築3年一戸建ての売却相場はいくら?高く売るコツと注意点について

一戸建ての売却価格は、基本的に築年数によって決まります。築年数が浅ければ浅いほど、需要が上がり売却相場も高くなります。
築3年の一戸建てであれば、中古住宅のなかでは「条件が良い物件」となり、おおむね高く売れるでしょう。
具体的には、新築時価格の80%~90%程度が、築3年で売るときの目安です。ただし、売却理由によっては価格が変動する場合もあります。
築3年の家をより高く売るためには、不動産会社を比較し、高値で売却できる優良業者を見つけることがなにより大切です。
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この記事のポイント
- 築3年の一戸建て価格は「新築時の80%~90%」が相場。
- 売却理由によっては価格変動に影響がある。
- 少しでも高く売るためには「一括査定サイト」の利用が効果的。
目次
築3年一戸建ての売却相場はどれくらいか?
不動産は、一般的に新築が最も価格が高く、築年数が経過する毎に市場価値は下がっていきます。価値が下がるのは建物部分で、物理的な劣化や、設備の古さによって減少していきます。
市場価値が減り続ける期間は構造により異なり、木造であれば22年、RC造りであれば47年とが目安です。つまり、木造一戸建ての場合、築年数22年で市場価値はほぼなくなるといえます。
一方で、土地は年数が経過しても劣化するものではないため、建物ほど価値は減りません。市場動向による変動はありますが、建物のように「◯年経ったから安くなる」ということは基本的にないでしょう。
一戸建ての売却相場を考えるときは、「築3年でどれだけ建物の市場価値が下がるか」を考えることが重要となります。
新築時の80%~90%が相場となる
結論からいうと、築3年程度の一戸建ては、新築時の80%~90%が価格相場となります。
下記は、国土交通省が作成した「築年数による建物価格の低下率」です。

グラフを見ると、築3年でおおむね10%前後下がっているとわかります。
上記に加え、新築時に加算されていた不動産デベロッパーの販売経費や利益も差し引かれるため、合計で20%程度下がることになるのです。
より具体的な数値を見ていきましょう。下記は、新築時の住宅価格の主な内訳です。
- 土地取得費:40%~45%
- 建設費:40%~45%
- 販売経費:5~10%
- 不動産デベロッパーの利益:5~10%
建物の市場価値については、築3年程度なら劣化はほとんどありません。しかし、「誰も使ったことがない家」と「1度でも使ったことがある家」では価値が変わるため、5~10%ほど下がります。
続いて、新築価格には不動産デベロッパーの販売経費や利益が含まれているので、自分が売るときはその分が差し引かれます。
結果として、築3年の中古戸建ては新築時より10%~20%値下がりするのです。
稀に新築時と変わらない金額で売れることもある
築3年一戸建ては、上記理由により新築時より価格が下がることが一般的です。
しかし、不動産によっては新築時と変わらない金額若しくは新築時以上の金額で売れるケースもあります。ここでは、新築時と変わらない金額で売れるケースについて紹介します。
- 地価の高騰
- 建物の価値を見出せた
- 物件の希少性
- 街の価値が上がった
理由1.地価の高騰
一つ目は、地価の高騰です。
建物の価値は減少したものの、地価の高騰により建物下落分をカバーするケースがあります。一戸建ては土地が比較的広いケースが多く、先述したように土地代が占める割合は多くなることから、総じて新築時と変わらない金額となることがあります。
理由2.建物の価値を見出せた
二つ目は、建物の価値を見出せたことです。
築3年一戸建ては、比較的建物の状態が良いことが多くなります。外装や内装に目立った傷みや欠陥箇所がなく、見た目で綺麗な状態であれば建物価値を十分見出せます。
これにより、法的には建物価値は減少しているものの、査定上では高評価となることで、総じて新築時と売却価格が変わらないケースがあります。
理由3.物件の希少性
三つ目は、物件の希少性です。
駅に近い、人気の住宅地やアドレス、近所にショッピングセンターができて利便性が高まったなど、希少性が追及できるケースでは不動産自体の価値が上がることがあります。
つまり、周辺での不動産需要の高まりにより相場が上がることで、新築時と変わらなくなるケースがあります。
理由4.街の価値が上がった
最後は、街の価値が上がったことです。
新線や駅の開業、再開発などによる街の整備、子育て環境・都心への近さ等による住環境や利便性のアップ、などにより街の価値が上昇することがあります。
街の価値が上がれば住みたいと思う人が多くなり、人口が増えれば、不動産需要は自然と増加します。中古住宅を検討する人も増えるので、所有する不動産の価値も上がっていくのです。
これら上がり幅が、従来の下落分をカバーするような状態となれば、新築時と変わらなくなるケースはあります。
「売却理由」が価格に影響する点に注意
築3年一戸建て住宅は、中古市場では比較的人気のある物件です。一方で、新築でせっかく購入したマイホームをわずか築3年で手放すことに、疑念を抱く買主もいます。
よって、築3年で不動産を売却するときには、「売却理由」が重要となります。
ここでは、築3年一戸建ての売却理由が価格に影響するケースについて解説します。
売却価格に影響するケース4つ
まずは、売却価格に影響するケースについて紹介します。
- ①住環境が悪く住みにくい
- ②狭小地に建てた家で間取りが窮屈すぎる
- ③事故物件になってしまった
- ④近隣に嫌悪施設がある
①住環境が悪く住みにくい
一つ目は、住環境が悪く住みにくかった、という理由です。
道路や鉄道の騒音だったり、坂道が多い、買物できる場所が遠いなど、住環境の悪い物件は、買主としても避けたいところです。
買主側も住みやすさは事前にチェックするため、こうしたデメリットは事前にわかってしまいます。価格を下げなければ、売れ残り続ける可能性が高いでしょう。
②狭小地に建てた家で間取りが窮屈すぎる
二つ目は、狭小地に建てた家で間取りが窮屈すぎることです。
狭小地に建てた家は、ペンシル型の3階建て、階段は急な角度、一部屋が狭くて歪な形など、総じて使いにくく住みにくいものです。こうした物件は人気が低く、買主側にも避けられやすくなります。
また、狭小地の住宅は駐車場スペースの確保が難しいことや日当たりが悪いことも多く、家族向けの一戸建て住宅のニーズと合わないことがあります。
このように、狭小地の住宅は一般的なニーズと乖離していることから検討者自体が少なく、価格下落につながってしまうのです。
③事故物件になってしまった
三つ目は、事故物件になったことです。
事故物件だと、物理的な欠陥はなくても「事故が起きた物件で気色悪い」「気持ち悪い」などと思われることが大半です。
居住すること自体でストレスを感じるため、物件を検討する人は極めて少なくなります。また、敢えて事故物件を検討する人は、価格の割安さが目当てになるため、事故物件になると必然的に価格下落となります。
事故物件の売却については、関連記事で詳しく解説しているので、よろしければこちらも参考にしてください。

④近隣に嫌悪施設がある
四つ目は、近隣に嫌悪施設があることになります。
嫌悪施設があることでストレスや不愉快に思うことが四六時中であれば、物件自体に欠陥はなくても住み心地に影響します。結果的に売りにくくなり、価格にも影響するのです。
売却価格に影響しないケース3つ
次に、売却価格に影響しないケースを3つ紹介します。
- ①転勤のため
- ②離婚した
- ③実家に戻るなど家が必要なくなった
①転勤のため
一つ目は、転勤のためです。
転勤は、現役世帯であれば日常的によくあることになります。転勤は、本人の意図せず起きることでもあり、ネガテイブな要素は全くありません。よって、売却価格へ影響は皆無です。
②離婚した
二つ目は、離婚したためです。
離婚は世間体にはネガテイブ感がありますが、不動産の価値そのものには影響しません。離婚した人が住んでいた家は、縁起が悪いという人もなかにはいるかもしれませんが、物理的な欠陥は皆無です。
よって、売却価格への影響はありません。
③実家に戻るなど家が必要なくなった
最後は、実家に戻るなどマイホームが必要なくなったことです。
長い人生を過ごしていると、1~2年先も何が起きるか分かりません。新築で購入し長期間過ごす予定であったにも関わらず、実家の親が亡くなることで急遽跡継ぎとなるなど、マイホームを手放さざる得ない状況となることはあります。
つまり、不動産自体に欠陥はないので、売却価格に影響することはありません。
築3年一戸建てを少しでも高く売る方法5つ
中古市場では、築浅物件の人気は依然として高い傾向があります。よって、売却したらまず売れないということはないでしょう。
では、少しでも高く売りたいと思ったらどのような対策を講じるのが良いのでしょうか?ここでは、築3年の一戸建てを少しでも高く売る方法について、5つ紹介していきます。
- ①不動産仲介を利用する
- ②一括査定サイトを利用し複数社に査定依頼する
- ③不動産の繁忙期を狙う
- ④競合物件が少ないときを狙う
- ⑤建物は綺麗な状態を保つ
①不動産仲介を利用する
まずは、不動産仲介を利用する方法です。不動産仲介とは、不動産会社に買主の募集や手続きのサポートをしてもらう方法で、売却方法としてオーソドックスなものです。
査定額を出してもらいますが、実際に売り出す価格は売主自身が決められるので、現実的な範囲で高値の価格を設定できます。
市場の需要とうまく噛み合えば、相場かそれ以上の価格で売却することも可能でしょう。途中で価格変更もできるため、状況に応じて柔軟に値下げしてみることも可能です。
②一括査定サイトを利用し複数社に査定依頼する
次に、一括査定サイトを利用し複数社に査定依頼する方法です。
一括査定サイトを利用することで、誰でも気軽に複数社への査定が可能です。複数社に査定することで、相場を把握しつつ「高すぎる査定」「低すぎる査定」の不動産会社を排除し、適切価格で売ることが可能になります。
「価格相場の範囲内でもっとも高く売れる不動産会社」を選別できるので、高値で売りたいときはぜひ一括査定を利用しましょう。
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③不動産の繁忙期を狙う
続いて、不動産の繁忙期を狙うことです。
一般的に不動産の繁忙期とは、3月~4月頃の春先で会社の転勤など新生活を始める人が多い時期となります。このような繁忙期は不動産の取引自体が活発です。
つまり、不動産需要が高い時期であるため、少しでも高く売りたいなら、繁忙期を狙うのがおすすめとなります。
④競合物件が少ないときを狙う
さらに、競合物件が少なければ、売却市場としては最も良いタイミングです。
例えば、周辺に新築物件が分譲されていると、新築の価格より割安感がなければ一般的に売れることはありません。また、中古物件も周辺で多く発売されていれば、買主は比較検討できます。
見比べたなかで物件を決めていくので、必然的に売却に向けての買主の奪い合い、即ち競争が起きてしまいます。競争が起きると買主有利です。売却価格の値下げを強いられることや、査定額が安くなることもあります。
値下げや査定額が下がるのは、不動産仲介会社は取引を成立させないと仲介手数料を得ることができないからです。取引を成立させるために売りやすい金額での提案を行います。
よって、少しでも高く売るためには、周辺に競合物件がないのが理想です。これにより、売主が取引を有利に進めることができ、少しでも高い売却価格を追求できることになります。
⑤建物は綺麗な状態を保つ
最後は、建物は綺麗な状態を保つことです。
築浅物件に買主が求めることは、新築同様の綺麗な状態となります。よって、売却を決めたら住戸内の建具を丁寧に扱うことや壁に傷をつけない、庭木は綺麗に剪定するなど、総じて綺麗な状態をキープすることが重要です。
焦って安く買い叩かれないためには「売却期日の半年前」から動くとよい
築3年の一戸建ては、売り急がないことがポイントになります。つまり、焦って売却しないことです。
よって、築3年の一戸建ては、売却したい期日から遡り半年前から動くと良いでしょう。例えば、不動産繁忙期を狙うのであれば、前年の11月くらいから相場観の調査や、一括査定サイトへ査定の申し込みをするなど、少しずつ動いておくことがおすすめです。
また、次の住居が必要な場合には、検討するエリアや物件の選定などを行っておき、売却に向けての準備をします。以下は、売却に向けた必要な準備、売却に向けての心構えを紹介していきます。
購入当時の資料を集めておく
購入当時の資料は、全て揃えておきます。
購入が3年前であるので、購入当時の資料は比較的見つけやすいでしょう。売買契約書、パンフレット、図面集、住宅性能評価書、重要事項説明書など不動産デベロッパーから受領した資料です。また、登記識別情報や建物・土地謄本など公的な書類も必要となります。
このような購入当時の資料などを、準備しておきます。
内見に備えて家の中は綺麗に使う
次に、内見に備えて家の中は綺麗に使います。
先述でも触れていますが、少しでも高く売るには綺麗な状態をキープすることが重要です。建具などにキズを付けない、物はかたづけ整理整頓する、水回りは綺麗に掃除する、などになります。内見に備えて急に掃除するのは難しいので、常に綺麗な状態をキープしておきます。
築3年の一戸建て売却時に注意すべきこと5つ
ここでは、築3年の一戸建て売却時に注意すべきことを5つ紹介します。
- ①住宅ローンは完済する必要がある
- ②あらかじめ、周辺の売却相場を調査しておく
- ③複数社に査定を出し、売れそうな金額をつかんでおく
- ④高すぎる金額をつけて欲張らない
- ⑤譲渡所得が発生した場合、税金が掛かる
①住宅ローンは完済する必要がある
一つ目は、住宅ローンは完済する必要があります。
築3年の状態だと、未だ住宅ローンが残っていることが殆どです。特に、新築購入時に100%に近いローンを組んだ場合、売却価格がローン残額を下回る可能性があります。
売却資金と自己資金でローン完済できれば問題ありませんが、ローンが残れば抵当権の抹消ができないため、物件を引き渡すことが事実上難しくなります。よって、住宅ローンに附帯される抵当権を抹消するには、ローン完済が必須です。
②あらかじめ、周辺の売却相場を調査しておく
二つ目は、あらかじめ周辺の売却相場を調査しておくことです。具体的には、現在他の人が売り出している物件や、過去の取引事例を調べることが肝心です。
現在の売り出し物件は不動産ポータルサイトから、過去の取引事例は公的機関のデータベースを使いましょう。
全国指定流通機構連絡協議会の「レインズマーケットインフォメーション」や、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」を使えば、過去に売買が成立した物件を知れべることができます。
ただし、不動産の価格はわずかな条件で変わります。立地・面積・売却時期など、様々な要因で変化するので、自分で調べた価格相場はあくまで参考程度に考えましょう。
③複数社に査定を依頼して売れそうな金額をつかんでおく
三つ目は、複数社に査定し売れそうな金額を掴んでおきます。こちらは、先述したように一括査定サイトを利用します。
一括査定サイトでは、一度の入力で複数社に査定依頼できるので効率的です。また、複数社より査定が届くことで、売れそうな金額を掴めることはもちろんのこと、各社がどのように物件を評価しているかわかります。
不動産会社の評価は各社の営業力によって変わるため、数百万円の差が出てもおかしくありません。なるべく多くの査定額を集めることで、適切な売却価格を把握することが可能です。
④高すぎる金額をつけて欲張らない
四つ目は、高すぎる金額をつけて欲張らないことです。
築3年は中古市場で人気があるとはいえ、高すぎる金額では買主から敬遠されます。一度物件として敬遠されると、その後も「物件や売主に問題があるかもしれない」と思われ、売却活動に大きな影響があります。
つまり、当初の金額を欲張り過ぎたおかげで売れず、大幅な値下げで売却となれば結果大きく損するかもしれないのです。
よって、高値チャレンジするにしても、希望最低売却価格の110~120%を限度にして売り出しましょう。これにより、適正価格で売却できる可能性が高まります。
⑤譲渡所得が発生した場合、税金が掛かる
最後は、譲渡所得が発生した場合、税金が掛かります。
築3年で高値売却できた場合、売却益が発生します。この売却益には、所得税と住民税が掛かります。所有期間5年以下の短期譲渡所得の場合、39.63%(所得税30.63%、住民税9%)と高めの税率が設定されています。
なお、節税のために3000万円の特別控除を利用する方法がありますが、3年に一度しか利用できないなど諸々条件があり、適用するには注意が必要です。
まとめ
築3年一戸建ての売却相場は、新築時と比べて80%~90%程度となります。
また、マイホームとして購入した家を3年で売却することは、物件自体に何かデメリットがあるのでは?と疑念を持たれるケースがあります。理由によっては、売却価格に影響があるため、売却理由は買主にはっきりと伝えることが重要です。
「築3年一戸建ての売却相場」に関してよくある質問
-
築3年一戸建ての売却相場はどのくらいになるのか?
新築での購入時と比べると、売却相場は80%~90%程度になるのが一般的です。
-
僅か3年で10%~20%の下落があるのはなぜか?
新築での分譲価格には、周辺の相場価格に加えて、不動産デベロッパーの利益や販売経費が含まれていることです。また、建物は新築以降徐々に劣化していくことで、建物価値が減じていくからになります。
-
稀に新築時と変わらない金額で売れるケースとはどんなときか?
以下のケースにて、新築時より変わらない金額で売れることがあります。
・地価の高騰
・建物の価値を見出せた
・物件の希少性
・街の価値が上がった -
築3年の一戸建てを少しでも高く売却するにはどのような工夫が必要か?
築3年の一戸建てを少しでも高く売るには、下記のような方法を実践するのが良いでしょう。
・不動産仲介を利用する
・一括査定サイトを利用し複数社に査定依頼する
・不動産の繁忙期を狙う
・競合物件が少ないときを狙う
・建物は綺麗な状態を保つ -
築3年の一戸建てを売却するときに注意すべきポイントとは何か?
以下に挙げたことが、築3年の一戸建てを売却するときに注意すべきポイントになります。
・住宅ローンは完済する必要がある
・あらかじめ、周辺の売却相場を調査しておく
・複数社に査定を出し、売れそうな金額をつかんでおく
・高すぎる金額をつけて欲張らない
・譲渡所得が発生した場合、税金が掛かる