底地価格はいくら?計算方法・相場・高く売るポイントを専門家が解説

底地とは借地権が設定された土地のことであり、通常の土地に比べて価格の計算方法が複雑です。そのため、「底地価格はどのように計算するのか」「売却する場合はいくらくらいになるのか」と疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

結論から述べると、底地価格の目安は「売却先」と「借地権の種類」で大きく異なります。あくまでも弊社の実務経験をもとにした目安ですが、以下がひとつの基準となります。

【売却先】

売却先 底地価格の目安
借地人 更地価格の約30%〜60%程度
投資家などの第三者 更地価格の約30〜50%程度
専門の買取業者 更地価格の約10〜20%程度

【借地権の種類】

借地権の種類 底地価格の目安
旧法借地権 更地価格の5%〜15%程度
普通借地権 更地価格の10%〜25%程度
定期借地権 更地価格の20%〜50%程度

なお、上記はあくまでも目安であり、実際の売却価格は地代の金額や契約内容、残存期間、借地人との関係性、立地、借地契約書の有無などによっても変動します。

専門家の立場から見ると、底地価格の相場を正しく理解しないまま売却を進めてしまい、本来よりも低い価格で手放してしまうケースも少なくありません。そのため、底地売却を検討する際には、複数の不動産業者で相見積もりを取ることを推奨します。

本記事では、底地価格の目安や計算方法、価格を左右する要素をわかりやすく解説します。さらに、底地をできるだけ高く売却するためのポイントについても専門的な視点から紹介しますので、底地価格を知りたい方や売却を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次

底地価格の目安は「売却先」「借地権の種類」で大きく変わる

底地価格は「更地価格の〇%程度」といった形で説明されることが多いですが、その割合は一律に決まるわけではありません。実際の価格は、売却先や借地契約の種類などによって大きく変わります。

ここでは、底地価格の大まかな目安について、「売却先」と「借地権の種類」という2つの観点から解説します。

売却先別の底地価格の目安

底地価格は「誰に売却するか」によって大きく変動します。

これは「底地を取得した人がどのように土地を利用できるか」、また「どの程度のメリットを得られるか」が売却先によって異なるためです。以下では、売却先ごとの底地価格の目安と、その理由について簡易的にまとめました。

売却先 底地価格の目安 理由
借地人 更地価格の30%〜60%程度 土地を利用している当事者であり、底地と借地権を一体化すれば利用価値が高くなるため
投資家などの第三者 更地価格の30%〜50%程度 地代収入を目的とした投資対象となるが、土地を自由に使えず更地より評価は下がるため
専門の買取業者 更地価格の10〜20%程度 借地人との交渉や権利関係の整理などのリスクを考慮し、価格が低くなる傾向があるため

借地人:更地価格の約30%〜60%程度が目安

借地人が底地を買い取る場合、底地価格は更地価格の約30%〜60%程度が目安になる傾向にあり、売却先の中でもっとも高い水準となっています。これは、借地人が底地を取得することで、これまで分かれていた「借地権」と「底地」を一体化できるためです。

借地人にとっては、底地を取得することで土地を完全に自分の所有とすることができ、将来的な建て替えや売却、担保設定なども自由に行えるようになります。つまり、底地を取得することで土地の利用価値が大きく高まるため、第三者が購入する場合よりも高い価格で取引されやすいのです。

また、地主側にとっても、借地人との交渉がまとまれば権利関係を整理できるため、比較的スムーズに売却が進むというメリットがあります。このような事情から、底地を借地人へ売却する場合は、更地価格の約30%〜60%程度が一つの目安とされています。

投資家などの第三者:更地価格の約30〜50%程度

投資家などの第三者が底地を購入する場合、底地価格は更地価格の約30〜50%程度が目安になることが多いです。

借地人に売却する場合よりも相場が下がるのは、第三者が底地を取得しても土地を自由に利用できるわけではなく、借地人が土地を使用している状態が続くためです。

底地を購入した第三者が得られる主な利益は、借地人から支払われる地代収入や、将来的に借地契約が終了した際に土地が返還される可能性などになります。投資対象として一定の価値があるものの、更地のように自由に建物を建てたり売却したりできる土地と比べると、利用価値は低く評価されるのが基本です。

また、借地人との関係性や契約内容によっては、地代の増額交渉や契約更新の問題などが発生するおそれもあります。このようなリスクや利用制限を考慮した結果、第三者が購入する場合の底地価格は、更地価格の40〜50%程度に落ち着くケースが実務でも多くみられます。

専門の買取業者:更地価格の約10〜20%程度

専門の買取業者に底地を売却する場合、底地価格は更地価格の約10〜20%程度が目安になるのが基本となります。これは、買取業者が底地を取得した後に、借地人との交渉や権利関係の整理などを行うことを前提としているためです。

底地は、借地人が土地を利用している状態であるため、所有者であっても自由に活用できるわけではありません。さらに、地代が相場より低い場合や借地契約の内容が不明確な場合には、地代の増額交渉や契約条件の整理に時間と労力がかかる可能性があります。

専門の買取業者は、こうしたリスクや将来的な交渉コストを見込んだうえで価格を提示するため、第三者の投資家や借地人への売却と比べると価格が低くなる傾向があります。

共有持分や訳あり不動産の買取を専門とする弊社の実務経験においても、買取業者へ売却する場合の底地価格は、更地価格の10〜20%程度になるケースが多いです。

借地権の種類別の底地価格の目安

底地価格は売却先だけでなく、「借地権の種類」によっても大きく変わります。

借地契約の内容によって、借地人の権利の強さや土地が返還される可能性が異なるためです。以下では、借地権の種類別の底地価格の目安と、その理由について簡易的にまとめました。

借地権の種類 底地価格の目安 理由
旧法借地権 更地価格の5〜15%程度 更新の拒否が極めて難しく、地主の権利が弱いため
普通借地権(借地借家法) 更地価格の10〜25%程度 更新期間はあるが、借地人が更新を希望する可能性が高いため
定期借地権 更地価格の20%〜50%程度 契約終了時に土地が確実に返還されるため

旧法借地権|更地価格の5%〜15%程度

底地に設定されている借地権が「旧法借地権」の場合、底地価格は更地価格の5%〜15%が目安となります。

そもそも旧法借地権とは、1992年に借地借家法が施行される前の「借地法」に基づいて設定された借地権のことを指します。契約期間は建物の種類や契約内容によって異なりますが、基本的には20年~60年、更新後の存続期間は20年~30年となります。

旧法借地権は借地人の権利が非常に強いのが特徴で、契約期間が満了しても借地人が更新を希望すれば、正当な事由がない限り地主側は拒否することができません。あくまでも弊社の経験上ですが、地主側が「土地を使いたい」と希望していても、借地人から底地を返還してもらえず、土地活用ができないケースも少なくありません。

このように、旧法借地権の土地は地主であっても自由に利用することができず、将来的に土地が返還される時期も不透明になりやすい傾向があります。そのため、底地としての利用価値は低く評価されやすく、売却価格も更地と比べて大きく下がるのが基本です。

普通借地権(借地借家法)|更地価格の10%〜25%程度

底地に設定されている借地権が「普通借地権(借地借家法)」の場合、底地価格は更地価格の10%〜25%程度がひとつの目安となります。

普通借地権とは、1992年に施行された借地借家法に基づいて設定される一般的な借地権のことを指します。住宅や建物の所有を目的として土地を借りる際に設定される権利で、借地人が希望する限り、基本的には契約を更新することが可能です。

借地契約の存続期間は30年以上となっており、更新後の存続期間は1回目が20年、2回目以降が10年です。ただし、地主との合意があれば、これより長い期間を設定することができます。

普通借地権では、存続期間があらかじめ定められている一方で、借地人が更新を希望する可能性もあるため、地主が将来いつ土地を自由に利用できるかが不確定になりやすいです。そのため、底地の価値は更地と比べて低く評価されるのが基本となります。

定期借地権|更地価格の20%〜50%程度

底地に設定されている借地権が「定期借地権」の場合、底地価格は更地価格の20%〜50%程度が目安となります。

定期借地権とは、借地借家法に基づいて設定される借地権の一種で、契約期間が満了すると更新されず、土地が確実に地主へ返還される点が特徴です。契約期間は契約内容によって異なりますが、たとえば「一般定期借地権」であれば50年以上となっています。

契約期間は長期間に及ぶものの、普通借地権とは異なり、期間満了時には建物を解体して土地を返還することが原則です。そのため、地主側は、契約期間終了後の土地利用について見通しを立てやすい仕組みになっています。

このように、定期借地権は契約終了時に土地が返還されることが明確であるため、旧法借地権や普通借地権と比べると底地としての価値は比較的高く評価される傾向があります。

底地価格を決める他の要素

底地価格は、売却先と借地権の種類に左右される部分が大きいものの、それだけですべて決まるわけではありません。

実際の取引においては、地代の金額や借地契約の内容、契約の残存期間など、さまざまな要素を総合的に考慮して価格が判断されます。

ただし、明確な価格の目安は存在しないため、弊社の実務経験に基づいてそれぞれどのように評価へ影響するのかを専門家目線で解説します。

  • 地代の金額
  • 更新料・承諾料といった借地契約の内容
  • 借地契約の残存期間
  • 借地人との関係性・トラブルの有無
  • 土地の立地
  • 借地契約書の有無

地代の金額

底地は、借地人から支払われる地代によって収益を得る資産であるため、地代の金額は底地価格を左右する重要な要素の一つです。地代が高いほど収益性も高くなるため、それに伴って底地価格も上がる傾向にあります。

なお、実務では底地を収益資産として捉え、収益還元法によって価格を評価するケースがあります。収益還元法とは、将来得られる地代収入などに基づいて、一定の利回りで底地価格を算出する方法です。

実務では専門家による計算が行われますが、簡易的な計算方法は「底地価格=年間地代 ÷ 想定利回り」です。たとえば、同じ条件の底地であっても、地代の金額が違うことで以下のように底地価格に差が生まれます。

年間地代 想定利回り 底地価格
30万円 5% 600万円
60万円 5% 1,200万円

このように、地代の金額は底地の収益力を示す指標となるため、同じ条件の土地でも地代の水準によって底地価格が大きく変わります。

弊社の実務経験においても、地代が相場より高い底地は評価が上がりやすく、反対に地代が低い場合は底地価格が下がる傾向があります。

更新料・承諾料といった借地契約の内容

更新料や承諾料などの借地契約の内容も、底地価格に影響することがあります。

底地は地代収入だけでなく、契約に基づいて将来的に発生する各種承諾料なども収益源となるため、契約内容によって評価が変わることがあるためです。

具体的には、以下のようなものが契約に含まれているかが底地価格を左右するポイントとなります。

  • 更新料
  • 名義変更承諾料
  • 建替承諾料
  • 増改築承諾料

実際の不動産買取においても、借地契約に更新料や承諾料の取り決めがある場合は、将来的に収益が見込めることから底地の評価が高くなるケースがあります。また、契約書で明確にこれらの取り決めが定められていれば、底地価格の引き上げにつながる可能性があります。

借地契約の残存期間

借地契約の残存期間も、底地価格を判断するうえで重要な要素の一つです。

とくに、定期借地権の場合は契約期間の満了によって土地が返還されるため、残存期間がどれくらい残っているかによって底地の評価が大きく変わることがあります。

基本的には、残存期間が長いほど地主が土地を自由に利用できるまでの時間が長くなるため、底地の価値は低く評価される傾向にあります。反対に、残存期間が短い場合は「更地として返還される時期が近い」と判断されるため、底地価格が高くなる可能性があります。

実務においては、残存期間が40年程度残っている底地は価格が低く評価されるケースが多く、20年程度であれば評価への影響は中程度となります。一方、残存期間が10年程度まで短くなると将来的に土地が返還される見込みが立ちやすいため、底地価格が高く評価される傾向にあります。

借地人との関係性・トラブルの有無

借地人との関係性やトラブルの有無も、底地価格に影響を与えます。底地は借地人との契約関係を前提とした不動産であり、借地人との関係が良好かどうかによって、将来的な収益や管理のしやすさが変わるためです。

不動産実務でも、借地人との間にトラブルがある場合はリスクが高いと判断され、底地価格が下がる傾向があります。

弊社で過去に取り扱ったケースとしては、地代の滞納が発生している、土地の境界が不明瞭、契約更新に関する争いが発生しているなどの事例がありました。

このような状況の底地は、購入後にトラブル対応が必要になるリスクを見込んで評価されるため、価格が低くなることが少なくありません。実務でも、借地人との関係が良好で契約が安定している底地のほうが、買主が見つかりやすく価格も上がりやすい傾向があります。

土地の立地

底地は借地人が土地を利用している状態ではありますが、将来的に土地が返還される可能性もあるため、立地によって将来の利用価値が大きく変わります。

不動産実務においては、都市部や駅近、再開発が予定されているエリアなどは、将来的な資産価値の上昇や土地活用の可能性が期待できるため、底地としての評価が高くなります。こうした立地の底地は、将来的に更地になった際の利用価値が高いと判断されやすいからです。

そのため、同じ条件の借地契約であっても、土地の立地によって底地価格が大きく変わることがあります。実際、不動産買取を専門とする弊社でも、立地は重要な判断基準の一つとしています。

借地契約書の有無

借地契約書は、地代の金額や契約期間、更新の条件、承諾料の取り決めなどを確認するための重要書類です。借地契約書がなくても借地契約は成立しますが、底地売却の際には契約書の有無が価格を左右する要素となります。

実務でも、借地契約書が存在しない場合は契約条件が不明確になることが多く、底地の評価が下がる傾向があります。たとえば、地代や契約期間、更新料や承諾料の有無といった重要な情報が確認できないと、将来的な収益や権利関係の見通しを立てにくくなります。

このような状況では、購入後に契約条件をめぐるトラブルが発生するおそれがあるため、買主側はリスクを考慮して価格を低く評価することがあります。そのため、不動産実務においては、実際の底地売買では借地契約書がきちんと残っているほうが評価が高くなる傾向があります。

底地価格の計算方法

底地価格は、地代の金額や契約内容、借地人との関係などさまざまな要素によって決まるため、実際の売却価格を正確に算出するには専門的知識が必要になります。

ただし、参考評価額の目安であれば、以下の手順で簡易的に試算することが可能です。ただし、算出できるのはあくまでも参考となる目安です。実際の底地価格は個別事情によって変動するため、簡易的な試算として確認してみてください。

  1. 更地価格を調べる
  2. 借地権割合を確認する
  3. 底地割合を算出する
  4. 底地価格を計算する

①更地価格を調べる

底地価格を計算する際には、まず対象となる土地の更地価格を把握する必要があります。

更地価格とは、借地権などの権利が付いていない状態で土地を評価した場合の価格を指します。底地価格は、更地価格に基づいて計算するのが基本となります。

更地価格の参考値を調べる方法はいくつかありますが、実務では相続税評価額の算定にも用いられる「路線価」を参考資料のひとつとすることがあります。

路線価とは、国税庁が毎年公表している土地の評価額のことで、道路ごとに1平方メートルあたりの価格が定められています。土地が面している道路の路線価に土地面積を掛けることで、おおよその土地価格を把握することができます。

なお、更地価格を調べる方法としては、路線価以外にもいくつかの方法があります。

たとえば、国土交通省が公表している公示地価や、都道府県が発表している地価調査、固定資産税評価額、過去の取引事例などを参考にすることがあります。地域によっては路線価が設定されていない場合もあるため、そのときはこれらの方法で更地価格を調べましょう。

②借地権割合を確認する

更地価格が調べられたら、次は借地権割合を確認します。

借地権割合とは、更地価格に対して借地権がどの程度の価値を占めているかを示す割合のことです。土地に借地権が設定されている場合、土地の価値は「借地権」と「底地」に分かれて評価されるため、借地権割合は底地価格を計算する際の重要な数値となります。

借地権割合を調べる方法としては、国税庁が公表している「路線価図・評価倍率表」を参考にするのが基本となります。路線価図では、道路ごとに表示されているアルファベットが借地権割合を示しており、地域ごとにおおよその割合を確認することができます。

借地権割合は地域の土地需要などを反映して設定されており、一般的に都市部や繁華街など土地の利用価値が高いエリアほど割合が高く、郊外や地方などでは割合が低くなる傾向があります。

なお、一般的な住宅地の場合、借地権割合は60%〜70%程度に設定されているケースが多くみられます。

③底地割合を算出する

底地割合とは、更地価格のうち底地として評価される割合のことです。前述のとおり、土地に借地権が設定されている場合、更地価格のすべてが地主の価値になるわけではなく、「借地権」と「底地」に分けて評価されます。

基本的には、更地価格から借地権割合を差し引いた残りが底地割合になります。具体的には「底地割合=100%−借地権割合」で計算します。

たとえば、借地権割合が70%の地域であれば、残りの30%が底地割合になります。

④底地価格を計算する

底地割合がわかれば、更地価格にその割合を掛けることで底地価格の目安を計算することができます。計算方法は以下のとおりです。

底地価格(参考値)=更地価格×底地割合

たとえば、更地価格が2,000万円で、借地権割合が70%の地域であれば、底地割合は30%となります。この場合「2,000万円 × 30% = 600万円」となり、底地価格の目安は約600万円と計算できます。

このように、更地価格と借地権割合がわかれば、底地の参考評価額の目安を簡易的に試算できます。ただし、実際の売却価格は地代の金額、契約内容、残存期間、借地人との関係性、売却先などによって大きく変動するため、あくまで目安として考えておきましょう。

底地価格の計算シミュレーション

底地価格は、借地権の種類や契約内容、売却先などによって大きく変動します。そのため、実際の取引価格は個別の事情によって異なり、一律の金額で評価できるものではありません。

ここではあくまで参考として、更地価格を3,000万円と仮定した場合の底地価格の目安をシミュレーション形式で紹介します。なお、以下の割合は底地割合をあらかじめ反映したものとなります。

  • 一般的な普通借地権の底地(更地価格の10〜25%程度)の場合
  • 旧法借地権の底地(更地価格の5〜15%程度)の場合
  • 定期借地権の底地(更地価格の20〜50%程度)の場合
  • 借地人に売却する場合(更地価格の30〜60%程度)の場合
  • 地代が相場より低い底地(更地価格の5〜10%程度)の場合

一般的な普通借地権の底地(更地価格の10〜25%程度)の場合

一般的な普通借地権の底地価格は、更地価格の10〜25%程度が目安となります。普通借地権は契約期間が満了しても借地人が希望すれば更新できることから、底地の評価は低めに見積もられる傾向にあります。

更地価格を3,000万円と仮定した場合の底地価格のシミュレーションは以下のとおりです。

【底地割合が10%の場合】
3,000万円 × 10% = 300万円
【底地割合が25%の場合】
3,000万円 × 25% = 750万円

更地価格が3,000万円の土地であれば、普通借地権の底地価格は約300万円〜750万円程度が目安になります。

なお、実務では普通借地権の底地は投資用資産として扱われることが多く、地代収入や契約内容、借地人との関係性なども踏まえて価格が判断されます。同じ普通借地権でも割合が変動することがあるため、上記はあくまでもシミュレーションとして参考にしてください。

旧法借地権の底地(更地価格の5〜15%程度)の場合

旧法借地権の底地価格は、更地価格の5〜15%程度が目安となります。

旧法借地権は借地人の権利が普通借地権よりも強く、更新を拒否することが難しい契約形態です。そのため、地主が土地を自由に利用できる可能性が低いと判断されやすく、借地契約のなかでも最も評価が低くなります。

更地価格を3,000万円と仮定した場合の底地価格のシミュレーションは以下のとおりです。

【底地割合が5%の場合】
3,000万円 × 5% = 150万円
【底地割合が15%の場合】
3,000万円 × 15% = 450万円

更地価格が3,000万円の土地であれば、旧法借地権の底地価格は約150万円〜450万円程度が目安になります。

不動産実務において、旧法借地権は契約期間が実質的に長期化しやすく、地主が土地を自由に利用できる時期が見通しにくいことから、底地の評価は低くなりがちです。

地代の金額や契約内容などによって価格は変動するため、上記はあくまでシミュレーションとして参考にしてください。

定期借地権の底地(更地価格の20〜50%程度)の場合

定期借地権の底地価格は、更地価格の20〜50%程度が目安となっており、他の借地権の種類よりも高い水準となっています。定期借地権は契約更新がない契約であり、終了時には土地が確実に地主へ返還される仕組みになっているためです。

更地価格を3,000万円と仮定した場合の底地価格のシミュレーションは以下のとおりです。

【底地割合が20%の場合】
3,000万円 × 20% = 600万円
【底地割合が50%の場合】
3,000万円 × 50% = 1,500万円

更地価格が3,000万円の土地であれば、定期借地権の底地価格は約600万円〜1,500万円程度が目安になります。

なお、定期借地権の底地は契約満了の時期が明確であるため、不動産買取の実務においては、借地契約の残存期間が重要な指標のひとつとなります。契約終了までの期間が短いほど土地が返還される時期が近いと判断されやすく、底地価格が高く評価されやすくなります。

借地人に売却する場合(更地価格の30〜60%程度)の場合

底地を借地人に売却する場合、一般的に更地価格の30〜60%程度が目安となります。

借地人が底地を取得すれば土地と借地権が一体化し、土地を完全に利用できる状態になります。このことから、第三者に売却する場合よりも高い価格で取引できる可能性があります。

更地価格を3,000万円と仮定した場合の底地価格のシミュレーションは以下のとおりです。

【底地割合が30%の場合】
3,000万円 × 30% = 900万円
【底地割合が60%の場合】
3,000万円 × 60% = 1,800万円

更地価格が3,000万円の土地であれば、借地人に売却する場合の底地価格は約900万円〜1,800万円程度が目安になります。

借地人が底地を取得すると、土地を自由に利用できる完全所有の状態になります。借地人にとっては土地の利用価値が大きく向上することから、上記の目安より高い価格で合意に至るケースもあります。

ただし、借地人の資金状況や交渉条件などによって価格は変動するため、上記はあくまでシミュレーションとして参考にしてください。

地代が相場より低い底地(更地価格の5〜10%程度)の場合

地代が相場より低い底地の場合、底地価格は更地価格の5〜10%程度まで下がるケースがあります。底地は基本的に地代収入を前提とした収益資産として評価されるため、地代が低いと将来的な収益性が低いと判断されやすく、価格も下がる傾向があります。

更地価格を3,000万円と仮定した場合の底地価格のシミュレーションは以下のとおりです。

【底地割合が5%の場合】
3,000万円 × 5% = 150万円
【底地割合が10%の場合】
3,000万円 × 10% = 300万円

更地価格が3,000万円の土地であれば、地代が低い底地価格は約150万円〜300万円程度が目安になります。

なお、不動産買取の実務において、地代の増額が難しい契約内容になっている場合は底地価格がさらに低く評価されるケースもあるため、あらかじめ契約書などを確認しておきましょう。

底地価格をできるだけ高くするためのポイント

底地は借地権が設定されている土地であるため、通常の土地売却と比べて価格が低くなるのが基本です。しかし、売却方法や事前の準備によっては、底地価格を高くできる可能性もあります。

ここでは、底地を売却する際に価格をできるだけ高くするためのポイントを解説します。

  • 借地人に売却できないか検討する
  • 借地権と底地を同時売却できないか検討する
  • 地代や契約内容を整理してから売却する
  • 底地を専門に扱う不動産会社に相談する
  • 複数の不動産会社に査定を依頼する

借地人に売却できないか検討する

底地をできるだけ高く売却したい場合、まず検討したいのが借地人への売却です。

底地は第三者にとって利用制限が多い不動産ですが、借地人が購入する場合は借地権と底地が一体化し、土地を完全に利用できる状態になります。そのため、第三者に売却するよりも高値になる可能性があります。

借地人が底地を取得すると、地代の支払いが不要になるほか、建て替えや増改築、第三者への売却なども地主の承諾なしで行えるようになります。権利関係が整理されることで土地の利用価値が大きく高まるため、借地人にとってはメリットのある取引といえます。

不動産実務においても、底地の売却を検討している方には、借地人への交渉を推奨することがあります。地主と借地人の双方にとって合理的な解決方法ともいえるため、底地売却を検討する際にはまず借地人への売却が可能かを確認してみるとよいでしょう。

だし、借地人に購入する意思や資金がない場合は実現が難しく、売却価格や条件について交渉が必要になるため、借地人との関係性も重要なポイントになります。

借地権と底地を同時売却できないか検討する

借地人も借地権の売却を検討している場合には、借地権と底地を同時に売却する方法を検討しましょう。借地権と底地をまとめて売却できれば、土地は完全所有権の状態となるため、通常の更地と同じように市場取引が可能です。

底地や借地権をそれぞれ単独で売却する場合は、土地の利用制限や権利関係の複雑さがあるため、需要が低くなるのが基本です。しかし、両方をまとめて売却すれば、底地や借地権特有の問題が解消されるため、購入希望者が見つかりやすくなります。

ただし、借地権と底地の同時売却は、当然ながら借地人同意がなければ実現できません。また、売却代金の配分をめぐって地主と借地人の間で調整が必要になるため、事前に十分な話し合いを行い、双方が納得できる条件を整えておくことが大切です。

地代や契約内容を整理してから売却する

底地を売却する前に、地代や借地契約の内容を整理しておくことも重要なポイントです。

長年継続している借地契約では、当時の地価を前提に地代が設定されているケースも多く、現在の地価と比べて地代が低くなっていることが少なくありません。底地は、基本的に地代収入を前提とした収益資産として評価されるものです。地代が低い場合は収益性が低いと判断されやすく、底地価格も下がる傾向があります。

そのため、底地の売却を検討している場合、借地人との協議によって地代や更新料などの条件を見直せることがあります。条件変更が実現すれば、底地の収益性が改善し、評価にプラスに働く可能性があります。

また、借地契約書が存在しない場合や契約内容が曖昧な場合は、契約条件を整理して書面化しておくことも大切です。契約内容が明確になっている底地の方が買主にとってリスクを判断しやすくなるため、結果的に売却が進みやすくなります。

なお、地代の見直しや契約条件の整理には専門的な知識が必要になることもあるため、専門家としては不動産会社などに相談しながら進めることを推奨します。

底地を専門に扱う不動産会社に相談する

底地を売却する際は、底地を専門に扱う不動産会社に相談するのも大事なポイントです。

底地は権利関係が複雑で、通常の土地とは性質が異なるため、一般的な不動産会社では取り扱いに慣れていないケースも多いものです。一方、底地の取引を専門に行っている不動産会社であれば、底地特有の事情を理解したうえで対応してもらうことができます。

底地を専門に扱う不動産会社であれば、借地契約の内容や地代、借地人との関係性など、底地特有の評価ポイントを踏まえて査定や売却方法を検討しやすいというメリットがあります。

また、底地の取引に慣れているため、トラブルが発生している状態でも対応してもらえる可能性があります。さらに、契約条件によっては契約不適合責任を免責して売却することが可能です。

そのため、底地を売却する際には、一般的な不動産会社ではなく、底地を専門に扱う不動産会社に相談してみてください。

複数の不動産会社に査定を依頼する

底地価格の評価は、不動産会社によって判断基準が異なることがあります。底地は借地契約の内容や地代、借地人との関係性などさまざまな要素によって評価が変わるため、同じ物件であっても査定額に差が出るケースも少なくありません。

そのため、底地をできるだけ高く売却したい場合は、1社だけに依頼するのではなく、複数の不動産会社に査定を依頼して比較検討することが大切です。

複数の査定結果を確認することで、おおよその相場感を把握しやすくなり、より条件の良い売却先を選びやすくなります。

まとめ

底地価格の目安は、売却先や借地権の種類によって大きく変わります。

売却先については、借地人なら更地価格の約30%〜60%、投資家などの第三者なら更地価格の約30〜50%、専門の買取業者なら更地価格の約10〜20%が目安となります。

借地権契約は、旧法借地権なら更地価格の約5%〜15%、普通借地権なら更地価格の約10%〜25%、定期借地権なら更地価格の約20%〜50%が目安です。

ただし、実務においては地代の金額や更新料・承諾料の有無、借地契約の残存期間、借地人との関係性やトラブルの有無、立地、借地契約書の有無など複数の要素を踏まえて底地価格が算出されます。

底地をできるだけ高く売却したい場合は、まず借地人への売却が可能かどうかを検討してみましょう。借地人が底地を取得すると土地を完全に利用できるようになるため、通常よりも高値で売却できる可能性があるためです。

また、底地の売却方法や価格の判断に迷った場合は、底地の取引を専門に扱う不動産会社への相談がおすすめです。底地の専門知識や取引実績を持つ会社に相談することで、状況に合った売却方法を検討しやすくなります。

よくある質問

底地価格が将来的に上がる可能性はありますか?

周辺エリアの再開発や人口増加などによって地価が上昇した場合、底地の評価額も上がる可能性があります。たとえば、都市部や再開発が予定されている地域において、将来的に土地の価値が高まるということは実際にあることです。
ただし、底地を所有している間は固定資産税などの維持コストが発生し続けるほか、相続によって借地人が変わり、契約関係が複雑になるなどのリスクがあります。こうしたリスクも踏まえたうえで、底地を保有し続けるか売却するかを検討しましょう。

共有名義の場合だと底地価格に影響はありますか?

底地が共有名義になっている場合でも、共有者全員が売却に同意していれば、通常の底地と同様に売却することが可能です。そのため、共有者同士で売却条件について合意できている場合は、底地価格に大きな影響が出るケースは多くありません。
一方で、共有者全員の同意が得られず、自分の共有持分のみを売却する場合は注意が必要です。共有持分だけの不動産は利用や管理に制限が多く、買主が限定されやすいため、価格が下がる傾向があります。そのため、共有名義の底地を売却する際は、可能な限り共有者全員で売却する形を検討ましょう。

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