共有名義不動産売却にかかる税金はいくら?計算方法や確定申告の書き方まで徹底解説

共有名義不動産を売却する場合も、かかる税金の種類や税率は単独名義と変わりません。共有名義だからといって特別な税金が追加で発生するわけではありませんが、下記の点は共有名義と単独名義で異なります。

  • 税額の計算方法
    売却によって生じた利益を「共有者の持分割合」に応じて分けて計算します。(例:持分60%なら、売却価格の60%を基準として税額を計算)
  • 確定申告と納付
    各共有者が自分の持分に対する税金を個別に計算し、それぞれが独立して確定申告・納付を行う必要があります。
  • 特例の適用
    「居住用財産の3,000万円控除」などの特例を利用する場合、税額が0円になるケースであっても各自で確定申告を行わなければ適用されません。

そして、共有名義不動産の売却でかかる税金は、「譲渡所得税・住民税」「登録免許税」「印紙税」です。さらに、固定資産税については売却時に買主との間で負担額の精算として発生するケースがあります。

これらの税金が発生する場面と負担方法をまとめましたので参考にしてみてください。

税金 発生する場面 負担方法
譲渡所得税(所得税・住民税) 不動産の売却によって利益が出た場合 共有者ごとに譲渡所得と税額を計算し、それぞれ申告・納付する
印紙税 紙の不動産売買契約書を作成する場合 持分割合で分けるなど、共有者間で負担方法を決める
登録免許税 抵当権抹消登記など、売主側で登記費用を負担する場合 持分割合で分けるなど、共有者間で負担方法を決める
固定資産税・都市計画税 毎年1月1日時点で不動産を所有している場合 共有者間で決めた割合に応じて負担し、買主と日割り精算する場合は、買主から受け取る精算金も共有者間で分ける

なお、マイホームの3,000万円特別控除など、不動産売却時の譲渡所得税を軽減できる特例は共有者ごとに適用可否が判断されるため、同じ不動産を売却しても税額が異なる場合があります。

本記事では、共有名義不動産の売却にかかる税金と負担方法、税額の計算方法、利用できる特例、手取り額のシミュレーション、確定申告の流れ・書き方まで解説します。

なお、弊社クランピーリアルエステートは、税理士などの士業と連携して共有名義不動産・共有持分を買取している会社です。売主様の希望があれば提携税理士を紹介することも可能ですので、「共有名義不動産の売却にかかる税金を知りたい」という場合でもお気軽にご相談ください。

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目次

共有名義不動産の売却でかかる税金は単独名義と何が違う?

共有名義でも単独名義でも、売却時に発生する税金の種類や税率は変わりません。単独名義との違いが生じるのは、主に税金の負担方法と特例の扱いです。

共有名義不動産を売却する際の税金のポイントは、以下のとおりです。

  • 売却時にかかる税金の種類や基本的な税率は変わらない
  • 共有名義では税目によって負担方法が異なる
  • 特例の適用可否や控除額は共有者ごとに決まる

売却時にかかる税金の種類や税率は変わらない

弊社にも「共有名義不動産の売却では何か特別な税金がかかるのか」「単独名義よりも税率が高く・低くなるのか」といったご相談をいただくことがあります。

結論からいうと、共有名義不動産を売却する場合も、基本的には単独名義の不動産を売却するときと同じ税金が、同じルールや税率に基づいて課されます。

詳しくは後述しますが、共有名義不動産の売却でかかる主な税金は、「印紙税」「登録免許税」「譲渡所得にかかる所得税・住民税」です。共有名義であることを理由に特別な税金が追加されたり、通常より高い税率が適用されたりするわけではありません。

たとえば、不動産の売却によって利益が出れば所得税・住民税がかかり、紙の売買契約書を作成すれば印紙税がかかります。このように、税金が発生する条件や基本的な税率の決まり方は、単独名義でも共有名義でも同じです。

同じ条件の不動産を売却する場合を比較すると、次のようなイメージです。

単独名義 共有名義
売却によって利益が出た場合 所得税・住民税がかかる 所得税・住民税がかかる
適用される基本的な税率 所有期間などに応じて決まる 所有期間などに応じて決まる
紙の売買契約書を作成した場合 印紙税がかかる 印紙税がかかる

一方で、共有名義では、税金の種類や税率ではなく「誰がどの税金をどのように負担するのか」という点に単独名義との違いがあります。

共有名義では税目によって負担方法が異なる

単独名義では売主1人が税金を負担しますが、共有名義では複数の共有者が負担します。負担方法は税目によって、次のように異なります。

  • 譲渡所得税(所得税・住民税):共有者ごとに計算した税額をそれぞれ負担する
  • その他の税金(印紙税・売主側の登録免許税など):共有者間で決めた割合で負担する

譲渡所得税は、各共有者が自分の持分に対応する売却代金や取得費、譲渡費用などをもとに譲渡所得を計算し、それぞれ税額を負担します。所得税は各共有者が確定申告をして納付し、住民税はその申告内容をもとに自治体が計算した税額を各自納付します。

その他の税金については、譲渡所得税のように各共有者で税額が決まるわけではありません。印紙税は売買契約書に記載された金額、登録免許税は登記の種類などに応じて税額が決まり、実際に誰がいくら負担するかは共有者間で決められます。

特例の適用可否や控除額は共有者ごとに決まる

共有名義不動産に適用できる特例や控除額は、共有者全員で分けるものではありません。特例を利用できるかどうかは共有者ごとに判断され、要件を満たした人はそれぞれ所定の控除を受けられます。

たとえば、マイホームを売却したときの3,000万円特別控除は、共有者全員で合計3,000万円ではありません。要件を満たす共有者は、それぞれ最高3,000万円まで控除を受けられます。

ただし、居住状況や家屋・土地の所有関係などによっては、一部の共有者しか特例を利用できない場合もあります。共有者全員が同じ特例を利用できるとは限らないため、適用要件は一人ずつ確認しましょう。

共有名義不動産の売却で発生する税金一覧

共有名義不動産を売却するときに確認しておきたい主な税金は、以下のとおりです。

税金 発生する場面 税率・税額
譲渡所得税(所得税・住民税) 不動産の売却によって利益が出たとき 長期譲渡所得(所有期間5年超):譲渡所得 × 20.315%
短期譲渡所得(所有期間5年以下):譲渡所得 × 39.63%
印紙税 紙の不動産売買契約書を作成したとき 契約書に記載された売買金額に応じて200円~48万円
※軽減税率を適用した場合
登録免許税 抵当権の抹消や所有権の移転を登記するとき 【抵当権抹消登記】
不動産1個につき1,000円
【所有権移転登記】
固定資産税評価額 × 税率
・土地:1.5%
・住宅用家屋:0.3%
※軽減税率を適用した場合
※買主負担が一般的だが、契約内容によって売主が負担する場合もある
固定資産税・都市計画税 売却時に固定資産税・都市計画税を買主と精算するとき 固定資産税:課税標準額 × 1.4%(標準税率)
都市計画税:課税標準額 × 0.3%(上限)

上記の税金がすべての売却で必ずかかるわけではなく、売却益の有無や契約書の作成方法、住宅ローンの状況などによって異なります。

ポイント

【個人が自宅を売却しても、売却代金に消費税はかからない】

個人が自宅を売却する場合、売却代金に消費税はかかりません。土地の売却は非課税取引であり、建物も事業として行う売却でなければ消費税の課税対象外となるためです。この扱いは、共有名義不動産を売却する場合も変わりません。

ただし、不動産売却に伴って支払う仲介手数料や司法書士報酬、測量費、解体費、リフォーム費用などには、消費税がかかります。

譲渡所得税(所得税・住民税)

譲渡所得税とは、所得税・復興特別所得税・住民税の総称です。売却代金の全額ではなく、購入費用や売却にかかった費用などを差し引いた利益に対して課税されます。

共有名義不動産でも課税の仕組みは単独名義と同じですが、譲渡所得と税額は共有者ごとに計算します。そのため、持分割合や持分の取得時期などによって、共有者ごとに税額が異なる場合があります。

譲渡所得にかかる税率は、不動産の所有期間によって以下のように異なります。

所得の区分 所有期間 税率
長期譲渡所得 5年超 所得税・復興特別所得税:15.315%
住民税:5%
合計:20.315%
短期譲渡所得 5年以下 所得税・復興特別所得税:30.63%
住民税:9%
合計:39.63%

参考:国税庁「長期譲渡所得の税額の計算」「短期譲渡所得の税額の計算」

所有期間は、実際の売却日時点ではなく、不動産を売却した年の1月1日時点で5年を超えているかによって判断します。相続や贈与によって取得した場合は、原則として、被相続人や贈与者が不動産を取得した日を引き継ぎます。

ポイント

【共有者ごとに譲渡所得税の税率が異なる場合がある】

共有者ごとに持分の取得時期が異なる場合、同じ不動産を売却しても、適用される税率が異なることがあります。たとえば、親子が持分2分の1ずつを所有し、それぞれの課税譲渡所得が500万円だった場合を考えてみましょう。

【親:10年前に持分を取得(長期譲渡所得)】
500万円 × 20.315% = 101万5,750円

【子:3年前に親から持分を購入(短期譲渡所得)】
500万円 × 39.63% = 198万1,500円

※3,000万円特別控除などの特例を適用しない場合

この場合、持分割合と課税譲渡所得は同じでも、所有期間の違いによって税額に96万5,750円の差が生じます。

共有名義不動産売却における譲渡所得税の計算方法

共有名義不動産を売却した際の譲渡所得税は、次の3ステップで計算します。

  1. 各共有者の譲渡所得を求める
    各共有者の譲渡所得 = 各共有者が受け取る売却代金 - (各共有者の取得費 + 各共有者の譲渡費用)
  2. 特例による控除を受けられる場合は、譲渡所得から特別控除額を差し引く
    各共有者の課税譲渡所得=各共有者の譲渡所得 - 特別控除額
  3. 税率をかけて、税額を算出する
    各共有者の譲渡所得税=各共有者の課税譲渡所得 × 税率

計算式に用いる項目の概要は、以下のとおりです。

  • 売却代金:不動産全体の売却代金のうち、各共有者が受け取る金額
  • 取得費:不動産の購入代金や購入時の仲介手数料、登記費用など
  • 譲渡費用:売却時の仲介手数料や印紙税、測量費、解体費など
  • 特別控除額:3,000万円特別控除など、要件を満たした場合に控除できる金額

売却代金は、原則として持分割合に応じて各共有者に分けます。

取得費や譲渡費用は、持分割合どおりに負担した場合は持分割合に応じて分け、取得経緯や負担割合が異なる場合は、各共有者の取得費や実際に負担した金額をもとに計算します。

ポイント

【取得費がわからない場合や譲渡費用の計上漏れに注意】

取得費がわからない場合は、各共有者の持分に対応する売却代金の5%を「概算取得費」として譲渡所得を計算できます。

ただし、概算取得費が実際の取得費よりも低いと、差し引ける金額が少なくなるため、譲渡所得が大きくなり、税額が高くなる可能性があります。

たとえば、持分に対応する売却代金が2,000万円、実際の取得費が1,000万円だった場合、概算取得費は100万円です。概算取得費を使うと、実際の取得費で計算した場合よりも譲渡所得が900万円大きくなります。

また、譲渡費用を計上し忘れると、その分だけ譲渡所得が大きくなります。

購入時の売買契約書や住宅ローンの資料、売却時の契約書・領収書などを確認し、取得費や譲渡費用を漏れなく計上しましょう。

共有者ごとの負担方法

共有名義不動産を売却した場合、各共有者が自分の譲渡所得税を計算し、それぞれ確定申告と納付を行います。代表者が共有者全員分をまとめて申告・納付することはできません。

所得税と復興特別所得税は、各共有者が確定申告をして納付します。住民税は確定申告の内容をもとに自治体が各共有者の税額を計算し、給与からの天引きまたは納付書などによって納付します。

印紙税

印紙税とは、不動産売買契約書などの課税文書を紙で作成したときにかかる税金です。

共有名義不動産を売却する場合も、印紙税の仕組みは単独名義と変わりません。印紙税は「契約書1通ごと」に課税されるため、共有者が複数いる場合でも税額が人数分増えるわけではありません。

たとえば、売主用と買主用に売買契約書を2通作成した場合は、それぞれの契約書が課税対象となります。一方、電子契約のみで締結し、紙の契約書を作成しない場合は印紙税がかかりません。

共有持分の売買契約書については、次の記事を参考にしてみてください。

共有名義不動産売却における印紙税の計算方法

印紙税額は、不動産全体の売買契約書に記載された売買金額をもとに決まり、取引金額が高くなるほど税額も高くなります。

不動産の譲渡に関する契約書には、2027年3月31日まで以下の軽減税率が適用されます。

売買契約書に記載された金額 軽減税率 本則税率
10万円超50万円以下 200円 400円
50万円超100万円以下 500円 1,000円
100万円超500万円以下 1,000円 2,000円
500万円超1,000万円以下 5,000円 1万円
1,000万円超5,000万円以下 1万円 2万円
5,000万円超1億円以下 3万円 6万円
1億円超5億円以下 6万円 10万円
5億円超10億円以下 16万円 20万円
10億円超50億円以下 32万円 40万円
50億円超 48万円 60万円

たとえば、売買金額3,000万円の契約書を作成した場合、軽減税率適用後の印紙税額は1通につき1万円です。

参考:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」

共有者ごとの負担方法

共有名義不動産の売買契約書を共有者全員で作成した場合、各共有者は印紙税を連帯して納める義務を負います。

納付は、契約書に所定額の収入印紙を貼り、消印して行います。ただし、共有者間で実際に誰がいくら負担するかまで法律で決められているわけではありません。売主側の印紙税は、共有者の一人がまとめて負担する方法や、持分割合に応じて分担する方法など、話し合いによって決められます。

売却後の精算でトラブルにならないよう、印紙税を含む諸費用の負担割合は、売却前に共有者間で決めておきましょう。

登録免許税

登録免許税とは、不動産の権利に関する登記を申請するときに納める税金です。不動産売却では、主に次の登記で発生します。

登記の種類 概要 負担者
所有権移転登記 売主から買主へ不動産の所有権を移す登記 買主負担が一般的
抵当権抹消登記 住宅ローンなどの完済に伴い、不動産に設定された抵当権を消す登記 売主負担が一般的

なお、所有権移転登記は買主、抵当権抹消登記は売主が負担するのが一般的ですが、実際の負担者は売買契約によって異なる場合があります。

共有名義不動産でも登録免許税の仕組みは単独名義と変わらず、共有者の人数ではなく、不動産の価額や登記する不動産の数などをもとに税額が決まります。

共有名義不動産売却における登録免許税の計算方法

所有権移転登記と抵当権抹消登記では、登録免許税の計算方法が異なります。

登記の種類 計算方法・税額
土地の所有権移転登記 固定資産税評価額 × 1.5%

※2029年3月31日までの軽減税率
※本則税率は2%
住宅用家屋の所有権移転登記 固定資産税評価額 × 0.3%

※2027年3月31日までの軽減税率
※本則税率は2%
抵当権抹消登記 不動産1個につき1,000円

参考:財務省「登録免許税に関する資料」国税庁「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」

所有権移転登記の税額は、売買価格ではなく、固定資産課税台帳に登録された固定資産税評価額をもとに計算します。固定資産税評価額は、固定資産税の納税通知書や評価証明書などで確認できます。

抵当権抹消登記は、土地や建物の数に応じて税額を計算します。たとえば、土地1筆と建物1棟の抵当権を抹消する場合は、合計2,000円です。

見た目は1つの土地でも、登記上は複数の筆に分かれていることがあるため、登記事項証明書で土地と建物の数を確認しておきましょう。

共有者ごとの負担方法

共有名義不動産の売却に伴う登記では、共有者全員が登録免許税を連帯して納める義務を負います。

登録免許税は登記申請時に収入印紙などで納付しますが、共有者間で実際に誰がいくら負担するかは、話し合いによって決められます。共有者の一人が一旦支払い、後から精算することも可能です。

司法書士へ登記を依頼する場合は、登録免許税と司法書士報酬を含めた総額を確認し、各共有者の負担額を事前に決めておきましょう。

固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税は、不動産を所有している人に毎年課される税金です。固定資産税は土地・建物にかかり、都市計画税は原則として市街化区域内にある土地・建物にかかります。

納税義務を負うのは毎年1月1日時点の所有者です。年の途中で不動産を売却しても、その年度の納税義務者は変わりません。

固定資産税・都市計画税は売却によって新たに発生する税金ではありませんが、売却時には買主との間で負担額を精算することがあります。

共有名義不動産売却における固定資産税・都市計画税の計算方法

固定資産税・都市計画税は、それぞれ次の計算式で求めます。

税金 計算方法
固定資産税 課税標準額 × 1.4%(標準税率)
都市計画税 課税標準額 × 0.3%(上限)

参考:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

課税標準額は、固定資産税評価額をもとに、住宅用地の特例などを反映して算出されます。実際の税率や課税標準額は自治体や不動産の状況によって異なるため、納税通知書で確認しましょう。

売却時に精算を行う場合は、引渡日以降の期間に相当する金額を日割り計算し、買主が売主へ支払うのが一般的です。

買主が負担する精算額 = 固定資産税・都市計画税の年税額 × 引渡日以降の日数 ÷ その年の日数

ただし、固定資産税・都市計画税の日割り精算は法律上の義務ではなく、起算日や負担期間を含め、売買契約で定めるものです。

共有者ごとの負担・精算方法

売買契約で固定資産税・都市計画税の日割り精算を行う場合も、自治体への納付は1月1日時点の所有者である売主側が行います。

共有名義不動産では、共有者全員が固定資産税・都市計画税を連帯して納める義務を負います。納税通知書は通常、共有者の代表者に届くため、代表者がまとめて納付し、後から持分割合などに応じて共有者間で精算することが多いです。

過去に一部の共有者がほかの共有者の分まで負担していた場合は、共有者間で確認したうえで、売却代金を分ける際に立替分を精算することもあります。

売却時のトラブルを防ぐため、これまでの納付記録を確認し、買主から受け取る精算金や共有者間の立替分をどのように分けるか、事前に決めておきましょう。

共有名義の固定資産税については、次の記事でも詳しく解説しています。

共有名義不動産の売却で利用できる特例一覧

共有名義不動産の売却で譲渡所得が発生しても、特例を利用して税負担を抑えられる場合があります。ただし、共有名義不動産では、特例の適用要件を満たしているか共有者ごとに判定されます。

共有名義不動産の売却で利用できる主な特例は、以下のとおりです。

特例 概要
マイホーム売却時の3,000万円特別控除の特例 マイホームを売却した場合に、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる
所有期間10年超のマイホーム売却時の軽減税率の特例 所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合に、3,000万円特別控除後の課税譲渡所得へ軽減税率を適用できる
相続した空き家の3,000万円特別控除の特例 被相続人が住んでいた家屋や敷地を一定期間内に売却した場合に、譲渡所得から一定額を控除できる
相続税額の取得費加算の特例 納付した相続税の一部を取得費に加算し、課税対象となる譲渡所得を減らせる
マイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例 住宅ローンが残るマイホームの売却で損失が生じた場合に、給与所得などとの損益通算や繰越控除ができる
特定のマイホームを買い換えたときの特例 一定の要件を満たすマイホームの買換えで、売却益に対する課税を将来へ繰り延べられる

これらの特例は、売却した翌年の確定申告で適用手続きを行います。特例によって適用要件や必要書類、併用できる制度が異なるため、それぞれの条件を確認しておきましょう。

マイホーム(居住用財産)売却時の3,000万円特別控除の特例

マイホームを売却して譲渡所得が発生した場合は、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例があります。

特例を適用した結果、譲渡所得が3,000万円以下であれば、課税譲渡所得は0円となり、譲渡所得税はかかりません。

課税譲渡所得は、次の式で計算します。

課税譲渡所得 = 譲渡所得 - 特別控除額(最高3,000万円)

共有名義のマイホームを売却した場合の計算例を見てみましょう。

夫婦が持分2分の1ずつ所有するマイホームを売却し、持分に応じて計算した譲渡所得が夫・妻ともに4,000万円になったケースです。

夫婦ともに特例の要件を満たす場合は、それぞれ最高3,000万円を控除できます。

夫:4,000万円 - 3,000万円 = 1,000万円
妻:4,000万円 - 3,000万円 = 1,000万円

合計課税譲渡所得:2,000万円

適用要件と必要書類

3,000万円特別控除を利用するには、主に以下の要件を満たす必要があります。

  • 自分が住んでいる日本国内のマイホームや、その家屋とともに敷地を売却すること
  • 以前住んでいたマイホームの場合は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却した年の前年・前々年に、この特例やマイホームの譲渡損失に関する特例を利用していないこと
  • 売却した年、その前年・前々年に、マイホームの買換えや交換の特例を利用していないこと
  • 親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却でないこと

家屋を取り壊して敷地だけを売却する場合は、取り壊した日から1年以内に売買契約を締結することや、契約締結まで敷地を貸駐車場などに利用しないことなどの追加要件があります。

確定申告書に添付する主な書類は、以下のとおりです。

  • 譲渡所得の内訳書
  • 住民票の住所と売却したマイホームの所在地が異なる場合は、居住していたことを確認できる戸籍の附票の写しなど

利用する際の注意点

所有期間が10年を超えるなどの要件を満たせば、軽減税率の特例と併用できます。一方、特定のマイホームを買い換えたときの特例など、併用できない制度もあります。

また、家屋は共有せず敷地だけを共有している場合、家屋を所有していない共有者は、原則として3,000万円特別控除を利用できません。

参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」「No.3308 共有のマイホームを売ったとき」

マイホーム(居住用財産)売却時の3,000万円特別控除の特例については、次の記事でも詳しく解説しています。

所有期間10年超のマイホーム(居住用財産)売却時の軽減税率の特例

所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合は、一定の要件を満たすことで、通常の長期譲渡所得よりも低い税率が適用されます。

通常、長期譲渡所得の税率は20.315%ですが、特例を利用すると、課税長期譲渡所得6,000万円以下の部分については税率が14.21%に軽減されます。6,000万円を超える部分には、通常どおり20.315%の税率が適用されます。

実務でもよく見られるケースを例に、税額の計算方法を確認してみましょう。

12年前に購入したマイホームを1億円で売却し、取得費や譲渡費用を差し引いた結果、課税長期譲渡所得が8,000万円になったケースです。

この場合、6,000万円までの部分には軽減税率が適用され、それを超える部分には通常の長期譲渡所得の税率が適用されます。

6,000万円 × 14.21% = 852万6,000円
残り2,000万円 × 20.315% = 406万3,000円

合計:1,258万9,000円

※上記は3,000万円特別控除を適用しない場合の計算例です。併用時は、控除後の課税長期譲渡所得に軽減税率を適用します。

適用要件と必要書類

軽減税率の特例を利用するには、主に以下の要件を満たす必要があります。

  • 日本国内にある自分のマイホームや、その家屋とともに売却する敷地であること
  • 売却した年の1月1日時点で、家屋と敷地の所有期間がともに10年を超えていること
  • 以前住んでいたマイホームの場合は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却した年の前年・前々年に、この軽減税率の特例を利用していないこと
  • 親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却でないこと

確定申告書には、主に以下の書類を添付します。

  • 譲渡所得の内訳書
  • 売却した家屋や敷地の登記事項証明書
  • 住民票の住所と売却したマイホームの所在地が異なる場合は、過去の居住状況を確認できる戸籍の附票の写しなど

利用する際の注意点

軽減税率の特例は、マイホーム売却時の3,000万円特別控除と併用できます。併用する場合は、3,000万円を控除した後の課税長期譲渡所得に軽減税率を適用します。一方、特定のマイホームを買い換えたときの特例など、併用できない制度もあります。

また、共有者によって持分を取得した時期が異なる場合は、所有期間の要件を満たす人と満たさない人に分かれることがあります。

たとえば、親が15年前に購入した自宅の持分2分の1を、子が5年前に買い取った場合、親は要件を満たしますが、子は満たしません。

参照:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

被相続人の居住用財産(空き家)売却時の特別控除の特例

相続した実家などの空き家を売却した場合は、一定の要件を満たすことで、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例があります。

共有名義で相続した場合も、要件を満たす相続人は、それぞれの譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。

共有名義の空き家を売却した場合の適用イメージを見てみましょう。

昭和50年築の戸建て住宅に1人で住んでいた母が亡くなり、長男と次男が持分2分の1ずつ相続したケースです。

相続後は誰も居住・賃貸せず、相続から2年以内に耐震改修を行って売却しました。持分に応じて計算した譲渡所得は、長男・次男ともに2,000万円です。

2人とも特例の要件を満たすため、それぞれ最高3,000万円の特別控除を適用できます。今回は譲渡所得が2,000万円のため、控除額も2,000万円となります。

長男:2,000万円 - 2,000万円 = 0円
次男:2,000万円 - 2,000万円 = 0円

合計課税譲渡所得:0円

適用要件と必要書類

空き家の特別控除を利用するには、主に以下の要件を満たす必要があります。

  • 相続または遺贈によって、被相続人が住んでいた家屋とその敷地を取得していること
  • 家屋が昭和56年5月31日以前に建築され、マンションなどの区分所有建物ではないこと
  • 原則として、相続開始の直前まで被相続人が1人で居住していたこと
  • 相続後から売却まで、家屋や敷地を居住・賃貸・事業などに利用していないこと
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ令和9年12月31日までに売却すること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 家屋が一定の耐震基準を満たしているか、家屋を取り壊して敷地を売却すること
  • 親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却でないこと

被相続人が老人ホームなどへ入所していた場合や、売却時に耐震基準を満たしていない場合でも、一定の要件を満たせば特例の対象になることがあります。令和6年1月1日以後の売却では、売却した年の翌年2月15日までに買主が耐震改修または取り壊しを行う場合も対象です。

主な必要書類は、以下のとおりです。

  • 譲渡所得の内訳書
  • 家屋や敷地の登記事項証明書、売買契約書の写しなど
  • 市区町村が発行する被相続人居住用家屋等確認書
  • 耐震改修や取り壊しを行った場合は、その事実を確認できる書類

必要書類は、耐震改修後に家屋を売却するか、家屋を取り壊して敷地を売却するかなどによって異なります。

利用する際の注意点

令和6年1月1日以後の売却では、家屋と敷地を取得した相続人が3人以上いる場合、特別控除額は1人につき最高2,000万円となります。たとえば、兄弟3人で同じ空き家を相続した場合は、各自の控除上限が2,000万円になります。

また、この特例と相続税額の取得費加算の特例は、同じ不動産の売却について併用できません。自身のマイホーム売却時の3,000万円特別控除とは併用できますが、同じ年に両方を利用する場合の控除額は、合計で最高3,000万円です。

売却代金が1億円以下かどうかは、共有者ごとの受取額ではなく、不動産全体の売却代金をもとに判断します。共有者が持分を分けて売却した場合も、ほかの相続人による売却分などを含めて判定されるため注意しましょう。

参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

相続税額の取得費加算の特例

相続または遺贈で取得した不動産を一定期間内に売却した場合は、「相続税額の取得費加算の特例」を利用できることがあります。

この特例を利用すると、売却した不動産に対応する相続税額を取得費に加算できるため、課税対象となる譲渡所得を減らせます。ただし、相続税が課税されていない場合は対象になりません。

取得費に加算できる相続税額は、次の考え方で求めます。

取得費加算額 = 本人が納めた相続税額 × 売却した不動産の相続税評価額 ÷ 本人の相続税の計算に使った財産の価額の合計

共有名義で相続した不動産を売却するケースを例に、計算方法を確認してみましょう。

父の遺産が合計2億円あり、そのうち1億円が不動産だったとします。長男と次男が遺産を2分の1ずつ相続し、それぞれ1,500万円の相続税を納めたケースです。

それぞれが相続した不動産持分の評価額は5,000万円、取得した相続財産の価額は1億円となるため、取得費加算額は次のように計算します。

長男:1,500万円 × 5,000万円 ÷ 1億円 = 750万円
次男:1,500万円 × 5,000万円 ÷ 1億円 = 750万円

取得費に加算できる合計額:1,500万円

※計算をわかりやすくするため、内容を単純化した例です。

適用要件と必要書類

対象となるのは、主に以下の要件を満たす場合です。

  • 相続または遺贈によって取得した不動産であること
  • その不動産を取得した人に相続税が課税されていること
  • 売却する不動産が相続税の課税価格の計算に含まれていること
  • 原則として、相続開始から3年10か月以内に売却すること

確定申告書に添付する書類は、以下のとおりです。

  • 相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
  • 譲渡所得の内訳書

相続税の計算明細書を作成する際は、相続税申告書の控えも用意しておきましょう。

利用する際の注意点

計算上の取得費加算額が譲渡益を上回る場合でも、取得費に加算できるのは譲渡益の金額までです。

また、この特例は、同じ不動産の売却について「被相続人の居住用財産(空き家)売却時の特別控除」と併用できません。どちらが有利になるかは、取得費に加算できる相続税額や譲渡所得の金額によって異なります。

共有名義不動産では、各共有者が相続または遺贈で取得した持分に対応する相続税額のみが対象です。同じ不動産を共有していても、相続税が課税されていない共有者や、相続前から持っていた持分には、この特例を利用できません。

参考:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」

特定のマイホーム(居住用財産)の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例

住宅ローンが残るマイホームをローン残高より低い価格で売却し、譲渡損失が生じた場合は、一定の要件を満たすことで「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」を利用できます。

この特例を利用すると、譲渡損失を給与所得や事業所得などから差し引けます。控除しきれなかった損失は、売却した年の翌年以後3年間にわたって繰り越すことが可能です。

損益通算できる金額は、実際の譲渡損失と「住宅ローン残高から売却価格を差し引いた金額」のいずれか少ないほうです。

具体例をもとに、損益通算できる金額の求め方を確認してみましょう。

不動産の購入代金が5,000万円、売却価格が2,300万円、譲渡費用が200万円、売買契約日の前日の住宅ローン残高が3,000万円だったケースです。

まず、譲渡損失を計算します。

2,300万円 -(5,000万円 + 200万円)=-2,900万円
譲渡損失:2,900万円

次に、損益通算できる限度額を計算します。

3,000万円 - 2,300万円 = 700万円

実際の譲渡損失2,900万円よりも限度額700万円のほうが少ないため、このケースで損益通算できる金額は700万円です。

※計算をわかりやすくするため、建物の減価償却は考慮していません。

適用要件と必要書類

特例の対象となるには、主に以下の要件を満たす必要があります。

  • 日本国内にある自分のマイホームや、その家屋とともに売却する敷地であること
  • 以前住んでいたマイホームの場合は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却した年の1月1日時点で、家屋や敷地の所有期間が5年を超えていること
  • 売買契約日の前日時点で、償還期間10年以上の住宅ローンが残っていること
  • 売却価格が住宅ローン残高を下回っていること
  • 親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却でないこと
  • 2027年12月31日までに売却すること

主な必要書類は、以下のとおりです。

  • 特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書
  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の対象となる金額の計算書
  • 所有期間を確認できる登記事項証明書や売買契約書の写しなど
  • 売買契約日の前日時点における住宅ローン残高証明書
  • 売却したマイホームと住民票の住所が異なる場合は、居住していたことを確認できる戸籍の附票の写しなど

利用する際の注意点

繰越控除を受ける場合は、譲渡損失が生じた年に期限内申告を行い、その翌年から控除を受け終わる年まで連続して確定申告をする必要があります。

また、合計所得金額が3,000万円を超える年は、繰越控除を利用できません。ただし、譲渡損失が生じた年に行う損益通算には、合計所得金額による制限はありません。

共有名義不動産では、住宅ローン残高や譲渡損失などを共有者ごとに確認します。たとえば、夫婦共有のマイホームで、夫には対象となる住宅ローンが残っている一方、妻には住宅ローンがない場合、妻の持分に生じた損失はこの特例の対象になりません。

なお、この特例は、新たに購入したマイホームに対する住宅ローン控除と併用できます。

参考:国税庁「No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき」「No.3393 特例を受けるための申告手続と添付書類」

特定のマイホームを買い換えたときの特例

長く住んだマイホームを売却して新居へ買い換える場合は、要件を満たせば、売却益に対する課税を将来へ繰り延べられます。

この特例は税金を免除するものではなく、買い換えた住宅を将来売却するときまで課税を先送りする制度です。

具体例をもとに、特例の仕組みを確認してみましょう。

取得費と譲渡費用の合計が2,000万円のマイホームを5,000万円で売却し、6,000万円の新居へ買い換えたケースです。

売却による譲渡益:5,000万円 - 2,000万円 = 3,000万円
売却価格:5,000万円
新居の購入価格:6,000万円

新居の購入価格が旧宅の売却価格を上回るため、このケースでは、3,000万円の譲渡益に対する課税を全額繰り延べられます。

将来、新居を売却するときは旧宅の取得費を引き継いで譲渡所得を計算するため、今回繰り延べた譲渡益も含めて課税されます。

適用要件と必要書類

対象となるには、売却する旧宅と購入する新居について、主に以下の要件を満たす必要があります。

  • 2027年12月31日までに旧宅を売却すること
  • 旧宅での居住期間が10年以上で、売却した年の1月1日時点の所有期間が10年を超えていること
  • 旧宅の売却代金が1億円以下であること
  • 旧宅を売却した年の前年から翌年までに新居を取得し、期限までに住み始めること
  • 新居の床面積が50平方メートル以上、敷地面積が500平方メートル以下であること
  • 親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却でないこと

以前住んでいた旧宅は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。また、新居が新築の場合は省エネ基準、中古の場合は築年数や耐震性能に関する要件も確認します。

売却した翌年の確定申告では、主に以下の書類を提出します。

  • 譲渡所得の内訳書
  • 旧宅の登記事項証明書や売買契約書の写し
  • 新居の登記事項証明書や売買契約書の写し
  • 住所の異動状況に応じて、居住期間を確認できる戸籍の附票の写しなど
  • 新居の省エネ性能、築年数または耐震性能を確認できる書類

利用する際の注意点

新居の購入価格が旧宅の売却価格を下回る場合は、すべての課税を繰り延べられるわけではありません。たとえば、旧宅を5,000万円で売却して4,000万円の新居へ買い換えた場合は、差額の1,000万円を収入金額として、対応する取得費や譲渡費用を差し引いて譲渡所得を計算します。

この特例は、マイホーム売却時の3,000万円特別控除や軽減税率の特例とは併用できません。買換え後の住宅に対する住宅ローン控除も利用できない場合があるため、どの制度が有利か事前に比較しておきましょう。

共有名義不動産では、居住期間や所有期間などを共有者ごとに確認します。また、売却代金が1億円以下かどうかも、原則として各共有者の譲渡価額で判定します。

たとえば、家屋と敷地を夫婦が持分2分の1ずつ所有し、全体を1億5,000万円で売却した場合、各自の譲渡価額は7,500万円です。そのため、売却代金の要件だけで見ると、夫婦ともに1億円以下の要件を満たします。

参考:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」「令和8年度税制改正のあらまし」

共有名義不動産を親族間で売却するときは贈与税に注意

不動産は仲介や買取によって第三者へ売却するのが一般的ですが、共有名義不動産では、親族間で売買されることもあります。

不動産全体を売買することもありますが、実務上は、共有関係の解消を目的に、親子や夫婦、兄弟などの共有者間で共有持分の売買が行われるケースが多いです。

こうした親族間取引では、売買価格や代金の受け渡し方によって贈与税がかかる可能性があるため注意が必要です。

とくに、時価より著しく低い価格で売却すると、時価と売却価格との差額が贈与とみなされ、買主に贈与税がかかる可能性があります。

贈与税は、原則として1年間に受けた贈与の合計額から110万円の基礎控除を差し引き、残った金額に10%~55%の税率をかけて計算します。適用される税率は、贈与額や贈与した人と受け取った人の関係によって異なります。

適正な価格で売買したことを説明できるよう、不動産会社の査定書など、価格の根拠となる資料を残しておきましょう。また、売買契約書を作成し、振込明細や通帳の履歴など、代金を実際に受け渡したことがわかる記録も保管しておくことが大切です。

なお、共有持分を無償で譲渡した場合は売却ではなく贈与となり、持分を受け取った人に贈与税がかかる可能性があります。

ポイント

【売却代金を持分割合と異なる割合で分けた場合も贈与税に注意】

共有名義不動産全体を売却した場合、売却代金は基本的に持分割合に応じて各共有者が受け取ります。

たとえば、夫婦が持分2分の1ずつ所有する不動産を3,000万円で売却した場合、持分割合どおりに分けると、それぞれが受け取る金額は1,500万円です。

夫が1,000万円、妻が2,000万円を受け取ると、妻が持分割合を超えて受け取った500万円は、夫から妻への贈与とみなされる可能性があります。その年にほかの贈与がなく、暦年課税を適用する場合、53万円の贈与税がかかります。

売却代金を持分割合と異なる割合で分ける場合は、分配する前に税理士へ相談し、贈与税がかからないか確認しておきましょう。

共有名義不動産の売却でかかる税金以外の費用

共有名義不動産を売却する際には、譲渡所得税や住民税といった税金だけでなく、さまざまな費用が発生します。

不動産全体の売却にかかる費用は、共有者が持分割合に応じて分担するのが一般的ですが、話し合いによって負担方法を決めることも可能です。

主な費用と目安は、以下のとおりです。

費用の項目 発生するケース・内容 費用の目安
仲介手数料 不動産会社に仲介を依頼し、売買契約が成立した場合に支払う ・売却価格が400万円を超える場合は、原則として「売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税」が上限
・価格800万円以下の宅地・建物では、事前に合意した場合、最大33万円(税込)となる特例がある
司法書士報酬 抵当権抹消登記や住所変更登記など、売主側で必要な登記手続きを司法書士に依頼する場合に支払う。 1万円~5万円程度
※手続きの数や内容、不動産の数、司法書士事務所によって異なる
測量費・境界確定費 土地の面積を測ったり、隣地との境界を確定したりする場合に土地家屋調査士へ支払う 現況測量:10万円~30万円程度
境界確定測量:30万円~60万円程度
建物の解体費用 古い建物などを取り壊し、更地にして売却する場合に支払う 木造住宅:1坪あたり約3万円〜5万円
鉄骨造住宅:1坪あたり約4万円〜6万円
鉄筋コンクリート造:1坪あたり約5万円〜8万円

※建物の構造・広さ・立地条件などにより、総額100万円~300万円程度になることもある
ハウスクリーニング費用 内覧前に室内の汚れを落とすため、専門業者へ清掃を依頼する場合に支払う 1R~2DK:約2万円〜4万円が目安
2LDK〜3LDK:約5万円~13万円が目安
4LDK以上:約7万円~16万円以上が目安

※部屋の広さや清掃範囲によって異なる

※上記の金額はあくまで目安です。物件の状態や依頼先、作業内容などによって実際の費用は異なります。

測量や建物の解体、ハウスクリーニングは、主に仲介で売却しやすい状態に整えるために行うものであり、すべての売却で必要になるわけではありません。実施しても売却価格が必ず上がるとは限らないため、事前に不動産会社へ相談しましょう。

なお、買取業者が現況のまま買い取る場合は、測量や解体、ハウスクリーニングを行わずに売却できることがあります。

共有名義不動産の売却にかかる税金のシミュレーション

共有名義不動産を売却したときの手取り額は、売却価格から譲渡所得税、印紙税、抵当権抹消登記が必要な場合の登録免許税などを差し引いて計算します。

また、買取業者へ直接売却する場合は原則として仲介手数料がかかりませんが、仲介業者に依頼して買主を探す場合は、仲介手数料も差し引く必要があります。

ここでは、以下の3つのケースについて、主な税金・費用と売却後の手取り額をシミュレーションします。

  • 親子共有名義のマイホームを売却し、3,000万円特別控除を利用する場合
  • 所有期間10年超の夫婦共有名義のマイホームを売却し、3,000万円特別控除と軽減税率を利用する場合
  • 兄弟2人で相続した共有名義の空き家を売却し、空き家特例を利用する場合

※実際の税額や手取り額は、持分割合や取得費、所有期間、売却方法、利用する特例などによって異なります。

親子共有名義のマイホームを売却し、3,000万円特別控除を利用する場合

親子が持分2分の1ずつ所有するマイホームを、仲介業者を通じて8,000万円で売却するケースを考えます。

【前提条件】
・売却価格:8,000万円
・持分割合:親・子ともに2分の1
・減価償却後の取得費:4,000万円
・仲介手数料:上限額で計算
・親子どちらも3,000万円特別控除の要件を満たす
・土地と建物に設定された抵当権を抹消する
・売却代金や取得費、税金・費用は親子で2分の1ずつ分ける

親・子それぞれの譲渡所得税と、税金・費用を差し引いた手取り額は、以下のとおりです。

項目 計算式 親・子それぞれの金額
売却価格 8,000万円 × 2分の1 4,000万円
譲渡所得税 譲渡所得:4,000万円-(取得費2,000万円+仲介手数料135万3,000円+印紙税1万5,000円)=1,863万2,000円
3,000万円特別控除後:1,863万2,000円-1,863万2,000円=0円
0円
印紙税 3万円 × 2分の1 1万5,000円
抵当権抹消登記の登録免許税 1,000円 × 土地・建物の2件 × 2分の1 1,000円
仲介手数料 270万6,000円 × 2分の1 135万3,000円
税金・費用の合計 1万5,000円+1,000円+135万3,000円 136万9,000円
手取り額 4,000万円-136万9,000円 3,863万1,000円

このケースでは、3,000万円特別控除によって譲渡所得税が0円となり、親・子それぞれの手取り額は3,863万1,000円となります。

所有期間10年超の夫婦共有名義のマイホームを売却し、3,000万円特別控除と軽減税率を利用する場合

夫婦が持分2分の1ずつ所有するマイホームを、仲介業者を通じて1億円で売却するケースを考えます。

【前提条件】
・売却価格:1億円
・持分割合:夫・妻ともに2分の1
・減価償却後の取得費:3,500万円
・売却した年の1月1日時点の所有期間:夫・妻ともに10年超
・仲介手数料:上限額で計算
・夫婦どちらも3,000万円特別控除と軽減税率の要件を満たす
・土地と建物に設定された抵当権を抹消する
・売却代金や取得費、税金・費用は夫婦で2分の1ずつ分ける

夫・妻それぞれの譲渡所得税と、税金・費用を差し引いた手取り額は、以下のとおりです。

項目 計算式 夫・妻それぞれの金額
売却価格 1億円 × 2分の1 5,000万円
譲渡所得税 譲渡所得:5,000万円-(取得費1,750万円+仲介手数料168万3,000円+印紙税1万5,000円)=3,080万2,000円
3,000万円特別控除後:3,080万2,000円-3,000万円=80万2,000円
10年超の軽減税率適用後の税額:80万2,000円 × 14.21%
約11万4,000円
印紙税 3万円 × 2分の1 1万5,000円
抵当権抹消登記の登録免許税 1,000円 × 土地・建物の2件 × 2分の1 1,000円
仲介手数料 336万6,000円 × 2分の1 168万3,000円
税金・費用の合計 11万4,000円+1万5,000円+1,000円+168万3,000円 181万3,000円
手取り額 5,000万円-181万3,000円 4,818万7,000円

このケースでは、3,000万円特別控除後の譲渡所得に軽減税率を適用すると、夫・妻それぞれの手取り額は4,818万7,000円となります。

兄弟2人で相続した共有名義の空き家を売却し、空き家特例を利用する場合

兄弟2人が母から相続した空き家を持分2分の1ずつ所有し、仲介業者を通じて6,000万円で売却するケースを考えます。

【前提条件】
・売却価格:6,000万円
・持分割合:兄・弟ともに2分の1
・母から引き継いだ減価償却後の取得費:2,500万円
・仲介手数料:上限額で計算
・兄弟どちらも空き家特例の要件を満たす
・土地と建物に設定された抵当権を抹消する
・売却代金や取得費、税金・費用は兄弟で2分の1ずつ分ける

兄・弟それぞれの譲渡所得税と、税金・費用を差し引いた手取り額は、以下のとおりです。

項目 計算式 兄・弟それぞれの金額
売却価格 6,000万円 × 2分の1 3,000万円
譲渡所得税 譲渡所得:3,000万円-(取得費1,250万円+仲介手数料102万3,000円+印紙税1万5,000円)=1,646万2,000円
空き家特例適用後:1,646万2,000円-1,646万2,000円=0円
0円
印紙税 3万円 × 2分の1 1万5,000円
抵当権抹消登記の登録免許税 1,000円 × 土地・建物の2件 × 2分の1 1,000円
仲介手数料 204万6,000円 × 2分の1 102万3,000円
税金・費用の合計 1万5,000円+1,000円+102万3,000円 103万9,000円
手取り額 3,000万円-103万9,000円 2,896万1,000円

このケースでは、空き家特例によって譲渡所得税が0円となり、兄・弟それぞれの手取り額は2,896万1,000円となります。

共有名義不動産の売却でも確定申告は必要

共有名義不動産を売却して利益が出た場合は、原則として、売却した翌年に確定申告が必要です。3,000万円特別控除などの特例を利用し、税額がゼロになる場合も申告しなければなりません。

共有名義の場合は、代表者がまとめて申告するのではなく、各共有者が持分に応じて売却代金や取得費などを分け、それぞれ確定申告を行います。

申告が必要であるにもかかわらず期限までに手続きをしないと、本来の税金に加えて無申告加算税や延滞税がかかる可能性があります。申告漏れを防ぐためにも、手続きの流れや必要書類、申告書の書き方を事前に確認しておきましょう。

共有名義不動産を売却したときの確定申告の流れ

共有名義不動産を売却した後の確定申告は、以下の流れで進めます。

手順 内容
1. 必要書類を用意する 売買契約書や、取得費・譲渡費用がわかる資料などを揃える
2. 譲渡所得の内訳書を作成する 売却代金・取得費・譲渡費用を持分割合に応じて分け、各共有者の譲渡所得を計算する
3. 確定申告書を作成する 内訳書で計算した金額を確定申告書に反映し、利用する特例などを記入する
4. 確定申告書を提出する 原則として、売却した翌年の2月16日から3月15日までに、e-Tax・郵送・税務署の窓口のいずれかで提出する
5. 納税または還付を受ける 申告結果に応じて所得税を納付するか、指定口座への還付を受ける。住民税は後日、自治体から通知される

共有名義の場合は、各共有者がそれぞれ確定申告を行います。計算結果にずれが生じないよう、売却代金や費用の分け方を共有者間で確認してから進めましょう。

ポイント

【申告内容の誤りや期限超過にはペナルティがある】

確定申告や納税を正しく行わなかった場合は、本来の税金に加えて、以下の税金がかかる可能性があります。

無申告加算税 ・期限までに申告しなかった場合に課される
・納付税額に対して5%~30%
過少申告加算税 ・申告した税額が本来より少なかった場合に課される
・追加で納める税額に対して5%~15%
重加算税 ・売却代金を隠すなど、事実を意図的に隠した場合に課される
・追加で納める税額に対して35%または40%
延滞税 ・期限までに納税しなかった場合に課される
・納付が遅れた期間に応じて年2.8%~9.1%
※令和8年1月1日~12月31日までの税率

※税率は、申告・修正を行った時期や過去の申告状況などによって異なります。

売買契約書や領収書などを確認して正確に申告し、申告書の提出だけでなく納税も期限内に済ませましょう。

共有名義不動産の売却後の確定申告で必要な書類一覧

確定申告では、申告書に添付する書類だけでなく、売却代金や取得費などを確認するための資料も用意します。

書類名 用途・ポイント
確定申告書第一表・第二表・第三表 ・所得や税額を申告するための書類
・不動産売却による所得は分離課税のため、第三表も使用する
・税務署または国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成できる
譲渡所得の内訳書 ・売却代金、取得費、譲渡費用などを記載し、譲渡所得を計算する
・共有者ごとに、自分の持分に応じた金額で作成する
売却時の売買契約書 ・売却代金や契約日、引渡日などの確認に使用する
・原本を提出する必要はなく、コピーを用意する
取得費がわかる書類 ・取得時の売買契約書、建築時の請負契約書、購入時の仲介手数料の領収書など
・相続した不動産では、被相続人が取得したときの書類を使用する
・取得費がわからない場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算できる
譲渡費用がわかる書類 ・仲介手数料、測量費、解体費、立退料などの領収書
・売却のために直接かかった費用を確認する
マイナンバー・本人確認書類 ・マイナンバーカード、または番号確認書類と運転免許証などを用意する
・e-Taxで申告する場合は、本人確認書類の写しの提出を省略できる
登記事項証明書 ・不動産の所在地や持分割合などの確認に使用する
・申告内容や利用する特例によって必要となる場合がある
源泉徴収票 ・給与所得者が給与所得や源泉徴収税額を確認するために使用する
・原則として確定申告書への添付は不要
住民票・戸籍の附票など ・売却した不動産と現在の住所が異なる場合や、居住用財産の特例を利用する場合などに必要となることがある
特例の適用に必要な書類 ・3,000万円特別控除、空き家特例、相続税額の取得費加算などを利用する場合に用意する
・必要書類は特例によって異なるため、詳しくは「共有名義不動産の売却で利用できる特例一覧」を確認する

確定申告書や譲渡所得の内訳書は、税務署で入手できるほか、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から作成できます。

売買契約書や領収書は、原本が1部しかないことが多いため、売却後すぐに共有者全員分のコピーを用意しておきましょう。

また、売買契約書や取得費・譲渡費用の領収書など、税額計算の根拠となる書類は、税務署から確認を求められた場合に備え、確定申告後も少なくとも5年間は保管しておきましょう。

共有名義不動産売却の確定申告書の書き方

共有名義不動産を売却した場合は、まず「譲渡所得の内訳書」に不動産の情報や売却価格、取得費、譲渡費用などを記載し、譲渡所得を計算します。その計算結果をもとに、確定申告書へ必要事項を記入します。

基本的な記入方法は単独名義の不動産売却と大きく変わりません。ただし、共有名義の場合は、売却価格を持分割合に応じて分け、取得費や譲渡費用は各共有者の取得状況や負担額に応じて記載する点がポイントです。

書面で申告する場合は、主に「第一表」「第二表」「第三表(分離課税用)」を使用します。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用する場合は、入力内容をもとに必要な申告書が作成されます。

共有名義不動産の売却に関する確定申告で、主に記入する項目は以下のとおりです。

記入項目 記入内容 書き方のポイント
売却した不動産の情報 所在地・売買契約日・引渡日など ・売買契約書や登記事項証明書を確認しながら記入する
・所在地や契約日、引渡日を正確に記載する
他の共有者の情報 氏名・住所・持分割合 ・譲渡所得の内訳書に、他の共有者の情報を記入する
・登記事項証明書などで持分割合を確認する
売却価格 自分の持分に対応する売却金額 ・不動産全体の売却価格を持分割合に応じて分ける
・売却代金を持分割合と異なる割合で受け取った場合は、実際の分配内容も確認する
取得費 購入代金・建築費・取得時の仲介手数料など ・共同で取得した場合は、自分の持分に対応する金額を記入する
・取得時期や取得方法が共有者ごとに異なる場合は、それぞれの取得経緯に基づいて計算する
・建物の取得費は、購入代金などから減価償却費相当額を差し引く
・取得費がわからない場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算できる
譲渡費用 仲介手数料・測量費・解体費など ・売却のために直接かかった費用を記入する
・共有者で費用を分担している場合は、自分の負担分のみ計上する
所有期間・譲渡区分 取得日・長期譲渡所得または短期譲渡所得の区分 ・共有者ごとに取得日と所有期間を確認する
・相続や贈与で取得した場合は、原則として被相続人や贈与者の取得日を引き継ぐ
譲渡所得金額 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用 − 特別控除額 ・譲渡所得の内訳書で計算した金額を確定申告書第三表へ転記する
・3,000万円特別控除などを利用する場合は、適用できる特別控除額を差し引く
特例の適用 3,000万円特別控除など ・適用要件を共有者ごとに確認する
・適用を受ける場合は、該当欄への記入や必要書類の添付を行う

記入後は、譲渡所得の内訳書と確定申告書の金額が一致しているか確認し、転記漏れや計算ミスがないか見直しましょう。

共有名義不動産の売却にかかる税金でよくある質問

共有名義不動産の売却方法で税金は変わりますか?

仲介と買取のどちらを選んでも、発生する税金の種類や計算方法は基本的に変わりません。ただし、売主と買主のどちらが負担するかは、売却方法や契約条件によって異なります。

一般的な仲介と弊社による買取における税金の負担は、以下のとおりです。

税金 仲介 弊社による買取
譲渡所得税 売主負担 売主負担
印紙税 売主・買主が各自負担 買主負担
所有権移転登記の登録免許税 通常は買主負担 買主負担
抵当権抹消登記の登録免許税 売主負担 買主負担

上記は弊社の買取条件を例にしたものであり、費用負担は買取業者によって異なりますが、買取では仲介よりも売主側の税金や費用を抑えられる場合があります。

また、仲介では、税金とは別に仲介手数料がかかるため、買取よりも売却時の費用が高くなる傾向があります。

ただし、買取では、買取後に必要となる他の共有者との交渉や持分の買取などにかかる費用を見込んで査定額を算出するため、売却価格は仲介よりも低くなりやすいです。

なお、弊社による買取では、登録免許税や印紙税を弊社が負担します。共有名義ならではのトラブルがあり、弁護士などの専門家による対応が必要な場合でも、現況のまま買い取り、買取後の対応や必要な士業費用も弊社が負担します。

共有名義不動産全体はもちろん、共有持分のみの買取にも対応しているため、まずは無料査定をご利用ください。

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共有持分だけを売却する場合も税金はかかりますか?

共有持分だけを売却した場合も、売却代金から、売却した持分に対応する取得費や譲渡費用を差し引いて利益が出れば、譲渡所得税がかかります。

また、紙の売買契約書を作成する場合は印紙税、売主側で抵当権抹消登記が必要な場合は登録免許税がかかります。

なお、一定の要件を満たせば、特別控除や譲渡損失の損益通算・繰越控除などの特例を利用できる場合があります。共有者ごとに適用可否が判断されるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

共有不動産を使用していなくても、売却時に税金はかかるのでしょうか?

居住しているか、空き家になっているか、賃貸しているかといった使用状況だけで、売却時の課税の有無が決まるわけではありません。

現在使用していない共有名義不動産でも、売却によって利益が生じれば、各共有者に譲渡所得税がかかります。

共有名義不動産の売却で税理士に相談する必要はありますか?

税理士への相談は必須ではなく、自分で税額を計算して確定申告することも可能です。

ただし、取得費が不明な場合や、相続した不動産を売却する場合、特例の適用可否が判断しづらい場合は、税理士への相談を検討するとよいでしょう。

また、共有者ごとに取得時期や持分割合、居住状況などが異なる場合は、それぞれ税額や特例の適用可否を確認する必要があります。計算や申告に不安がある場合は、税理士に相談しましょう。

まとめ

共有名義不動産を売却した場合も、かかる税金の種類や計算方法は、基本的に単独名義の不動産と変わりません。

ただし、譲渡所得税については、売却代金や取得費、譲渡費用を持分割合に応じて分け、各共有者がそれぞれ税額を計算して確定申告する必要があります。3,000万円特別控除や軽減税率、空き家特例などを利用できるかどうかも、共有者ごとに判断されます。

また、親族間で著しく低い価格で売却した場合や、売却代金を持分割合と異なる割合で分けた場合は、贈与税がかかる可能性があります。

税額は売却価格や取得費、利用できる特例によって大きく異なります。取得費がわからない場合や特例の判断が難しい場合は、売却前に税理士へ相談し、税金を差し引いた手取り額を確認しておくとよいでしょう。

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