であれば、平屋を住みやすいと感じて購入してもらえるケースが多いです。
高齢者や小さい子供のいる家族にとって、平屋には次のようなメリットがあります。
- 階段を使わないので足腰への負担が少ない
- 同じフロアに住んでいるので子供の世話がしやすい
こうしたメリットを積極的にアピールしていくことで、2階建てよりも平屋の方が住みやすいと買主に感じてもらえれば、売却できる可能性が高まります。
2.古民家など趣のある物件を探している買主
レトロな古民家など、趣のある物件を探している買主であれば、平屋を好んで購入してくれる可能性が高いです。
先述したとおり、平屋は比較的古い物件が多く、古民家などを求める買主の次のような需要を満たすことが期待できます。
- 「木の温もりが感じられる木造物件に住みたい」
- 「レトロな雰囲気が好みなので畳のある家に住みたい」
このような買主の場合、リフォームや建て替えをせずにそのままの状態の方が平屋を売却しやすいため注意しましょう。
3.自社で買取してくれる不動産買取業者
- 「買主を探すのが面倒なので、平屋を早く売却したい・・・」
- 「リフォームや解体をせずに、平屋をそのまま売却したい・・・」
このように早く・手間なく平屋を売りたい人は、不動産買取業者へ売却するとよいでしょう。
不動産買取業者とは、売主と買主を取り持つ不動産仲介業者とは異なり、自社で物件を買取する業者のことで、買取した家をリフォームしてから再販します。
つまり、買主が見つからない場合でも平屋を買取してもらえる可能性が高く、リフォームや解体をせずに現状のままで買取してもらうことも可能です。
傾いている家や雨漏りのある家など、いわゆる「欠陥住宅」でもそのまま買取してもらえるので、早く平屋を売りたい場合はベストな選択肢といえます。
不動産買取業者の多くは無料査定を実施しているので「本当に平屋を売却するか?」と迷っている人も一度相談してアドバイスを受けることをおすすめします。
そのため、まずは一括査定を利用し、複数の不動産会社を比較するようにしましょう。
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売れにくい平屋を早く・高く売却するコツ
平屋にも一定数の需要があるとはいえ、2階建て住宅と比べると売却がむずかしい事実は否めません。
しかし先述した売却先へ売ることはもちろん、売主の工夫によっては売れにくい平屋でも早く・高く売却できる可能性があります。
売れにくい平屋を早く・高く売却するには、次の3つのコツがあります。
- 平屋をきれいにリフォームしておく
- 平屋を解体して更地にしてしまう
- 平屋のメリット・デメリットをアピールする
この項目ではそれぞれのコツについて、1つずつ見ていきましょう。
1.平屋をきれいにリフォームしておく
平屋が経年劣化している場合、リフォームしてから売却するとよいでしょう。
外壁塗装の剥がれ・床や壁紙などの汚れといった、多少の不具合であれば必要最低限のリフォームで平屋をきれいにできるので、購入を希望する買主の増加が見込めます。
平屋を建て替えると最低1,000万円はかかりますが、リフォームであれば約150万円~約500万円程度でおこなえるためリスクの低い方法といえるでしょう。
ただし、リフォームを施して内装を新しくしても、そのリフォーム費用を売却価格に上乗せすると、買主が見つからないこともあります。
とくに平屋の築年数が古すぎると、せっかくリフォームしても買主が見つからずに費用が無駄になってしまうリスクも高いです。
ですので、平屋をリフォームする前には、必ず不動産業者へ相談して「リフォームしてから売るべきか?そのまま売るべきか?」を相談してみましょう。
「自分でリフォームする予定で家を探している」という買主を抱えているケースもあるので、リフォームや解体をせずにそのまま売却できる可能性もあります。
2.平屋を解体して更地にしておく
平屋が古すぎてリフォームしても価値が上がらない場合、解体してから売却しましょう。
そのまま平屋を残しておいても、買主の選択肢は限られてしまいますが、あらかじめ更地にしておけば、すぐに買主がさまざまな用途で利用できます。
- 更地に新しい建物を建築する
- 更地を駐車場として貸し出すなど
とくに平屋は2階建ての住居より土地そのものが広い傾向にあり、さまざまな用途へ転用しやすいので、平屋を解体して更地で売却した方が需要が高いケースも多いです。
ただし解体費用をかけて更地にしても、必ずしも買主が見つかるとは限らないため、無駄に費用をかけて売れ残ってしまうリスクもあります。
「平屋を解体するか?」については、自分で判断せずに不動産会社と相談してから決めた方がよいでしょう。
「買主が希望する場合のみ、売主が費用を負担して解体する」といった条件で平屋を売り出せるケースもあるので、不動産業者と相談してベストな方法で売却できます。
平屋の取り壊しにかかる解体費用
平屋を取り壊す場合、1坪あたりの解体費用は建物の構造によって異なります。
平屋の解体費用
構造 | 解体費用 |
---|---|
木造 | 2.5~6万円/1坪 |
鉄骨造 | 3.4~7万円/1坪 |
鉄筋コンクリート造 | 3.5~8万円/1坪 |
そして平屋を解体する場合、実際にかかる解体費用は次の式で計算できます。
- 1坪あたり解体費用の単価 × 建物全体の床面積
例えば、1坪あたりの解体費用が4万円で床面積30坪の平屋を取り壊す場合、120万円かかります。
こうした解体費用と売却で得られる利益を比較して「平屋を解体してから売るべきか?」を慎重に検討しましょう。
3.平屋のメリット・デメリットを買主へ伝える
平屋を売却する場合、まずは自分が買主の目線になって考えてみましょう。
自分で魅力的だと感じる平屋であれば、それだけ買主が見つかりやすく、逆に自分自身も欠点が多いと思う平屋は買主も見つかりにくいでしょう。
ただし、メリットばかりアピールしていると買主から不信に思われてしまうので、デメリットも包み隠さず伝えることが大切です。
住宅メーカーのアンケートによれば、以下のような理由から買主は平屋を購入するようです。
- 第1位:階段の上下移動がない(51.8%)
- 第2位:同一階(ワンフロアー)で生活できる(49.2%)
- 第3位:コンパクトだが効率の良い間取りが作れる(38.7%)
- 第4位:庭が楽しめる(32.8%)
- 第5位:掃除や家事が楽(26.6%)
こうした買主の視点に立って、平屋のメリット・デメリットを真摯に伝えることで好印象を与えられるだけでなく、売却後のトラブルを防ぐこともできるでしょう。
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平屋にしかないメリット・デメリット
平屋を売却するとき、どのようなメリット・デメリットを買主へ伝えるべきでしょうか。
メリットをアピールすることで、それだけ平屋の魅力を買主へ理解してもらえますし、デメリットを伝えることも悪影響ばかりではありません。
デメリットを伝えておくことで、買主へ誠実な印象を与えられるため、購入を決意してもらえるケースも少なくないのです。
この項目では、平屋にしかないメリット・デメリットを順に解説します。
平屋を売却する際にアピールするメリット
まずは平屋にしかないメリットを紹介します。
平屋を売却する場合、次の5つのメリットを買主へ伝えるとよいでしょう。
- 階段がないので高齢者や小さい子供でも安全
- 階段を昇降しないので掃除・家事が楽にできる
- 同じ階に住むので家族とコミュニケーションがとりやすい
- 地震や火事などの緊急時にすぐ逃げられる
- 重心が低いので地震の揺れに強い
買主にとって嬉しい、平屋のメリットを1つずつ解説していきます。
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1.階段がないので高齢者や小さい子供でも安全
1つ目のメリットは、階段がないので高齢者や小さい子供でも安全に生活できることです。
歳を重ねると足腰も不自由になるため、老後の高齢者にとって2階建ての階段は大きな負担です。
また歩き慣れていない小さな子供にとっても、階段は足を踏み外して転落してしまうリスクがあります。
平屋であれば、高齢者や子供はもちろん車椅子でも生活しやすいので「平屋はバリアフリーな家」というメリットをアピールするとよいでしょう。
2.階段を昇降しないので掃除・家事が楽にできる
2つ目のメリットは、階段がないので掃除・家事が楽にできることです。
階段がない平屋は移動が楽なので、実際に生活すると次のような利便性を実感できます。
- すぐにトイレへ行きやすい
- 宅配便などの音を聞き逃しにくい
- 大きな荷物や重たいゴミ袋も運びやすい
買主が夫婦であれば、こうしたメリットを掃除や家事を担う妻へアピールすると購入してもらえる可能性が高まるでしょう。
3.同じ階に住むので家族とコミュニケーションがとりやすい
3つ目のメリットは、平屋は家族同士でコミュニケーションがとりやすいことです。
平屋は1つのフロアに家族全員が生活しているので、顔を合わせる機会も多くなりコミュニケーションが生まれやすいです。
しかし2階建ての住宅の場合、子供が家に帰ってきても気づかない家庭やコミュニケーションが減ってしまう家庭も少なくありません。
家族団らんの時間を作りやすいだけでなく、子供の生活にも目が届きやすいので世話がしやすいことも子育て中の家庭にとって大きなメリットとなります。
4.地震や火事などの緊急時にすぐ逃げられる
4つ目のメリットは、地震や火事などの緊急時にすぐ逃げられることです。
2階建ての住宅の場合、地震や火事に気づいても階段を使わないと玄関から屋外へ避難できないので、それだけ逃げるまでの時間も遅れてしまいます。
しかし、平屋であれば玄関までの距離が近いので、地震や火事などの緊急時にもすぐ屋外へ避難できます。
5.重心が低いので地震の揺れに強い
5つ目のメリットは、地震や強風などの揺れに対する耐久性が高いことです。
一般的に高さのある建物ほど、地震や強風による揺れの影響を受けやすくなります。
例えば、同じ材料を使用した平屋と2階建ての家があった場合、2階建ての方が建物の重心が高いので地震や強風時に揺れやすいです。
しかし平屋であれば重心が低いので、地震や強風による揺れの影響が少なく、室内の家具はもちろん建物自体も倒壊しにくいといったメリットがあります。
平屋を売却する際に伝えておくデメリット
つづいて、平屋を売却する際に買主へ伝えるとよいデメリットを紹介します。
平屋を売却する際に買主へ伝えておくべきデメリットは次の5つです。
- 同じ敷地でも床面積が狭くなりやすい
- 家族同士で話し声や物音が聞こえやすい
- 建物が低いので日当たりが悪くなりやすい
- 地震の揺れには強いが水害には弱い
- 1階部分は侵入されやすいため防犯性が低い
「デメリットは伝えない方が良いのでは・・・」と思われがちですが、正直に伝えることで買主へ好印象を与えられるため、むしろプラスに繋がる可能性もあります。
また、このような平屋のデメリットは実際に所有・居住していた売主にしかわからないので、買主にとって非常に有益な情報なのです。
この項目では、それぞれのデメリットを1つずつ解説していきます。
1.同じ広さの敷地でも床面積が狭くなりやすい
平屋の場合、同じ広さの敷地でも2階建ての家に比べて、床面積が狭くなりやすいです。
2階建ての場合、狭い敷地でも1階30坪+2階30坪とすることで、床面積60坪の家を建築できます。
しかし、平屋で同じ広さの家を建てるには、床面積60坪の家を建てられる広い敷地が必要です。
逆にいえば「将来的に平屋を取り壊す場合、より床面積の広い2階建ての家へ建て替えられる」というメリットとして伝えることもできます。
2.家族同士で話し声や物音が聞こえやすい
家族全員が同じフロアにいるため、2階建てよりも平屋の方が話し声や物音は聞こえやすいです。
とくに子育て中の家庭はプライバシーが守られていないと、思春期の子供が嫌な思いをしてしまうかもしれません。
ただし、平屋でも次のような間取りであれば、話し声や物音などの生活音が気になりにくいので、買主にとってのデメリットは少ないでしょう。
- 部屋同士の間に廊下がある
- 部屋同士の間に収納がある
3.建物が低いので日当たりが悪くなりやすい
平屋は建物の高さが低いため、2階建てよりも日当たりが悪くなりやすいです。
立地や方角にもよりますが、日当たりに恵まれない平屋では、次のような不便を実感しやすいです。
- 洗濯物が乾きにくい
- 湿気がこもりやすい
- 夏は暑いと感じやすい
- 冬は寒いと感じやすい
対策として、平屋の場合はエアコンを1台使用するだけでも、扉を開ければすべての部屋へ空気が行き渡るため、快適な温度になります。
4.地震の揺れには強いが水害には弱い
水害で床上浸水を被った場合、平屋は2階部分が存在しないので、家そのものが完全に被害を受けてしまいます。
平屋の売却時には、あらかじめ「ハザードマップ」で平屋のある地域の浸水リスクを確認して、買主へ伝えておくとよいでしょう。
ハザードマップとは、地域別に浸水や土砂災害などのリスクを予想したデータのことで、国土交通省のホームページから確認できます。
平屋でも河川から数十km離れていたり、20m以上の高台に位置していれば、ハザードマップ上での浸水リスクが低いこともあるので、買主の不安材料を取り除けるでしょう。
5.1階部分は侵入されやすいため防犯性が低い
平屋は道路に面しており、どの部屋も1階に存在するので、2階建ての家に比べて防犯性が低いです。
空き巣は玄関・窓・ドア・ベランダから侵入しますが、2階建ての家であれば、そうした侵入経路を1階と2階へ分けることで防犯性を高めることができます。
しかし、平屋は侵入経路がすべて1階部分に集約しているので、空き巣にとって「侵入しやすい家」といえるのです。
平屋の防犯性を高めるには、次のような対策を施しておくとよいでしょう。
- 格子やブロック塀などで囲う
- 足音が出るように砂利を敷き詰める
- モニター付きインターホンを導入する
- 防犯カメラやセンサーライトを設置する
平屋を売却する際にかかる税金は2種類
実際に平屋を売却する際、どのような税金を負担しなければならないのでしょうか。
平屋を売却する場合、売主が負担しなければならない税金は2種類です。
- 住民税
- 譲渡所得税
いずれの税金も平屋を売却して得た利益である「譲渡所得金額」に税率をかけることで継戦できます。
- 譲渡所得金額 = 譲渡収入額 - (取得費+譲渡費用)
- 税額 = 譲渡所得金額 × 税率
ただし「平屋の所有期間が5年を超えるか?」によって税率が異なるため注意しましょう。
平屋の売却時にかかる税率
所有期間 | 所得税率 | 住民税率 |
---|---|---|
短期譲渡所得 (所有期間5年以下) |
30.63% | 9% |
長期譲渡所得 (所有期間5年超) |
15.315% | 5% |
それぞれの税金の計算方法について、順番に解説していきます。
1.住民税
住民税とは、自治体が住民のために実施しているサービスにかかる必要経費を、全住民が収入に応じて負担する税金です。
住民税はその年の1月〜12月までの1年間の所得に対して、翌年1月1日に課税されます。
ですので、平屋を売却して利益を得た分、住民税を課税しなければなりません。
・短期譲渡所得の場合:1,500万 × 9% = 135万円
・長期譲渡所得の場合:1,500万 × 5% = 75万円
2.譲渡所得税
譲渡所得税とは、所有する土地や建物などの不動産を売却して得た利益にかかる税金で、給与所得などの所得とは分離して課税されます。
譲渡所得税がかかるタイミングは、所有する不動産を売却して利益を得たときです。
・短期譲渡所得の場合:1,500万 × 30.63% = 459万4,500円
・長期譲渡所得の場合:1,500万 × 15.315% = 229万7,200円
譲渡所得の3,000万円まで特別控除が適用される
平屋を売却した場合、一定の要件を満たせば特別控除を3,000万円まで受けることができます。
特別控除が適用されると、譲渡所得金額から3,000万円を差し引いた金額に税率を掛け合わせた金額が税額となります。
ですので、住民税と譲渡所得税は先ほど解説した譲渡所得金額が1,500万円の場合と同じ税額で問題ありません。
ちなみに控除は1人につき3,000万円が上限ですが、夫婦共同名義であれば合計6,000万円まで控除が可能です。
これらの特別控除を受けるには、次の条件を満たす必要があります。
- 自分が住んでいる家屋を売るか、敷地や借地権も一緒に売ること
- 現在住んでいない場合、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売ること
- 家屋を解体した場合、譲渡契約までの間に土地を住宅以外に使っていないこと
- 売主と買主が親子や夫婦などの関係ではないこと
まとめ
この記事では、平屋を高く・早く売却するコツや、売却時にかかる税金の計算方法を解説しました。
一般的な2階建て住宅に比べて、平屋は需要が少なく売却がむずかしいことは否めません。
しかし、高齢者や小さい子供のいる家族など、平屋を求めている買主もいるため、リフォームを施したり、メリット・デメリットを説明すれば売却できる可能性も高いです。
それでも平屋の売却がむずかしい場合、売主側が解体費用を負担して更地する前提で売りに出したり、自社で平屋を買取している不動産買取業者へ売ることで売却できます。
「どの方法がベストか?」を判断するためにも、まずは不動産業者の査定を受けて、売却方法を相談してみるとよいでしょう。
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平屋を高く・早く売却するためのコツ
-
平屋は2階建て住宅よりも売却しづらいですか?
1階建ての平屋は世帯人数が多いと住みづらく、築年数が古いと資産価値が下がりやすいので、一般的な2階建て住宅よりも売却しづらいです。
-
どのような買主であれば平屋を売却できますか?
高齢者・小さい子供のいる家族や、古民家などの物件を探している買主、自社で買取してくれる不動産買取業者であれば、平屋を売却できる可能性が高いです。
-
平屋を高く・早く売るにはどうすればよいですか?
平屋をきれいにリフォームして資産価値を高めたり、解体して更地にしてしまうのも選択肢の1つです。また平屋のメリット・デメリットをアピールすることで、買主の心を動かして購入につながるケースもあります。
-
平屋にはどのようなメリットがありますか?
階段がないので高齢者や子供でも安全であること、掃除・家事が楽にできること、家族とコミュニケーションがとりやすいことが平屋のメリットといえます。
また重心が低いので地震の揺れに強く、緊急時にすぐ逃げられることも挙げられます。 -
平屋を売却する場合、どのような税金がかかりますか?
平屋を売却すると「住民税」と「譲渡所得税」の2種類の税金が課税されます。