底地の買取相場はどれくらい?売却先別の目安や価格の計算方法を解説

一般的に底地の買取相場は、更地価格の10〜50%程度とされています。この目安は底地を買い取っている弊社から見ても、実務上の買取金額と大きく乖離するものではありません。

しかし、底地の買取相場を知るうえで重要なのは、「誰に売却するのか」という点です。権利関係が複雑な底地の価格には、借地人が底地を取得することで生まれる増分価値まで考慮する「限定価格」と、底地そのものが通常の市場でどの程度の価値を持つかを基準とする「正常価格」という考え方があります。

借地人の場合には限定価格の考え方、その他の第三者には正常価格が適用されます。つまり、誰に売るのかによって底地の買取相場は大きく変わるのが実務的な考え方と言えます。

底地の買取相場を売却先ごとにまとめると、以下のようになります。

売却先 買取価格の考え方 買取相場の目安
借地人 限定価格
借地権と底地が一体化することで生まれる増分価値も考慮できるため、第三者より高値になりやすい
更地価格の50%程度
買取業者 正常価格を基準に評価
底地としての収益性や流通性、買取後のコストなどを考慮するため、借地人への売却より安くなりやすい
更地価格の10〜20%程度
投資家 正常価格を基準に評価
市場価格をベースにするため、限定価格よりも安くなりやすい
更地価格の10〜30%程度

借地人が底地を取得すると、これまで分かれていた土地の所有権と借地権が一体化し、借地権による利用上の制約がなくなります。通常の所有権の土地として活用・売却しやすくなるため、借地人が取得することで新たに生まれる価値まで価格に反映でき、第三者への売却より高値になりやすいです。

一方、買取業者や投資家などが取得しても借地権は残るため、借地人が取得する場合のような増分価値は生まれません。そのため、更地価格の10〜30%程度が相場の目安となります。

ただし、10〜30%という数字はあくまで相場であり、すべての底地が同じ割合で売却できるわけではありません。実際には、次のような要素を総合的にみて価格が決まります。

買取価格を左右する要素 価格への影響
借地権の種類 普通借地権は土地が戻る時期を見通しにくいため低めに評価されやすい。定期借地権は残存期間が短いほど、土地を自由に利用できる時期が近いため高く評価されやすい
地代・契約期間・更新料など 地代収入を安定して得られ、契約内容が明確なほど高く評価されやすい。地代が低い、契約内容が不明確といった場合は価格が下がる要因になる
立地・面積・土地の形状 駅に近い、需要に合った面積、整形地など、将来活用・再販売しやすい土地は高く評価されやすい。不整形地や需要に合わない面積などは価格が下がる要因になる
法令上の制限 建てられる建物や用途の制限が少なく、将来の活用方法が多いほど高く評価されやすい。再建築が難しいなど大きな制約がある場合は価格が下がりやすい
借地人との関係性 地代が滞りなく支払われ、借地人との関係が安定しているほど高く評価されやすい。地代滞納や契約上のトラブルがある場合は、対応コストを見込まれて価格が下がることがある

自分の底地がいくらで売れそうか知るには、更地としての市場価格から大まかな相場を計算するだけでなく、借地契約や土地の条件まで確認することが重要です。

当記事では、底地の売却先別の買取相場をはじめ、価格を左右する要素、自分で買取価格の目安を調べる方法、査定額を下げないための対策まで、底地買取をしている弊社の立場で詳しく解説していきます。

なお、底地の買取相場を知りたい場合には、買取業者に査定を依頼することも1つの手です。

弊社は1,600を超える士業と連携しながら底地買取をしており、「借地人と揉め事がある」「相続が済んでいない」といった事情がある場合も買取が可能です。価格を知りたいだけという場合には査定のみの依頼も可能ですので、底地買取を検討している場合にはお気軽にご相談ください。

底地の買取相場は誰に売るかで大きく変わる

底地の買取相場は、借地人に売却するか、買取業者や投資家などの第三者に売却するかによって大きく変わります。

売却先ごとの相場目安は、以下のとおりです。

売却先 買取相場の目安
借地人 更地価格の50%程度
底地専門の買取業者 更地価格の10〜20%程度
投資家 更地価格の10〜30%程度

借地人が底地を取得すると、自身の借地権と底地が一体となり、土地を完全な所有権として活用・売却できるようになるため、第三者への売却より高値になりやすいです。

一方、買取業者や投資家などの第三者が取得する場合は、取得時点では借地権による制約が残るため、借地人への売却より相場が低くなります。以下では、売却先ごとの相場と価格に差が生じる理由を詳しく解説します。

なお、底地の主な買取先などの売却方法に関する情報は、次の記事で詳しく解説しています。

借地人:更地価格の50%程度になることが多い

底地を借地人に売却する場合、更地価格の50%程度が相場の目安となり、買取業者や投資家などの第三者へ売却するより高値になりやすいです。

借地人が底地を取得すると、これまで地主が持っていた土地の所有権と、借地人が持っていた借地権が同じ人に集約されます。これにより、土地を借りて利用する立場から、自ら土地を所有する立場になります。

その結果、地主の承諾を得ながら土地を利用する必要がなくなり、借地権による利用上の制約も解消されます。通常の所有権の土地と同じように、建物の建て替えや増改築を検討したり、土地と建物をまとめて第三者へ売却したりするなど、土地を活用できる幅が広がります。

こうした価値は、底地を購入しても借地権が残る買取業者や投資家には生まれません。借地人が購入する場合にだけ、土地の権利が一体化することで新たな価値が生まれるため、その増分を価格に反映できます。

このように、特定の買主が取得することで生まれる価値を反映した価格を、不動産鑑定評価では「限定価格」といいます。国土交通省「不動産鑑定評価基準」でも、借地人が底地を取得するケースは限定価格を求める例の一つとされており、ほかにも隣接する土地を取得して一体利用する場合などに限定価格が用いられます。

限定価格の考え方や計算方法、価格シミュレーション、借地人に底地を買い取ってもらいたいときの交渉方法については、次の記事でも詳しく解説しています。

借地人以外:更地価格の10%〜30%程度になることが多い

底地を買取業者や投資家など借地人以外へ売却する場合、更地価格の10〜30%程度が相場の目安です。

前述したように、借地人が底地を取得すると、土地の所有権と借地権が一体化することで新たな価値が生まれ、その増分を反映した「限定価格」で評価できる場合があります。

一方、買取業者や投資家などの第三者が底地を取得しても借地権は残るため、こうした増分価値は生まれません。借地人への売却のような価格の上乗せはなく、地代から得られる収益や契約内容、将来の活用可能性などを踏まえて市場での価値が判断されます。このような通常の市場を前提とした価格を、不動産鑑定評価では「正常価格」といいます。

なお、同じ第三者への売却でも、買取業者と投資家では底地を購入する目的や収益の得方が異なるため、次のように価格に差が生じます。

  • 底地専門の買取業者:更地価格の10〜20%程度
  • 投資家への仲介売却:更地価格の10〜30%程度

底地専門の買取業者の直接買取:更地価格の10%〜20%程度が目安

底地専門の買取業者へ直接売却する場合、更地価格の10〜20%程度が一般的な目安です。ただし、実際の査定額は、買取業者が取得後にどこまで権利関係を整理し、底地の価値を高められるかによって大きく変わります。

底地の買取業者は、大きく分けると次の2つのタイプがあります。

買取業者のタイプ 査定への影響
底地のまま再販売する業者 底地の状態のまま再販売するため、再販売価格を高めにくく、買取価格も低めになりやすい
底地の権利関係を整理して物件価値を高められる業者 借地人との調整や借地権の買取などによって土地の価値を高められるため、将来の再販売価格を見込んで高めの査定額を提示できる場合がある

つまり、更地価格の10〜20%程度という相場はあくまで買取業者全体の目安であり、どの業者に依頼するかによって査定額は大きく変わるのが実務上の特徴です。

たとえば、底地の権利調整に強い業者では、借地人との売買交渉や、必要に応じて弁護士・司法書士・税理士などの専門家と連携しながら権利関係を整理します。借地人から借地権を買い取り、土地の所有権と借地権を一体化できれば、通常の所有権の土地として再販売しやすくなり、底地のまま売却する場合より高い価格を見込めます。

このように、買取後に土地の価値を高めて再販売するまでのルートが確立されている業者であれば、将来得られる利益を査定時点から見込めるため、底地のまま再販売する業者より高い買取価格を提示できる場合があります。

株式会社クランピーリアルエステート 大江 剛 代表取締役 宅地建物取引士

専門家のコメント

更地価格の30%程度で買い取れるケースもある

10〜20%程度という相場は、あくまで買取業者全体の目安です。弊社では、借地人との調整や契約上の問題を解決し、買取後に土地の価値を高められる見込みがあれば、その分も査定額に反映しています。
実際に、更地価格の30%程度で買い取ったケースも複数ありますので、底地は「どの業者に査定してもらうか」でも価格が変わります。
創業から2025年12月における弊社の底地買取実績77件について、更地価格に対する買取価格の割合をまとめると、次のとおりです。

・更地価格の10%未満:12.99%
・更地価格の10%以上〜15%未満:29.87%
・更地価格の15%以上〜20%未満:24.68%
・更地価格の20%以上〜30%未満:23.38%
・更地価格の30%以上:9.09%

投資家への仲介売却:更地価格の10%〜30%程度が目安

仲介によって投資家へ売却する場合、更地価格の10〜30%程度が相場の目安です。

投資家は、借地人から得られる地代収入や、将来借地関係が終了した後の土地の価値などを踏まえて購入価格を判断します。そのため、地代収入が安定している、将来の土地活用を見通しやすいといった条件のよい底地ほど、相場のなかでも高い水準で売却できる可能性があります。

また、仲介では複数の投資家へ売却を打診できるため、条件によっては買主同士の価格競争が生まれることもあります。このように、投資家が評価する収益性や将来性によって価格に差が出るため、更地価格の10〜30%程度と相場にも幅があります。

なお、立地や地代収入、借地人との関係などに懸念点がある底地は、投資対象として選ばれにくく、そもそも買主を見つけるのが難しい場合があります。こうした底地では、権利調整や問題解決まで行える専門の買取業者のほうが、買取後の価値向上を見込んで高い価格を提示できるケースもあります。

底地の買取相場が安くなる理由

底地の買取価格が安くなりやすいのは、買取業者が買い取った後、活用や再販売までに時間やコスト、リスクがかかるためです。

その背景には、主に以下の3つの理由があります。

  • 借地人がいるため土地を自由に利用できないから
  • 地代収入などから得られる収益が少ないから
  • 買い手が限られ売却しにくいから

以下では、それぞれの理由について、買取実務の視点も交えながら解説します。

借地人がいるため土地を自由に利用できないから

底地は地主が所有する土地ですが、借地人が借地権に基づいて使用しているため、買取業者が取得してもすぐに自由に活用できません。

一般的な土地であれば、購入後に建物を建てたり、別の用途に活用したりできます。一方、底地には借地人の建物があるため、地主の都合だけで更地にしたり、新たに建物を建てたりすることはできません。

買取実務では、取得後すぐに土地を自由に使えず、将来活用できるようになるまでに時間や借地人との権利調整が必要になることを見込んで査定します。こうした利用上の制約が、底地の買取価格が安くなりやすい理由の一つです。

地代収入などから得られる収益が少ないから

底地は得られる収益が地代などに限られやすく、買主が一定の収益性を確保しようとすると、買取価格が安くなる傾向があります。

その収益の中心となる地代も、長期間続いている借地契約では長年据え置かれ、現在の土地価格や税負担に対して低い水準となっているケースが実務上は珍しくありません。

さらに、国土交通省「不動産鑑定評価基準」でも示されているように、底地の収益性を考える際は、地代から固定資産税・都市計画税などの諸経費を差し引く必要があります。つまり、受け取った地代がそのまま利益になるわけではありません。

たとえば、年間地代が36万円、固定資産税・都市計画税などが年間12万円の場合、年間の収益と単純利回りは次のように計算できます。

【年間の収益】
36万円 - 12万円 = 24万円

【単純利回り】
500万円で買い取った場合:24万円 ÷ 500万円 × 100 = 4.8%
1,000万円で買い取った場合:24万円 ÷ 1,000万円 × 100 = 2.4%
1,500万円で買い取った場合:24万円 ÷ 1,500万円 × 100 = 1.6%

※上記は簡易的な計算例であり、借地管理費などの管理コストは含めていません。

底地の利回りについては、2〜4%程度を実務上の目安としている例もあります。得られる収益が同じであれば、買取価格が高くなるほど利回りは低くなるため、この例では1,500万円で買い取ると、収益面からみて採算を確保しにくいと判断される可能性があります。

そのため、買取実務では、一定の収益性を確保できる水準まで査定額を引き下げることがあり、これが底地の買取価格が低くなる理由の一つです。

買い手が限られ売却しにくいから

底地は一般的な土地と比べて購入を希望する人が少なく、買取業者が買い取った後も次の買主を見つけにくいため、買取価格が安くなる傾向があります。

借地人以外の第三者が底地を購入しても、すでに借地人が土地を使用しているため、自宅を建てたり自由に活用したりすることはできません。そのため、一般的なマイホーム購入者は買主になりにくく、主な売却先は投資家や底地を扱う買取業者などに限られます。

また、資金調達の選択肢も一般的な土地より限られます。一般的な住宅ローンは自分や家族が住む住宅の取得などを目的としているため、第三者が投資目的で底地のみを購入する際には利用しにくいです。

このように、土地の利用方法だけでなく資金調達の面でも買主候補が限られるため、一般的な土地のように複数の買主が価格を競い合う状況が生まれにくく、買取価格も低くなる傾向があります。

底地の買取価格を左右する要素

前述した底地の買取相場はあくまで目安であり、同じ更地価格の土地でも、条件によって実際の買取価格は変わります。

実際に弊社クランピーリアルエステートの買取業務でも、底地の買取価格を決める際にはさまざまな要素を踏まえて、総合的に価格を判断しております。底地買取に対応する業者であれば、少なくとも以下5つの項目は買取価格を決める要素として査定時に確認します。

買取価格を左右する要素 価格に影響する理由
借地権の種類 普通借地権や定期借地権などによって、土地が地主へ戻る可能性や時期が異なるため
地代・契約期間・更新料など借地契約の内容 地代から得られる収益や、将来土地を自由に利用できる時期などが変わるため
立地や面積、土地の形状など個別要因 土地そのものの需要や、将来的な活用・再販売のしやすさが変わるため
法令上の制限 建てられる建物や土地の利用方法が制限されると、活用できる範囲が狭くなるため
借地人との関係性 地代滞納や契約上のトラブルがあると、買取後の対応に時間や費用がかかるため

買取業者は、底地を買い取った後に借地人との権利調整や再販売などを行うことを見込んで査定額を決めます。上記の要素は、買取後にかかるコストやリスクに直結し、査定額を左右します。

条件がよく対応コストが少なければ高く評価されやすく、反対に権利調整やトラブル対応に手間がかかる場合は、査定額が下がる傾向があります。

以下では、それぞれの要素が価格にどう影響するのか、買取業者の査定実務も交えながら解説します。

借地権の種類

底地の買取価格は、設定されている借地権の種類によって変わります。借地権の種類によって、地主が将来土地を自由に利用できる時期や、買取後に必要となる権利調整の難しさが異なるためです。

主な借地権と、比較対象となる使用貸借の査定傾向は以下のとおりです。

  • 普通借地権:土地の返還時期が不透明で評価が低くなる
  • 定期借地権:残存期間が短いほど評価が高くなる
  • 使用貸借:土地の返還後は更地価格に近い評価となる

普通借地権:土地の返還時期が不透明で評価が低くなる

普通借地権とは、契約期間が満了しても更新できる借地権です。今回比較する普通借地権・定期借地権・使用貸借のなかでは、もっとも低く評価される傾向があります。

これは、借地人の権利が強く保護されており、借地人が更新を請求した場合などに、地主が更新を拒絶するには正当事由が必要となるためです。

借地借家法6条では、正当事由を判断する際、地主・借地人が土地を必要とする事情や、これまでの経緯、土地の利用状況、立退料の申出などを考慮すると定めています。

つまり、契約期間が残りわずかでも、満了後すぐに地主が土地を自由に使えるとは限りません。買取業者の査定では、いつ土地を自由に活用・再販売できるかを見通しにくいことが、評価を抑える要因となります。

定期借地権:残存期間が短いほど評価が高くなる

定期借地権とは、契約の更新がなく、定められた期間の満了によって借地関係が終了する借地権です。借地関係が終了する時期を見通しやすいため、その他の条件が同じであれば、普通借地権より査定額が高くなる傾向があります。

定期借地権のうち、借地借家法22条の一般定期借地権では、存続期間を50年以上として設定し、契約の更新や建物買取請求をしない旨の特約を定めることができます。

契約期間が50年以上と長くても、借地関係が終了する時期があらかじめ決まっていること自体が、査定ではプラスに働きます。さらに、残存期間が短いほど土地を自由に活用できる時期が近づき、買取業者が将来の活用や再販売を見込みやすくなるため、より高く評価されます。

使用貸借:土地の返還後は更地価格に近い評価となる

使用貸借とは、土地を無償で貸す契約です。使用貸借が終了して土地の返還を受ければ、通常の土地と同じように自由に活用・売却できるため、更地としての市場価格に近い水準で評価されます。

また、土地の返還時期を見通しやすい契約であれば、使用貸借中であっても査定上プラスに働きます。たとえば、契約書で「2年間」と期間を明確に定めている場合や、「自宅の建て替え期間中の仮駐車場として使用する」など使用目的が明確な場合です。

このような場合、買取業者が土地を利用できる時期を想定しやすく、将来の活用や再販売の計画を立てやすくなります。

一方で、契約書がない場合や、期間・使用目的が曖昧な場合は、土地がいつ返還されるのか判断しにくくなります。返還までに時間がかかる可能性や借主との調整が必要になることを見込まれ、査定額が抑えられるケースもあります。

地代・契約期間・更新料など借地契約の内容

底地の買取価格は、借地契約の内容によっても変わります。国土交通省「不動産鑑定評価基準」でも、底地の評価では地代から得られる収益だけでなく、借地期間や一時金、契約条件などを総合的に考慮するとされており、こうした要素が買取後の収益性や権利調整のしやすさに影響します。

主に確認される契約条件と査定への影響は、以下のとおりです。

契約条件 査定への影響
地代 地代は底地から継続的に得られる主な収益です。買取業者は、固定資産税・都市計画税などを差し引いたあとにどれくらい収益が残るかを確認し、収益性が低い場合は査定額を抑える要因となります。
契約期間 借地権の種類によって影響は異なります。とくに定期借地権では、残存期間が短く土地を自由に利用できる時期が近いほど、査定上プラスに働きます。詳しくは定期借地権の査定への影響をご確認ください。
更新料・承諾料 更新料のほか、建替承諾料や譲渡承諾料などが定められていることがあります。金額や支払条件が契約書で明確であれば、買取業者が将来の収益や権利調整にかかるコストを見積もりやすくなります。
その他の特約 土地の利用目的や禁止事項、契約終了時の取り扱いなどの特約も査定に影響します。買取後の土地活用や借地人との権利調整に影響する内容がある場合は、その条件を踏まえて査定額が調整されます。

契約内容が明確で、買取後の収益や権利調整の見通しを立てやすいほど、査定ではプラスに評価されやすくなります。

一方で、契約書がない、契約内容と実際の運用が異なる、承諾料などの取り決めが曖昧といった場合は、買取後に借地人との確認や交渉が必要になる可能性があります。その分の時間やコストをリスクとして見込まれ、査定額に影響することがあります。

ポイント

【地代・更新料・承諾料の相場はどのくらい?】

地代や更新料、各種承諾料には、法律で一律に定められた金額はありません。実務上は、次のような水準が目安として用いられることがあります。

項目 実務上の目安
地代 住宅地:固定資産税・都市計画税の3〜5倍程度
商業地:固定資産税・都市計画税の5〜8倍程度
更新料 借地権価格の5%前後
※更地価格の3〜5%程度、年間地代の4〜8年分などを目安とする場合もある
承諾料 ・譲渡承諾料:借地権価格の10%程度
・建替承諾料:更地価格の3〜5%程度
・増改築承諾料:更地価格の2〜3%程度
・借地条件変更承諾料:更地価格の10%程度

上記はあくまで実務上の目安であり、契約内容や地域の慣習、土地の条件、地主・借地人の合意内容などによって実際の金額は異なります。

立地や面積、土地の形状など個別要因

前述したように、底地の買取価格は更地価格を基準に相場を考えるため、土地そのものの評価が上がれば底地価格にもプラスに働き、反対に評価が低ければ買取価格も下がりやすくなります。

国土交通省「不動産鑑定評価基準」でも、土地の価格を形成する要因として、面積や形状、交通施設・商業施設との距離などが挙げられています。こうした条件は、更地としての市場価格だけでなく、買取後の活用・再販売のしやすさにも影響します。

主な個別要因と査定への影響は、以下のとおりです。

評価要素 査定への影響
立地 駅に近い、商業地に隣接しているなど需要の高い立地は、将来更地になった際の利用価値が高く、買取後の再販売も見込みやすいためプラスに評価されます。
面積 地域の需要に合った面積であれば活用・再販売しやすくなります。一方、狭すぎると建築・活用方法が限られ、広すぎると売却価格の総額が高くなるなど、買い手が限られるため評価が下がることがあります。
土地の形状 正方形や長方形などの整形地は建物を配置しやすく、高く評価されます。一方、道路に接する部分が狭い旗竿地やいびつな不整形地は、将来建物を建てる際の制約が大きくなり、評価が下がる要因となります。

底地の価格は、類似する条件の土地でも査定額に差が生じることがあります。

たとえば、同じエリアにある同程度の面積の土地でも、駅から近い整形地は住宅や収益物件など幅広い活用を見込みやすい一方、駅から遠く建物を配置しにくい不整形地では、買取後の活用や再販売が難しくなります。

このように、土地そのものの需要や活用のしやすさの違いが、底地の査定額にも反映されます。

法令上の制限の有無

用途地域や建ぺい率・容積率、接道条件などの法令上の制限も、底地の買取価格を左右します。将来どのような建物を建てられるかによって、買取後の土地活用や再販売のしやすさが変わるためです。

とくに、建てられる建物の用途や規模が大きく制限される土地や、再建築が難しい土地は買い手が限られやすく、査定額が下がる要因となります。

主な法令上の制限と査定への影響は、以下のとおりです。

評価要素 査定への影響
用途地域 用途地域によって建てられる建物の種類や規模が異なります。住宅・店舗・事務所など幅広い用途を検討できる土地は活用の選択肢が多く、反対に用途が限られる土地は査定額が抑えられることがあります。
建ぺい率・容積率 建ぺい率は敷地に対して建築できる建築面積、容積率は延床面積の上限を示します。より大きな建物を建てられる土地は活用の幅が広がるため、需要がある地域ではプラスに評価されることがあります。
再建築の可否 建築基準法上の道路への接道条件などを満たさず、建物を建て替えられない場合は、将来の活用方法や買い手が大きく限られるため、査定額が下がる要因となります。
市街化調整区域 原則として新たな建築や開発に許可が必要となるため、建てられる建物や活用方法が限られることがあります。建築の可否や必要な許可によって査定への影響は異なります。

買取業者の査定では、現在の建物を使えるかだけでなく、将来建て替えたり別の用途で活用したりできるかまで確認します。法令上の制限が少なく活用方法を複数検討できる土地ほど買い手を見つけやすく、反対に建築・活用に大きな制約がある土地ほど、そのリスクが査定額に反映されます。

なお、用途地域や建ぺい率・容積率、市街化区域・市街化調整区域などは、国土交通省「不動産情報ライブラリ」や自治体が公開する都市計画情報サービスなどで確認できます。

借地人との関係性

借地人との関係性も、底地の買取価格を左右します。地代の滞納や契約更新をめぐる対立、土地の利用範囲に関する争いなどがあると、買主が買取後にその問題を引き継ぐことになるためです。

たとえば、長期間の地代滞納がある場合は未払い分の回収が必要となり、借地人と更新や地代をめぐって争っている場合は、交渉や専門家への相談が必要になることもあります。問題が深刻なほど、解決にかかる費用や時間をリスクとして見込まれ、査定額が大きく下がったり、買取が難しくなったりする場合があります。

一方、地代が契約どおり支払われ、借地人と連絡が取れるなど関係が安定していれば、買取後の対応を見通しやすくなります。買取業者にとって権利調整やトラブル対応にかかるコストを見込みにくい分、査定でもプラスに評価されやすくなります。

株式会社クランピーリアルエステート 大江 剛 代表取締役 宅地建物取引士

専門家のコメント

借地人とのトラブルがある底地は買取が向いていることも

「借地人と揉めているけれど売れますか?」と地主様から相談を受けることがあります。トラブルのきっかけは、地代の値上げや更新料、相続による代替わりなどさまざまですが、「もう借地人とのやり取りから解放されたい」と考えている方も少なくありません。
自分で解決する場合は、借地人との交渉を続け、内容によっては弁護士などの専門家へ相談しながら対応する必要があります。
一方、底地の買取実績があり、士業とも連携している買取業者であれば、トラブルがある状態を含めて査定し、そのまま直接買い取れる場合があります。
とくに、相続で引き継いだ底地では、借地人との関係や管理を負担に感じている方も多いです。問題の解決に時間や手間をかけるより、底地そのものを手放したい場合は、最初から専門の買取業者への売却を検討するのも一つの手だと考えています。

底地の買取価格の目安を自分で調べる方法

底地の買取価格は、まず更地としての市場価格を調べ、前述した買取相場を掛けることで大まかな目安を算出できます。

ただし、実際の買取価格が必ず相場どおりになるわけではありません。実際の査定では、次のようなポイントも確認しながら価格を調整します。

  1. 更地として売れる場合の市場価格を調べる
  2. 借地権割合をもとに底地価格の目安を計算する
  3. 地代や借地契約の内容から底地の収益価値を確認する

ここでは計算方法をわかりやすく説明するため、弊社に寄せられた底地の買取相談・取引事例の傾向をもとに、所在地や面積、契約条件、金額などを再構成した次のケースを使って見ていきましょう。

所在地 東京都杉並区
土地面積 100㎡
路線価 44万円/㎡
借地権の種類 普通借地権
借地権割合 60%
年間地代 48万円
固定資産税・都市計画税 年間約11万円
買取価格 1,100万円

※実際の相談・買取事例をもとに再構成したケースであり、特定の物件・売主様を示すものではありません。

1. 更地として売れる場合の市場価格を調べる

まずは、借地権が設定されていない更地として売却した場合に、土地がどのくらいの価格になるのかを確認します。

市場価格の目安は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」で周辺の土地の取引価格を調べる方法があります。

また、国税庁が公表している路線価から大まかな価格を推測することも可能です。路線価とは、道路に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価額で、国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」から確認できます。

路線価は、土地取引の指標となる地価公示価格などの80%程度を目途に設定されているため、次の計算で更地としての市場価格の目安を算出できます。

路線価 ÷ 0.8 × 土地面積 = 更地価格の目安

今回のケースでは、路線価を44万円/㎡、土地面積を100㎡としているため、次のとおりです。

44万円 ÷ 0.8 × 100㎡ = 5,500万円

更地としての市場価格は約5,500万円が目安です。ただし、路線価による計算は概算であるため、不動産情報ライブラリで周辺の取引事例も確認しましょう。

買取業者へ売却する場合の目安を知りたいときは、算出した更地価格に、前述した買取相場の10~20%程度を掛けて計算します。

更地価格5,500万円 × 10~20% = 550万~1,100万円

今回のケースでは、買取業者へ売却する場合の買取価格は、550万~1,100万円程度が大まかな目安となります。このように、自分で大まかな買取価格を確認したい場合は、更地価格を調べて買取相場を掛けることで概算できます。

ただし、実際の査定では借地権割合や地代、借地契約の内容なども確認されます。次からは、買取業者が査定時に見るポイントも踏まえて、価格をさらに詳しく確認していきましょう。

2. 借地権割合をもとに底地価格の目安を計算する

買取査定では、底地の価値を判断する参考として、借地権割合を確認することもあります。まずは、更地としての市場価格に借地権割合を反映し、底地に相当する価格を簡易的に計算してみましょう。

借地権割合とは、土地全体の価値のうち借地権が占める割合のことで、国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で確認できます。

路線価図では、路線価の数字の横にA〜Gの記号が表示されており、Aは90%、Bは80%、Cは70%、Dは60%、Eは50%、Fは40%、Gは30%の借地権割合を示します。たとえば「440D」であれば、路線価44万円/㎡、借地権割合60%です。底地に相当する割合は「100%-借地権割合」で考えます。

簡易的には、次の計算式で求められます。

更地価格 ×(100%-借地権割合)= 底地価格の目安

今回のケースでは、更地価格が約5,500万円、借地権割合が60%のため、底地に相当する割合は40%です。

5,500万円 × 40% = 2,200万円

借地権割合をもとに計算すると、底地に相当する価格は2,200万円となります。ただし、実際にはこの金額を参考値とし、売却先や個別の条件を加味して調整されます。

借地人へ売却する場合は、借地権と底地が一体化することによる価値が加わり、この参考値より高く評価されることがあります。一方、買取業者への売却では、地代収入や契約条件、買取後の権利調整にかかるコストなどを考慮するため、参考値より低い価格になることが一般的です。

3. 地代や借地契約の内容から底地の収益価値を確認する

最後に、地代や借地契約の内容から、買取業者にとっての収益価値を確認します。買取業者は、地代から税負担を差し引いてどれくらい収益が残るかに加え、管理コストや買取後に必要となる権利調整なども踏まえて価格を調整します。

今回のケースでは、まず年間地代48万円から固定資産税・都市計画税約11万円を差し引き、税負担後にどれくらい収益が残るかを確認します。

年間地代48万円 - 固定資産税・都市計画税11万円 = 約37万円

次に、この37万円をもとに、前のステップで算出した底地価格の目安2,200万円に対する利回りを簡易的に計算します。

37万円 ÷ 2,200万円 × 100 = 約1.7%

一方、今回の買取価格1,100万円に対する利回りは、次のとおりです。

37万円 ÷ 1,100万円 × 100 = 約3.4%

このように、同じ地代収入でも買取価格によって利回りは変わります。ただし、利回りだけで買取価格が決まるわけではありません。

今回のケースは普通借地権であり、契約期間が満了しても法定更新されることがあり、地主が更新を拒絶するには正当事由が必要です。つまり、買取後すぐに土地を自由に利用できるとは限らず、将来的な借地人との交渉や権利調整も見込んで査定する必要があります。

最終的には、こうした収益性や普通借地権による利用上の制約、買取後の権利調整にかかるコストなどを踏まえ、買取価格を1,100万円としています。

これは更地価格5,500万円の20%にあたり、専門買取業者の相場として前述した10~20%のなかでも上限寄りの価格です。上限寄りの評価となった理由には、23区内で一定の需要が見込める立地であることに加え、借地契約書が揃っていること、地代の滞納がないことなど、査定上のプラス要素が挙げられます。

このように、実際の買取価格は地代や契約形態だけでなく、立地や契約状況、借地人との関係など個別の事情を加味して決まります。より正確な底地の価格を知りたい場合は、弊社の無料査定をご利用ください。

底地の買取価格を下げないための対策

借地人との関係や契約内容に不透明な部分があると、買取業者は取得後のトラブル対応にかかる時間やコストをリスクとみなします。その結果、「万が一に備えて、査定額を低く見積もらざるを得ない状況もある」というのが多くの買取業者の本音です。

そのため、事前にこうしたリスク要因をできる範囲で整理しておくことが、底地の買取価格を下げないためのポイントです。

具体的には、次のような対策を検討しましょう。

  • 借地契約書や地代の支払履歴など査定に必要な資料を揃えておく
  • 地代滞納や契約上の問題をできる範囲で整理しておく
  • 借地人との関係を悪化させない
  • 底地の権利調整までできる複数の専門業者に査定を依頼する

借地契約書や地代の支払履歴など査定に必要な資料を揃えておく

底地の査定を依頼する際は、買取業者が借地契約の内容や収益状況を確認できるよう、関連する資料をできるだけ揃えておきましょう。

主に用意しておきたい資料は、以下のとおりです。

  • 土地賃貸借契約書
  • 更新契約書や覚書など、契約変更の内容がわかる書類
  • 通帳や領収書など、地代の支払状況がわかる資料
  • 更新料や建替承諾料などの取り決め・支払状況がわかる資料
  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書や課税明細書

買取実務では、資料が揃っているほど、買取業者が契約内容や収益状況を確認しやすくなります。その分、余計なリスクを見込まれにくくなり、必要以上の減額を防ぎやすくなります。

たとえば、土地賃貸借契約書に記載された地代だけでなく、通帳などの入金履歴も提示できれば、実際に地代が継続して支払われているかを確認できます。また、地代変更や特約の経緯がわかる覚書などがあれば、追加の確認や借地人への聞き取りといった買取業者側の確認コストを減らせるため、査定にもプラスに働きやすくなります。

資料が一部見つからない場合でも、すぐに査定を諦める必要はありません。まずは手元にある資料を提示し、不足している情報を買取業者に確認してもらいましょう。

地代滞納や契約上の問題をできる範囲で整理しておく

地代の滞納が続いている、契約書の内容と実際の運用が異なる、口約束のままで取り決めが曖昧になっているなどの問題があると、買取後に対応が必要となり、査定額が下がる要因になります。そのため、売却前に解決できる問題は、できる範囲で解消しておくことが大切です。

たとえば、地代の滞納がある場合は、未払い額や滞納期間を確認し、可能であれば売却前に支払いを受けて精算しておきましょう。

また、契約書に記載された地代と実際に受け取っている地代が異なる場合や、口約束の取り決めがある場合は、変更の経緯や現在の合意内容を確認します。必要に応じて、現在の契約条件を契約書や覚書などで書面に残しておくことも検討しましょう。

なお、地代が税負担や近隣相場と比べて低すぎると、底地の収益性が低く評価され、査定額にも影響しかねません。

借地借家法第11条でも、土地にかかる税金の増減や土地価格などの経済事情の変動、近隣の地代との比較などによって地代が不相当になった場合には、増減を請求できるとされているため、地代を長期間見直していない場合は、現在の状況に合った水準かを確認してみるとよいでしょう。

ただし、地代の値上げや契約条件の変更を地主側だけで無理に進めると、借地人との関係が悪化するおそれがあります。焦って値上げ交渉を進めてトラブルになると、買取業者にとっても取得後の権利調整が難しくなり、査定に影響する可能性があります。

契約書の作成や条件変更が必要な場合は、自分だけで進めず、行政書士や弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。

借地人との関係を悪化させない

底地の売却を検討している場合は、借地人との関係をできるだけ悪化させないことも大切です。

借地人は、底地を取得すれば土地と借地権を一体化できるため、有力な売却先の一つです。日頃から連絡が取れ、良好な関係を保てていれば、売却を検討した際に借地人への買取交渉も進めやすくなります。

反対に、地代や更新、建替えなどをめぐって関係がこじれていると、借地人への売却が難しくなるだけでなく、買取業者などの第三者へ売却する場合にも、買取後の交渉や権利調整に手間がかかると判断される可能性があります。

査定額を上げようとして、売却前に無理な地代の値上げや契約条件の変更を持ちかけるのは避けましょう。普段から必要な連絡には応じ、売却を考え始めた段階でも、借地人との関係をこじらせないように進めることが重要です。

底地の権利調整までできる複数の専門業者に査定を依頼する

底地を売却する際は、買取後の借地人との交渉や権利調整まで自社で対応できる専門業者を選び、複数社へ査定を依頼しましょう。

買取業者は底地を買い取った後、借地人への底地売却や借地権の買取、底地と借地権の同時売却などを進め、より売却・活用しやすい形へ権利関係を調整します。

こうした対応を自社で行える業者は、買取後の出口を複数検討できるため、権利関係が複雑な底地でも将来の価値を見込んで査定しやすくなります。その分、買取後のリスクを必要以上に査定額へ織り込まれにくくなり、底地を低く評価されるのを防ぎやすくなります。

買取業者を見極める際は、まず公式サイトの買取実績を確認しましょう。単に「底地・借地権を買い取ります」と記載されているだけでなく、買取後に借地人との交渉や権利調整を行った具体的な事例が掲載されていれば、実務経験を判断する材料になります。

また、底地では契約内容の確認や登記、借地人とのトラブル対応などで専門家の力が必要になることがあります。弁護士や司法書士などと連携し、必要に応じて専門家を交えながら対応できる体制があるかも確認しておくとよいでしょう。

公式サイトだけでは判断できない場合は、査定時に「買取後の借地人との交渉や権利調整も自社で行いますか?」「同じような底地を買い取って権利調整した事例はありますか?」と具体的に聞いてみましょう。

「底地専門」「底地買取」という表記だけで判断せず、具体的な実績や対応体制を確認したうえで、複数社の査定額や条件を比較することが大切です。

株式会社クランピーリアルエステート 大江 剛 代表取締役 宅地建物取引士

専門家のコメント

同じ底地でも査定額に10%前後の差が出ることもある

実務では、本来2,000万円程度で評価できる底地でも、業者によって1,800万〜1,900万円程度の査定に抑えられるケースは珍しくありません。
この差が生まれる理由の一つが、底地買取の実績や資金力です。権利調整から再販売までの流れが確立されている業者は、買取後のコストを抑えやすく、その分を査定額に反映できます。
また、資金力があり自己資金で直接買い取れる業者なら、銀行融資の金利コストがかからない分、より高い買取価格を提示できることもあります。

底地買取相場に関するよくある質問

地代を値上げすれば底地の買取価格も上がりますか?

地代が上がることで底地の収益性が高まり、買取価格にプラスに働く可能性はあります。

ただし、底地の買取価格は、地代収入だけでなく、借地契約の内容や契約期間、立地、借地人との関係、売却先などを踏まえて総合的に決まります。

また、地主の判断だけで自由に地代を値上げできるわけではありません。土地にかかる税金の増加や土地価格の上昇、周辺の地代相場との比較などから現在の地代が不相当になった場合には増額を請求できますが、借地人と増額について合意できないこともあります。

売却価格を上げることだけを目的に無理な値上げをすると、借地人とのトラブルにつながる可能性もあるため注意が必要です。

相続税評価額と実際の底地の買取価格は同じですか?

相続税評価額と、実際に底地を売却するときの買取価格は同じではありません。

相続税評価額は、相続税や贈与税を計算するための税務上の評価額です。一般的な借地権が設定されている土地では、自用地としての価額から借地権の価額を差し引く方法で評価します。

一方、実際の買取価格は、地代収入や借地契約の内容、借地権の種類、土地の立地・形状、売却先などさまざまな条件によって決まります。

そのため、相続税評価額は底地の価値を確認する一つの参考にはなりますが、その金額で売却できるとは限りません。実際に売却する場合は、底地の取引に詳しい不動産会社などへ査定を依頼して、市場での価格を確認することが大切です。

まとめ

底地の買取相場は、売却先、借地権の種類や地代、契約期間、立地などさまざまな条件によって変わるため、相場だけで正確な売却価格を判断することはできません。また、相続税評価額も実際の買取価格とは異なるため、あくまで参考の一つとして考える必要があります。

売却を検討する際は、借地契約書や地代の支払履歴などの資料を整理し、現在の契約状況や借地人との関係も確認しておきましょう。

自分の底地が実際にいくらで売れるのかを知りたい場合は、底地の権利関係や借地人との調整に詳しい複数の専門業者へ査定を依頼し、提示された価格や売却条件を比較することが大切です。

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