共有持分買取業者の目的は?メリットや業者の選び方を専門業者が解説

「共有持分を売りたいけど、業者の目的がわからなくて不安」「なぜわざわざ揉め事の原因になりそうな持分を買い取る業者が存在するの?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
実のところ、弊社のような共有持分買取業者の目的は、大きく分けて2つあります。
1つは、共有関係によって停滞している不動産の権利関係を整理し、単独所有化や不動産全体の売却を通じて本来の価値を回復させることです。そしてもう1つは、その過程で生じる事業としての適正な収益を確保することにあります。
共有持分は、単体では利用や処分が制限されるため、市場では一般的な不動産よりも低い水準で取引されるのが基本です。しかし、他の共有者との交渉や法的手続きによって権利関係を整理できれば、不動産全体としての価値が回復します。そのリスクを引き受け、権利調整を行うことが、共有持分買取業者の実務上の役割なのです。
もちろん、私たち買取業者は慈善事業を行っているわけではありません。専門的な法律知識と交渉力を駆使して不動産の価値を回復させ、その対価として適正な利益をいただくことで、より多くの共有名義に悩む方々を救い続けることができると考えています。
しかし、共有持分の取り扱いには高度な専門知識が求められるため、依頼する業者によって提案内容や解決までの過程には大きな差が生じるのが実情です。なかには、共有持分買取業者に依頼することで、以下のようなトラブルが生じるケースもあります。
- 共有持分を相場よりも安値で買い叩かれてしまう
- 買取業者から他の共有者へ強引な営業が行われる
- 共有物分割請求訴訟を起こされて無理やり共有状態が解消される
このようなトラブルを避けるためには、「依頼する共有持分買取業者が、どのような目的で持分を買い取っているのか」を理解しておくことが重要になります。
本記事では、共有持分買取の専門業者の視点から、どのような目的と手段で持分の買取をしているのかをお伝えします。
また、共有持分買取業者との間で起こり得るトラブルや、業者選びのポイント、依頼するメリット、弊社の買取事例もあわせて紹介します。共有持分を売却して共有名義から解放されたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
共有持分買取業者の目的と手段
弊社のような共有持分買取業者は、企業である以上、事業として利益を確保することを目的のひとつとしています。そのうえで、権利関係が複雑な持分を買い取る理由は「共有関係に伴うトラブルの未然防止・解消」と「活用が難しくなった不動産の価値を回復させること」にあります。
共有名義の不動産は、共有者全員の同意がなければ売却や大規模な修繕ができず、放置されると老朽化や空き家問題、さらには次世代への相続トラブルを招くおそれがあります。
弊社のような買取業者は、こうした複雑な権利関係を整理するノウハウを有しており、他の共有者との交渉や法的手続きを通じて不動産を再び活用可能な状態へと導きます。その結果として、不動産全体の資産価値が回復し、事業としての利益を確保できる構造になっています。
つまり、共有持分の買取は単なる転売目的ではなく、権利調整という実務を通じて不動産の価値を高め、その対価として適正な利益を得る事業といえます。
では、どのようにしてその目的を実現しているのか、以下では、共有持分買取業者が実際に用いる代表的な手段について、順を追って解説します。
- 共有名義不動産を単独所有にできるように共有者へ交渉をする
- 共有名義不動産全体を売却する同意を得るために買取後は共有者として交渉する
- 共有物分割請求によって強制的に不動産の共有名義を解消する
手段①:共有名義不動産を単独所有にできるように共有者へ交渉をする
共有持分を買い取った後、私たち買取業者がもっとも多く採用する方法が「他の共有者様との協議による単独名義化」です。
共有名義のままでは、不動産全体の売却や大規模な活用には原則として共有者全員の同意が必要となります。そのため、実質的に不動産を活用できない状態が続き、資産価値が十分に発揮されないケースが少なくありません。
実際、弊社にも「共有者から反対を受けて売却やリフォームができないため、共有名義から抜け出したい」といったご相談が非常に多く寄せられています。
なお、交渉の際はいきなり共有者様に価格提示をするのではなく、まず各人の立場や意向を把握することから始めます。あくまでも弊社の実務経験をもとにした例ですが、具体的な流れは以下のようになることが多いです。
- 共有者様に連絡を取り、意向調査を行う
- 共有名義のリスクを丁寧に説明する
- 市場価格などに基づいて持分買取の提案を行う
- 交渉がまとまれば持分を買い取って単独名義にする
単独所有にすれば、共有者様全員が不動産の管理や共有名義のトラブル、維持費の負担から解放されるため、円満な解決を目指すうえでもっともスタンダードな方法となります。
場合によっては共有者様との交渉に時間がかかることもありますが、地道に信頼関係を築き、納得いただいたうえで共有名義を整理してもらうことが、不動産の価値再生にもつながると考えております。
手段②:共有名義不動産全体を売却する同意を得るために買取後は共有者として交渉する
あまり多くみられない方法ではありますが、共有名義不動産全体を売却する同意を得るために、買取後は共有者として交渉するケースもあります。
共有名義不動産を第三者に売却するためには、原則として共有者全員の同意が必要です。しかし、実際には「一部の共有者が売却に反対している」「連絡が取れない共有者がいる」「感情的な対立により話し合いが進まない」といった事情から、売却が頓挫しているケースが多く見受けられます。
このような場合、私たちは単に持分を買い取るだけでなく、売却に反対されている共有者様との間に立ち、全体売却に向けた合意形成を図ります。話し合いの際には、売却した場合と共有状態を続けた場合のメリット・デメリット、将来的なリスクなどを丁寧に説明し、不動産全体の売却に納得いただけるよう努めています。
合意が得られた場合、買取業者が不動産全体を一括して買い取ります。これにより、売主様は自分の持分のみを売却する場合と比べ、より高い評価額での現金化が可能になります。
利用制限の多い持分は買主が限定されるため、市場価格よりも減額して評価せざるを得ないのが実情です。一方、不動産全体であれば完全な所有権として扱われ、一般の買主様や投資家など幅広い購買層にアプローチできます。市場における流動性が最大化されることから、不動産本来の価値をそのまま現金化できるという仕組みです。
共有名義不動産全体を売却するための交渉は、売却の意思を持つ共有者が存在するものの、共有者同士の調整が難航しているケースで選択されることが多い対応です。共有者同士では感情的な対立が強く、冷静な話し合いが困難な場合でも、専門知識と交渉経験を有する買取業者が関与することで、解決への糸口が見つかることがあります。
手段③:共有物分割請求によって強制的に不動産の共有名義を解消する
共有者との協議を重ねても合意に至らず、これ以上ほかに現実的な解決策がない場合に、最終手段として検討されるのが共有物分割請求です。
共有物分割請求とは、地方裁判所に申し立てを行い、不動産などの共有物について、共有状態解消を求める手続きのことです。各共有者には、民法第258条に基づき、いつでも他の共有者に対して共有状態の解消を求める権利が認められています。
(裁判による共有物の分割)
第二百五十八条 共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
引用元:民法|e-Gov 法令検索
とはいえ、何の前触れもなくいきなり共有物分割請求の訴訟に発展するわけではありません。
持分の買取後、まずは共有者様にコンタクトを取り、話し合いでの解決を図ります。どれほど話し合いを重ねても解決の糸口が見えない場合は、家庭裁判所に共有物分割請求調停の申し立てをし、調停委員を交えた協議を行います。
この段階で、「持分の買取」や「不動産全体の売却」に同意いただければ和解成立となり、調停で取り決めた方法に従って共有状態を解消するための手続きを進めます。
一方、調停でも解決できなければ、最終手段として共有物分割請求の訴訟を起こすことになります。判決によって強制的に分割方法が決定されるため、相手方の同意が得られない場合でも、最終的には確実に共有状態を解消できるのが大きな特徴です。
なお、実務では共有物分割請求の訴訟にまで発展するのは非常にまれなケースです。裁判を起こすと大きな時間と手間、そして費用の負担が生じるため、買取業者としてもできるだけ話し合いで解決したいというのが実情です。
そのため、共有物分割請求が必要とされるのは、「立地条件が良く需要が高いにもかかわらず、共有者間の感情的な対立が原因で不動産が活用できない」といった場合に限られます。
共有物分割請求は、持分の売主様と共有者様の対立を深めるおそれがあるため、安易に選択することはありません。しかし、共有状態が原因で不動産を活用できない状態が長期的に続いている場合には、共有物分割請求という法的措置が不動産価値の回復と問題解決につながるケースもあります。
共有持分買取業者に依頼するとトラブルが起こることはある?
共有持分の売却を検討する際、多くの方が最も懸念するのが「買取業者に依頼することで、逆にトラブルが大きくなるのではないか」という点ではないでしょうか。
結論から述べると、一部の買取業者との間では、売主様や他の共有者様を巻き込んだトラブルが発生するケースもあります。
しかし、すべての買取業者で深刻なトラブルが生じるわけではありません。共有持分買取業者は、企業として利益を確保することを前提としながらも、複雑な権利関係を整理し、不動産を再生させることを事業の柱として掲げているためです。
一方で、なかには不動産の再生や円滑な解決よりも、短期的な利益のみを優先する業者も存在します。そのような業者に依頼した場合、専門的な配慮を欠いた強引な手法が取られやすく、結果として売主様や他の共有者様との関係が悪化し、新たな紛争の火種となってしまうのです。
ここからは、悪質な買取業者との間で起こり得るトラブル事例を取り上げ、その背景について詳しく解説します。
- 共有持分を相場よりも安値で買い叩かれてしまう
- 買取業者から他の共有者へ強引な営業が行われる
- 共有物分割請求訴訟を起こされて無理やり共有状態が解消される
共有持分を相場よりも安値で買い叩かれてしまう
共有持分のみを売却する場合、通常の不動産全体の売却と比べて価格が下がる傾向にあるのは事実です。共有持分は、単独では自由に使用や処分ができず、市場での流通性が限定されるためです。
しかし、本来の共有持分としての相場よりも、さらに低い金額で買い叩かれてしまうケースも存在します。もちろん悪質な業者に限った話ですが、「持分のみだと他では売れない」「今すぐ決めないと条件が悪くなる」などと不安をあおり、十分な説明をしないまま安値で契約を急がせることがあります。
このように利益のみを最優先にする業者の場合、売主様が抱える「早く共有関係から抜け出したい」という心理的負担や、持分売却に関する知識の差につけ込み、不当に低い査定額を提示されることがあります。
共有持分の評価には、立地や建物の状態、他の共有者との関係性、将来的な権利調整の見込みなど、多くの要素が影響します。これらを考慮せず、一律で大幅に減額した査定額を提示する業者が存在する点には注意が必要です。
このようなリスクを避けるためには、1社のみの査定で売却先を決めるのではなく、複数の買取業者に見積もりを依頼し、査定額の根拠に関する説明を求める姿勢が大切です。
買取業者から他の共有者へ強引な営業が行われる
共有持分を買取業者に売却した後、その業者が他の共有者に対して強引な営業を行い、結果として親族間の関係が悪化してしまうケースもあり得ます。
共有持分を取得した買取業者は、権利関係の整理や不動産売却を目指し、他の共有者と交渉を行うことになります。本来であれば、法的根拠や売却のメリット・デメリットを丁寧に説明しながら協議を進めるべきですが、悪質な業者の場合、過度に圧力をかけたり、不安を煽るような説明を行ったりすることがあります。
その結果、売主様が共有関係から抜け出せたとしても、元共有者である親族などから「なぜ業者に売ったのか」「強引な営業で困っている」と不信感を抱かれ、人間関係に深刻な傷を残してしまいかねません。
このようなトラブルを防ぐためには、価格だけで業者を選ぶのではなく、どのような姿勢で他の共有者と交渉を行うのかを事前に確認することが大切です。また、口コミサイトなどもチェックし、売却後にトラブルが起きていなさそうかどうかも事前に調べるようにしましょう。
共有物分割請求訴訟を起こされて無理やり共有状態が解消される
共有持分の売却後、買い取った業者が他の共有者様に対し、話し合いの余地を与えないまま共有物分割請求訴訟を提起するという可能性も考えられます。
前述したとおり、共有者には共有物分割請求を行う権利が認められています。そのため、買取業者が持分を取得すれば、法的には共有物分割請求が可能となります。
しかし、本来であればまず話し合いによる解決を目指すべきであり、いきなり訴訟を起こすのは悪質な業者と言わざるを得ません。
悪質な業者の場合、交渉の過程で極端に低い金額での買取を提示してきたり、反対に高額な代償金を請求して圧力をかけたりすることもあります。もしも訴訟を起こされると、受けた側も弁護士を雇って対応する必要性が生じ、多額の費用と時間、精神的な負担を強いられることになります。
共有持分の買取を専門とする弊社の経験上、共有物分割請求訴訟が業者から提起されるケースは多くはありません。ただし、可能性がゼロではない以上、なるべく話し合いによる解決を優先している業者を選ぶことが大切です。
共有持分買取業者を選ぶときのポイント
共有持分の買取はトラブルの防止や不動産価値の回復につながる可能性がある一方、業者の姿勢や対応次第では新たな問題を生むこともあります。
そのため、共有持分の売却を成功させ、その後のトラブルを防ぐためには、価格の高さだけでなく、信頼できる業者かどうかを冷静に見極めることが大切です。
ここでは、共有持分買取業者を選ぶ際に確認しておきたい具体的なポイントを以下3つの項目に分けて解説します。
- 国土交通省のネガティブ情報検索サイトなどで処分履歴がないかを確認する
- すぐに売買契約を成立させてくるような業者は避ける
- 買取実績が十分にある業者を選ぶ
国土交通省のネガティブ情報検索サイトなどで処分履歴がないかを確認する
買取業者が信頼できるかどうかを客観的に判断する有効な手段のひとつに、過去の行政処分歴を確認することが挙げられます。
不動産業者は宅地建物取引業法などの法令を遵守する義務があります。もしもこれらに違反し、業務停止や改善命令といった行政処分を受けた業者は、国土交通省が運営する「ネガティブ情報等検索サイト」にその履歴が記録されます。
処分歴があるからといって、必ずしも悪質であるとは断定できませんが、過去の営業方法や契約手続きに問題があったということは事実です。法令遵守の意識が低い業者を選ぶと、売却後に予期せぬトラブルに巻き込まれるリスクがあるため、事前に確認しておくようにしましょう。
弊社クランピーリアルエステートは、法令遵守を経営の最優先事項として掲げており、これまで行政処分を受けた履歴は一切ありません。ご相談いただいた際には買取のメリットだけでなくデメリットも丁寧に説明し、透明性の高い誠実な取引を提供することをお約束いたします。
すぐに売買契約を成立させてくるような業者は避ける
共有持分の売却は、その後の生活や他の共有者様との関係性にも影響を及ぼす重大な決断です。信頼に足る買取業者であれば、査定額の根拠や売却後の流れを丁寧に説明したうえで、売主様が十分に検討できる時間を設けるのが当然といえます。
しかし、自社の利益やノルマのみを最優先する業者のなかには、売主様の迷いや焦りにつけ込み、強引に契約を急がせることがあります。たとえば「今日中に決めてもらえればこの価格で買います」「今ここで契約すれば手付金を支払います」などと迫るようなケースです。
売主様のペースを無視して契約を急かす買取業者は、契約後のフォローや共有者への対応においても不誠実である可能性が高いため、専門家としては避けることを推奨しております。
弊社クランピーリアルエステートでは、査定や相談のみのご依頼も受け付けています。売却を迷っている段階での相談も可能であり、提示内容に納得いただけた場合にのみ、契約手続きへ進むことをお約束いたします。
買取実績が十分にある業者を選ぶ
共有持分の取引は、通常の不動産売買とは異なり、権利関係の調整や共有者間の交渉など、専門的な対応が求められます。そのため、買取実績が十分にあるのかどうかは、業者選定において重要な判断材料となります。
共有持分の買取に自信を持つ業者であれば、過去の事例や解決までの流れを具体的に公開していることが多く、どのようなケースに対応してきたのかを確認できます。実績が豊富な業者ほど、売却後の手続きや他の共有者への対応にも一定のノウハウがあると考えられます。
反対に、実績が不明確な業者や実態がわかりにくい業者は、共有持分の取り扱いに慣れていない可能性があります。共有持分は専門知識がなければ扱いが難しいため、そのような業者に依頼すると、不用意な対応が原因でトラブルを招く懸念があります。
また、ホームページに「個人情報保護方針」や「プライバシーポリシー」が明記されているかも確認しておきたいポイントです。共有持分の相談では、相続や親族関係などの個人情報を取り扱うことになるため、情報管理体制が整っていない買取業者は推奨できません。
弊社クランピーリアルエステートは、共有持分買取の専門家として、全国で数多くの事案を解決へと導いてまいりました。公式ホームページでは、弊社がこれまでに積み上げてきた豊富な買取実績を公開しており、また法令も遵守したうえで運営をしています。
共有名義不動産の取り扱いや、共有持分の処分でお困りの方は、ぜひ一度弊社の無料相談をご活用ください。
共有持分買取業者を利用するメリット
共有持分の売却には不安やリスクもありますが、適切な業者を選ぶことができれば、共有状態を早期に解消する手段となり得ます。
共有持分は、通常の不動産と比べて流通性が低く、個人間での売却は容易ではありません。一方、専門業者に依頼すればトラブルを抱えている案件でも、不要な持分を早期に現金化できる可能性があります。
共有持分買取の専門家として、以下4つのメリットについて詳しく解説します。
- トラブルが起きていても共有状態から抜け出せる
- 市場では買主がつきづらい共有持分でも売却できる
- 最短数日で共有持分を現金化できる
- 仲介手数料がかからない
トラブルが起きていても共有状態から抜け出せる
共有名義の不動産において、最も深刻な悩みとなりやすいのが共有者間での人間関係のトラブルです。
弊社がご相談をいただく案件では、「意見の食い違いから感情的な対立に発展し、まともな話し合いすら困難になっている」「一部の共有者と連絡が取れず、共有名義を解消できない」などの事例が非常に多いです。
本来、共有名義の不動産全体を売却するためには全員の同意が必要ですが、こうしたトラブルを抱えている状態では、解決の糸口さえ見つからないのが実情です。
そこで専門の買取業者に依頼すれば、売主様が所有する持分のみを買い取る形となるため、他の共有者の同意を得ずに共有状態から抜け出すことができます。専門の買取業者は、上記のような複雑な背景を前提に持分を取得するため、共有者間の関係が悪化している場合や協議が困難な状況でも、取引を成立させられます。
共有状態から抜け出すことで、固定資産税の負担や将来的な責任から解放されるだけでなく、共有者間でトラブルが起きている状況からも距離を置くことができます。共有状態そのものが負担となっている場合は、持分の売却が現実的な解決手段となります。
市場では買主がつきづらい共有持分でも売却できる
不動産の共有持分は、一般的な不動産市場において、買主がつきづらい資産です。その最大の理由は、不動産の一部である持分だけを手に入れても、他の共有者の同意がなければ建て替えや売却、賃貸といった自由な活用が一切できない点にあります。
一般の買主や投資家にとって、購入後に自由に使用できず、かつトラブルに巻き込まれるリスクが高い持分は、購入対象として敬遠されやすいのが実情です。そのため、一般的な仲介会社に依頼しても持分のみは取り扱ってもらえないケースも多いものです。
実際、弊社でも「不動産会社に仲介を頼んだが断られた」「購入希望者が見つからない」といった内容のご相談を受けたことがあります。
一方、共有持分を専門とする買取業者であれば、こうした流動性の低い物件であっても積極的に買い取ることが可能です。なぜなら、買取業者は持分を取得した後に、他の共有者との協議や調整を経て不動産全体の権利関係を整理し、価値ある資産へと再生させる専門知識とノウハウを有しているからです。
個人では解決が困難で、市場では価値が低いと評価される持分でも、専門業者に依頼すれば柔軟に買い取ってもらうことができます。
最短数日で共有持分を現金化できる
共有持分を専門の買取業者に売却する大きなメリットとして、現金化までのスピードが早い点が挙げられます。
一般的な不動産仲介のように、広告を出して不特定多数の中から買主を探す必要がないため、査定から契約、決済までの期間を大幅に短縮することが可能です。
仲介による持分の売却では、購入希望者を見つけるだけでも数ヶ月以上の期間を要することも珍しくありません。価格交渉や内覧などの手間もあるため、よほど立地条件や建物の状態が良い物件でない限り、売買契約が成立するまでに長期間を要するのが基本となります。
その点、買取業者への売却は、業者が直接の買主となるため、提示された査定額に納得いただければ、すぐにでも契約手続きへと移行できます。買取業者によって対応スピードに差はありますが、弊社では最短数日で持分を現金化した実績もあります。
急な資金調達が必要になった場合や、共有状態からすぐにでも抜け出したいと考えている場合、買取業者への売却が大きなメリットとなります。
仲介手数料がかからない
共有持分を買取業者に直接売却する場合、仲介手数料がかからないのもメリットのひとつです。
一般的な不動産仲介を利用して売却が成立した場合、売主様は成功報酬として仲介手数料を支払うことになります。仲介手数料の割合は法律によって上限が決まっているものの、売却価格に基づいて計算されるため、高く売れるほど手数料も高額になります。
一方、買取業者に直接持分を売却する場合は、仲介業者を介さず直接取引を行うことになるため、仲介手数料を支払う必要はありません。余計なコストを削減できるのは、直接買取ならではの大きなメリットです。
共有持分は、不動産全体の市場価格と比べて評価額が低くなるのが基本です。だからこそ、余計な仲介手数料をかけずに売却できるのは、実質的な手取り額を増やすための重要なポイントとなります。
クランピーリアルエステートの共有持分買取事例
共有持分が売却に至る背景には、相続や離婚、親族間の対立など、複雑な事情が絡み合っているケースが非常に多いものです。実際、弊社に寄せられたご相談のなかにも、切迫した事情を抱えておられるケースが数多く見受けられます。
ここでは、実際に弊社クランピーリアルエステートが対応した共有持分の買取事例を3つピックアップして紹介します。
- 第三者が共有者となった土地の共有持分を買取した事例
- 離婚後も共有状態が続いていた不動産の持分を買取した事例
- 弁護士が介入する対立案件で共有状態を解消した事例
第三者が共有者となった土地の共有持分を買取した事例
親族間での共有状態が解消されないまま放置されていると、ある日突然、見知らぬ第三者が共有者に加わってしまうという事態が起こり得ます。以下で紹介する事例は、その典型ともいえるケースでした。
土地は不整形かつセットバックが必要なエリアに位置しており活用も難しいものでしたが、弊社にて適切に調査・対応を行い、売主様の持分を買取いたしました。
共有持分は他の共有者の同意なく自由に売却できるため、親族間での話し合いが停滞している間に第三者に売却され、「見知らぬ他人が共有者になる」という状況は少なくありません。
第三者が共有者となっている案件は、感情的な対立だけでなく、権利関係や将来的な処分方針の違いによるトラブルを招きやすくなります。
今回の事例では、連携している弁護士に法的リスクの調査を依頼し、活用の可能性を精査したうえで対応方針を定め、売主様の持分を買い取ることで共有状態の整理を実現しました。
離婚後も共有状態が続いていた不動産の持分を買取した事例
離婚時に不動産の権利関係を曖昧にしたまま放置してしまうと、時間が経ってから大きなトラブルへと発展するリスクがあります。
本事例は、長年解消できなかった元配偶者との共有関係に加え、住宅ローンの債務問題も絡んだ非常に難易度の高いケースでした。
さらに、住宅ローンの連帯債務も残っており、心理的・法的な負担を抱えておられました。そこで弊社にて物件調査・金融状況の確認を行い、買取いたしました。
離婚から長い年月が経過している場合、元配偶者との直接交渉は感情的な対立を招きやすく、話し合い自体が困難なことが多いものです。実際、弊社でも「話し合いを避けて解決したい」「そもそも連絡が取れない」といったご相談を受けることがあります。
とくに、本事例のように住宅ローンの連帯債務が残っている状態では、単なる名義変更だけでは済まず、金融機関への対応を含めた専門的な対応が必要になります。
今回の事例では、物件調査とともに住宅ローンの状況を確認し、実務的なリスクを精査したうえで買取を実施しました。
弁護士が介入する対立案件で共有状態を解消した事例
共有持分の問題が深刻化すると、当事者同士の話し合いでは解決が難しくなり、双方に弁護士がつくケースもあります。
本事例は、双方に弁護士がついていたもののお互いが一歩も譲らず、長期にわたって話し合いが平行線をたどっているというケースでした。
こうした中で「自分の持分だけでも整理したい」とご相談いただき、弊社が状況を確認のうえで持分を買い取りました。
共有者の一方が居住しており、かつ関係が悪化している場合、建物の内部確認すら拒まれることがあります。弁護士が介入していても、相手方の同意が得られない限り「不動産全体を売却する」という解決策は選べないため、何年も協議が平行線をたどることは珍しくありません。
このような対立案件では、当事者の精神的負担も大きくなっていき、弁護士費用もどんどんかさんでいきます。自分の持分だけでも売却することで、対立関係から解放され、これ以上の費用負担を避けることが可能です。
今回の事例では、対立している状況を確認したうえで、ご相談者様の持分のみの買取を実施いたしました。
まとめ
共有持分買取業者の目的は、共有関係に伴うトラブルを未然に防止または解消し、不動産の価値を再生することにあります。
他の共有者との合意形成を図り、不動産を単独名義に整理して活用するという行程を個人で進めるのは、非常に難易度が高いものです。専門の買取業者は共有持分の取り扱いに関するノウハウが豊富であるため、他の共有者との交渉を重ねて権利関係を整理し、最終的に単独名義へと集約することが可能です。
このように、共有持分の買取は有効な選択肢である一方、すべての業者が同じ理念で取り組んでいるわけではありません。なかには、自社の利益のみを優先するあまり、売主様や他の共有者との間で新たなトラブルを生じさせる悪質な業者も残念ながら存在します。
信頼できる買取業者を探すためには、国土交通省の「ネガティブ情報検索サイト」で過去の行政処分歴を確認したり、十分な買取実績や対応力を備えているかを比較することが大切です。
1社のみで判断するのではなく、複数の業者から見積もりを取り、査定額の根拠や解決方法などを聞いたうえで、信頼に足る業者を選ぶようにしましょう。
よくある質問
共有持分を売却したことは他の共有者に知られますか?
共有持分の売却手続きそのものは自分の意思だけで進められるため、査定から契約までの段階で他の共有者に通知が届くことはありません。
しかし、売却が完了して名義変更が行われた後は、新しい所有者となった買取業者が他の共有者へ挨拶や今後の相談のために連絡を入れるため、最終的には知られる可能性が高いです。
もしも「親族に知られる前に手続きを終えたい」といった事情がある場合、事前に買取業者とどのタイミングで他の共有者に連絡を入れるのかを打ち合わせしておきましょう。
共有持分の売却で税金は発生しますか?
共有持分の売却も通常の不動産売却と同様に、売却によって利益が出た場合には「譲渡所得税」が課されます。この場合、持分を売却した翌年2月16日~3月15日の期間中に確定申告を行い、税金を納める必要があります。
場合によっては特例を適用できるケースもありますが、計算が複雑になるため、節税を見据える場合は税理士と提携している買取業者を選ぶことを推奨します。
共有持分を買取業者に売却する流れはどのようになりますか?
共有持分の買取は、業者へ電話やメールで問い合わせ、物件情報をもとにした簡易査定を受けることから始まります。その後、業者が現地の状況や権利関係、公図、登記簿などを詳しく調査して正式な査定価格が提示され、金額に納得できれば売買契約の締結へと進みます。
契約書で定めた日に決済と引き渡し、持分の名義変更(登記)を済ませれば、すべての手続きは完了です。

