共有不動産を現金化する5つの方法!売却の注意点や業者の選び方も解説

共有不動産を現金化する5つの方法!売却の注意点や業者の選び方も解説

不動産の共有持分を保有している方には、「共有持分を売却して現金化したい」「共有関係から解放されたい」という方もいるのではないでしょうか。

もっとも、共有持分の売却では、購入者は不動産の全部の権利を取得できるわけではないため、土地や建物を自由に利用したり処分したりすることはできません。

そのため一般の不動産市場での売却は難しく、次のような方法が考えられます。

  • 第三者に共有持分を売却して現金化する
  • 共有持分を他の共有者に売却して現金化する
  • 他の共有者の持分を買い取ったあとに売却して現金化する
  • 共有者全員の合意のもと不動産全体を売却して現金化する
  • 共有物分割請求を申し立てて共有状態を解消した後に売却して現金化する

ただし、他の共有者に売却するとしても相手方の合意が必要であり、また、不動産全体を売却するには共有者全員の同意を得なければなりません。

当事者間の話し合いで合意できなければ、共有物分割調停や共有物分割請求を裁判所に申し立てることもできますが、時間や手間、費用がかかります。

このように他の共有者への売却や不動産全体の売却が難しい場合、考えられる方法が買取業者への売却です。

自分の持分だけを第三者に売却するのであれば他の共有者の同意は必要ありません。

また、共有持分専門の買取業者への売却であれば、査定から売買契約、決済と現金化までスピーディに進められます。

ただし、共有持分の売却を成功させるためには、信頼できる買取業者を選ぶことが必要です。

本記事では、共有不動産を現金化する5つの方法と手続きについて解説します。

また、共有不動産の売却相場や買取業者を選ぶときのポイントも紹介しますのでぜひ参考にしてください。

共有不動産を現金化する5つの方法

最初に共有不動産を現金化する5つの方法について解説します。

  • 第三者に共有持分を売却して現金化する
  • 共有持分を他の共有者に売却して現金化する
  • 自分が他の共有者の持分を買い取ったあとに売却して現金化する
  • 共有者全員の合意のもと不動産全体を売却して現金化する
  • 共有物分割請求を申し立てて共有状態を解消した後に売却して現金化する
共有不動産を現金化する方法 こういう場合におすすめ 現金化までの早さ
第三者に自分の持分を売却する ・とにかく早く現金化したい場合
・他の共有者とかかわりたくない場合
★★★★★
自分の持分を他の共有者に売却する ・他の共有者と話し合いの余地がある場合
・他の共有者に自分の持分を買い取る資力がある場合
★★★★
自分が他の共有者の持分を買い取ったあとに売却して現金化する ・他の共有者と話し合う余地がある場合
・他の共有持分を買い取る資力がある場合
★★★
共有者全員の合意のもと不動産全体を売却して現金化する ・共有者の誰も不動産に居住したり、活用したりしていない場合
・他の共有者全員と話し合いができる場合
★★
共有物分割請求を申し立てて共有状態を解消した後に売却して現金化する 他の共有者と売却について話し合う、あるいは合意することが難しい場合

第三者に共有持分を売却して現金化する

1つ目の方法は、第三者に自分の持分を売却する方法です。

例えば、土地を3人で共有しそれぞれ3分の1の持分がある場合、自分の持分である3分の1だけを第三者に売却します。

共有関係にある不動産全体を売却するとなると、共有物に対する「変更行為」にあたり、他の共有者全員の合意が必要です(民法第251条)。そのため共有者の一人でも反対すれば売却できません。

一方、自分の持分だけであれば自由に売却することができます。

もっとも、共有持分を売却する方法として一般の不動産市場での売却も考えられますが、購入者は共有持分を取得しても、土地や建物を自由に利用・処分できないため、買い手を見つけることは困難です。

そのため自分の共有持分を売却する場合、不動産の買取事業者などに買い取ってもらうことが現実的な方法となります。

共有持分専門の買取業者であれば、共有不動産に関して豊富な経験と知識を持ち合わせています。

他の共有者との間でトラブルを抱えている物件でも、売却に向けて必要なサポートを受けられるでしょう。

共有持分を他の共有者に売却して現金化する

2つ目の方法は、共有持分を他の共有者に売却する方法です。

共有持分だけを売却することは簡単ではありませんが、利害関係のある他の共有者であれば買い取ってもらえる可能性は高まります。

特に共有者が一人しかいない場合、共有持分を買い取ることで不動産全部の所有権を手にすることが可能です。

単独名義になれば、自らの意思だけで増改築したり売却したり自由にできるため、購入する共有者のメリットは大きいといえます。

ただし、この方法は、他の共有者に買い取る資力があることが必要です。共有者が買い取るための資金を準備できなければ難しくなります。

加えて、共有者が複数いる場合は、誰に買い取りの提案をするかに注意しなければなりません。

なぜなら、共有持分の割合で不動産に対して行使できる権利が変わるためです。

例えば、土地・建物の短期賃貸借などの管理行為は、持分の過半数の合意があればできます(民法第252条)。

自分の持分を買い取った共有者がこういった権利を行使できるようになることで、他の共有者から「なぜ自分に売らなかったのか」など責められる可能性があります。

自分が他共有者の持分を買い取ったあとに売却して現金化する

3つ目の方法は、自分が他の共有持分を買い取ったうえで売却する方法です。

他の共有持分をすべて買い取ることで共有関係は解消され、通常の不動産と同様に一般市場で売却できます。

共有持分だけを売却する場合と比べて、売却しやすく高い売却収入が期待できます。

ただし、他の共有持分を買い取るには、他の共有者全員の合意とともに、共有持分をすべて買い取る経済力が必要です。

他の共有者の合意が得られない、あるいは十分な資力がなければ、買い取りは難しくなります。

共有者全員の合意のもと不動産全体を売却して現金化する

4つ目の方法は、共有者全員の合意のもと不動産全体を売却する方法です。

複数人で不動産を相続したものの誰も活用しない場合などに活用される方法で、通常、売却収入は持分の割合に応じて分配されます。

この方法のメリットは、不動産全体として売却できるため、一般の不動産市場価格で売却を進められる点です。

例えば、3人兄弟が同じ持ち分(3分の1)で相続した土地が3,000万円で売却できた場合、それぞれ1,000万円ずつ分配できます。共有持分(3分の1)だけを売却する場合、これだけの売却収入(1,000万円)は期待しにくいでしょう。

ただし、この方法で現金化するには共有者全員が売却に合意ことが必要です。売却せずに土地活用したい、あるいは思い入れのある不動産を売却したくないなど反対する共有者がいると難しくなります。

共有物分割請求を申し立てて共有状態を解消した後に売却して現金化する

最後に、共有物分割請求を裁判所に申し立て、共有状態を解消した後に売却する方法です。

当事者間で話し合ったものの合意できない場合、共有物分割請求調停や共有物分割請求訴訟を提起することが可能です。

共有物分割請求は、不動産の共有者の一人が他の共有者に共有の解消を求める手続きです。法律上も、各共有者はいつでも共有物の分割を請求することを認めています(民法256条)。

共有物分割請求訴訟では、お互いが主張・立証を尽くし、裁判所が共有状態の解消方法を決めます。裁判所の判決には強制力があるため、被告となった他の共有者は判決に従わなければなりません。

ただし、注意しなければならないのは、必ずしも思い通りの判決が得られるわけではない点です。

「他の共有持分を買い取り一般市場で売却したかったが、競売にかける結果になった」ということも考えられます。

また、共有物分割請求訴訟は、時間や手間、費用の負担が大きく、最終手段として考えておくのがよいでしょう。

共有不動産の現金化までの流れ

ここでは共有不動産を現金化するまでの流れについて解説します。

  1. 現金化の方法を決める
  2. 他の共有者と交渉する
  3. 【買取業者・不動産業者に売却する場合】査定をしてもらう
  4. 【共有物分割請求訴訟を行う場合】協議を経て訴訟を申し立てる
  5. 売買契約を締結する
  6. 決済・所有権登記を行い手続きを完了する

現金化の方法を決める

まず共有不動産をどのようにして現金化するかを決めます。

自分の共有持分のみを第三者に売却する場合は、他の共有者の合意は必要ありません。

一方、「他の共有持分を買い取って売却する」あるいは「不動産全体をまとめて売却する」には、他の共有者との話し合いや同意が必要です。

他の共有者と良好な関係にあり話し合いがしやすい、あるいは他の共有者が高齢で持分の処分を考えなければならない状況にある場合などは、交渉しやすいでしょう。

また、共有不動産が土地だけであれば、状況によっては自己の持分のみを分割して売却できるケースもありますが、マンションや一戸建ては分割して売却することはできません。

そのため、現金化する方法を決めるには、他の共有者との関係性や不動産の状況を考慮しながら最適な方法を選択しましょう。

他の共有者と交渉する

自分の持分のみを売却する場合を除き、現金化する方法が決まれば他の共有者と交渉する必要があります。

交渉にあたっては、次のような共有持分を持ち続けるデメリットやリスクを伝えることで進めやすくなるでしょう。

  • 共有者の誰かに相続が発生すると権利関係が複雑になる
  • 共有持分だけの売却では価格が低くなる
  • 土地・建物を占有する共有者が家賃や維持費を支払えなくなる
  • 建物の築年数が経過するほど売却しにくくなる

単独名義の不動産と比べて、共有不動産は相続や離婚が発生すると権利関係が複雑になりやすい特徴があります。

また、共有持分だけを一般の不動産市場で売却することは難しいため、将来の不動産の利用予定や資産価値の低下なども考える必要があります。

このような共有不動産を所有し続けるリスクや将来生じうる負担などを踏まえて交渉するとよいでしょう。

【買取業者・不動産業者に売却する場合】査定をしてもらう

共有持分のみを一般の不動産市場で売却することは難しいため、次のいずれかが現実的な方法になります。

●共有持分のみを買取業者に売却する
●共有不動産全体を仲介で売却、あるいは買取してもらう

いずれにしても「買取価格」あるいは「売却価格」を査定してもらう必要があります。

査定には机上で簡易的に査定する「簡易査定」と実際に不動産の現状や周辺環境を見て査定する「訪問査定」があります。

売却価格の目安を知りたいだけであれば簡易査定でもいいですが、実際に売却するとなると訪問査定が必要です。

査定結果が出るまで、簡易査定の場合、早ければ当日中、訪問査定の場合、1週間程度かかります。

買取業者の公式サイトには、査定にかかる期間の目安が記載されているため参考にするとよいでしょう。

【共有物分割請求訴訟を行う場合】協議を経て訴訟を申し立てる

共有者同士の協議をしても、話し合いがまとまらなければ裁判所に共有物分割請求訴訟を申し立てます。

訴訟を提起した際に他の共有者から協議をしていないと反論されないためにも、協議にあたっては内容証明郵便を活用し、協議した事実を証明できるようにしておきましょう。

また、訴訟を提起する前に、裁判所に「共有物分割調停」を申し立てる方法もあります。共有物分割調停は、共有物の分割について、第三者である調停委員を交えて話し合いをする手続きです。

主に調停委員2名が当事者双方の話を個別に聞き、合意に向けて協議を行い、調停が成立すれば調停調書が作成され、協議がまとまらなければ不調となり手続きは終了します。

もっとも、共有物分割請求訴訟においては、調停前置主義(訴訟を提起する前に調停を経なければならない制度)はとられていません。

そのため、共有物分割調停をしなくても訴訟を提起することは可能です。

共有物分割請求訴訟は、不動産の所在地あるいは相手(被告)の住所地を管轄する地方裁判所へ申し立てます。

申し立てには、訴状の正本および副本のほか、固定資産税評価証明書や登記簿謄本(全部事項証明書)、収入印紙、切手代が必要です。

訴状の作成や副本を他の共有者全員に送付する必要などがあるため、弁護士への相談は不可欠といえます。

また、共有物分割請求訴訟を提起すると、早くても半年、長ければ数年単位の時間がかかるケースもあります。

訴訟を提起を検討する際には、裁判手続きにかかる時間や費用などの負担を考えて判断しなければなりません。

売買契約を締結する

共有持分の売却、あるいは不動産全体を売却することが決まれば、買主と売買契約を締結します。

共有持分のみを売却する場合も売買契約書は必要です。

売買契約書には、売買金額や引渡し時期のほか売主、買主の義務などの契約条件が記載されています。売買契約締結の前に内容を確認し契約にのぞむようにしましょう。

特に、不動産の売却では、売主の契約不適合責任についてしっかりと明記されていなければのちのちトラブルとなる可能性があります。

契約不適合責任とは、契約内容に適合しない目的物を引き渡したときいに売主が買主に対して負う責任です(民法第562条以下)

買取業者へ売却する場合、通常、売主の契約不適合責任は免責されることが多いですが、一般の買主に売却する場合には、売主としてどこまでの責任を負うかを明確にしておくことが必要です。

なお、共有持分を他の共有者に売買する場合に、不動産会社を利用せず個人同士で売買する(個人間売買)ことも可能ですが、個人間売買においても必ず売買契約書を締結しておくべきです。

ただし、個人間売買では、売買契約書や重要事項説明を作成する売主の負担が大きいだけでなく、必要な内容が盛り込まれておらず、のちのちトラブルに発展する可能性がある点には注意が必要です。

決済・所有権登記を行い手続きを完了する

売買契約を締結すれば、決済・引き渡しの手続きに進みます。

売買代金や固定資産税精算金の支払いと同時に引き渡し(鍵渡し等)が行われることが一般的です。

決済・引き渡し手続きが完了すると、売主から買主へ所有権移転登記を行います。

所有権移転登記とは、登記簿上、共有持分の名義を売主から買主に移転する手続きです。

所有権移転登記には専門的な知識が必要となるため、司法書士に依頼することが一般的です。

また、共有持分を買取事業者に売却する場合は、買取事業者が登記手続きを行いますが、他の共有者に共有持分を売却する場合には、通常売主が所有権移転登記の手続きを行います。

共有不動産の相場

共有不動産の相場は、物件の立地条件(交通・生活利便性)や築年数、構造、土地・建物の状態などのほか、共有持分の割合や他の共有者の数で変わります。

また、他の共有者へ売却する場合と共有者以外の第三者へ売却する場合でも異なります。

売却する相手 売却相場
他の共有者 不動産全体の市場価格×持分割合
共有者以外の第三者(買取業者など) 不動産全体の市場価格×持分割合×1/2~1/3

共有持分を専門の買取業者など共有者以外の第三者に売却する場合、市場価格より売却相場は低くなり、そもそも、一般の不動産市場では売却が困難なケースも少なくありません。

なぜなら、共有持分を取得した買主は、不動産全体の所有権を持つわけではないため自由に利用したり、処分(売却したり)できず、需要が少ないためです。

例えば、持分割合によっては、一定規模のリフォームをするにも他の共有者の同意がなければできません。

また、将来的に売却したいとなっても他の共有者の同意が必要となり、意見が合わず揉めるあるいは売却できない可能性があります。

このような制限が伴う共有持分の相場は、不動産全体の売却と異なり市場価格より低くなりやすいといえます。

現金化する以外で共有不動産を手放す方法

次に、売却して現金化する以外の方法で共有不動産を手放す方法について解説します。

  • 共有持分を放棄する
  • 共有持分を贈与する

共有持分を放棄する

共有持分の放棄は、自分の共有持分を放棄して他の共有者に所有(帰属)させる手手続きです(民法第255条)。

民法第255条
共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

共有持分を放棄すると、他の共有者に持分の割合に応じて分配されます。

例えば、3人がそれぞれ持分3分の1ずつで共有しており、その一人が共有持分を放棄した場合、残り2人の共有持分はそれぞれ2分の1ずつとなります。

共有持分を売却あるいは贈与する場合、相手方の合意(意思の一致)が必要ですが、放棄の場合、相手方の合意は必要ありません。

持分を放棄する意思表示と持分放棄の登記手続きをすれば、他の共有者の意思に関係なく進められます。そのため、もっとも簡単に共有状態を解消できる方法といえるでしょう。

ただし、共有持分を放棄する場合、次の点に注意する必要があります。

  • 持分の取得者(他の共有者)には贈与税が課税される
  • 他の共有者ともめないように進める
  • 最後の一人になると持分放棄できない
  • 放棄した年度の固定資産税は負担しなければならない

共有持分の放棄は意思表示だけでできるとはいえ、他の共有者には贈与税が課税される可能性があるだけでなく、将来的に固定資産税の負担が増えることになります。

そのため、事前に口頭で意思表示をしたうえで、その事実を残すために内容証明郵便を送るなど他の共有者と揉めないように進めることが必要です。

また、他の共有者が先に共有持分を放棄し、最後の一人になった場合、その不動産に関して単独の所有権を持つことになります。

単独の不動産の所有権については放棄できず、贈与あるいは安価で譲渡するなど他の方法を考える必要があります。

共有持分を贈与する

共有持分を他の共有者や第三者に贈与する方法もあります。

放棄の場合と同様に、持分を取得した者には贈与税がかかる可能性があります。

もっとも贈与は、放棄と異なり、贈与を受ける側の合意が必要です(民法第549条)。

民法第549条 
贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

また、複数の共有者がいるとき、放棄の場合、共有者の持分割合に応じて分配されますが、贈与の場合、誰にどれくらいの割合を贈与するかを決められます。

つまり、贈与する側の意思を反映させることができます。

売却の合意が取れないなら自己持分だけの売却がおすすめ

共有持分を売却する方法として次の5つを紹介しました。

  1. 第三者に自分の持分を売却する
  2. 他の共有者に自分の持分を売却する
  3. 他の共有者の持分を買い取って不動産全体を売却する
  4. 共有者全員の合意のもと不動産全体を売却する
  5. 共有物分割請求を申し立て、共有関係を解消し不動産全体を売却する

もっとも、1の方法以外は、他の共有者が買い取ることや自分の持分を売却することの合意が必要となります。

そのため、合意が得られない場合は、自分の持分だけを第三者に売却することがおすすめです。

共有者が多いほど合意を得るための交渉が難航しやすく、全員の合意を得られるまでに手間や時間がかかります。状況によっては、他の共有者と連絡が取れない場合もあるでしょう。

このような場合、自己の持分だけを第三者に売却する方法は、共有関係を解消し現金化する有効な手段といえます。

もっとも、不動産の共有持分の売却は、不動産全体を売却するより買い手を見つけるのは難しく、売却価格が低くなります。

そのため、共有持分専門の買取業者などに相談しながら、最適な売却先を見つけることが大切になります。

買取業者に自分の持分を売却する2つのメリット

買取業者に自分の持分を売却するメリットについて紹介します。

  • 他共有者の合意なく現金化できる
  • 専門の買取業者に売却すれば早期に現金化できる

他共有者の合意なく現金化できる

買取業者へ売却する場合、他の共有者の合意は必要ありません。他の共有者と一切かかわりなく売却することも可能です。

  • 他の共有者との関係性が悪い
  • 交渉しても合意が得られそうにない
  • 他の共有者と交流がまったくない・行方が分からない

こういった場合でも自分の持分のみを売却し、共有関係を解消することができます。

ただし、悪徳な買取業者へ売却すると、他の共有者との関係を含めてトラブルとなる可能性があるため慎重に売却先を選ぶ必要があります。

専門の買取業者に売却すれば早期に現金化できる

専門の買取業者であれば、スピーディーに現金化できる点もメリットといえます。

他の共有者に売却するにしても、他の共有者の同意を得て売却するにしても、合意を得るための交渉には時間がかかります。

当事者間での話し合いで解決が難しく、共有分分割調停あるいは裁判手続きが必要となると、さらに時間や費用はかかるでしょう。

また、全員の同意を得て不動産全体を一般市場で売却できる場合でも、買主を探し、売買契約を締結し引き渡しまで通常でも3~5カ月程度の期間が必要です。物件によってはなかなか買い手が見つからず、1年以上売れないこともあります。

その点、専門の買取業者であれば、買い手を探す手間がなく、売買金額で合意できれば現金化までスピーディーに進められます。

共有持分専門の買取業者であれば、1週間程度で買い取ることも可能です。

自分の共有持分を売却する買い取り業者を選ぶ際のポイント

共有持分を売却する買取業者を選ぶ際、次のようにいくつかポイントがあります。

  • 複数の買取業者に査定を依頼する
  • 査定金額の根拠を確認する
  • 弁護士などの士業と連携している業者を選ぶ

共有持分の買取実績が豊富な複数の買取業者に査定を依頼し、査定金額や担当者の対応、買取の進め方などを比較することが大切です。

特に、買取価格については、立地や土地、建物の状況、築年数、共有者の数などをさまざまな要因を考慮し、周辺の相場と比較したうえで決まるため、買取業者によって差が出ることもあります。

そのため査定金額の根拠に納得できる業者を選ぶことが重要となります。

また、共有持分の売却は他の共有者にも影響するため、共有者間でのトラブルを抱えているケースもあります。

その点、弁護士と提携して買取を進められる買取業者であれば、共有者間のトラブルが生じている場合でも買い取ってもらいやすいといえるでしょう。

できるだけ高く、またスムーズに売却するためには、信頼できる買取業者を選ぶことが大切です。

まとめ

共有不動産を現金化する方法は次のとおりです。

  1. 第三者に自分の持分を売却する
  2. 他の共有者に自分の持分を売却する
  3. 他の共有者の持分を買い取って不動産全体を売却する
  4. 共有者全員の合意のもと不動産全体を売却する
  5. 共有物分割請求を申し立て、共有関係を解消し不動産全体を売却する

1の方法以外は、他の共有者との交渉・合意が必要となります。

そのため、他の共有者との関係性や共有者の数などによっては、交渉が難航し、合意に至ることが難しいケースも少なくありません。

当事者間の話し合いで合意できなければ、共有物分割調停や共有物分割請求訴訟を申し立てることも考えられますが、時間や手間、費用がかかるうえ他の共有者との関係性が悪くなることもあります。

この点、自分の共有持分だけを第三者に売却する方法であれば、このような負担やリスクを避けることもできます。

ただし、共有持分は需要が少なく、一般の不動産市場を通じて個人の方への売却は難しくなるため、買取業者への売却が現実的な選択肢となります。

買取業者への売却であれば、売買金額で合意できれば契約から現金化までスピーディに進めやすいといえるでしょう。

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