駅近でも狭小住宅だと売れない理由とは?対策や注意点を解説します

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狭小住宅とは、一般的に15坪以下の土地に建てられた住宅を指します。地価の高いエリアで住宅を売るために作られたものが多く、駅近など好立地に建っているものもあります。

しかし、狭小住宅は基本的に使い勝手が悪く、資産価値が下がりやすいといわれます。売却をしたくても買い手が付かず、どうすれば良いか困っている人も多いでしょう。

そこで、この記事では駅近でも狭小住宅だと売れない理由や、売却するための具体的な対策を解説しているので、ぜひ売却の参考にしてください。

とくに大切なのは、なるべく多くの不動産会社に査定してもらうことです。不動産会社によって得意な物件が異なるため、狭小住宅の売却に慣れた業者を見つけるようにしましょう。

オンラインの一括査定を使えば、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できます。高値で売れる業者も手軽に見つけられるので、狭小住宅がなかなか売れなくて困っている人はぜひ活用してください。

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この記事のポイント

  • 狭小物件が売れない理由は「住みにくく使い勝手が悪い」「ローンが組みにくい」などがある。
  • 駅近の狭小住宅を売るためには、買取業者への相談や価格の見直しなどが有効。
  • 狭小住宅は維持コストの面から早めに売るのがおすすめ。

駅近でも狭小住宅が売れない理由5つ

通常、駅近の住宅は人気が高く売りやすい物件です。しかし、狭小住宅だと駅近という好条件であっても売れない場合があります。

駅近でも狭小住宅だと売れない理由としては、次の5つが考えられます。

  • 住みにくく使い勝手の悪い家が多い
  • 住宅ローンが組みにくい
  • 建物の耐震性能に不安がある
  • 隣家と近いためトラブルが多い
  • 周辺の不動産需要と合っていない

まずはなぜ狭小住宅が売れないか、その理由を詳しく見ていきましょう。

1.住みにくく使い勝手の悪い家が多い

狭小住宅は狭い土地に住宅を建てたものなので、住みにくく使い勝手の悪い家が多くなります。

たとえば、下記のようなデメリットで日常生活に不便を感じることが少なくありません。

  • 階段での移動が多い
  • 玄関や駐輪場、脱衣場が狭い
  • 収納スペースが少ない
  • 部屋にゆとりがないため掃除しにくい
  • 一階の日当たりが悪い

とくに、高齢者や赤ん坊がいる世帯だと事故の危険性も高くなるため、不動産探しの際は敬遠されやすくなります。

2.住宅ローンが組みにくい

狭小住宅は担保価値が低く、金融機関の住宅ローン審査は厳しくなります。

住宅ローンが組めないとなると、現金一括で買える人しか購入できません。結果的に、購入希望者が減ってしまうのです。

住宅ローンによっては面積の下限が決められている場合もあり、たとえばフラット35では「床面積70㎡以上」という貸付要件があります。

参照:住宅金融支援機構「よくある質問>住宅の床面積に制限はありますか」

「駅近の高価格エリアでも安く買える」のが狭小住宅の利点ですが、いくら安くても不動産を現金で買える人は多くありません。ローンを組みにくいことが、需要に大きく影響します。

3.建物の耐震性能に不安がある

狭小住宅は通常の住宅に比べ耐震性能の確保がむずかしく、安全性を気にする買主からは避けられやすくなります。

たとえば、3階建てで細長い構造をしていればそれだけで揺れやすくなりますし、吹き抜けやビルトインガレージにすると壁が減るのでさらに耐震性は下がります。

法的には問題なくても「基準ギリギリ」になっている場合があり、想定外の大地震で倒壊する可能性もゼロではありません。築年数が古ければ、経年劣化でリスクはますます高くなるでしょう。

近年は不動産の安全性に対する意識が高まっているため、リスクのある狭小住宅は補強工事などで対策していないと売却しにくいのです。

4.隣家と近いためトラブルが多い

狭小住宅は隣家と距離が近く、近隣トラブルになりやすい点も購入を避けられる要因の1つです。

近隣トラブルの例としては、次のようなものがあげられます。

  • 生活音やペットの鳴き声、楽器などの騒音トラブル
  • 調理やタバコなどによる臭いトラブル
  • 窓から室内が見通せてしまうプライバシー問題

これらは自分が被害者になることもあれば、加害者になってしまう場合もあります。

トラブルの可能性があるとわかっているものを、わざわざ買う人は多くありません。防音などの対策が施されていない場合、売却はむずかしくなるでしょう。

5.周辺の不動産需要と合っていない

周辺の不動産需要が狭小住宅に住む層とずれていると、売却は困難です。

狭小住宅のニーズがある層といえば、例えば「小さい子供が1人だけいる夫婦」などが考えられます。

しかし、歓楽街の近くだったり、学校や公園などの公共施設が少ない地域だったりすると、子育て世帯からの需要は低くなります。

ニーズは年代や地域の開発状況によって変動するので、かつては需要のあった物件でも、現在だと売却できないというケースが珍しくありません。

ニーズの少ない物件を売るときは、その物件タイプの取り扱いになれた不動産会社へ依頼し、効率的に宣伝することが大切です。狭小住宅の取り扱い実績が豊富な不動産会社に売却を依頼しましょう。

駅近の狭小住宅を売るための対策5つ

狭小住宅が売れない理由を紹介しましたが、まったく需要がないわけでもありません。工夫次第では、スムーズに売却することも可能です。

狭小住宅を売れやすくするための対策としては、次の5つがあげられます。

  • オンラインの一括査定を利用する
  • 価格を低めに設定する
  • 内覧対策を強化する
  • 土地のみの価格で売る
  • 「駅近の狭小住宅」ならではのアピールポイントをまとめておく

1つずつ解説していくので、狭小住宅を売却する際はぜひ参考にしてください。

1.オンラインの一括査定を利用する

不動産会社は各社で得意な物件タイプに違いがあるので、スムーズに売るためには、なるべく多くの不動産会社に査定してもらうのが確実です。

不動産会社の違いで価格が数百万円変わることもありえるので、高額売却を実現するためにも不動産会社の比較は重要なポイントとなります。

そして、効率的に不動産会社を比較するためには「オンラインの一括査定」が便利です。無料で簡単に査定を申し込め、複数社の査定額を比較できます。

下記のリンクから利用できる「イエウール」は2,000社以上の業者が提携しており、全国幅広い地域の物件に対応しています。狭小住宅のように需要が低い物件を得意とする業者もいるので、ぜひ利用してみましょう。

なかなか売れない物件は「訳あり物件専門の買取業者」がおすすめ

可能な限りスピーディーに売りたい場合は、買取業者に相談してみるのがおすすめです。

買取業者とは?
物件を自社で直接買い取る不動産業者。不動産の専門家が買い取るため、一般的には需要の低い物件でも積極的に買い取ってもらえるのが特徴。

不動産業者が買主となるため現金一括払いが可能で、早ければ相談から数日程度で売却することもできます。

ただし、デメリットとして市場相場より価格が下がってしまう傾向がある点は注意しましょう。買取業者は物件を再販することで利益を上げるため、なるべく安く買い取ろうとするのが基本です。

安く買い叩かれないためにも、一括査定は積極的に活用しましょう。複数の不動産会社を比較すれば、高く買い取ってもらえる業者をすぐに見つけられます。

2.価格を低めに設定する

需要の低い物件を売るときの対策として、売り出し価格の値下げは基本的な方法です。相場より数百万円低ければ、購入を希望する人も増えるでしょう。

ただし、不動産の売買は価格交渉を持ちかけられることが多々あります。最初からギリギリまで値下げしてしまうと、価格交渉に対応できず購入希望者を逃してしまう恐れがあります。

そのため、売り出し価格は最低希望額から10~20%程度上乗せした金額にすることがおすすめです。最終的な金額は同じでも、買主に「お得感」を与えることが重要となります。

また、売れないからといって値下げを何度も繰り返していると、物件を探している人から「何度も値下げが必要になるほど問題のある家かもしれない」と警戒される恐れがあります。

値下げは何度も繰り返さず、一度に可能な限り値下げするか、一旦売却を取りやめてしばらくしてから売り直すといった対策を取りましょう。

3.内覧対策を強化する

「内覧の申し込みはあるけど成約に至らない」という場合は、現地で物件を見たときに魅力を伝えきれていないことが考えられます。

不動産の買主は、広さや築年数といった情報だけでなく「見たときの印象」も大切にします。資料の上では好条件でも、内覧の印象が良くないと購入を見送られてしまうのです。

内覧対策としては、室内や家周辺をきれいに掃除したり、照明を明るくしておくと良いでしょう。とくに照明は、日当たりの悪くなりがちな狭小住宅では重要なポイントです。

また、「ホームステージング」という室内をモデルルームのように演出するサービスもあります。物件の印象をアップさせる効果があるので、成約率向上を期待できるサービスです。

4.土地のみの価格で売る

木造住宅の場合、一般的に築20年以上で資産価値がなくなるとされます。住むのに問題がなくても、市場としては1円も値段がつかなくなってしまうケースがあるのです。

しかし、そうした物件でも土地のみの価格であれば買い手はつきます。いわゆる「古家つき土地」といわれるもので、建物の価値を考慮せず土地の値段で売買をおこなう売り方です。

狭小住宅における建物部分の資産価値はもともと低いため、ゼロになっても影響は小さく済みます。そのため、早めに「古家つき土地」として売り出すことも検討してみましょう。

中古住宅としては住みにくくても、土地自体に利用価値があれば、スムーズに買い手が見つかるかもしれません。

5.「駅近の狭小住宅」ならではのアピールポイントをまとめておく

先に解説した「狭小住宅の売れない理由」でもわかるように、狭小住宅にはどうしてもデメリットなどのマイナスイメージが付きまといます。

しかし、駅近の狭小住宅に住むのはデメリットだけでなく、次のように多くのメリットも存在します。

  • 駅近なので通勤や買物に便利
  • 土地面積が狭いので固定資産税が安い
  • 人通りや街灯が多いので夜道も安心できる
  • 家族との距離が近くなる
  • 子どもを見ながら家事をしやすい

こうしたメリットは、もともと住んでいる売主であればより詳しく把握しているはずです。

住んでみないとわからないメリットを内覧時などにしっかりアピールすれば、売却できる可能性をあげることが可能でしょう。

駅近の狭小住宅を売る際の注意点

駅近の狭小住宅を売るにあたって、事前に押さえておきたい注意点が2つあります。

  • 「リフォームして売却」は費用対効果が低い
  • 維持コストが割高なので使わないなら早めに売却すべき

どちらも金銭的なコストに関わる問題なので、損をしたくない人は必ずチェックしておきましょう。

「リフォームして売却」は費用対効果が低い

なかなか売れない家を売る対策として、リフォームやリノベーションを施す方法があります。狭小住宅でもある程度の需要アップはできるかもしれませんが、費用面で効率的とはいえません。

狭小住宅でリフォームをしようとすると、作業スペースが小さいので工事の難易度が上がり、費用も高くなる恐れがあります。フルリフォームをすれば、1,000万円近くかかるケースもありえるでしょう。

しかし、それだけ費用をかけても、その分を売却価格に上乗せできるとは限りません。工事にかけた費用分、赤字になってしまう可能性があります。

そもそも、駅近の狭小住宅が売れない理由のうち「住宅ローンが組みにくい」などは、リフォームで解決できるものではありません。

リフォームをするなら必ず不動産会社などに相談し、工事後に需要が上がるか検討しましょう。むだなコストをかけないよう、しっかりとシミュレーションすることが大切です。

維持コストが割高なので使わないなら早めに売却すべき

高価格帯エリアでも安く買えるのが狭小住宅のメリットですが、維持費という面ではむしろ割高といえます。

先にも解説した通り、狭小住宅は作業スペースが少ない分、工事をするときの費用は高くなりがちです。建物の修繕が必要となったとき、通常の物件より費用がかさむ恐れがあります。

また、土地が小さいため全体の固定資産税は抑えられますが、坪単価でいえば割高です。同じ固定資産税額であれば、郊外でもっと広い土地を持てる可能性があります。

このように、見方によっては狭小住宅は維持コストが割高といえるので、だれも住んでいない状況であれば早めに売ったほうが経済的にお得といえます。

空き家のまま放置は「特定空家」に指定される恐れがある

空き家のまま放置は、自治体から「特定空家」に指定される恐れもあるので注意しましょう。

特定空家とは?
公衆衛生や景観など、近隣に悪影響をおよぼしている空き家の改善を促す制度。自治体による助言・指導に従わないと、最終的に50万円の過料や強制解体がおこなわれる。

強制解体の費用は所有者に請求されますが、自分で解体業者を探すより高額の工事費になる場合があります。

特定空家の指定は所有者にとってデメリットが大きいため、使っていない家は適切に管理をおこない、早めに売却するようにしましょう。

参照:NPO法人空家・空地センター「特定空家とは」

相続物件なら「相続から3年以内の売却」が節税のポイント

売却予定の狭小住宅が相続によって取得したものなら、相続から3年以内の売却が節税で重要となります。

不動産の売却には譲渡所得税が課せられますが、被相続人が住んでいた物件を売却する場合、相続から3年以内に売却することで3,000万円の控除を受けられます。

例えば、売却益が3,000万円以下であれば課税対象額がゼロになるため、譲渡所得税を非課税にできます。

ただし、控除の適用には他にも複数の条件があるので、下記の国税庁ホームページでチェックするか、税理士などの専門家に確認しておきましょう。

まとめ

駅近であっても狭小住宅の需要は低く、なかなか売れないのが実情です。

しかし、価格を低めに設定したり、内覧対策を強化するなどの対策で、買い手を見つけられる場合もあります。

また、どうしても売れないようであれば、買取業者に相談するという方法もあります。訳あり物件専門の買取業者なら、高値でスピーディーな買取も期待できます。

需要の低い物件でも、工夫次第で売却は可能です。買い手が付かなくても売却を諦めず、どうすれば売れるかしっかりと考えるようにしましょう。

狭小住宅の売却についてよくある質問

  • 「狭小住宅は売れにくい」というのは本当ですか?

    物件ごとの事情にもよりますが、一般的には売りにくいとされています。使い勝手が悪かったり、住宅ローンを組みにくいのが主な原因です。

  • 狭小住宅を売るための対策にはどんなものがありますか?

    売り出し価格を値下げしたり、内覧対策を強化して買主の印象を良くする方法が効果的です。また、どうしても売れない場合は買取業者に直接買い取ってもらう方法もあります。→【買取業者も多数提携!】無料の不動産一括査定はこちら

  • 買取業者に依頼すれば、狭小住宅でも確実に買い取ってもらえますか?

    物件にもよりますが、訳あり物件専門の買取業者であれば積極的に買い取ってもらえるでしょう。

  • リフォームで狭小住宅の需要を上げることはできますか?

    多少の効果は見込めますが、工事費に1,000万円近くかかるケースもあり、売却できても赤字になる恐れがあります。

  • 家が売れない場合、放置しているとなにか問題はありますか?

    管理状態が悪いと、自治体から「特定空家」に指定され50万円の過料や強制解体などがおこなわれます。固定資産税も発生し続けるので、なるべく早く処分したほうが良いでしょう。