マンション建て替え時の立ち退き料|相場や賃貸と分譲の違いとは?

立ち退き料とは、賃貸マンションにおいて、貸主(オーナー)が借主(居住者)に支払う金銭のことです。新しい住まいへ移るための引っ越し費用や、契約費用などを補償する目的で支払われます。

法律上の支払い義務はありませんが、実務では退去をスムーズに進めるために支払われるケースがほとんどです。

一方、分譲マンションの場合には、立ち退き料という仕組みはありません。建て替えは区分所有者(マンションの住民)の多数決で決定され、建て替え後も住み続ける場合はそのまま再入居することになるため、立ち退き料が発生しない仕組みです。引っ越し費用や仮住まいの家賃なども、原則として自己負担となります。

また、建て替えに反対して退去する場合は、「建替組合」に時価でマンションを買い取ってもらいます。つまり、分譲では「立ち退き料」は支払われませんが、時価での買取によって実質的な補償が行われます。

立ち退き料の目安は以下のとおりです。

区分 立ち退き料
賃貸マンション|居住用マンション 家賃の6〜12ヶ月分が相場
賃貸マンション|テナント 300万~2億円(テナントの種類で幅がある)
分譲マンション 立ち退き料は発生しない。建替組合による時価買取が可能。

賃貸マンションの立ち退き料はあくまで目安であり、実際の金額は物件の状況や契約内容、立ち退きの理由、借主の抱える事情などで変動します。たとえば、居住者が要介護者で引っ越しが難しいなどの特別な事情がある場合には、迷惑料や慰謝料が上乗せされることもあります。

また、居住用マンションよりも、テナントの方が立ち退き料は高額です。業種によって金額が大きく異なり、小売店や事務所で300万〜600万円程度、美容院や飲食店では500万〜4,000万円、クリニックでは5,000万〜2億円に達するケースもあります。

本記事では、マンション建て替え時の立ち退き料について、賃貸と分譲の違いを踏まえてわかりやすく解説します。また、賃貸マンションの立ち退き料の負担を抑える方法や、建て替えにかかる費用なども紹介します。

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マンション建て替え時の立ち退き料は必要?賃貸と分譲の違い

マンションの建て替えで退去が必要になった場合、立ち退き料が発生するかどうかは「賃貸」か「分譲」かによって異なります。

立ち退き料とは、アパートや賃貸マンションで貸主(オーナー)が借主(入居者)に退去をお願いする際に支払うお金です。立ち退き料の支払いに法律上の義務はありませんが、実務では、立ち退きの交渉をスムーズに進めるために支払われるケースが多いです。

賃貸マンションの建て替えなどで立ち退きを求める場合も、貸主から借主へ立ち退き料を支払うのが一般的です。立ち退き料の目安は物件の用途によっても異なり、居住用とテナント(店舗・事務所)では金額に大きな差があります。

一方、分譲マンションにはそもそも立ち退き料の仕組みがなく、退去する場合は、建替組合が時価で買い取る形になるのが基本です。つまり、賃貸のような「立ち退き料の支払い」はありませんが、時価での買取によって実質的な補償が行われる仕組みです。

区分 立ち退き料
賃貸マンション|居住用マンション 家賃の6〜12ヶ月分が相場
賃貸マンション|テナント 300万~2億円(テナントの種類で幅がある)
分譲マンション 立ち退き料は発生しない。建替組合による時価買取が可能。

賃貸マンション│基本的に立ち退き料が必要(家賃6〜12ヶ月分が目安)

賃貸マンションの建て替えなどで、オーナーが借主に立ち退きを求める場合は、立ち退き料を支払うのが一般的です。

借地借家法第28条では、立ち退きを求める際には「正当事由」が必要とされており、その判断材料の1つとして立ち退き料(財産上の給付)が考慮されると定められています。


(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条 建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
引用元 e-Gov法令検索 借地借家法第28条

立ち退き料の金額は、立ち退きを求める理由の正当性や借主に発生する損失・負担の大きさによって変動します。

法的に明確な基準はありませんが、居住用賃貸マンションの場合は、引っ越し費用や新居探しの負担などを考慮し、家賃の6〜12ヶ月分が相場とされています。

一方、テナント(店舗)の場合は営業補償や移転費用などが加わるため金額の幅が非常に大きく、業種や規模、営業損失の内容によって高額になるケースも珍しくありません。

  • 居住用賃貸マンション:家賃の6〜12ヶ月分が相場
  • テナント:300万~2億円(テナントの種類で幅がある)

居住用賃貸マンション

居住用賃貸マンションの立ち退き料の相場は、一般的に家賃の6ヶ月〜12ヶ月分とされています。たとえば、家賃が10万円の場合、立ち退き料は60万〜120万円程度になる計算です。

ただし、これはあくまでも目安であり、物件の状況や契約内容、立ち退き理由などによって金額が変動する場合があります。

立ち退き料の内訳には、実際の引っ越しにかかる費用だけでなく、新居の契約に伴う初期費用や家賃差額分など、複数の項目が含まれます。

さらに、交渉の状況や借主の事情によっては、迷惑料や慰謝料といった上乗せ補償が加わることもあり、その場合は相場より高額になるケースもあります。

費用の種類 費用の説明
引っ越し費用 借主が退去後に新居へ転居するための費用。引っ越し業者への支払い、トラック代、荷物の運搬費、保険料、住所変更費用、家具の処分費などが含まれる。
新居の契約費用 新居を契約する際に必要な初期費用。敷金・礼金・仲介手数料・保証金・印紙代・保険料・その他設備費用などが含まれる。
家賃差額分 新居の家賃が現在の家賃より高い場合、その差額を12〜24カ月分ほど補償するケースが多い。
敷金・礼金の不足分 新居の契約に必要な敷金・礼金と、現在の物件との不足分。敷金は差額分、礼金は「エリア内の標準家賃×標準礼金月数」で目安を算出する。
上乗せ補償

(迷惑料・慰謝料)

引っ越しによる手間や精神的な負担、生活環境の変化に対するお詫び、立ち退きを了承してくれたお礼など。また、要介護者など特別な事情があり、引っ越しが困難なケースなどの場合は、迷惑料や慰謝料なども含まれる。

テナント

テナントへの立ち退き料は、居住用賃貸マンションに比べて高額で、業種や営業規模によっても大きな差が生じます。

テナントの場合、営業補償や内装工事費用などが加わるため、数百万円から数千万円、場合によっては数億円規模になることもあります。

以下は、テナントの種類ごとの立ち退き料の目安です。

テナントの種類 賃料の目安 立ち退き料の目安
小売店 8万円~15万円 300万円~500万円
事務所 10~20万円 300万円~600万円
美容院 10万円~20万円 800万円~3,000万円
飲食店 8万円~40万円 500万円~4,000万円
クリニック 20万円~50万円 5,000万円~2億円

実際に、老朽化した木造建物に入居していたラーメン店(賃料13万9,000円)に対し、1,556万4,000円の立ち退き料を認めた判例(平成30年3月7日・東京地方裁判所)もあります。このように、小規模な飲食店であっても立ち退き料が高額になるケースは珍しくありません。

テナントへの立ち退き料は、単純な引っ越し費用だけでなく、営業補償や造作費用など多岐にわたります。内訳の主な項目は次のとおりです。

費用の種類 費用の説明
工作物補償 移転先で行う内装工事費用の補償。「内装工事の坪単価×移転先面積」で算定。飲食店では高額になるケースも多い。
動産移転補償 備品・什器(業務用冷蔵庫、棚、レジなど)の移転費用。住宅の引っ越し費用に相当。専門業者への依頼が必要な場合もある。
借家人補償 新店舗との家賃・保証金(敷金)の差額補償。一般的に差額の1~2年分を補償対象とする。
移転雑費補償 仲介手数料、商業登記費用、営業許可申請費用、広告費、移転通知費用、開店祝費、従業員賃金補填など、移転に伴い発生する付帯費用の補償。
営業休止補償 移転・休業に伴う営業損失の補償。営業利益の減少、得意先喪失による損失、固定費の補償、従業員の休業補償などが含まれる。

分譲マンション│立ち退き料は不要だが時価で買い取る

分譲マンションの建て替えでは、立ち退き料は発生しません。

立ち退き料とは、アパートや賃貸マンションで貸主が借主に退去をお願いする際に支払うお金で、分譲マンションのように各住戸を所有しているケースにはこの仕組みがあてはまらないためです。

建て替えが決まった場合、所有者は自分で引っ越し費用や仮住まいの家賃を負担するのが原則です。建て替え後は再入居する人もいれば、退去する人もいます。退去する場合は、賃貸のように立ち退き料が支払われるわけではありませんが、時価で買い取ってもらえるため、実質的には補償を受けるような形になります。

なお、分譲マンションの建て替えが正式に決定するのは、区分所有法第62条に基づき、管理組合の総会などで区分所有者(マンションの住民)の5分の4以上の賛成を得たときです。2026年4月1日からは、この要件が「4分の3」に緩和される予定です。


(建替え決議)
第六十二条 集会においては、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。
引用元 e-Gov法令検索 区分所有法第62条

建て替えが決まると、マンションの住民に対して「再入居するか」「立ち退くか」を確認する通知が届きます。もし建て替えに反対した場合は、賛成者で構成される建替組合によって「売渡請求権」が行使され、反対者の所有している住戸が時価で買い取られることになります。

「売渡請求権」は区分所有法第10条に基づく権利で、反対者が拒否しても法的に売買が成立する仕組みです。つまり、建て替えに反対しても計画自体が中止になることはなく、最終的には建て替え後に再入居するか、時価で買い取ってもらうかのいずれかを選ぶことになります。


(区分所有権売渡請求権)
第十条 敷地利用権を有しない区分所有者があるときは、その専有部分の収去を請求する権利を有する者は、その区分所有者に対し、区分所有権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。
引用元 e-Gov法令検索 区分所有法第10条

立ち退き料の負担を抑える手段

立ち退き料は、オーナーにとって大きな出費です。建て替えをスムーズに進めるためには、できるだけ負担を抑えつつ、借主にも納得してもらえる対応をとることが重要です。

以下のように、借主の転居先の確保や各種費用の免除など、条件面で工夫すると立ち退き料の負担軽減につながります。

  • 転居先を斡旋する
  • 原状回復を免除する
  • 退去までの家賃を免除する
  • 空室の多いタイミングに交渉をおこなう

転居先を斡旋する

立ち退き料の負担を抑えるには、借主に転居先を斡旋することが効果的です。

入居者にとって退去時の大きな不安は「次に住む場所が見つからない」「お店を開く場所が決まらない」といった点であり、この不安が交渉を難航させたり、立ち退き料の増額につながったりするケースも少なくありません。

たとえば、複数の物件を所有しているオーナーが自社の空室を紹介したり、希望条件に合う物件を提案したりすれば、入居者の不安を軽減できます。

借地借家法第28条では、退去交渉時の「財産上の給付」が認められており、転居先の斡旋もこれに該当します。

つまり、本来であれば立ち退き料として現金で支払う部分を、転居先の紹介という形で一部補うことができるため、その分、現金での負担を減らせる可能性があります。

もっとも、この方法はオーナーが転居先を紹介できることが前提となります。自社で複数の物件を所有している場合や、不動産会社とのネットワークがある場合には特に有効な手段といえるでしょう。

原状回復を免除する

立ち退き料の負担を抑える手段として、オーナーから借主へ原状回復の免除を提案する方法があります。特に、原状回復費が高額になりやすいテナントに効果的です。

原状回復とは、賃貸契約が終了した際に、借りた部屋や店舗を入居時の状態に戻すことです。居住用マンションでは、10万~30万円程度の原状回復費用が発生します。

一方、テナントの原状回復費用は高額で、小規模飲食店ではスケルトン戻しや産廃処理で100万~300万円、美容院や軽飲食店ではダクトや給排水設備の撤去、床剥離などで200万~500万円にのぼるケースもあります。

しかし、建て替え予定の建物は解体が前提となるため、原状回復を行ってもその工事は無駄になってしまいます。そのため、原状回復を免除することはオーナー側の負担にはならず、借主にとっては大幅な費用負担の軽減につながります。

原状回復にかかる分を、立ち退き料から一部または全額を差し引いて提案すれば、オーナーは現金での支払い負担を減らすことができ、借主も高額な原状回復費を自分で負担せずに済みます。お互いの負担を軽くできるため、交渉を進めやすくなる方法です。

退去までの家賃を免除する

立ち退き料の負担を抑える方法として、オーナーが借主に「退去までの家賃を免除する」提案をするのも有効です。

マンションの建て替えによる立ち退き交渉は、退去の半年前ほど前から始まります。そのため、退去までの家賃を免除すれば、入居者にとって大きなメリットになります。

たとえば、家賃10万円の部屋で半年間の家賃免除を行えば、借主は60万円の支払い負担が減ることになります。その分、引っ越し資金や新居の初期費用を用意しやすくなり、退去に応じやすくなるのです。

また、家賃免除とあわせて「敷金の前倒し返還」を提案するのも効果的です。敷金は本来、原状回復費用などに充てるために預かっているお金ですが、これを早めに返金することで、入居者は引っ越し資金に充てられます。

オーナーは家賃を免除した分、立ち退き料の減額を交渉できるため、現金での支払い負担を抑えられます。

空室の多いタイミングに交渉をおこなう

立ち退き料の負担を抑えるには、立ち退き交渉のタイミングも重要です。特に、 空室が多い時期に交渉を始めることで、オーナーの負担を大きく減らせます。

入居者が多い状態で立ち退きを進めると、その分だけ交渉の手間も増え、立ち退き料の総額も膨らみます。

たとえば、たとえば、家賃10万円の居住用賃貸マンションで3世帯に対して立ち退き料を支払う場合、立ち退き料の目安は180万〜360万円程度です。これが10世帯になれば600万~1,000万円と、負担は一気に大きくなります。

一方、空室が増えてきた段階で交渉を始めれば、対応する入居者数が少なくなる分、立ち退き料や交渉コストを抑えやすくなります。目安として、空室率が7割程度に達したタイミングが交渉を進めやすい時期といわれています。

このように、タイミングを見極めることで、オーナー側の費用負担を抑え、スムーズに建て替え計画を進めやすくなります。

賃貸マンションの建て替えにかかる費用

賃貸マンションを建て替える際には、解体工事費用と新築工事費用が発生します。

  • 解体工事費用:古い建物を取り壊すための費用。建物の構造や規模によって大きく変わる
  • 新築工事費用:新しい建物を建てるための費用。建物の延床面積や仕様、設備グレードなどが金額に影響する

費用は建物の構造や面積などによって大きく変動します。建て替えを検討する際は、あらかじめ必要な費用を把握し、計画的に資金を準備することが大切です。

解体工事費用

解体工事費用とは、既存のマンションを取り壊すためにかかる費用です。建物の構造によって大きく差があり、鉄骨造(S造)が比較的安価なのに対し、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は最も費用が高くなります。

解体費用の相場は以下のとおりです。

  • 鉄骨造(S造):坪単価3.5万円〜5万円
  • 鉄筋コンクリート造(RC造):坪単価4万円〜8万円
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):坪単価4.5万円〜9万円

以下は、建物の構造と坪数ごとの解体費用の目安です。実際の費用は、立地条件や老朽化の程度、重機の搬入しやすさなどによって変動しますので、あくまで目安として参考にしてください。

坪数 鉄骨造(S造) 鉄筋コンクリート造(RC造) 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
60坪 210万〜300万 240万〜480万 270万〜540万
70坪 245万〜350万 280万〜560万 315万〜630万
80坪 280万〜400万 320万〜640万 360万〜720万
90坪 315万〜450万 360万〜720万 405万〜810万
100坪 350万〜500万 400万〜800万 450万〜900万
110坪 385万〜550万 440万〜880万 495万〜990万
120坪 420万〜600万 480万〜960万 540万〜1080万
130坪 455万〜650万 520万〜1040万 585万〜1170万
140坪 490万〜700万 560万〜1120万 630万〜1260万
150坪 525万〜750万 600万〜1200万 675万〜1350万

新築工事費用

新築工事費用とは、既存の建物を解体したあと、新たにマンションを建設するために必要な費用です。解体工事費用と同様に、建物の構造によって費用は異なり、鉄骨造(S造)が比較的安価で、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が最も高額になります。

新築工事費用の相場は以下のとおりです。

鉄骨造(S造) 坪単価:80万~120万円
別途工事費用:本体工事費用の20%程度
諸費用:マンション建築費合計の10%程度
鉄筋コンクリート造(RC造) 坪単価:85万~120万円
別途工事費用:本体工事費用の20%程度
諸費用:マンション建築費合計の10%程度
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) 坪単価:120万~130万円
別途工事費用:本体工事費用の20%程度
諸費用:マンション建築費合計の10%程度

以下は、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の構造別に、新築工事費用を坪数ごとにまとめた目安です。

本体工事費用(坪単価×坪数)に加え、別途工事費(本体工事費の20%)と諸費用(本体+別途の10%)を含めた概算額です。

実際の費用は、仕様・設備・施工会社などによって変動するため、あくまで目安として参考にしてください。

坪数 鉄骨造(S造) 鉄筋コンクリート造(RC造) 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
60坪 本体:4,800万~7,200万
別途:960万~1,440万
諸費用:576万~864万
合計:6,336万~9,504万
本体:5,100万~7,200万
別途:1,020万~1,440万
諸費用:612万~864万
合計:6,732万~9,504万
本体:7,200万~7,800万
別途:1,440万~1,560万
諸費用:864万~936万
合計:9,504万~1億296万
70坪 本体:5,600万~8,400万
別途:1,120万~1,680万
諸費用:672万~1,008万
合計:7,392万~1億1,088万
本体:5,950万~8,400万
別途:1,190万~1,680万
諸費用:714万~1,008万
合計:7,854万~1億1,088万
本体:8,400万~9,100万
別途:1,680万~1,820万
諸費用:1,008万~1,092万
合計:1億1,088万~1億2,012万
80坪 本体:6,400万~9,600万
別途:1,280万~1,920万
諸費用:768万~1,152万
合計:8,448万~1億2,672万
本体:6,800万~9,600万
別途:1,360万~1,920万
諸費用:816万~1,152万
合計:8,976万~1億2,672万
本体:9,600万~1億400万
別途:1,920万~2,080万
諸費用:1,152万~1,312万
合計:1億2,672万~1億3,792万
90坪 本体:7,200万~10,800万
別途:1,440万~2,160万
諸費用:864万~1,296万
合計:9,504万~1億4,256万
本体:7,650万~10,800万
別途:1,530万~2,160万
諸費用:918万~1,296万
合計:1億98万~1億4,256万
本体:1億800万~1億1,700万
別途:2,160万~2,340万
諸費用:1,296万~1,404万
合計:1億4,256万~1億5,444万
100坪 本体:8,000万~12,000万
別途:1,600万~2,400万
諸費用:960万~1,440万
合計:1億560万~1億5,840万
本体:8,500万~1億2,000万
別途:1,700万~2,400万
諸費用:1,020万~1,440万
合計:1億1,220万~1億5,840万
本体:1億2,000万~1億3,000万
別途:2,400万~2,600万
諸費用:1,440万~1,560万
合計:1億5,840万~1億7,160万
110坪 本体:8,800万~13,200万
別途:1,760万~2,640万
諸費用:1,056万~1,584万
合計:1億1,616万~1億7,424万
本体:9,350万~1億3,200万
別途:1,870万~2,640万
諸費用:1,122万~1,584万
合計:1億2,342万~1億7,424万
本体:1億3,200万~1億4,300万
別途:2,640万~2,860万
諸費用:1,584万~1,716万
合計:1億7,424万~1億8,876万
120坪 本体:9,600万~14,400万
別途:1,920万~2,880万
諸費用:1,152万~1,728万
合計:1億2,672万~1億9,008万
本体:1億200万~1億4,400万
別途:2,040万~2,880万
諸費用:1,224万~1,728万
合計:1億3,464万~1億9,008万
本体:1億4,400万~1億5,600万
別途:2,880万~3,120万
諸費用:1,728万~1,872万
合計:1億9,008万~2億592万
130坪 本体:10,400万~15,600万
別途:2,080万~3,120万
諸費用:1,248万~1,872万
合計:1億3,728万~2億0,592万
本体:1億1,050万~1億5,600万
別途:2,210万~3,120万
諸費用:1,326万~1,872万
合計:1億4,586万~2億592万
本体:1億5,600万~1億6,900万
別途:3,120万~3,380万
諸費用:1,872万~2,028万
合計:2億592万~2億2,308万
140坪 本体:11,200万~16,800万
別途:2,240万~3,360万
諸費用:1,344万~2,016万
合計:1億4,784万~2億2,176万
本体:1億1,900万~1億6,800万
別途:2,380万~3,360万
諸費用:1,428万~2,016万
合計:1億5,708万~2億2,176万
本体:1億6,800万~1億8,200万
別途:3,360万~3,640万
諸費用:2,016万~2,184万
合計:2億2,176万~2億4,024万
150坪 本体:12,000万~18,000万
別途:2,400万~3,600万
諸費用:1,440万~2,160万
合計:1億6,320万~2億3,760万
本体:1億2,750万~1億8,000万
別途:2,550万~3,600万
諸費用:1,530万~2,160万
合計:1億7,130万~2億3,760万
本体:1億8,000万~1億9,500万
別途:3,600万~3,900万
諸費用:2,160万~2,280万
合計:2億3,760万~2億5,680万

分譲マンションの建て替えにかかる費用

分譲マンションの建て替え費用は、原則として区分所有者(マンションの住民)が負担します。

区分所有者とは、マンションの一部を「自分の家」として所有している人のことです。自分の家を建て替えるときに費用を負担するのと同じように、建て替え費用はマンションの住民全員で分担して負担します。

建て替えにかかる自己負担額の目安は、1戸あたりおおよそ1,000万円〜2,000万円程度といわれています。マンションの規模や階数、立地、グレードなどによって金額は前後しますが、最低でも1,000万円前後は準備しておく必要があります。

自己負担額には、次のような費用が含まれます。

  • 解体費用:古いマンションを取り壊すためにかかる費用
  • 建設費用:新しいマンションを建てるための工事費用
  • 専門家に支払う調査費用:建て替えの計画や安全性を確認するための専門家への費用
  • 設計費用:建物の設計やデザインを行うための費用
  • 事務経費:建て替えに必要な手続きや管理にかかる費用
  • 仮住まい費用:工事期間中に一時的に住む家の家賃や引っ越し費用

なお、普段から積み立てている「修繕積立金」は、基本的に外壁の補修や設備の修理といった「修繕」に使うための資金です。建て替えは「修繕」ではなく「新築」にあたるため、修繕積立金を建て替え費用に充てることは原則できません。

ただし、全員の合意と管理規約の変更など特別な手続きを経て、例外的に修繕積立金を建て替えに充てるケースもあります。

また、場合によっては「容積率(建てられる建物のボリュームの上限)」に余裕があると、新しく部屋を増やして販売し、その売却益を建て替え費用に充てられることもあります。このようなケースでは、自己負担額を減らしたり、負担がゼロになったりする場合もあります。

建て替えが困難な場合はマンション全体を売却するのも選択肢のひとつ

マンションの建て替えを検討していても、「借主が立ち退きに応じてくれない」「解体費用を用意できない」などの理由で、実現が難しいケースは少なくありません。

こうした場合は、マンション全体をまとめて売却するという方法もあります。立ち退き不動産の買取を行っている業者であれば、借主がいる状態や老朽化した状態のままでも、マンションを買い取ってもらえます。

当サイトを運営する「株式会社クランピーリアルエステート」でも、立ち退き不動産の買取に対応しています。他社では売却が難しい老朽化したマンションや、収益性が低いマンションでも対応可能です。

また、全国の弁護士・税理士・司法書士と連携しているため、法律や税務などの専門的な問題にも柔軟に対応できます。万が一、売却後に借主とのトラブルが発生した場合も、弊社が対応するため、オーナー様に負担がかかることはありません。

「借主への立ち退き交渉を自分で行いたくない」「解体やリフォームに費用をかけずにマンションを手放したい」「売却後のトラブル対応も任せたい」という方は、ぜひ弊社の無料相談・無料査定をご利用ください。スムーズな売却と資産整理をサポートいたします。

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まとめ

賃貸マンションの建て替えを行う際は、借主に退去してもらうために、オーナーが立ち退き料を支払うのが一般的です。居住用マンションの場合は家賃の6〜12か月分程度が目安となり、テナントが入っている場合は業種によって差がありますが、300万円から数千万円、場合によっては2億円近い立ち退き料が必要になることもあります。

さらに、既存マンションの解体費用や、新しいマンションを建てるための建築費用もかかるため、全体として非常に大きな出費になります。

一方、分譲マンションの場合は、賃貸と異なり「立ち退き料」という仕組みはありません。建て替えに反対する所有者がいる場合は、「売渡請求権」が行使され、反対者の持分が時価で買い取られることになります。

また、分譲マンションで建て替え後も住み続ける場合、建物の解体費用や新築工事費用の負担、仮住まいの費用などが必要となります。1戸あたりの自己負担額は1,000万円〜2,000万円が目安とされており、こちらも大きな経済的負担です。

このように、賃貸・分譲いずれの場合も、建て替えには多額の費用や調整が伴います。特に賃貸マンションのオーナーは、立ち退き料・解体・新築と大きな負担を抱えることになるため、「建て替えの費用を用意できない」「借主との立ち退き交渉が進まない」といった場合には、マンション全体を売却して手放すのも1つの手です。

老朽化したマンションや収益性が下がってしまったマンションをお持ちでお困りのオーナー様は、ぜひ弊社にご相談ください。状況に応じた最適な解決策をご提案いたします。

マンションの建て替え時の立ち退き料に関するよくある質問

賃貸マンションの建て替えにおける立ち退き交渉の流れは?

賃貸マンションを建て替える際には、借主に退去してもらう必要があります。ただし、立ち退きを求めるには、法律に沿った正しい手続きと丁寧な交渉が欠かせません。

特に注意したいのが、借地借家法第28条に定められている「正当事由」です。

単に「建て替えたい」という理由だけでは、借主に退去してもらうことはできません。立ち退きを求めるには、老朽化や耐震性の問題など社会的に合理的な理由が必要です。

また、立ち退き料の支払いは法律上の義務ではありませんが、正当事由を補う手段として有効です。立ち退き料を支払うことで、借主の不利益を補い、交渉をスムーズに進めやすくなります。

一般的な立ち退き交渉の流れは、以下のとおりです。

ステップ 内容 ポイント
1. 書面で解約の申し入れ 契約満了日の6か月前までに、建て替えのため契約を更新しないことを通知する 借地借家法第28条に基づき、正当事由が必要。口頭ではなく書面で伝えることが重要
2. 借主との任意交渉 立ち退きの理由や建て替えの必要性を説明し、立ち退き料も含めて交渉を進める 立ち退き料は「財産上の給付」として正当事由を補える可能性がある。早めの交渉開始が有効
3. 退去手続き 合意した期日までに借主(入居者)に退去してもらう 合意が得られない場合は、裁判など法的手段に移行することもある

立ち退き交渉は時間がかかるケースも多く、解約の申し入れから退去まで半年以上を要することがあります。特に長く住んでいる入居者の場合は、転居先の手配や引っ越し準備のための猶予期間が必要になることも少なくありません。
そのため、オーナーは早めの準備と交渉の開始が重要です。もし話し合いで合意が得られなかった場合は、弁護士など専門家のサポートを受けながら、法的な手続きを検討することになります。

任意交渉で合意に至らない場合の対応は?

建て替えに伴う立ち退き交渉は、話し合いの段階でスムーズに合意できるのが理想です。しかし、実務では、入居者が退去を拒むケースも少なくありません。 その場合は、法的な手続きを視野に入れて対応する必要があります。

特に立ち退きを求める側(オーナー)には、借地借家法第28条で定められた「正当事由」が求められます。建物の老朽化や耐震性の問題といった合理的な理由を証明できることが重要です。

以下のような手順を踏むことで、法的にも適正な進め方ができます。

ステップ 内容 ポイント
1. 正当事由の有無を確認・証拠収集 立ち退き要求が法律上認められるかを確認し、証拠を集める。 以下のような証拠を収集し、調停や裁判で提示できるように準備を進める。
・老朽化の診断書(耐震診断・構造調査)
・修繕では対応できないことの見積書
・行政からの指導・勧告
・賃貸契約書、解約通知書の控え
2. 調停の申し立て 裁判所の調停委員を介して話し合いによる解決を目指す。調停で話し合いがまとまらない場合は、訴訟を申し立て、裁判官の判決に委ねることになる。 調停の準備を行う際は、以下のポイントを押さえておく。申立先:物件所在地の簡易裁判所
申立費用:数千円〜(印紙代・郵券代)
必要書類:申立書、登記事項証明書、契約書写し など
3. 調停が不成立の場合は訴訟の提起 裁判所に「建物明け渡し請求訴訟」を提起する。オーナー側が勝訴したら、入居者は期日までに退去しなければならない。 「正当事由」と立ち退き料の補償内容が、裁判所の判断基準となる。また、訴訟期間は半年〜1年以上になることもある。
訴訟の提起に必要な書類は、以下のとおり。
・訴状(正本・副本)
・物件の不動産登記事項証明書
・固定資産評価証明書
4. 借主が居座る場合は強制執行 オーナーが勝訴したにもかかわらず、借主が退去しない場合は、裁判所の手続きを経て、強制執行が可能。裁判所の執行官が現地に赴き、法的手続きに基づいて物件の明け渡しを実施する。 執行費用(執行官手数料・動産搬出費)はオーナー負担となる。

証拠として有効なのは、建物の老朽化を示す耐震診断や構造調査の報告書、修繕で対応できないことを証明する見積書などです。客観的な資料がなければ、正当事由が認められず、訴訟で立ち退き請求が退けられる可能性もあります。

調停は話し合いによる解決を目的とするため、入居者が応じなければ成立しません。その場合は訴訟に進むことになります。訴訟では建て替えの必要性だけでなく、立ち退き料などの補償内容の妥当性も重視されます。

なお、裁判でオーナーが勝訴しても、入居者が自主的に退去しないケースもあります。その際はする「強制執行」という別手続きで、裁判所の執行官が現場に入り退去を実施します。強制退去はあくまで判決後に行う措置であり、「明け渡し請求(訴訟)」と混同しないよう注意が必要です。

立ち退き交渉をトラブルなく進めるためのポイントは?

立ち退き交渉をスムーズに進めるには、「借主に早めに告知する」「適切な立ち退き料を提示する」といった基本的なポイントを押さえることが大切です。

借主に早めに告知する

借家契約第26条では、「契約の期間満了の1年前から6ヶ月前までの間」に立ち退きを通知することが定められています。

ただし、実際の交渉を円滑に進めるには、この法定期間よりも早い段階で借主に告知することが効果的です。建て替えの理由や予定時期、いつまでに合意を目指すか、退去時期、代替物件を紹介できるかなどを具体的に伝えることで、借主も引っ越し準備に十分な時間を確保できます。

準備期間が長いほど話し合いはスムーズになり、結果的に立ち退き料を抑えられる可能性も高まります。

適切な立ち退き料を提示する

住居の立ち退き料の相場は、家賃6〜12ヶ月分程度が目安です。入居者が新しい住まいを探したり、引っ越し費用をまかなったりするための補償として支払うものなので、金額設定が適切であるほど交渉はまとまりやすくなります。

また、早期退去に応じてくれた場合に上乗せの立ち退き料を支払うなど、条件を明確にすることで合意形成がスムーズになるケースもあります。

上記に加え、以下のようなポイントも押さえておくと、トラブル防止につながります。

ポイント 内容
交渉内容を書面や録音に残す 提案書や合意書、メール、録音などで交渉の経緯を残しておくと、「言った・言わない」のトラブルを防止できる。内容証明郵便で通知しておくと、後の調停や裁判でも有力な証拠になる。やり取りは時系列で整理し、条件変更の経緯も明確にしておくと安心。
不動産に詳しい弁護士に相談する 弁護士に相談することで、正当事由の確認、必要資料の洗い出し、立ち退き料の適正額の判断などを専門的にサポートしてもらえる。任意交渉が決裂しても、調停・訴訟・強制執行まで対応可能。早めの相談で余計なコストや時間のロスを防げる。
事前に「定期借家契約」へ切り替える 定期借家契約は更新がなく、期間満了で契約を終了できるため、建て替え時期が決まっている場合に有効。普通借家から一方的に切り替えることはできず、借主の合意と書面説明が必要。契約期間が1年以上の場合は、満了の1年前〜6か月前に終了通知が必要。制度施行前の契約も再契約+説明が必要になる。

分譲マンションの建替え決議の流れは?

分譲マンションの建て替えを進めるには、「建替え決議」という正式な手続きが必要です。これは、すべての区分所有者(マンションの住民)に対して、公平な情報提供と合意形成を行うための重要なプロセスです。

主な流れは次のとおりです。

ステップ 内容
1.建替え決議集会の招集 管理組合(理事長など)が、建て替えの2ヶ月以上前に「建て替え決議」の集会の開催を通知する。
建物の老朽化の状況や建て替えが必要な理由、修繕で対応した場合の費用と内訳などを知らせる。事前に十分な情報提供を行うことで、合意形成の土台をつくる。
2.建て替えに関する説明会の実施 「建て替え決議」の少なくとも1ヶ月前に、区分所有者向けに事前説明会を開催する。
事前に通知した内容をもとに、建て替え計画や費用、スケジュールなどを丁寧に説明し、所有者の理解と判断を支える。質疑応答を通じて疑問点を解消し、合意形成をスムーズに進めやすくする。
3.建替え決議 建て替え後の設計概要、費用、負担割合などを議論した上で正式な決議を行う。
原則として「区分所有者の5分の4以上」の賛成で可決。2026年4月の区分所有法改正により、一定の条件を満たす場合は「4分の3以上」の賛成で可決可能になる。
4.反対者への建て替え参加の催告 建て替えに反対した所有者に対し、改めて参加するかどうかを文書で確認する。回答期限は2ヶ月以内で、期限までに回答がなければ「不参加」とみなされる。
5.建て替え不参加者への売渡請求 建て替えに反対した区分所有者に対して、売渡請求権を行使し、区分所有権と敷地利用権を買い取るよう請求できる。売渡請求を受けた所有者は拒否できない。

マンションの建て替え工事の期間はどのくらい?

マンションの建て替え工事期間は、一般的に6ヶ月〜1年半程度です。建物の規模や構造、施工方法によって差がありますが、解体から新築完成までにはある程度まとまった時間が必要になります。
この期間、住民は一時的に別の住まいに移る必要があります。仮住まい先を早めに確保しておくことが、建て替えをスムーズに進めるための重要なポイントです。

仮住まいにかかる主な費用の目安は以下のとおりです。

項目 費用の目安・ポイント
家賃 月額8〜15万円程度。都市部では15万円を超えることもある。
引っ越し費用 15〜25万円程度(2回分)。荷物量や距離によっては30万円以上になる場合もある。
仮住まいの初期費用 20〜30万円程度。賃貸物件を仮住まいとして借りる場合、敷金・礼金などがかかることがある。
家具・家電の保管費用 月額1〜2万円程度。量や期間に応じて増減あり。

マンションの平均寿命はどのくらい?

国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装 設備の更新による価値向上について」では、鉄筋コンクリート(RC)造の建物の寿命は68年程度と示されています。

この数字は自治体が管理する固定資産台帳のデータをもとに算出された「実際の建物が使用されている年数の目安」です。つまり、マンションが建てられてから取り壊されるまでの平均的な期間を示しています。

一方で、同資料には鉄筋コンクリートを適切に維持・補修した場合、効用持続年数は120年、さらに外装仕上げなどで延命した場合は150年になる可能性があるとも記載されています。定期的なメンテナンスを行えば、寿命を大きく延ばすことができるということです。

また、混同しやすい言葉として「法定耐用年数」があります。鉄筋コンクリート(RC)造・鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造のマンションの法定耐用年数は47年と定められていますが、これは会計上の資産価値を計算するための年数です。

法定耐用年数は減価償却の基準であり、実際に住めなくなる年数を示しているわけではありません。新築から47年以上経過しているマンションでも、管理や修繕が行き届いていれば居住に問題がないケースは多くあります。

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