共有持分の売却は仲介と買取のどちらがおすすめ?売却の流れや業者の選び方を解説

のどちらがおすすめ?売却の流れや業者の選び方を解説

不動産の共有持分を売却したい場合、買取または仲介サービスを利用して売却するのが一般的です。しかし、どちらを選択すべきなのかよくわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。買取・仲介の主な違いは以下の通りです。

買取業者への売却 不動産会社の仲介で売却
売却の仕組み 買取業者へ直接売却する 不動産会社が売主と買主を仲介しサポートする
メリット ・すぐに売却できる
・契約不適合責任免責になる
・高額で売却できる
・周囲に知られずに売却できる
デメリット ・仲介より売却価格が低い ・買主が見つからない可能性がある
・仲介手数料がかかる

買取と仲介にはそれぞれメリット・デメリットが存在し、「買取のほうが優れている」「仲介のほうが優れている」とは一概に言えません。不動産の状況・需要に応じて、自分に合った方法を選びましょう。

とはいえ、共有持分は一般的な需要が少ないことから、そもそもの売却相場が低めな傾向があります。「とにかく早く手放したい」「他の共有者と早めに縁を切りたい」という場合は、すぐに売却しやすい買取業者の利用がおすすめです。弁護士と提携している買取業者なら、法的トラブルにも対応できます。

弊社株式会社クランピーリアルエステートは、全国1,500以上の士業・専門家と提携した法律に強い買取業者です。共有持分といった訳あり物件を専門に取り扱っているため、共有持分に関する豊富な買取実績とノウハウも持っています。ぜひ無料相談・無料査定からお気軽にご利用ください。

また、以下の記事では共有持分の売却相場を事例や査定のポイントを絡ませながら解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。

目次

共有持分は買取・仲介のどちらの方法でも売却できる?

共有持分とは、1つの不動産を他の人(共有者)が所有している状態(共有不動産)のとき、その不動産の所有割合を表すものです。共有持分は自分の所有物であるため、他の共有者の意思に関係なく自由に売却できます。共有持分の売却は、買取・仲介のいずれの方法でも可能です。

しかし、一般的に共有持分の買い手は付きづらいです。
なぜなら、共有持分はほかの共有者との権利関係によって、自由に利用できないからです。

そのため、基本的に共有持分の売却は買取が一般的です。

以下では、共有持分の売却についての基本をあらためて解説します。

共有持分は自分の意思だけで売却できる

共有不動産における自分の共有持分は、他の共有者の同意なしで売却できます。民法第206条にて、「所有者は法律の範囲でなら、自分の所有物の使用・収益化・処分を自由にできる」と定められているのが根拠です。

(所有権の内容)
第二百六条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
e-Gov法令検索 民法

とはいえ周囲に隠したまま売却してしまうと、他の共有者との人間関係の悪化や、第三者と共有者の間のトラブルなどが発生するリスクがあります。そのため自分の共有持分を売却する場合でも、他の共有者へ事前に話を通しておくのが一般的です。なお、あくまで一般的なケースであり、隠したまま共有持分を売却する人も存在します。

共有持分の売却相場は低めな傾向にある

共有持分だけを売る場合だと、同じ面積や立地場所の不動産と比較して売却相場が低めになる傾向にあります。売却先ごとの売却相場は次の通りです。

共有持分の
売却先
売却相場
他の共有者 不動産の市場価格×持分割合
仲介・買取業者に依頼 不動産の市場価格×持分割合×1/2~1/3

他の共有者が買い取るときは、他の共有者にとっても「活用できる面積が増える」「共有不動産における権利が大きくなる」といったメリットがあるため、比較的高額で売却できます。たとえば5,000万円の共有不動産で共有持分割合が30%なら、1,500万円が相場になります。

しかし仲介・買取を利用して売却したときは、不動産の市場価格×共有持分割合からさらに1/2~1/3まで相場が下がるのが一般的です。以下の理由で共有持分は、不動産市場からの需要が低いからです。

  • 他の共有者の同意がなければ、共有不動産全体にかかわる大規模な増改築、造成、売却ができない
  • 共有不動産の使用方法や利用範囲について、他の共有者とトラブルになる可能性がある(1人に占有されるなど)
  • 共有不動産の維持管理費、租税公課、家賃収入などの分配が必要になる
  • 相続が発生するとさらに共有持分が分割される

ただしあくまで相場であるため、売却先や契約内容などによって、実際の売却価格は変動します。

不動産を単独名義にしてから売却すると売却価格が上がる

共有不動産を単独名義にしてから売却すると、売却価格が上がります。単独名義なら共有持分のリスクがほぼなくなり、活用や処分が所有者の自由になるからです。共有不動産を単独名義扱いおよび単独名義とほぼ同じ扱いで売却する方法は次の通りです。

  • 共有不動産が土地なら、それぞれの共有持分割合を分筆して権利者ごとの単独名義にする(現物分割)
  • 他の共有者の共有持分をすべて買い取って単独所有にする(代償分割)
  • 1つの不動産扱いとして、共有者全員が同じ相手に共有持分を売却する(換価分割)

上記の方法は「共有物分割請求」にて、他の共有者と話し合いながら進められます。とはいえ他の共有者と話がこじれると、売却まで時間がかかる可能性が高くなります。ケースによっては、共有物分割請求訴訟に発展するかもしれません。

共有不動産を単独名義にして売却したいときは、他の共有者との関係性や交渉内容なども重要になるでしょう。「話し合いが難しそう」「これ以上他の共有者とかかわらずにさっさと手放したい」という場合は、共有持分単体での売却を検討してください。

不動産の買取・仲介は何が違う?共有持分を売却する仕組みを解説

共有持分を売却するには、主に「不動産の買取業者に依頼する方法(不動産買取)」と「不動産会社に仲介をお願いする方法(不動産仲介)」の2つに分かれます。

不動産買取とは「買取業者が直接買い取ってくれる」

不動産買取とは、不動産会社が買取業者となって顧客の不動産を直接買い取る方法です。不動産会社側の査定額に納得できれば、共有持分でもすぐに売却できます。

買取業者側は、買い取った不動産をリフォームして賃貸にしたり転売して売却益を得たりして収益を得ます。多少状態が悪い不動産でも自社のノウハウやパイプを駆使して運用・売却することを前提にしているため、不動産仲介より不動産買取のほうが売却しやすいのが一般的です。

なかには市場の価格相場が低めの「訳あり物件」を、積極的に買い取る買取業者も存在します。たとえば弊社「株式会社クランピーリアルエステート」は、共有持分、相続不動産、事故物件、再建築不可物件などを専門に買取をおこなっています。

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不動産仲介とは「不動産会社が売主と買主と仲介する」

不動産仲介とは、不動産会社が仲介業者となって、売主と買主の売買を成立させる売買方法です。

不動産会社は売主の依頼を受け、不動産の調査・査定をおこないます。その後、不動産情報を第三者へ公開したり営業で売主の不動産を紹介したりして売主と買主をマッチングさせ、売買契約条件の調整、売買契約書の作成、双方のコミュニケーション、内覧希望の対応、引き渡しなどをサポートします。

売買契約の成立をもって、売主・買主の一方または両方から、仲介手数料をもらって利益を得るのが、不動産仲介のビジネスモデルです。もしコンサルティング料金といった仲介手数料以外の不明瞭な料金を請求されたときは、契約内容を確認して不当な請求でないかを確認しましょう。

個人が不動産売買をするときは、不動産仲介を利用するのが一般的です。売却価格は、買主側のニーズや買主の人数などにも大きく左右されます。

【迅速かつ円滑】共有持分を買取業者へ売却するメリット

共有持分を不動産の買取業者へ売却するメリットは、以下のとおりです。

  • 直接買い取ってくれるから確実に売れて現金化が早い
  • 契約不適合責任免責が付いている
  • 仲介手数料がかからない
  • 周囲の人に知られずに売却しやすい

それぞれの詳細を見ていきましょう。

直接買い取ってくれるから確実に売れて現金化が早い

買取業者はこちら側の共有持分を直接買い取ってくれるため、不動産仲介のように買主を探す必要がありません。買取業者が買取の意思を見せれば確実に売却できるうえに、売却までのタイムラグが少なくすぐに現金化できます。数週間~1か月、早ければ3営業日程度で売却できるでしょう。

一方、仲介業者に依頼した場合は買主が一般人となるため、買主が見つからない限り売却までに時間がかかることが多くなります。設定金額や立地条件によっては、買主が現れない恐れもあるでしょう。売却したいのに売却できない状態が続くのは、売主にとってもっとも避けたい事態です。

確実に不動産を売却したい場合や、現金化を急ぐ事情がある場合は、買取業者に依頼したほうがよいでしょう。

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契約不適合責任免責が付いている

買取業者と結ぶ不動産の売買契約には、契約不適合責任免責が付いているケースがほとんどです。契約不適合責任免責とは、不動産売却後の保証に関する売主側の責任を免除する特約です。

本来、売主は契約不適合責任を負う必要があります。契約不適合責任とは、購入した不動産に契約内容と著しく異なる部分が見つかったとき、買主が売主に各種対応を請求できる権利です。契約と適合しない部分について、売主は修繕、代金減額、損害賠償請求、契約解除などの対応を求められます。

売主に騙す意思がなくても、後から何かしらの瑕疵が見つかれば売主は対応せざる得ません。しかし、契約不適合責任免責の特約を結んでいれば、売主は契約不適合責任を負わずに済みます。買取業者への売却なら、後から瑕疵が見つかって責任追及されるリスクを大幅に下げられます。

関連記事
契約不適合責任と瑕疵担保責任の違いをわかりやすく解説!売却時の注意点なども説明

仲介手数料がかからない

買取業者への売却には仲介が一切発生せず、仲介手数料が一切かからないメリットがあります。不動産仲介の仲介手数料は売却価格の大きさによって変わり、売却価格200万円でも10万円を超えるほど高額です。買取業者への売却なら、数十万~数百万の仲介手数料を支払わずに売却できます。

仲介手数料の金額については、仲介手数料がかかるにて詳しく解説します。

周囲の人に知られずに売却しやすい

共有持分を売却しようとしていることが、周囲の人に伝わらないのも、買取業者を利用するメリットです。買取業者に依頼した場合、売主と業者の直接交渉・契約となるためです。近隣住民や他の共有者からの余計な詮索や、無用なトラブルを避けやすくなるでしょう。

誰にも知られずに共有持分を売却したい場合は、買取業者を利用するのがおすすめです。

【売却金額の下落に注意】共有持分を買取業者へ売却するデメリット

買取業者への共有持分売却ならメリットが多い反面、仲介業者と比べて売却価格が低くなりやすいというデメリットが存在します。

買取業者は「購入した不動産を運用・売却して儲ける」というビジネスモデル上、仕入れ値と売値の値幅が大きいほど利益を得やすくなります。そのため、適切な査定をしつつ買取価格を抑えたいという心理が働くのが一般的です。

もし買取業者を利用して共有持分を買い取ってもらう場合は、事前に不動産の相場を把握しておき、提示価格が相場から著しく低くないかを確認しましょう。あまりに低いようなら、買取価格を交渉する必要があります。

こちらの想定売却価格と、業者が提示する買取価格の差が埋まらないようであれば、他の買取業者を利用することも検討すべきでしょう。

買取業者の選び方については、共有持分の売却で利用する仲介業者・買取業者の選び方にて解説しています。

【高額売却】共有持分を仲介で売却するメリット

不動産の買取業者ではなく、不動産仲介によって共有持分を売却する場合には、次のメリットがあります。

  • 相場以上の高額売却ができる可能性がある
  • 売却後に他の共有者とのトラブルになる可能性が少ない
  • 買取業者のように一方的な意見ではなく購入希望者から意見を聞ける

それぞれの詳細を見ていきましょう。

相場以上の高額売却ができる可能性がある

不動産仲介なら売却価格を決めるのは最終的に売主と買主であるため、買主が高額買取してくれたり複数の買主によるオークション状態になったりすると、共有持分でも相場以上の金額で売れる可能性があります。

加えて仲介業者の仕組み自体も、高額売却できる要因の1つです。仲介業者は仲介手数料が利益となるため、基本的には売却価格に比例して高くなる仕組みだからです。仲介業者にとっても、できるだけ高値で売却できたほうが得になります。また仲介業者は、持分を最高値で購入してくれる買主を探してくれます。

共有持分の売却に仲介を選択した場合、高い金額で売れるほど売主にも仲介業者にもメリットがあるのです。

売却後に他の共有者とのトラブルになる可能性が少ない

仲介業者を利用した場合、不動産の売却後に他の共有者との間でトラブルが起こりにくくなります。売買契約が締結された後に、買主と他の共有者との間で無理な交渉が行われることがないためです。

仲介業者は売主と買主を文字通り仲介するのが役目であり、仲介手数料によってビジネスが成立しています。つまり、買主が見つかり契約がまとまった後に、共有持分のほかの共有者と交渉する必要がありません。
また仲介業者を利用する場合、売却のために必要な手続きや、契約に必要な書類の作成などは仲介業者に任せられるのがメリットです。売主が手続き内容を調べたり、契約書類を準備したりする必要がありません。ただし仲介業者だからといってトラブルが絶対に発生しないというわけではないので、仲介業者の実績や評判は必ず確認しておきましょう。

買取業者のように一方的な意見ではなく購入希望者から意見を聞ける

不動産仲介を利用する場合、共有不動産の内覧を通じて購入希望者から直接意見を聞けるメリットがあります。

買取業者への売却だと買取業者の一方的な意見しか聞けないため、言われるがままに査定を受け入れてしまう人も出てきてしまいます。購入検討者からの意見を確認できれば、より高額で売却するための工夫や現状の問題点などを把握しやすくなるでしょう。

【時間・費用大】共有持分を仲介で売却するデメリット

高額売却なら不動産仲介のほうが向いている反面、不動産仲介はかかる時間・費用が大きくなりやすいデメリットがあります。共有持分を仲介で売却するデメリットは次の通りです。

  • 売却まで時間がかかる・買主が見つからない可能性がある
  • 仲介手数料がかかる
  • 近隣住民や他の共有者に売却途中でバレる可能性がある

売却まで時間がかかる・買主が見つからない可能性がある

買主が見つからない可能性があるのが、共有持分の売却を仲介業者に依頼するデメリットです。

仲介業者は、よい条件で物件を購入してくれる買主を探すのに時間がかかる可能性があります。また、買主が見つかっても購入資金の準備に時間が必要になるケースもあります。そのため、仲介によって不動産を売却する場合、買取と比較して時間がかかりやすくなるのです。

一般的には、売却を依頼してから売却契約の締結まで数か月、遅いと半年〜1年以上かかります。

また、仲介で共有持分を購入するには投資家や投資法人が多くなります。そのため、共有持分が収益化しにくい不動産だった場合、購入してもらえない恐れがあります。

できるだけ早く売却したい場合は、仲介ではなく買取を選択したほうがよいでしょう。

仲介手数料がかかる

仲介手数料が発生するのも、共有持分の売却に仲介業者を利用するデメリットです。仲介業者を利用する場合、法的手続きや契約書作成の代行を委託できる代わりに、仲介手数料を支払うのが一般的です。

仲介手数料の具体的な金額は、仲介業者によって異なるため、一概にはいえません。しかし、仲介手数料の上限金額は、宅地建物取引業法で以下のように定められています。

 
取引物件価格(税抜) 仲介手数料の上限額
400万円を超える部分 取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税
200万円を超えて400万円以下の部分 取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税
200万円以下の部分 取引物件価格(税抜)×5%+消費税

参考:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ
参考:e-Gov法令検索「宅地建物取引業法

仮に、売却価格が2,000万円の場合と4,000万円の場合の仲介手数料の上限額は以下のようになります。

  • 売却価格2,000万円:仲介手数料72万6,000円
  • 売却価格4,000万円:仲介手数料138万6,000円

このように、仲介手数料だけでも高額になりやすい点は理解しておきましょう。

近隣住民や他の共有者に売却途中でバレる可能性がある

不動産仲介による売却だと、近隣住民や他の共有者に売却途中でバレる可能性があります。

不動産仲介を利用する場合、より広く物件情報を届けるために、不動産売却の広告がインターネット・情報誌に掲載されるケースがあります。もし近所の人の広告を見られると、「何かトラブルがあったのでは」「無断で広告に載せられているのでは」といった誤解を招くかもしれません。

仮に他の共有者に共有持分の売却を秘密にしていると、その広告を目にした共有者に売却しようとしていることが知られる恐れがあります。共有持分の売却をよく思わない共有者だと、妨害行為や嫌がらせを始める可能性もあるでしょう。

関連記事
共有持分を内緒で売却したい時のガイド!共有者と揉めずに売却するための対策も解説

共有持分を買取・仲介のどちらがおすすめ?ケース別に解説

共有持分の売却に買取・仲介のどちらを選べばよいかは、共有不動産の状態と売主個別の状況によって変わります。買取・仲介のどちらがよいかの判断は、一般的に次のケースに分けられます。

 
買取 仲介
向いているケース ・できるだけ早く現金化が必要な場合
・近隣住民に売却に出していることを知られたくない場合
・多少時間がかかってもよいので、できるだけ高額で売却したい場合

それぞれ詳細を見ていきましょう。

共有持分の売却に買取がおすすめな場合

不動産買取なら不動産会社が提示する査定価格に納得できればすぐに売却できるため、できるだけ早く共有持分を売却して現金化したい場合におすすめの方法です。また不動産買取なら不動産売却の広告が打たれることがなくなり、近隣の住民や他の共有持分の所有者に秘密にしたまま売却を進めやすいのもメリットです。

「一刻も早く売却して共有不動産の管理から離れたい」「他の共有者が苦手だからなるべくかかわらず売却したい」という人は、不動産買取のほうが向いていると言えるでしょう。

共有持分の売却に仲介をおすすめする人

不動産仲介は買取と比較して売却価格が高くなりやすいメリットがあるため、できるだけ高値で共有持分を売却したい場合におすすめの方法です。

ただし、売却価格が大きくなるほど仲介手数料の金額も大きくなることも忘れないようにしましょう。また、不動産仲介でも売却相手によっては、共有者とトラブルを起こす可能性がゼロではありません。売買契約を締結する前に、購入者の情報も調べておくのがおすすめです。

【番外】他の共有者に売れないか打診してみるのも手

不動産買取・仲介は、どちらも共有持分を第三者に売却することを前提としてます。もし他の共有者が自分の共有持分の買取に前向きなら、共有持分を他の共有者に売れないか打診してみましょう。他の共有者に売却するメリットは次の通りです。

  • 第三者へ売却するよりも高額で売れる可能性が高い
  • 無断の出入り、家賃請求といった第三者絡みのトラブルが起こらない
  • 共有不動産の名義がもともと2人なら、売却相手の単独名義になり共有者側にもメリットが大きい

共有持分を仲介・買取で売却する流れ

共有持分を仲介や買取で売却する方法やメリット、デメリットについて解説してきました。どちらの方法を選択するべきか決まりつつある場合、次に気になるのが具体的な売却の流れでしょう。

そこで共有持分を仲介・買取で売却する流れについて解説します。具体的な流れは以下のとおりです。

  • 共有持分の買取相場を把握する
  • 査定を依頼する
  • 必要書類・費用を準備する
  • 契約を締結する
  • 決済・登記を行う
  • 確定申告・譲渡所得税の納税を行う

それぞれ詳しく解説します。

共有持分の買取相場を把握する

共有持分の売却の下準備として、買取相場を把握します。

共有持分を仲介で売却する場合、売主が売却価格を設定します。売却相場を知らなければ、安い価格で売却してしまう、高すぎて買主が見つからないといったトラブルになるかもしれません。

買取で売却する場合は売却価格を設定する必要はありませんが、買取業者の提示金額が相場からかけ離れいるか否かの判断ができるようになります。提示金額によっては価格交渉が発生する可能性があるため、ある程度の相場観を把握しておく必要があります。

共有不動産がある周辺エリアの買取価格の相場は、売却前にしっかりと調べておきましょう。

不動産価格や売出価格を調べる方法としては、国土交通省が運営する土地情報システムやレインズ・マーケット・インフォメーション、不動産査定サイトを利用すればおおよその相場観を把握できます。所有する不動産の最寄り駅や広さ、築年数など、似たような物件を探して販売価格を参考にする方法もあります。

査定を依頼する

不動産価格の相場が把握できたら、不動産会社に査定を依頼します。

査定時に重要になるのが、複数の不動産会社への査定依頼をお願いすることです。複数の不動産会社に査定を依頼して比較検討すれば、平均的な相場価格を把握できるほか、高い査定金額や質のよいサービスの不動産会社かどうかを見極めやすくなります。

また、査定依頼後の対応のよさや態度にも注目するのがおすすめです。対応のよい不動産会社であれば、トラブルなく売却を依頼できる可能性が高いでしょう。

必要書類・費用を準備する

不動産の査定が完了したら、売却や契約に必要な書類や費用を準備します。

買取・仲介にかかわらず、共有持分の売買に必要な書類は以下のとおりです。

 
必要書類 取得場所
登記済権利証(登記識別情報通知) ・土地を購入した際に入手して保有している書類
土地測量図・境界確認書(土地が含まれている場合) ・土地測量図は手元になければ法務局で取得可能
・境界確認書は不動取得時に測量図面一式の中に含まれている
・マンション売却の場合はいずれも不要
固定資産税納付通知書 ・毎年自宅に送付される
・紛失した場合は管轄の役所で「固定資産税評価証明書」の交付を受ければ代用可能
印鑑証明書 ・市区町村役場の窓口
住民票 ・市区町村役場の窓口
実印
身分証明書 ・運転免許証、パスポートなど
収入印紙 ・郵便局のほか、法務局やコンビニエンスストアなどで購入可能
・金額は売却価格によって異なる

また、不動産の売却契約が締結される際に発生する費用は以下のとおりです。

 
費用 目安の金額
印紙税 ・印紙税額は不動産の売却価格によって異なる
・例えば売却価格が1,000万円超5,000万円以下の場合、1万円の収入印紙が必要
※2024年5月時点の金額、2027年(令和9年)3月31日まで軽減税率が適用
登録免許税 ・不動産登記を行う際にかかる国税
・課税額は不動産1個あたり1,000円
仲介手数料(仲介の場合) ・共有持分を仲介によって売却する場合に発生
・仲介手数料は「売却価格×3%+6万円」を上限金額とすることが法律によって定められている
司法書士への報酬(手続きの代行を依頼した場合) ・抵当権抹消登記の手続きを司法書士に委託する場合に発生する報酬
・5,000円から1万円程度が相場となるが、委託先によって金額が異なる

契約を締結する

不動産会社からの査定金額に納得し、必要書類の準備ができたら、売買契約を締結します。

契約締結の際、契約書を不動産会社が作成する場合は、売主にとって不利益な内容や条件が記載されていないか確認しなければなりません。契約書を自身で作成する場合も、内容に不備がないか、法的な誤りがないかを確認する必要があります。とくに共有持分の売却は一般的な不動産にはないトラブルが想定されるため、リーガルチェックを怠ると大きな不利益を被る可能性が高くなるでしょう。

しっかり確認したい場合は、税理士や弁護士などの専門家にチェックしてもらうことをおすすめします。

決済・登記を行う

買い手との売買契約が締結したら、売却価格の決済を行いましょう。

決済方法は銀行口座への振込となるケースがほとんどですが、なかには契約日当日に現金手渡しで決済が行われるケースもあります。

決済が完了したら、次におこなうのは共有持分の所有権移転登記手続きです。一般的には司法書士に登記を依頼し、その司法書士が管轄の法務局に出向いて手続きを行います。

手続きが完了すれば、売却に関する手続きは完了します。

確定申告・譲渡所得税の納税を行う

共有持分の売却が完了した後は、確定申告と所得税の納税が必要です。

確定申告は売却が完了した年の翌年の2月16日から3月15日までの間に行います。なお、共有持分の売却によって発生する可能性がある税金は、譲渡所得税です。

譲渡所得税とは、譲渡所得が発生した場合に課せられる税金のことです。

土地や建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡(売却)することで発生する所得を譲渡所得と言います。ただし、事業用商品といった棚卸資産や、山林などの譲渡による所得は譲渡所得にはなりません。

譲渡所得と譲渡所得税の計算方法は以下のとおりです。

譲渡所得=共有持分の売却金額-取得費用-売却費用
譲渡所得税額=譲渡所得×税率(所有期間5年未満は39.63%、5年超は20.315%)

なお、共有持分の対象となる物件に住んでいた場合、居住用財産と見なされ最大3,000万円までの控除が適用されます。そのため、共有持分を売却した際に売却益が3,000万円を超えなければ、譲渡所得税が発生することはほとんどありません。

共有持分の売却で利用する仲介業者・買取業者の選び方

共有持分の売却を望む場合、仲介業者もしくは買取業者を選ぶ必要があります。ただし、後からトラブルに巻き込まれるケースもあるため、業者は慎重に選ばなければなりません。

ここでは、共有持分の売却で利用する業者の選び方を紹介します。具体的には、以下のポイントを押さえて業者を選びましょう。

  • 仲介・買取実績が豊富にあるか
  • 円滑なコミュニケーションが可能か
  • 弁護士などの士業と連携しているか

それぞれ詳しく解説します。

仲介・買取実績が豊富にあるか

共有持分の売却に利用する業者は、仲介・買取の実績が豊富な業者を選択しましょう。実績が多い業者ほど、売却の豊富なノウハウが蓄積されているからです。また、実績が多い業者は資金力が高いケースが多いため、買取業者の場合は早く高値で売却できる可能性が高いでしょう。

一方、実績が少ない不動産会社に依頼すると、売却までに時間がかかったり、高値で売却できなかったりする可能性があります。もし共有持分の買取に慣れていない業者を利用した場合、他の共有者の持分を買い取ろうと強引な交渉を行う可能性があり、売却後のトラブルに発展する可能性が高まります。

共有持分の売却時には、業者のWebサイトでこれまでの実績を確認し、実績が豊富な業者を選ぶようにしましょう。

共有不動産がある地域での買取実績があるか

依頼予定の買取業者に、共有不動産が所在する地域での買取実績があるかも見ておきましょう。地域関係の実績が豊富にあれば、地域ごとの特殊な事情に基づいた適切な査定と買取が期待できます。不動産の市場価格は地域ごとに大きく異なるため、地域性のある買取業者か否かは重要な判断基準の1つです。

円滑なコミュニケーションが可能か

共有持分を売却する場合は、コミュニケーションが取りやすい業者を選択するようにしましょう。共有持分に関する些細な相談でもできる業者でなければ、安心して売却を進められなくなってしまいます。

共有持分の売却は、初めて経験する人がほとんどです。そのため一般的な不動産の売却と比較して、わからないことが数多く発生することも珍しくありません。そのため、不明点を相談しやすい業者を選択したほうがよいでしょう。

コミュニケーションが取りやすい業者もしくは担当者を見極めるには、以下のポイントを意識することが大切です。

  • レスポンスの早さ
  • 質問した内容を調べてから回答してくれる
  • ネガティブなことも正直に話してくれる

このような特徴がある業者・担当者は信頼しやすく、コミュニケーションが取りやすいといえるでしょう。

弁護士などの士業と連携しているか

共有持分を売却する際に利用する業者は、司法書士や弁護士といった士業と提携している業者を選択するのがおすすめです。

万が一、共有者間でトラブルが発生した場合でも、弁護士と提携していれば対応しやすいためです。

共有持分の売却はトラブルに発展する可能性があります。売主のほかに共有者が存在するからです。仮に、共有持分の売却ができたとしても、その後に他の共有者との話し合いがまとまらなければ、最悪の場合裁判に発展する恐れもあります。

弁護士と提携している業者であれば、トラブルが発生しても対応しやすくなるほか、すでにトラブルが発生している共有持分であっても買い取ってもらいやすくなります。

たとえば弊社「株式会社クランピーリアルエステート」は、弁護士を含む全国1,500以上の士業事務所と提携済みです。共有持分に関する問題から共有者同士のトラブルなども、法的知識を持って適切に対処できます。

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共有持分を高値で売却するコツ

共有持分はその特殊性から、高値での売却が難しいと言われています。少しでも高値で売却したい場合は、以下のコツを押さえておくとよいでしょう。

  • 事前に共有持分の買取相場を把握しておく
  • 複数の業者に見積もりを依頼する
  • 他の共有者との新たなトラブルを起こさない
  • 利用予定の業者の口コミや評判を確認する

それぞれ詳しく解説します。

事前に共有持分の買取相場を把握しておく

共有持分を高値で売却したい場合は、事前に買取相場を把握しておくことが大切です。大まかな目安として買取相場を把握しておくことで、共有持分を不当に安い金額で買い叩かれるのを防げるからです。

とくに買取での売却を目指す場合、買取業者は共有持分を少しでも安く入手しようとします。買値が安いほど、買取業者の利益が多くなるからです。安すぎる金額で売却しないためにも、相場感を把握したうえで業者から提示される買取金額を確認し、必要に応じて価格交渉を行いましょう。

買取相場の把握方法は、共有持分の買取相場を把握するにて詳細を解説しています。

複数の業者に見積もりを依頼する

共有持分を少しでも高値で売却したい場合は、複数の業者に見積もりを依頼することが大切です。複数業者に見積もりを依頼することで、売却金額が高い業者を見極められるためです。

また、業者の対応の良さや相性などを比較できるため、スムーズに売却を進められる業者を見つけやすくなるでしょう。逆に1つの業者だけに見積もりを依頼した場合、他の業者のことがわからないため、よい業者に出会えない可能性もあります。複数の業者に見積もりを依頼して、条件の良い業者を見つけられるようにしましょう。

ただし、たくさんの業者に見積もり依頼を出しすぎても、連絡が疎かになるなど対応しきれないケースもあるため、見積もり依頼を出すのは3社程度に留めることをおすすめします。

他の共有者との新たなトラブルを起こさない

共有持分を高値で売却したい場合は、他の共有者と新たなトラブルを起こさないようにしましょう。

トラブルのリスクが低いほど、高値で売却できる可能性が高まるためです。

共有持分の売却価格が高値になる基本的な条件として、共有者が2名~3名程度と少なく、それぞれの関係が良好であることが挙げられます。

このような場合は利権関係が分かりやすく、一部分を買い取った後の話し合いもスムーズに進みやすいといえます。不動産会社にとっても物件の再販や運用がやりやすく、メリットが大きいため、査定額が高くなりやすいのです。

共有持分の売却を希望している時点で、他の共有者とのトラブルが起こっている場合、それ以上トラブルを大きくしないことが大切です。

トラブルが激化した場合、専門業者でも関与するのが難しくなることがあり、査定額が低くなったり、物件の買取が困難になったりする恐れもあります。

他の共有者との関係性を、今以上に悪化させないようにしましょう。

利用予定の業者の口コミや評判を確認する

インターネットなどで、利用予定の不動産会社の口コミや評判は確認しておきましょう。実際にサービスを利用した人の実体験は、会社のホームページや担当者の説明だけではわからないさまざまな情報を得られます。ただし、口コミ・評判を書き込んでいる側に問題があるケースもあるため、できる限り多くの口コミ・評判を確認して判断することが大切です。

まとめ

共有持分を売却する方法には仲介と買取があり、それぞれメリットとデメリットがあります。状況に応じて依頼する業者を使い分けることが大切です。1つの参考意見として、スムーズかつ迅速に売却したいときは買取、高額売却や買取業者とのトラブルを避けたいときは仲介を選ぶのがおすすめです。

売却を依頼する業者は、実績が豊富でコミュニケーションが取りやすい業者を選ぶようにしましょう。他の共有者とのトラブルに対応しやすくするために、弁護士などと連携している業者を選ぶことも大切です。

共有持分の売却を検討している場合は、本記事を参考に仲介か買取のどちらを利用するか考えてみてください。

弊社「株式会社クランピーリアルエステート」なら、共有持分の豊富な買取実績や弁護士と連携した法律に強い売却が可能です。「相続が絡んでいる共有持分」「他の業者には断られて共有不動産」などの扱いが難しい訳あり物件でも、弊社ならいつでも査定・買取できます。全国対応であるため、都市部・郊外に関係なく買取対応いたします。

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