不動産の査定は通常、不動産会社に直接依頼する必要があります。しかし、近年は匿名で査定ができるサービスも増えてきました。
個人情報の入力がいらないため気軽に使える匿名査定ですが、その仕組みは各サービスで大きく異なるため、どれを使えばよいかわからない人も多いでしょう。
この記事では、おすすめの匿名査定サービスやその特徴、さらには匿名査定サービス全般のメリット・デメリットも解説しているので、不動産の価格を知りたいときはぜひ参考にしてください。
なお、売却活動をはじめるなら、匿名査定だけでなく実際に不動産会社へ問い合わせることも必要です。
一括査定なら複数の不動産会社に査定が依頼できるため、優良業者を選ぶ方法として最適です。下記リンクから利用できる「イエウール」なら最大6社に問い合わせができるので、ぜひ活用してみましょう。
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- 匿名査定サービスは個人情報が不要だが精度は劣る。
- 正確な査定には不動産会社の査定が必要。
- 売却の意思が固まっているのであれば「一括査定」がおすすめ。
目次
匿名で利用できるおすすめ不動産査定サイト14選
匿名査定は、連絡先などの個人情報を公開せず、不動産会社とのやり取りなしで不動産価格を査定するサービスです。
仕組みとしては、単純に地域の平均取引額を提示するものや、AIが価格を算出するもの、物件情報のみを公開してエージェントに査定してもらうものなどがあります。
個人情報が不要といっても、その範囲はサービスによって異なるので、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
次の項目から、「入力項目がとくに少ない匿名査定サービス」と「正確性重視な匿名査定サービス」の2種類にわけて、おすすめの匿名査定サービスを紹介していきます。
入力項目がとくに少ない匿名査定サービス8選
「なるべく入力項目が少なく、不動産会社とのやり取りや個人情報の流出リスクが少ないサービスを使いたい」という人におすすめなサービスが次の8つです。
上記のサービスは、地域やマンション名などを入力するだけで不動産の価格を調べることが可能です。
ただし、過去の取引事例からおおまかな平均相場を算出するだけのサービスが多いので、やや正確性に欠ける場合があります。
また、対応地域が限定されていたり、流通データの多いマンションしか査定できなかったりするので、物件によっては査定できない場合もあるかもしれません。
精度や対応範囲に不満がある場合は、正確性重視な匿名査定サービスや、不動産会社に直接査定を依頼しましょう。
スミタス【簡単10秒査定】
画像引用:SUMiTAS
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
全国 | マンション、戸建て、土地 | 全国の売却査定ビッグデータから算出 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
不要 | 可(別途一括査定が必要) | 株式会社SUMiTAS |
株式会社SUMiTASの「簡単10秒査定」は、名前の通り最短10秒で査定が可能です。物件種別や所在地などを入力するだけで、瞬時に想定価格が表示されます。
居住物件と収益物件で入力フォームが分かれており、収益物件のほうでは利回りや賃料価格の査定もできます。
マイホームを売りたい人だけでなく、収益物件を売りたい、もしくは買いたい人にもおすすめのサービスです。
マンションナビ
画像引用:マンションナビ
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
全国 | マンション | 過去の取引事例を基に売買・賃貸相場を算出 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
不要 | 可(別途一括査定が必要) | マンションリサーチ株式会社 |
マンションナビはマンション売買に特化しており、マンション名がわかれば簡単に売却相場を調べられるサイトです。
トップページからマンション名を検索するか、マップ上の地域や沿線・駅をクリックしていくだけで、登録されているマンションの標準的な価格がわかります。
東京23区・名古屋市・大阪府・福岡市の4エリアは市区別に市場データを公開しており、独自の「ウリドキ指数」で今が売却すべきタイミングなのか評価しています。
マンションの売却を検討しているなら、ぜひ一度利用してみましょう。
IESHIL
画像引用:IESHIL
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) | マンション | ビックデータによる参考相場価格の提示 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
不要 | 可(別途イエシルの査定申し込みが必要) | 株式会社リブセンス |
IESHIL(イエシル)は適正かつ安全な不動産売却を実現するためのサービスで、運営元は不動産会社ではなく、あくまで「不動産アドバイザー」の立場で顧客をサポートします。
Webサイトでマンション名を検索することで、部屋ごとの参考相場価格が表示されます。
また、別途イエシルの査定を申し込むことで、不動産会社の営業要素にとらわれない「中立的な価格」を調べてもらうことも可能です。
査定依頼後、アドバイザーとの面談を経て、信頼できる不動産会社を紹介してもらえます。担当者の相性まで考慮されるため、満足度の高い売却が期待できるでしょう。
カウル
画像引用:カウル
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県 ※一部地域を除く |
マンション | AI査定 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
価格を調べるだけなら不要 | 可 | 株式会社Housmart |
カウルは、マンション専門の不動産売買アプリです。買主・売主の双方に向けた機能をもっており、累計ダウンロード数は10万を超えています。
過去の取引事例や周辺の物件を参考にAI査定をおこない、物件の適正価格が瞬時に調べることが可能です。
そのまま売却したいときはカウルに仲介してもらえ、相場より安価な手数料で一貫したサポートを受けられます。
1wooR
画像引用:1wooR
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
東京都、神奈川県 愛知県 大阪府、京都府、兵庫県 福岡県 ※それぞれ非対応エリアあり |
ワンルームマンション | AI査定 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
価格を調べるだけなら不要 | 可 | 株式会社日本リバックス |
1wooR(ワンウール)は、ワンルームマンションに特化した不動産アプリです。対応地域は東京都や神奈川県、名古屋・関西・博多などの一部だけですが、売却・運用に役立つ機能が容易されています。
とくに、損益分岐点や売却時の手残り金額をもとにした「売り時チェッカー」が特徴的で、適切な売却タイミングが簡単にわかります。査定はAIによるもので、簡単な項目のみで価格を調べることがが可能です。
無料の会員登録をすれば、過去の取引事例や近隣物件のデータベースも閲覧可能なので、客観的に価格相場を判断できます。
スピードAI マンション査定
画像引用:スピードAI マンション査定
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
全国 | マンション | AI査定 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
不要 | 可 | リニュアル仲介株式会社 |
スピードAI マンション査定は、リニュアル仲介株式会社が運営する匿名査定サイトです。
マンション名を検索し、専有面積や階数などの情報を入力すると、約250万件の販売履歴と約1000万件の賃料履歴をもとにAIが査定額を算出します。
匿名査定だけでなく、会員登録することで過去の中古販売履歴を閲覧したり、他住戸の売り出し情報や購入希望情報、最新の査定価格などさまざまな情報を取得することも可能です。
また、同社の関連サイト「物件提案ロボ」には約4万組の購入希望者情報があるため、売却を依頼したときスムーズに売主を見つけられる可能性がある点も特徴です。
らくらく不動産査定
画像引用:らくらく不動産査定
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
全国 | マンション、一戸建て、土地 | 売却GPS情報をもとに相場を算出 |
会員登録 | 不動産会社への直接問い合わせ | 運営会社 |
価格を調べるだけなら不要 | 可(別途一括査定が必要) | リビン・テクノロジーズ株式会社 |
らくらく不動産査定は、不動産サービス・価格比較のポータルサイトである「リビンマッチ」が提供する査定アプリです。
GPS情報を使い、近隣の不動産相場を提示するのが特徴です。近隣以外の地域も、都道府県から住所を入力することで各地域の相場を調べられます。
また、マンションだけでなく一戸建てや土地にも対応しており、面積や築年数を入力すれば瞬時に相場がわかります。
本格的な一括査定を申し込む場合は名前やメールアドレスを入力しなければいけませんが、地域の平均相場を調べるだけならアプリをインストールするだけで利用可能です。
すまいステップ匿名簡易査定シミュレーション
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
全国 | マンション、一戸建て、土地 | 売却実績をもとに価格算出 |
会員登録 | 不動産会社への直接問い合わせ | 運営会社 |
不要 | 可(別途一括査定が必要) | 株式会社Speee |
すまいステップは、大手一括査定サービスの「イエウール」と同じ運営会社が提供している不動産売買の情報サイトです。
マンションだけでなく一戸建てや土地に対応している点が特徴で、地域や土地面積、築年数などを入力すれば、その場ですぐに査定額が提示されます。
同じサイト内で一括査定も提供しているので、売却活動を始めたいときはこちらを使って不動産会社を比較してみましょう。
すまいステップとイエウールの違い
すまいステップとイエウールは運営会社が同じで、どちらも不動産の一括査定を提供しています。
しかし、運営会社が同じであっても、中身はそれぞれ次のように異なります。
すまいステップ | イエウール | |
---|---|---|
サービス開始 | 2020年4月~ | 2014年1月~ |
特徴 | ・優良業者をさらに厳選 ・提携業者は各都道府県の大手不動産会社が中心 |
・大手から地元密着型企業まで幅広い優良業者と提携 ・エリアカバー率NO1※ |
提携企業数 | 1,000社以上 | 2,000社以上 |
一括依頼できる業者数 | 最大4社 | 最大6社 |
査定対応物件 | マンション一室、一戸建て、土地 ビル一室、店舗・事務所・倉庫 マンション一棟、アパート一棟、ビル一棟 その他 |
分譲マンション、一戸建て、土地 一棟アパート・一棟マンション、区分マンション(収益)、一棟ビル、区分所有ビル(ビル一室) 店舗・工場・倉庫、農地 その他 |
問い合わせ窓口 | なし | メール窓口あり |
※参照:PR TIMES「不動産一括査定サービス「イエウール」が、東京商工リサーチ「不動産の一括査定サイトに関するランキング調査」にて、利用者数・提携不動産会社数・エリアカバー率で全て1位を獲得」
すまいステップは審査基準が厳しい分、提携企業数が少なくなっており、対応できる物件やエリアが少なくなっています。
また、すまいステップは問い合わせ窓口がないため、不動産会社とトラブルがあっても相談することができません。
より多くの不動産会社を比較したい場合や、なにかあったときに相談したい場合は、イエウールの一括査定を使うとよいでしょう。
正確性重視な匿名査定サービス6選
「匿名でもなるべく正確な査定額を知りたい」という人におすすめのサービスが、次の6つです。
上記のサービスは、名前やメールアドレス、電話番号などの入力が必要となりますが、匿名査定のなかでは比較的精度の高い査定額が提示されます。
ただし、精度の高さはあくまで「比較的」なので、不動産会社の直接査定と比べればそれほど正確ではありません。
正確な査定額を算出し、実際に売却活動をスタートさせたい場合は、不動産会社へ直接問い合わせましょう。
LIFULL HOME’S【匿名査定】
画像引用:LIFULL HOME’S
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
全国 | マンション、戸建て、土地 | 不動産会社の独自データから算出 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
必要 | 可 | 株式会社LIFULL |
大手不動産ポータルサイトのLIFULL HOME’Sが提供する匿名査定は、物件情報だけで概算価格がわかるサービスです。
匿名査定ではありますが、送信した依頼は不動産会社がチェックするので、他のサービスと比較して正確な査定を期待できます。
平均4社から査定をしてもらえ、気になる不動産会社があれば名前と連絡先を交換し、そのまま本格的な売却活動に移れます。
HowMa
画像引用:HowMa
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
全国 | マンション、戸建て | AIによる査定 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
必要 | 可 | 株式会社コラビット |
HowMaは、匿名でAIによる不動産査定を受けられるサービスです。人の主観が入らず、客観的な観点で家の価値を測れます。
提携している不動産会社は事前に条件(地域、築年、平米数など)を指定しており、その条件と合致する物件に対してのみオファーが配信されるというシステムです。
複数のオファー相手とチャットを交渉・相談したり、登録した物件の査定額を定期的に更新・お知らせするなど、オンライン上での売却活動に特化しています。
ただし、他の匿名査定と異なり物件の所有者および親族のみしか利用できないというデメリットがあります。自宅の査定しか受け付けていない点にも注意しましょう。
いえうり
画像引用:いえうり
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
全国 | 戸建て、土地、マンション | 入札方式 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
必要 | 可 | Non Brokers 株式会社 |
いえうりは完全匿名制度ではありませんが、不動産会社からの營業電話がこないような仕組みになっています。
最初に必要事項を入力し、いえうり運営と5分程度の電話ヒアリングをおこないます。その後、物件情報のみを公開し、不動産会社から入札形式で査定を募るというシステムです。
個人情報の入力はありますが、不動産会社には非公開となるので、營業を受けることはありません。不動産会社と連絡を取りたいときは、集まった査定から選び、いえうり運営を介してつながることができます。
各社の査定を見たうえで、自分が話したいと思う不動産会社だけに連絡を取れるので、効率的に不動産会社を選別できるでしょう。
住友不動産販売のステップAI査定
画像引用:住友不動産販売
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
全国 | 戸建て、土地、マンション | AI査定 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
必要 | 可 | 住友不動産販売株式会社 |
大手不動産会社グループである住友不動産販売では、AIによる匿名査定を提供しています。売却価格だけでなく月額賃料の査定も可能で、電話番号不要で簡単に申し込めます。
登録した物件の査定は毎月更新され、マイページにログインすれば常に最新の査定額を知ることが可能です。
売却に移行したいときは住友不動産販売の店舗で対応してもらえるので、大手ならではの手厚いサービスを受けられます。
東急リバブルのスピードAI査定
画像引用:東急リバブル
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
全国 | 戸建て、土地、マンション | AI査定 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
必要 | 可 | 東急リバブル株式会社 |
2022年に創業50周年を迎えた東急リバブルも、AIによる匿名査定サービスに取り組んでいます。
最大3件まで物件の登録が可能で、登録物件の査定は毎週更新されるため常に最新の情報を入手することが可能です。
Myページでは周辺相場や売出事例といった売却に役立つ情報もチェックできるので、売却のタイミングをはかりやすい点も大きなメリットです。
TerassOffer
画像引用:TerassOffer
対象エリア | 対応不動産 | 査定方式 |
---|---|---|
東京、神奈川、千葉、埼玉 | 戸建て、土地、マンション | 不動産エージェントによる査定 |
会員登録 | 不動産会社への問い合わせ | 運営会社 |
必要 | 可(不動産エージェントとコンタクト) | 株式会社TERASS |
TerassOfferは、登録した物件情報に対して、ベテランの不動産エージェントが査定額と売却戦略を提案するというサービスです。
提案内容やエージェントの実績・スキルを見て、自分が気になった相手にだけ個人情報を開示できます。
ただ査定額を提示されるだけでなく、エージェントの能力を比較することができるので、相性のよい担当者を見つけやすくなります。
不動産売却は担当者の能力で決まる部分が大きいため、「企業」ではなく「人」で選べるTerassOffeは満足のいく売却を実現しやすいでしょう。
匿名査定サービスのメリット・デメリット
匿名査定の特徴は、個人情報を公開せずに済むので、気軽に査定ができる点がメリットです。「売る気はないけど価格をちょっと調べたい」というときに重宝します。
ただし、精度は直接査定を依頼したときより低いため、「正確な査定額を知りたい」「すぐに売却を始めたい」という場合は向いていないというデメリットがあります。
ここからは、上記のメリット・デメリットをより深掘りして解説していくので、匿名査定を利用するときの参考にしてみましょう。
匿名査定サービスのメリット4つ
匿名査定サービスの具体的なメリットとしては、次の4つがあげられます。
- その場ですぐに不動産の価格がわかる
- 不動産会社からの勧誘がない
- 個人情報流出の不安がない
- 自分の不動産でなくても査定できる
上記の通り、面倒なことがほとんどなく、誰でも気軽に査定できるのが魅力です。
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
その場ですぐに不動産の価格がわかる
匿名査定サービスの仕組みを簡単にいうと、大量の物件データをもとにその地域の平均相場を提示するというシステムです。
「他物件の価格情報から相場を算出する」という意味では一般的な査定と同じですが、人の判断が入らないという点が異なります。
物件ごとの細かい事情や条件を省略して価格を出すため、査定にかかる時間を大幅に短縮しています。とにかく早く価格を知りたいときに便利なサービスです。
不動産会社からの勧誘がない
一般的な査定なら不動産会社からの連絡は避けられませんが、匿名査定サービスを利用しても不動産会社から勧誘の電話・メールは送られてきません。
「価格を調べてから売却するかどうか決めたい」というように、売却の意思が固まっていない場合でも気軽に査定できます。
勧誘を受けるとその対応に時間が取られますし、落ち着いて売却を検討できなくなります。こうした煩わしさがなくなるのは大きなメリットです。
個人情報流出の不安がない
匿名査定サービスは名前などの入力が不要なので、個人情報流出の不安がありません。
通常の査定だと、契約をする・しないに関わらず個人情報を教える必要があります。これを悪用するような悪質業者はごく一部ですが、不安に思う人もいるでしょう。
普段インターネットを利用していないと、オンラインでの個人情報入力に抵抗を感じる人も少なくありません。そのような人も安心して利用できるサービスといえるでしょう。
自分の不動産でなくても査定できる
通常の不動産査定は、物件の所有者やその家族、所有者の代理人などしか依頼できません。その物件と関わりのない第三者は申し込めないのが一般的です。
しかし、匿名査定サービスは基本的に申込者と物件の関係性は問われません。一部のサービスを除き、自分の不動産でなくても自由に査定できます。
不動産所有者だけでなく、購入を検討している買主側が価格相場を調べるときにも活用できるでしょう。
匿名査定サービスのデメリット2つ
匿名査定サービスは多くのメリットがある一方、次のようなデメリットもあります。
- 正確な査定額はわからない
- 売却を依頼する場合は二度手間になる
すでに売却意思が固まっている場合、匿名査定サービスを使うより、スムーズに売却を進められる一括査定を利用したほうが良いでしょう。
匿名査定サービスのデメリットについても、詳しく解説していきます。
正確な査定額はわからない
手軽に不動産価格を調べられる匿名査定サービスですが、査定の精度は通常の査定に劣ると考えられます。
不動産の売却価格は常に変動しており、管理状態や周辺環境、地域の不動産需要や社会全体の経済動向など、さまざまな影響を受けて決まります。
匿名査定は過去のデータからしか価格を算出できないため、こうした諸事情を考慮できないという弱点があるのです。
正確な価格相場を測るためには、どうしても人の判断が必要です。匿名査定サービスで調べた価格が、最新の市場相場と比べて数百万円違うケースもありえるでしょう。
売却を依頼する場合は二度手間になる
すでに売却を決めており、不動産を探している段階であれば、匿名査定より一般的な査定を依頼したほうがスムーズです。
匿名査定サービスの利点に「不動産会社の勧誘がない」をあげましたが、本格的に売却をはじめるのであれば、不動産会社から積極的に連絡を取ってもらったほうが話を進めやすくなります。
また、匿名査定をしていても、適正価格で売るためには改めて訪問査定(現地に直接訪問する査定方法)が必要です。何度も査定をするなら、最初から訪問査定を依頼したほうが良いでしょう。
匿名の不動産査定の賢い活用方法
匿名査定は普通の不動産査定と違うところも多いため、使い方にもコツがあります。
上手に活用するためには、以下の2点を押さえておきましょう。
- 実査定前の相場把握のために利用する
- 不動産会社の絞り込みのために使う
実査定前の相場把握のために利用する
先述の通り、匿名査定は物件ごとに固有の事情を考慮しないため、精度が低くなります。そのため、匿名査定だけで売値を決めることはおすすめできません。
しかし、固有の事情を考えないということは、特殊な条件を除いた「ベーシックな評価」がわかるということでもあります。
以上のことから、匿名査定は、「基本の相場を知る」という目的に絞って利用しましょう。基本の相場を把握しておけば、実査定のときにも良い判断材料になります。
不動産会社の絞り込みのために使う
不動産売却において査定は必須ともいえるステップですが、不動産会社と連絡を取るのが面倒に感じる人も少なくありません。特に、「不動産は売りたいけど業者のやり取りが億劫」という人も多いでしょう。
しかし、匿名査定なら不動産会社とのやり取りなしで価格を調べられます。1社ずつ情報を調べ、電話などで連絡を取り、物件情報を逐一伝えるという作業を省けます。
匿名査定を使って不動産会社をある程度絞り込み、厳選した業者とだけ連絡を取れば、売却活動の手間を大幅に減らせるでしょう。
匿名査定サービス利用の流れ
ここからは、より具体的に匿名査定サービスの使い方を見ていきましょう。ただし、匿名査定サービスは入力項目の少なさが最大の魅力なので、むずかしい手順はありません。
具体的には、次の3ステップになります。
- 必要事項の入力
- 査定額の確認
- より詳しく調べるため不動産会社に連絡
シンプルな流れなので、初めて不動産を査定する人でもすぐに価格を調べられます。
必要事項の入力
まずは、必要事項の入力をおこないます。どの匿名査定サービスを利用するのかにもよりますが、主な必要事項は次の通りです。
- 物件の種類
- 物件の所在地
- 建物名(マンションの場合)
- 築年数
- 面積や間取り
- 居住中・空き家・賃貸中のどれにあてはまるか
- 名前
- メールアドレス
- 電話番号
- 住所
- 物件所有者との関係性
面積や間取りは大まかな数値で依頼できることが多いので、わかる範囲で入力しましょう。
査定額の確認
必要事項を入力したら、査定を申し込みます。地域の平均相場をだすだけの簡易的なものなら結果はすぐにわかりますが、不動産会社が細かくデータをだす場合は数日かかる場合もあります。
なお、不動産会社が直接査定するサービスも、個人情報の部分は隠されるなど「匿名であること」は保たれるため、しつこい勧誘などはありません。
ただし、いずれにせよ情報が限られるため概算であり、物件の管理状態や固有の特徴は反映されていないので注意しましょう。
より詳しく調べるため不動産会社に連絡
匿名査定サービスで提示された査定額をもとに売却することを決めたら、不動産会社に問い合わせます。
問い合わせる方法にも2種類あり、
- 不動産会社に直接問い合わせる
- 一括査定を使って不動産会社をあらかじめ選別する
のどちらかとなります。
匿名査定からそのまま不動産会社への問い合わせられるサービスを使えば、スムーズに売却活動へ移行できるでしょう。
売却を検討しているなら一括査定がおすすめ
匿名査定サービスについて詳しく解説してきましたが、正確な査定をおこない、適正価格で不動産を売るには、やはり不動産会社に直接相談するのが一番です。
とくに、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できる一括査定がおすすめで、複数の査定額を一度に比較できるため高額売却の可能性もあります。
匿名査定を使っても、売却するなら最終的に不動産会社との契約が必要となります。すでに売却の意思が固まっているのであれば、最初から一括査定を申し込んだほうがスムーズに話が進むでしょう。
一括査定のメリット
一括査定の具体的なメリットとしては、次の3点があげられます。
- 複数の不動産会社を比較できる
- 「実際に売却できる価格」がほぼ正確にわかる
- 査定から売却までスムーズに依頼できる
不動産会社の査定に偏りがないか自己判断したうえで、円滑に売却活動をはじめることが可能です。
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
複数の不動産会社を比較できる
一括査定の最大の特徴は、複数の不動産会社にまとめて査定を申し込める点です。一度に複数社を比べることで、各社の査定に偏りがないか判断できます。
また、優良な不動産会社同士でも、取り扱ってきた物件や営業ルート、企業としてのキャリアなどが異なります。物件と相性の良い不動産会社を見つけることが、不動産を売る際には大切です。
不動産会社を変えるだけで、査定額が100万円違うことも珍しくありません。一括査定を利用することで、好条件で売却できる不動産会社を見つけやすくなるでしょう。
「実際に売却できる価格」がほぼ正確にわかる
一括査定では各社の査定額をまとめて比較できるため、他社より低すぎる(もしくは高すぎる)不動産会社をすぐに見極められます。
査定額が低すぎる不動産会社は営業力が低いと考えられますし、あまりにも高い金額を提示する不動産会社は契約を獲得しようと「見せかけの査定額」を出している可能性があります。
適正価格を把握するためには、大体の査定額が収まる価格帯で判断することが大切です。一括査定なら不自然な査定額がひと目でわかるので、ベストな条件の不動産会社を見つけられるでしょう。
査定から売却までスムーズに依頼できる
一括査定を申し込むと、不動産会社側から訪問査定についての連絡がきます。
価格を知りたいだけの人には煩わしいかもしれませんが、売却に向けてすぐに動き出したい場合は、不動産会社から積極的に動いてもらったほうがなにかと便利です。
場合によっては、契約獲得のため景品や引っ越しサポートなどのキャンペーンを受けられるケースもあります。査定から売却までワンストップで進めたいなら、ぜひ一括査定を利用しましょう。
一括査定のデメリット
一括査定には次のようなデメリットもあるため、利用時には注意が必要です。
- 不動産会社から勧誘の連絡がくる
- 地域によっては査定できない
それぞれのデメリットについても、詳しく解説していきます。
不動産会社から勧誘の連絡がくる
先にも解説した通り、一括査定を利用すると不動産会社から勧誘の電話やメールがきます。
複数の不動産会社に査定を依頼すれば勧誘の連絡数も増えるため、査定直後はとくに煩わしさを感じる可能性があります。
「すぐに売るつもりはない」「大体の価格だけ知りたい」というように、売却へのモチベーションがまだ低い場合は、一括査定より匿名査定サービスを使ったほうが良いでしょう。
地域によっては査定できない
一括査定は登録・提携している不動産会社にしか査定を依頼できないので、物件の所在地に対応している業者がいなければ利用できません。一部の地域では、査定を依頼できない恐れがあります。
ただし、このデメリットは一括査定に限らず、匿名査定でも同じことがいえます。大切なのは、全国を幅広くカバーしているサービスを使うことです。
また、登録・提携している企業が多ければ、それだけカバー率も高くなります。依頼先の選択肢も増えるため、なるべく提携数の多い一括査定を使いましょう。
まとめ
匿名査定は個人情報が不要で手軽に使えるサービスですが、査定の精度としては通常の査定に劣るのが一般的です。
また、売却するときは最終的に不動産会社と契約する必要があるので、結局は個人情報を渡さなければいけません。
匿名査定はあくまで「おおまかな価格相場だけ知りたい」ときだけ利用し、本格的に売却を進めたいなら一括査定を使ったほうがスムーズです。
不動産に関する状況や心境に合わせて、それぞれのサービスを使い分けるようにしましょう。
匿名査定についてよくある質問
匿名で不動産の価格を調べられるサービスで、過去の取引事例などから査定額を想定できます。
個人情報が不要で、不動産会社から営業をかけられないというメリットがあります。
査定の精度については通常の査定に劣るため、実際の市場相場とずれてしまう恐れがあります。
いいえ、かかりません。無料で利用することが可能です。
一括査定なら、複数の不動産会社に査定することで「好条件で売却できる不動産会社」を見つけることが可能です。→【オンラインで価格がすぐわかる!】不動産の一括査定はこちら
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