ペンシルハウスとは、鉛筆のように細長く建てられた狭小住宅のことです。地価の高い都心部において、手頃な価格で住宅を買える物件として普及しました。
しかし、ペンシルハウスは資産価値が低く、一般的に住みにくいとされるため、売却しようと思っても売れないケースが少なくありません。
この記事では、なぜペンシルハウスが売れないのかや、売却するための具体的な対策について解説しているので、買い手が付かず困っている人はぜひ参考にしてください。
なお、対策のなかでもとくにおすすめなのは、一括査定でなるべく多くの不動産会社を比較し、好条件で売却できる業者を見つける方法です。
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- 「生活動線の悪さ」や「修繕などのむずかしさ」がペンシルハウスの売れない理由。
- ペンシルハウスの売却では、なるべく多くの不動産会社に査定してもらうことが大切。
- コロナ禍でペンシルハウスはより売りにくくなっている。
目次
ペンシルハウスが売れない理由5つ
ペンシルハウスが売れない理由として代表的なものは、次の5つです。
- 階段の上り下りが多く生活動線が悪い
- 近隣の家と密接している
- 修繕や建て替えがむずかしい
- 特殊な構造の家が多い
- 大きな家具は搬入が困難
これらのデメリットがあることで、通常の家より売りにくくなっています。
それぞれの理由を具体的に見ていきましょう。
1.階段の上り下りが多く生活動線が悪い
ペンシルハウスは縦に伸びた構造をしているので、階段での移動が多くなります。
「トイレを使うのに一階へ降りる必要がある」「洗濯機は1階にあるのに洗濯物を干すには2階へ上がらなくてはいけない」というように、生活上の不便が少なくありません。
このように生活動線が悪いと日々のストレスも増すため、QOL(生活の質)を重視する人からは需要が低くなります。
また、事故の危険性が高いことから高齢者世帯にも敬遠されがちです。
2.近隣の家と密接している
ペンシルハウスの特徴として、近隣の家と密接していることがあげられます。狭い土地にギリギリの広さで建てられるため、隣家との距離も近くなるのです。
家が密接していると、日当たりや風通しが悪くなるというデメリットが生まれます。また、生活音や室外機の音による騒音問題など、近隣とトラブルになる可能性もあります。
これらのデメリットは後から解決するのがむずかしく、間取りの工夫で採光を確保したり、防音材の使用で騒音を防ぐなど、なんらかの対策をしていないと売れにくくなるでしょう。
3.修繕や建て替えがむずかしい
近隣の家と密接していることに関連しますが、ペンシルハウスは工事の作業スペースが狭くなるため、修繕や建て替えが通常の家より困難です。
三方向を隣家に囲まれていると足場組みが大変ですし、工事車両を停める場所がないと資材の搬入もむずかしくなります。工事内容によっては、追加料金を取られるケースもあるでしょう。
場合によっては、工事にあたって隣家のスペースを使わせてもらう必要があります。快く了承してもらえれば良いのですが、許可がもらえずトラブルになるかもしれません。
このように、修繕や建て替えが思うようにできないリスクもペンシルハウスが売れにくい理由の1つです。
4.特殊な構造の家が多い
ペンシルハウスは、土地の形状に合わせて特殊な構造になりがちです。言い換えれば普遍性がなく、一部の人以外には住みにくくなります。
家にこだわりのない人は建売で使い勝手の良い物件を探しますし、逆にこだわりを持つ人は注文住宅で自分の希望を反映させます。ペンシルハウスをわざわざ選ぶ理由は少ないといえるでしょう。
また、ペンシルハウスはその特殊性から、住宅ローンを借りるときの担保価値も低く見られます。
担保価値の低さは、住宅ローンの借りにくさにつながります。資金を用意できる人が少なくなるため、より需要が下がってしまうのです。
5.大きな家具は搬入が困難
ペンシルハウスは室内が狭く階段も多いため、大型家具の搬入が困難です。二階・三階へ家具を入れるためにクレーン車を手配しなければいけない場合もあり、費用が割高になります。
また、部屋自体が狭いため、そもそも大きな家具を使えない可能性があります。スリムタイプの家具を選ばないと、室内に圧迫感があってゆっくり過ごせないというデメリットがあるのです。
これらのことから、家具にこだわりがある人にとって、ペンシルハウスは不都合の多い物件といえるでしょう。
ペンシルハウスを売るための対策5つ
ペンシルハウスの売れない理由を紹介しましたが、まったく売れないかというと、そうとも限りません。工夫次第でペンシルハウスをスムーズに売ることは可能です。
具体的には、次の対策を講じてみると良いでしょう。
- なるべく多くの不動産会社に査定をしてもらう
- 訳あり物件専門の買取業者に買い取ってもらう
- 売り出し価格を下げる
- 更地にして売る
- 広告の出し方を見直す
各対策をそれぞれ詳しく解説するので、ペンシルハウスの売却で困っている人はぜひ参考にしてください。
1.なるべく多くの不動産会社に査定をしてもらう
不動産を高値でスムーズに売るためには、優良な不動産会社を選ぶことが大切です。とくに物件と不動産会社の相性は重要で、ペンシルハウスの売却が得意な業者を選ぶことがポイントとなります。
しかし、不動産会社を1社ずつ調べ、各社に査定を申し込むのは手間がかかります。どのような基準で選べば良いかわからない人も多いでしょう。
そこで活用したいのが、オンラインの不動産一括査定です。一括査定でまとめて査定を依頼し、結果を比較することで売却条件の良い業者を見つけやすくなります。
1年以上売れ残っていた家が、不動産会社を変えただけですぐに売却できるケースもあります。なかなか売れずに困っている人も、不動産会社の切り替えは積極的に検討すべきです。
下記のリンクから申し込める「イエウール」の一括査定なら、全国2,000社以上の不動産会社と提携しているので、ペンシルハウスの売却が得意な業者もきっと見つけられるでしょう。
2.訳あり物件専門の買取業者に買い取ってもらう
訳あり物件専門の買取業者とは、なんらかの問題を抱えている物件を自社で直接買い取る業者です。
不動産会社で一般的な「仲介業者」と比較すると、買取業者には次のようなメリットがあります。
- 買主を探す手間がないので最短数日で売却できる
- 不動産会社が買い取るため現金一括払い
- 一般的には売りにくい物件でも積極的に買い取ってもらえる
一方、デメリットとしては買取価格が安くなりやすい点があげられます。買取業者は物件を再生・再販して利益をあげるため、その分のコストが差し引かれてしまうのです。
しかし、訳あり物件専門の買取業者であれば、どのような物件でも効率的に再生するノウハウがあるため、ペンシルハウスのような売りにくい物件でも高額買取を期待できます。
このような買取業者も、一括査定を利用すれば手間なく探すことが可能です。下記のリンクから、もっとも高値で売却できる買取業者を見つけましょう。
3.売り出し価格を下げる
売り出し価格の値下げは、不動産を売りやすくする方法として一般的です。効果的な方法ではありますが、値下げのし過ぎで買い叩かれるのは避けたいですし、値下げに対する心理的な抵抗感もあるでしょう。
適切な値下げをするには、近隣の不動産相場を知ることが大切です。一括査定を使えば、各社の査定額を比較することでおおまかな相場を把握できます。
また、他の取引事例から相場を調べる方法もあります。例えば、不動産ポータルサイトなどを使い、近隣で条件の似ている売り出し物件を見つけられれば、価格設定の参考になるでしょう。
他には、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」や、不動産流通機構の「取引情報検索」を使えば、実際に成約した取引事例を調べることもできます。
これらの方法で相場を把握したら、相場ギリギリより少し高めに価格設定をしましょう。少し高値にしておくことで、購入希望者から値下げ交渉をされたときに対応しやすくなります。
4.更地にして売る
ペンシルハウスは「住みにくく利用価値も低いケースが多い」と解説しましたが、その解決策として、解体・更地化する方法があります。
更地にしておけば、新しく自分好みで家を建てたい人や、駐車場など別の用途で土地を使いたい人などから需要が見込めるため、早く売却先を見つけられる可能性があるのです。
ただし、解体は数百万円の費用がかかりますし、法律の改正などで建て替え自体ができない物件もあります。
このように解体のリスクが高い場合は、建物を残したまま「更地渡し可」の条件で売り出すと良いでしょう。
更地渡し可にすることで「建物が欲しい人」と「土地だけが欲しい人」の両方にアプローチできるので、より早く買主を見つけられるようになります。
5.広告の出し方を見直す
不動産の売却活動では、広告が売れ行きを大きく左右します。最初に買主の目に入るのが広告であり、その内容次第で集客率も大きく変わるのです。
とくに重要なのは画像で、明るく住心地の良さそうな印象の写真を使えば集客率もアップします。とくにペンシルハウスは日当たりが悪いため、意識しないと暗い写真になりがちなので注意が必要です。
まずは不動産会社が出している広告を一度チェックし、内容に不満があれば修正を依頼してみましょう。買主目線で「この物件が欲しい!」と思える広告を出すことが大切です。
コロナ禍でペンシルハウスは不利?
新型コロナウイルスの流行によって、不動産市場も大きな影響を受けています。とくに、テレワークの普及によって「家の広さ」や「仕事をするスペースの確保」を求めている人が増えています。
なかには郊外へ移住する人もいて、単純に考えればペンシルハウスの売却はより困難になりそうです。
ただし、条件次第ではペンシルハウスの売却も可能です。コロナ禍においてペンシルハウスがどのような影響を受けているのか見ていきましょう。
市場の傾向としてはペンシルハウスは売りにくくなっている
株式会社リクルートのSUUMOリサーチセンターがおこなった調査では、住宅に収納量やリビングの広さ、部屋数を求める人が増加傾向にあるという結果が出ています。
参照:PR TIMES「『住宅購入・建築検討者』調査 (2021年) コロナ禍拡大による住まい探しへの影響は落ち着きつつある 快適性・住宅性能を求める志向は堅調」
また、株式会社デベロップジャパンの調査では、住まい選びで重視するポイントとして「プライベート空間を確保しやすい」「家族や親戚の住まいに近い」という回答が増加しているとわかります。
参照:PR TIMES「住まい選びは「利便性」から「快適性」「安全性」に変化 〜オンラインの活用がキーポイントに〜」
これらの結果からわかるのは、コロナ禍では家にいる時間が長くなったことから、広さや快適性を求める意識が強くなっているということです。
一方、ペンシルハウスはスペースの狭さが前提にあるため、コロナ禍においてはますます売却しにくいといえます。
「ワークスペースの確保」ができればペンシルハウスも需要がある
市場全体の傾向では不利となっているペンシルハウスですが、ニーズに合った戦略を立てれば、売却できる可能性もあります。
例えば、スキップフロアや収納スペースをワークスペースとして使いやすいよう改装すれば、単身者や夫婦2人世帯の需要が見込めるかもしれません。
都心・駅近にあるペンシルハウスは、利便性という点では郊外の住宅に対して大きなアドバンテージがあります。市場のトレンドに合わせて少し工夫をすれば、買主を見つけることは決して不可能ではありません。
まとめ
不動産市場のトレンド変化もあって、ペンシルハウスの売却はむずかしくなっているのが実情です。
相場を調べたうえで価格を下げたり、更地化して売却するなど工夫が必要になります。また、手間なく売りたいのであれば、買取業者に依頼するのも良いでしょう。
いずれにせよ、需要が低くてもまったく売れないわけではありません。なにより重要なのは売ることを諦めないことなので、可能な限りの対策を講じたうえで、粘り強く売却活動を続けましょう。
ペンシルハウスについてよくある質問
物件ごとの事情にもよりますが、一般的には売りにくいとされています。使い勝手が悪かったり、住宅ローンを組みにくいのが主な原因です。
売り出し価格を値下げしたり、内覧対策を強化して買主の印象を良くする方法が効果的です。また、どうしても売れない場合は買取業者に直接買い取ってもらう方法もあります。
物件にもよりますが、訳あり物件専門の買取業者であれば積極的に買い取ってもらえるでしょう。
多少の効果は見込めますが、工事費に1,000万円近くかかるケースもあり、売却できても赤字にある可能性があります。
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