再建築不可物件の売却を成功させるための徹底ガイド!相場や売却方法について解説

再建築不可物件の売却を成功させるための徹底ガイド!相場や売却方法について解説

再建築不可物件を所有している方から、「この物件は本当に売れるのか?」「買い手なんて見つかるのか?」といったご相談をよくいただきます。
新築や建て替えができないという制約がある以上、不安を抱えるのは当然です。弊社もこれまで数多くの再建築不可物件を扱ってきましたが、やはり普通の住宅や土地に比べると売却の難易度は高くなります。

再建築不可物件とは、建築基準法上の接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接していること)を満たしていないなどの理由で、新築や建て替えが認められない不動産のことを指します。表向きは「家が建っている土地」でも、実際には資産価値の下落や需要の低さが目立つ不動産なのです。

売却方法としては、主に以下の3つが現実的です。

売却方法 特徴
専門の買取業者に売却 再建築不可物件を扱い慣れている業者が直接買い取るため、修繕不要・現況のままで早期に現金化できる。
隣地所有者に売却 隣地の敷地が広がり、再建築可能にできるケースも多いため、最も合理的な相手先のひとつ。
仲介で売却 市場で買主を探す方法。ただし需要が限られるため、売却は困難になりやすい。

弊社の買取事例を振り返っても、売主様が時間をかけて仲介で買い手を探した結果、結局売れずに当社にご相談いただいたケースが何度もあります。再建築不可物件は「工夫すれば売れる」のではなく、「買い手が限定される」という現実を直視することが大切です。

また、売却価格の目安は、一般的な市場価格の5~7割程度に落ち着くケースが多いですが、立地や建物の状態によって上下しやすいです。たとえば、都心部や駅近のエリアだと弊社でも相場以上の価格で成約させていただくこともありますが、郊外の不整形地では相場以下の価格を提示させていただくケースもあります。

だからこそ、机上の相場ではなく「現場を見て査定する」ことが不可欠なのです。

当社クランピーリアルエステートでは、再建築不可物件を含む訳あり不動産を数多く取り扱ってきた経験があります。他社で断られた物件でも、これまでに買取を成立させてきた実績がありますので、「売れるか不安」「価格を知りたい」という方は、まずはお気軽にご相談ください。

再建築不可物件とは新築や建て替えができない物件のこと

再建築不可物件とは、建築基準法や都市計画法の規定により、建て替えや大規模なリフォームなどができない物件のことをいいます。自身の物件が再建築不可物件に該当するケースは、接道義務を満たしていないことが原因であるケースが多いです。

接道義務とは、建築基準法第43条で定められている「建物を建てる敷地は、建築基準法上の道路に2m以上接していなければならない」というルールのことです。

第四十三条
建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
引用:建築基準法 | e-Gov 法令検索

建築基準法上の道路とは、建築基準法第42条で定義されている、幅員が4m以上ある道路のことです。そのため、以下のケースにあてはまる場合は接道義務を満たしていないことから、現状のままではその敷地で新たに建物を建てたり、既存の建物を建て替えたりすることはできません。

  • 敷地と接している道路が建築基準法上に道路に該当しない場合(幅員が4m未満)
  • 敷地と道路の接道距離が2m未満の場合

また、もともとは法律に適合していたものの、法改正や都市計画の変更で現在の基準を満たさなくなった「既存不適格物件」も注意が必要です。是正工事が可能であれば再建築はできますが、対応が難しい場合は実質的に再建築不可物件として扱われます。

さらに、都市計画法に基づいて市街化を抑制するために定められた「市街化調整区域」に位置している場合も、原則として新築や建て替えは認められません。特定行政庁から許可を得られるケースは限られており、一般的な住宅建築のニーズではほとんど認められないのが現実です。

このように、接道義務違反・既存不適格・市街化調整区域といった要因によって、再建築不可物件は通常の不動産に比べて活用や売却が難しくなっているのです。

再建築不可物件が売れにくい理由

再建築不可物件は、再建築可能な物件と比べて買い手が見つかりにくく、売却は難しいのが基本です。再建築不可物件が売れにくい理由としては、主に以下の4つが挙げられます。

  • 建て替えや増築ができないから
  • 住宅ローンが利用できない可能性があるから
  • 築年数が古いケースが多く資産価値が低いから
  • 建築基準法改正によりリフォームが制限される可能性があるから

ここからは、それぞれの理由について1つずつ詳しく解説していきます。

建て替えや増築ができないから

再建築不可物件が売れにくい最大の理由は、建て替えや増築ができないことにあります。再建築不可物件は、下記のようなやむを得ない事情があったとしても、再建築不可の根本的な問題を解決しなければ再建築は認められません。

  • 老朽化によって建物が倒壊する恐れがある
  • 火災や地震で建物が倒壊してしまった

建て替えや増築ができないとなると、ライフスタイルの変化や建物の老朽化で既存の建物に住み続けるのが難しくなるリスクが伴います。住宅の購入希望者のほとんどは、自身や家族が生涯安心して快適に住み続けられる住宅を探しているため、再建築不可物件を避ける傾向にあるのです。

住宅ローンが利用できない可能性があるから

住宅ローンを組む際には、購入する不動産を担保として金融機関に提供するのが一般的で、融資額は原則として担保にする不動産の評価額よりも低い金額になります。これは、万が一貸し倒れが発生した場合に、金融機関が被る損失を最小限に抑えるためです。

しかし、再建築不可物件は需要が限定的であることから、希望額で売却するのが難しいケースがほとんどです。このような換金性の低い不動産を担保にすることは、金融機関からすると貸付金を全額回収できないリスクが伴うため、担保としての価値がないと判断されやすく、結果的に住宅ローンの審査が通りにくくなります。

住宅ローンが通らなければ現金一括で購入するか、住宅ローン以外の金利が高いローンを利用するしかありませんが、購入希望者の多くは住宅ローンの利用を前提としています。大多数の買主のニーズに応えられないことから、買主が限定的になってしまうため、結果として売却が難しくなってしまいます。

築年数が古いケースが多く資産価値が低いから

再建築不可物件のほとんどは、建築基準法が施行された1950年よりも前に建てられた築年数70年以上の木造物件です。一般的な木造物件は、築年数が20年を超えると建物としての市場価値がほぼ0円になると考えられているため、再建築不可物件の多くは土地としての資産価値しかありません。

土地としての資産価値も、再建築不可物件は需要が限定的であることから、再建築可能物件と比較して大幅に低くなる傾向にあります。また、築年数70年以上になると老朽化も著しく進行しており、建物が倒壊するリスクが高まっていることから、大規模な修繕が必要になる場合もあります。

長年住み続けることを目的としている購入希望者からすると、築年数が経過して老朽化が進行している物件を購入するのはデメリットが大きいため、これも再建築不可物件が避けられやすい1つの要因となっています。

建築基準法改正によりリフォームが制限される可能性があるから

2025年4月の建築基準法の改正により、再建築不可物件のリフォームが制限される可能性があることも、再建築不可物件が売れにくい理由の1つとして挙げられます。

従来、4号建築物に該当する以下の住宅は、本来建築確認申請が必要な大規模リフォームを行う場合でも、「4号特例」の適用によって例外的に建築確認申請が不要とされていました。

建物の構造 4号特例の適用条件
木造 ・2階建て以下
・延べ面積が500平方メートル以下
・高さが13m以
・軒の高さが9m以下のもの
木造以外 ・平屋建て
・延べ面積が200平方メートル以下

しかし、2025年4月に建築基準法が改正されたことにより、従来の4号建築物は新2号建築物と新3号建築物に再分類され、従来の4号特例は新3号建築物のみ適用されることになりました。

建築物の分類 建物の構造 定義
新2号建築物 木造 延べ面積が300平方メートル超500平方メートル以下
木造以外 2階建て以上のもの、または延べ面積が200平方メートル超のもの
新3号建築物 木造 ・2階建て以下 ・延べ面積が300平方メートル以下
木造以外 ・平屋建て ・延べ面積が200平方メートル以下

新2号建築物に該当する木造住宅は、2025年4月から大規模リフォームを行う際に建築確認申請が必要になったことから、大規模リフォームが認められないリスクもあります。

再建築不可物件で大規模リフォームも認められないとなると、資産価値はさらに低下してしまうため、結果として売却が困難になってしまうリスクがあるのです。

再建築不可物件を売却せずに所有し続ける危険性

再建築不可物件は売却が困難であるため、売却せずに所有し続けるという選択肢もあります。しかし、再建築不可物件を空き家のまま放置してしまうと、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

  • 倒壊のリスクがある
  • 空き家のまま放置を続けると固定資産税が6倍になるリスクがある
  • 不法侵入や不法投棄のリスクがある
  • 子どもや親族に負の遺産を残してしまうリスクがある

ここからは、それぞれの危険性について1つずつ詳しく解説していきます。

倒壊のリスクがある

再建築不可物件の多くは築年数が70年以上で老朽化が進行しているうえ、現行の耐震基準にも適合していません。そのまま適切に管理せずに放置すると、いずれは倒壊してしまう恐れがあります。

再建築不可物件は建て替えができないため、倒壊のリスクを軽減するためには修繕やリフォームで対処していくことになります。しかし、老朽化が著しく進行していて建物の主要構造にも深刻な問題を抱えている場合、修繕やリフォームだけでは倒壊のリスクを根本的に排除するのは困難です。

万が一建物が倒壊して建物や人体に損害を与えてしまった場合は、建物の所有者が賠償責任を負わなければなりません。損害の程度によっては、数千万円~数億円もの高額な損害賠償を請求される恐れがあります。

また、再建築不可物件は一度倒壊してしまうとその土地には原則として二度と建物を建てられないため、処分するまで更地として所有し続けなければなりません。更地では「住宅用地の特例」という固定資産税の優遇措置が適用されないため、固定資産税の負担が増大する可能性もあります。

空き家のまま放置を続けると固定資産税が6倍になるリスクがある

前述の通り、再建築不可物件は築年数が古く、老朽化が進んでいるケースが多いため、誰も住まないまま空き家として放置されることも少なくありません。しかし、そのまま管理を怠ると固定資産税が最大6倍に増えるリスクがあります。

居住用の建物が建っている住宅用地には「住宅用地の特例」が適用されるため、固定資産税が6分の1に軽減される優遇措置を受けられます。

しかし、建物が空き家となり、再建築ができないまま老朽化が進行すると「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、「特定空き家」「管理不全空き家」に指定される可能性があります。これにより、住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税が6倍まで増額するリスクが生じるのです。

特定空き家とは、そのまま放置すると周辺に著しい悪影響を及ぼすおそれがある状態の空き家のことです。「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、特定空き家を以下のように定義しています。

  • 倒壊等、著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

管理不全空き家とは、2023年の「空家等対策の推進に関する特別措置法」改正で新たに設けられた、特定空き家の前段階にあたる区分です。特定空き家や管理不全空き家に指定されると、まずは自治体が所有者に対して自主的な改善を求める「助言・指導」が行われます。

助言や指導を行った後も改善されなければ、より強い姿勢で改善を求める「勧告」が行われますが、この時点で住宅用地の適用が解除されることになります。

不法侵入や不法投棄のリスクがある

犯罪者は人目が付きにくい場所を好むため、人が住んでいない空き家は違法な活動を行ったり、犯罪者が潜伏したりするのに適した場所となり得ます。

そのため、空き家となった再建築物件を放置し続けると下記のような危険性が高まります。

  • 不法侵入される
  • 不法投棄の被害に遭う
  • 違法薬物の受け渡し場所や盗品の保管場所として利用される
  • 放火のターゲットにされる

これらの問題は所有者の損失のみに留まらず、近隣住民や地域社会全体にも深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。

子どもや親族に負の遺産を残してしまうリスクがある

再建築不可物件は建て替えができないため、建物の老朽化は進行する一方で、いずれは住めない状態になります。ただでさえ売却が困難であるうえに、老朽化が著しく進行して住めない状態になればさらに買主は表れにくくなり、手放したくても手放せない状況に陥ってしまう恐れがあるのです。

もし、再建築不可物件を所有したまま亡くなった場合、相続人となる子どもや親族が再建築不可物件を引き継ぐことになるのが一般的です。そうなれば、売却も居住も困難な物件の維持費や固定資産税、法的なトラブルへの対応を相続した子どもや親族に背負わせてしまうことになります。

再建築不可物件は放置すればするほど売却は困難になり、負の遺産と化してしまうリスクが高まります。将来相続人となる子どもや親族に迷惑をかけないためにも、自身の世代で不要な再建築不可物件を処分しておくことが最善策といえるでしょう。

再建築不可物件をそのまま売却する方法

不要な再建築不可物件を所有し続けるとさまざまなリスクが生じるため、適切に管理するのが難しい場合は早急に売却することが望ましいです。再建築不可物件を現状のまま売却する方法としては、以下の3つが挙げられます。

  • 専門の買取業者に売却する
  • 隣地所有者に売却する
  • 仲介で売却する

ここからは、それぞれの方法について1つずつ詳しく解説していきます。

専門の買取業者に売却する

再建築不可物件の売却方法には仲介と買取の2通りありますが、基本的には専門の買取業者に売却するのが得策です。再建築不可物件は前述の理由から買主のニーズが限定的であるため、仲介だと買主が見つからず、売却できないという状況に陥りやすいです。

一方、買取の場合は業者が直接買い取るため、仲介のように買主を探す必要はありません。売却価格は仲介よりも低くなる傾向にありますが、数日~1ヶ月程度で売却手続きが完了するため、仲介では売却が長期化しやすい再建築不可物件もスピーディーに現金化できます。

弊社クランピーリアルエステートでも、最短48時間での現金化が可能です。買取による不動産売却の手順は下記の通りです。

  1. 不動産会社へ査定依頼
  2. 買取価格の確認
  3. 売買契約の締結
  4. 決済
  5. 物件の引き渡し

基本的には、買取ではそのままの状態で売却が可能です。また、契約不適合責任も免責となるケースが多いため、手間をかけず安心して売却できます。契約不適合責任とは、売買契約において、売主が引き渡した物件や商品が契約内容に適合していない場合に、売主が負う責任のことです。

弊社でも、再建築物件を買い取る際は、基本的に契約不適合責任は免責として契約させていただいております。そのため、雨漏りや耐震性能が基準を満たしていないなど、売主様も気づかなかった瑕疵が売却後に判明した場合でも、責任を問われることはありません。

また、そもそも再建築不可物件の買取は一般的な業者では断られるケースも多いため、はじめから再建築不可物件を専門に取り扱う業者に依頼するのがベターです。専門の買取業者は、再建築不可物件の運用ノウハウや専門的な知識が豊富にあります。

弊社にも、再建築不可物件をはじめとした訳あり物件の買取相談が年間3,000件以上寄せられています、豊富な経験や知識を駆使して、なかなか売れない再建築不可物件も適正価格で積極的に買い取りしておりますので、すぐに現金化したい方や手間をかけずに適正価格で売却したい方は、ぜひご相談ください。

隣地所有者に売却する

隣地の所有者であれば、仲介では売却が難しい再建築不可物件でも売買に応じてくれる可能性は十分にあります。再建築不可物件が一般の買い手から敬遠されやすい主な理由は、「新築や建て替えができない」「住宅ローンを組めない可能性が高い」といったことにあります。

しかし、隣地の所有者からすれば、これらのデメリットは特に問題にならないケースがほとんどです。むしろ、隣地の所有者は隣地を買い取って敷地を拡張することで、以下のようなメリットが得られる可能性があります。

  • 土地の資産価値が向上する
  • 土地の活用の幅が広がる(より大きな建物を建てられる、駐車スペースを増やせるなど)
  • 接道距離を2m以上確保することで、再建築が可能になる

一般的な買い手からは敬遠されがちな再建築不可物件も、隣地の所有者からすれば魅力的に感じるメリットが多いため、交渉すれば売却に応じてもらえる可能性があります。

ただし、土地の購入には多額の資金が必要になるため、隣地の所有者に経済的な余裕があることが前提です。また、普段から付き合いがあって関係性も良好でないと、交渉に応じてもらえなかったり、交渉が難航したりする可能性があります。

仲介で売却する

一般的に再建築不可物件は仲介での売却が困難ですが、条件次第では再建築不可でも仲介で売却できる可能性があります。仲介は買取よりも売却価格が高くなる傾向にあるため、仲介でも売却できるような好条件の物件であれば、まずは仲介で売却を目指すのが得策です。

仲介でも売却が見込める物件の条件としては、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 都心部・高級住宅地・有名観光地などの人気エリア内にある
  • 主要駅から徒歩5~10分圏内にある
  • 市街地まで車で10分圏内にある(地方にある場合)

上記の条件に当てはまる再建築不可物件であれば、仲介でも買主が見つかりやすいです。。仲介で売却する場合の手順は下記の通りです。

  1. 不動産会社へ査定依頼
  2. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  3. 広告活動と販売
  4. 買主との交渉
  5. 売買契約を結ぶ
  6. 引き渡しと決済

仲介で売れる可能性がある条件がそろっている場合は、不動産会社への相談も検討してみましょう。

再建築不可物件を再建築可能にする方法

再建築不可物件である主な理由は、建築基準法で定められている接道義務を満たせていないためであるケースが多いです。この場合、接道義務を満たせれば、新築や建て替えができるようになります。

再建築可能になれば通常の物件と同じように扱われるため、仲介でも買い手が付きやすく、市場価格での売却も期待できます。再建築不可物件を再建築可能にするための方法としては、以下の3つが挙げられます。

  • セットバックを実施する
  • 隣地の一部を購入する
  • 接道義務の特例を申請する

ここからは、それぞれの方法について1つずつ詳しく解説していきます。

セットバックを実施する

敷地と接している道路が幅員4m未満のみなし道路に該当する場合は、セットバックを実施して幅員を4m以上確保することで再建築が可能になります。セットバックとは、土地と道路の境界線を後退させ、前面道路の幅員を広げることをいいます。

道路に土地や建物が接している場合は、道路の幅員が4m以上を確保できるように後退させる必要があります。たとえば、幅員3m道路と接している場合は、1m境界線を後退させることで、接道義務の条件である幅員4mを確保できます。

セットバックの費用は土地の形状やセットバックの面積、境界確定の有無などさまざまな要因によって変動しますが、30万~80万円程度が目安です。自治体によっては一部補助金が出る場合もありますが、基本的には土地の所有者がセットバック費用を全額負担しなければなりません。

なお、セットバックで後退させた部分の土地は道路の一部として扱われるため、その部分に門や塀などを設置したり、建物を建築したり、駐車スペースとして利用したりすることはできません。

セットバックによって土地の面積が小さくなることで、再建築で建てる建物に影響を与える可能性もあるので、メリットやデメリットを考慮したうえでセットバックを実施するか慎重に判断しましょう。

隣地の一部を購入する

敷地と道路の接道距離が2m未満の場合は、隣地の一部を購入して接道距離を2m以上確保することで再建築が可能になります。隣地を購入するにはある程度まとまったお金が必要になりますが、再建築不可の問題が解消されて土地の面積も広がります。

すると、土地の資産価値が大幅に向上するため、結果的に隣地の購入費用を全額回収できる可能性があるのです。ただし、隣地を購入するには当然ながら隣地の所有者の合意を得る必要があります。

しかし、隣地の所有者に土地を売却する意思があって、かつ関係性も良好でないと、合意を得るのは極めて難しいです。そのため、隣地の一部を購入して接道義務を満たすのは非常にハードルが高い方法といえます。

隣地の所有者と普段から接点がない場合や、土地を売却する意思がない場合は他の選択肢も検討する必要があるでしょう。

接道義務の特例を申請する

セットバックの実施や隣地の購入が困難で、接道義務をどうしても満たせない場合は、「43条ただし書き道路」という接道義務の特例を申請し、許可を得ることで再建築が可能になります。

43条ただし書き道路とは、接道義務を満たしていなくても、一定の要件を満たしたうえで特定行政庁からの認定または許可を得ることで、例外的に再建築が可能になる道のことをいいます。

43条ただし書き道路の特例には、「建築基準法43条2項1号の規定に基づく認定制度」と「建築基準法43条2項2号の規定に基づく許可制度」の2種類あります。

43条2項1号の規定に基づく認定制度 接道義務を満たしていない土地でも、一定の要件を満たしている場合は建築審査会の審査を受けなくても再建築が可能になる特例
43条2項2号の規定に基づく許可制度 接道義務を満たしていない土地でも、一定の要件を満たし、建築審査会の審査を受けて同意を得れば再建築が可能になる特例

43条2項1号の規定に基づく認定を受けるためには、主に以下の要件を満たす必要があります。

  • 敷地が幅員4m以上の道と2m以上接していること
  • その道が公共の用に使用する道(農道や河川管理用通路など)や道路位置指定の基準を満たす通路であること
  • 建築物が延べ面積500平方メートル以内の一戸建て住宅、長屋、兼用住宅であること

幅員が4m以上あっても、すべてが公道として登録されているわけではありません。そのため、公道ではないものの幅員が4m以上ある道路と2m以上接することが条件に含まれています。認定基準をすべて満たしていれば、建築審査会で個別の審査を受けなくても、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合は再建築が可能です。

ただし、これらの基準はあくまでも一般的な基準であり、自治体によってはさらに細かい基準が定められていたり、解釈が異なったりする場合があるため、詳しくは自治体の担当窓口に直接問い合わせるか、公式ホームページをご確認ください。

特定行政庁から43条2項1号の規定に基づく認定を受けられない場合は、43条2項2号の規定に基づく許可制度に基づき、建築審査会の同意を得る必要があります。建築審査会の同意を得るためには、各自治体が定めている「包括同意基準」や「個別同意基準」を満たなければなりません。

包括同意基準は事前に建築検査会の同意を得ている基準であるため、包括同意基準を満たしている場合は個別審査が不要で、スムーズに許可を得られる可能性があります。なお、43条ただし書き道路の認定・許可を受けたとしても、敷地と接する道は建築基準法上の道路としてみなされるわけではないため、接道義務を満たせていないことに変わりありません。

あくまでも一時的な措置に過ぎないため、将来的に再度新築や建て替えが必要になった場合は、その都度特定行政庁からの認定や建築審査会の同意を得る必要があります。

再建築不可物件の売却相場は市場価格の5~7割程度

再建築不可物件の売却相場は市場価格の5~7割程度と、通常物件よりも低くなるのが基本です。これは前述した通り、下記のように買い手にとって大きなデメリットがあるため、買い手のニーズが限られてしまうためです。

  • 建て替えや増築ができない
  • 住宅ローンを利用できない可能性がある
  • 老朽化が進行していて資産価値が低い

再建築不可物件のようなデメリットの多い物件を通常物件と同等の価格で購入する人は基本的に現れないため、市場価格よりも売却価格を下げざるを得ないのです。ただし、市場価格の5~7割程度というのはあくまで目安に過ぎません。

売却価格は立地や建物の状態、再建築が可能になる可能性、買い手のニーズなどさまざまな要因によって変動するため、目安よりも高値で売れる場合もあれば、逆に目安を下回る場合もあります。

より正確な売却相場を把握したい場合は、再建築不可物件の取り扱いに長けた不動産会社に相談してみましょう。

再建築不可物件の売却時に注意すべきポイント

再建築不可物件を売却する際には、通常物件とは異なる再建築不可物件ならではの注意すべきポイントもあります。

  • 査定時は複数業者に依頼する
  • 不動産会社への相談前にリフォームはしない
  • 売却後は確定申告が必要
  • むやみに土地を更地にしない

ここからは、それぞれのポイントについて1つずつ詳しく解説していきます。

査定時は複数業者に依頼する

再建築不可物件を少しでも高値で売却したい場合は、複数の業者に査定を依頼するのが得策です。業者によって査定の方法や基準、得意な物件種別、販売戦略などが異なるため、査定額に大きな差が生じることも珍しくありません。

1社のみの査定で判断してしまうと、再建築不可物件の適正価格が分からず、相場より安値でも売却に納得してしまうリスクがあるのです。複数の業者の査定額を比較・検討すれば、再建築不可物件の適正価格や最も高く売却できる業者を把握できるため、高値での売却を実現しやすくなります。

また、担当者のコミュニケーション能力やサービス内容、アフターフォローなど、査定額以外の部分も比較・検討できます。納得のいく条件で安心して売却を依頼するためにも、複数の業者に査定を依頼し、査定額を比較・検討したうえで慎重に判断することが大切です。

不動産会社への相談前にリフォームはしない

建物は状態が良好であるほど資産価値が高まるため、再建築不可物件を少しでも売れやすくするためにリフォームを検討している方もいるでしょう。しかし、不動産会社に相談する前に独断でリフォームを実施するのは避けるべきです。

なぜなら、高額な費用をかけてリフォームを実施しても、物件が必ず売れる保証はないためです。リフォームで建物をきれいな状態にしても、再建築不可という根本的な制約は解消されていないため、通常物件よりも買い手を見つけるのが難しいことに変わりありません。

また、再建築不可物件の購入希望者は、以下のような一般的な住宅の購入希望者とは異なるニーズを持っている人が多いです。

  • 現状のまま物件を安く購入して自分好みにDIYしたい
  • 事業用の店舗や事務所として利用したい
  • 現状のまま賃貸物件として活用したい

こういった独自のニーズを持つ人にとって、リフォームによって余計な手が加えられたうえに不必要なコストも上乗せされた物件は魅力的に映りません。そのため、かえって購入を控える要因になってしまいます。

このように自己判断でリフォームを行うことは、逆に自ら買い手のニーズを狭めてしまい、結果として高額なリフォーム費用が無駄になってしまうリスクがあります。

そのため、リフォームを実施するか迷っている場合は必ず再建築不可物件の取り扱いに長けた不動産会社に相談し、専門知識や経験に基づいたアドバイスを受けたうえで慎重に判断することが大切です。

売却後は確定申告が必要

再建築不可物件の売却によって利益が発生した場合は、税務署で確定申告を行う必要があります。これは、不動産の売却益(課税所得)に対し、所得税と住民税が課されるためです。譲渡所得は以下の計算式で算出できます。

売却金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額=課税所得

確定申告の期限は、原則として売却した年の翌年の2月16日から3月15日までです。売却によって譲渡損失が発生した場合は所得税や住民税が課せられないため、税金を納めるための確定申告は必要ありません。

しかし、譲渡損失はその年度の他の所得(給与所得や事業所得など)と相殺できる場合があるため、確定申告を行えば所得税や住民税が還付または軽減される可能性があります。

むやみに土地を更地にしない

建物が老朽化しているからといって、むやみに建物を解体して土地を更地にしてしまうのは絶対にやめましょう。再建築不可物件は新築や建て替えができないため、既存の建物を解体して更地にしてしまうと、接道義務を満たさない限り、その土地には二度と建物を建てられません。

まだ建物があれば「既存の建物を安く購入して活用したい」という人のニーズを満たせますが、更地にしてしまうとそういった人のニーズも満たせなくなってしまいます。結果として買い手となってくれるのは「更地を駐車場や資材置き場として活用したい」という人に限られてしまうため、さらに売却するのが難しくなるのです。

また、居住用の建物を解体して更地にしてしまうと、「住宅用地の特例」という固定資産税の優遇措置が適用されなくなるため、固定資産税が最大6倍まで跳ね上がります。

再建築不可物件を更地にすることは、高額な解体費用をかけて自ら買い手のニーズを狭め、売れない土地に毎年高額な固定資産税が発生してしまうという非常にリスクの高い行為です。そのため、建物の解体を検討している場合は必ず専門の不動産会社に相談しましょう。

再建築不可物件を高く売るなら専門業者への売却がおすすめ

再建築不可物件を高く売るなら、専門の買取業者へ売却するのがおすすめです。再建築不可物件の取り扱いに長けた専門の買取業者は、再建築不可物件を活用・売却して利益を出すためのノウハウや買取実績が豊富にあります。

また、弁護士や司法書士などの士業とも連携しているケースも多く、法的トラブルや手続きをスムーズに進められる体制が整っています。そのため、一般的な不動産会社では断られがちな再建築不可物件も、積極的に適正価格での買い取りを実施しています。当サイトを運営している株式会社クランピーリアルエステートでは、再建築不可物件や空き家などの訳あり物件の買取を専門に行っています。

年間3,000件以上のご相談をいただいており、再建築不可物件の買取実績や運用ノウハウも豊富です。また、全国の1,500以上の士業とも連携しているため、面倒な手続きや法的トラブルもスムーズに対応できます。

そのため、再建築不可物件でも適正価格でスピーディーな買取を実現可能です。「再建築不可物件を少しでも高く売却したい」「他社で買取を断られた」「査定額を知りたい」という方は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。

まとめ

再建築不可物件の多くは築年数70年以上で、新築や建て替えができず、住宅ローンが利用できない可能性もあることから、需要が少ないため仲介での売却は難しいです。しかし、専門の買取業者や隣地の所有者に売却する方法であれば、仲介では売却が難しい再建築不可物件でもスムーズに売却を実現できる可能性があります。

また、再建築不可の原因が接道義務違反であれば、セットバックの実施や隣地の一部の買取などの方法で接道義務を満たすか、接道義務の特例を申請して許可を得ることで再建築が可能になります。再建築可能になれば通常物件として扱われるため、仲介でも買い手が付きやすく、市場価格での売却も期待できるでしょう。

再建築不可物件が売却できないからといってそのまま放置すると、老朽化が進行してさらに売却が困難になり、将来的には子どもや親族にも多大な負担をかけてしまう恐れがあります。

再建築不可物件の処分でお困りの方は、まず不動産会社でどのように売却するか相談し、仲介での売却が難航するようであれば専門の買取業者への売却を検討してみてもいいでしょう。

こんな記事も読まれています